営業未経験の職務経歴書は実績欄が空欄?前職の数字を営業の指標に翻訳
この記事の結論
営業未経験の職務経歴書は、営業実績の代わりに前職の対応件数・処理件数・改善の効果を、営業の指標に翻訳して書きます。事務なら処理件数と正確性、エンジニアなら顧客折衝の回数、公務員・教員なら説明と調整の相手の数、看護師なら症例と使用機器が、そのまま【実績・成果】の行になります。見積 年1,440件・期限内処理率99.5%(記入例)のように量と質を組にすると、売上目標を持った経験がなくても再現性が読めます。
この記事は営業の数字がない職歴を、前職の対人対応量・処理量・改善の効果で書き切ることを決めきるためのものです。職務要約から自己PRまでの全体の型、実績指標の対応表、数字で示せる実績がない場合の書き方、社名や売上を書いてよいかの判断は、営業職の職務経歴書にまとめています。様式そのものを探している方は、そちらの入力フォームからそのまま作れます。
入力フォームへ営業未経験(異職種から営業へ)とは(職務経歴書での扱い)
営業未経験とは、これまで営業職に就いたことがなく、売上目標を持って数字を追った経験がないまま営業職に応募する状態です。職務経歴書で手が止まるのは、【実績・成果】の欄に書ける売上も達成率も順位も無く、営業職向けの様式に自分の職歴が当てはまらないところです。売れた金額を書く欄しか用意されていないように見えるため、欄そのものを空けたまま提出してしまう人が少なくありません。
本記事は、事務・営業事務、エンジニア・技術職、公務員・教員・自衛官、看護師や薬剤師などの医療職、介護・福祉職から営業職へ応募する人を対象にします。店舗での販売・接客・飲食から営業へ移る場合は、個人売上・客単価・リピート率という店舗固有の数字を持っていて翻訳の仕方が変わるため、販売・接客から営業への職務経歴書で扱います。営業職に配属されて1〜2年の人は未経験ではなく経験の浅い層なので、第二新卒・20代の営業の職務経歴書が近い内容になります。履歴書側の志望動機と自己PRの欄に何を書くかは営業未経験の履歴書で扱い、本記事は職務経歴書の各欄だけを対象にします。
求人票の「未経験」には、職種未経験(営業をしたことがない)と業界未経験(営業経験はあるが商材と業界が違う)の2つがあります。本記事が扱うのは職種未経験のほうです。営業経験があって業界だけが変わる場合は、実績の書き方は経験者と同じで、商材と顧客の説明を応募先の言葉に置き換えれば足ります。
職務経歴書の完成記入例(営業事務から法人営業へ)
先に完成形を示します。産業機械メーカーの営業管理部で営業事務を5年務めた人が、同じ業界の法人営業に応募する例です。数値はすべて記入例で、件数と金額、率と分母が割り切れるようにそろえています。
記入例
職務要約
産業機械メーカーの営業管理部で5年間、営業事務として見積作成・受発注処理と顧客対応を担当してきました。担当営業6名(年間受注額の合計4億8,000万円)を支援し、直近1年は見積1,440件・受発注2,400件を期限内処理率99.5%で処理しています(記入例)。顧客からの問い合わせ年3,600件のうち80.0%は営業に引き継がずに自分で完結させ、納期調整の場で代替品を提案して36件・1,080万円の受注につなげました(記入例)。製品と顧客を理解したうえで、支援する側から自分の提案で数字をつくる側へ移りたく、法人営業に応募します。
職務経歴
株式会社〇〇〇〇(産業機械の製造・販売/従業員約300名) ○○○○年○月〜現在 営業管理部(記入例)
- 【所属】営業管理部 営業事務(部内5名)。担当する営業6名の案件を一貫して支援(記入例)
- 【営業対象】社外:製造業(食品・自動車部品・化学)の購買・生産技術の担当者。年商10億〜300億円規模の既存取引先 約120社/社内:法人営業6名(記入例)
- 【商材】産業機械〇〇装置(1台300万〜2,000万円)と、消耗品・保守部品(1件3万〜50万円)(記入例)
- 【営業手法】顧客からの電話・メールでの受注対応(月平均200件)、既存顧客への消耗品・保守部品の案内(月20社)、営業同行 年24回(月平均2回。展示会での製品説明を含む)(記入例)
- 【実績・成果】(直近1年・すべて記入例)
- 見積書作成 年1,440件(月平均120件)、受発注処理 年2,400件(月平均200件)、期限内処理率 99.5%(記入例)
- 担当営業6名(年間受注額の合計4億8,000万円/1名あたり平均8,000万円)の案件を支援(記入例)
- 顧客からの問い合わせ 年3,600件(月平均300件)。うち2,880件(80.0%)は営業に引き継がず自分で回答まで完結(記入例)
- 納期調整・在庫確認の折衝 年600件(月平均50件)。うち欠品時に代替品を提案して受注に至った案件 36件・1,080万円(1件平均30万円)(記入例)
- 見積の単価表とテンプレートを整備し、1件あたりの作成時間を平均18分から12分へ短縮(33.3%短縮)。年1,440件で年間144時間を削減(記入例)
- 削減した時間を既存顧客への消耗品・保守部品の案内(月20社)に振り向け、年間で追加受注 48件・720万円(1件平均15万円)(記入例)
- 提案資料の作成補助 年60件(月平均5件)、週次の受注予測と月次の売上実績の集計を担当(記入例)
- 社内表彰:年間MVP(業務改善部門)1回(対象 管理部門45名)(記入例)
活かせる経験・知識・スキル
- 産業機械〇〇装置の型式・仕様と、消耗品・保守部品の知識(見積 年1,440件・記入例)
- 製造業の購買・生産技術の担当者への電話・メール対応(年3,600件、うち80.0%を自己完結・記入例)
- 欠品・納期遅延時の代替案の提示と、社内(生産・購買)との調整(年600件・記入例)
- 見積作成と単価計算(SFA・基幹システムへの登録、表計算ソフトの関数とピボットテーブル)
- 営業6名の案件進捗の管理と、週次の受注予測の集計(記入例)
資格
- 普通自動車第一種運転免許(○○○○年○月 取得)
- 日商簿記検定2級(○○○○年○月 合格)
記入例の数字は、行の中で検算できるようにそろえています。見積1,440件÷12か月=月120件、受発注2,400件÷12か月=月200件、2,880件÷3,600件=80.0%、代替品の提案36件×平均30万円=1,080万円、削減6分×1,440件=8,640分=144時間という関係です(いずれも記入例)。営業の実績がない分、書いた数字の整合は経験者以上に見られます。
職務経歴書は、履歴書では書ききれない具体的な職務内容と実績を伝える書類だと、ハローワークインターネットサービスの「履歴書・職務経歴書の書き方」でも位置づけられています。営業未経験でいう「具体的」とは、営業に似た仕事を探して盛ることではなく、前職で実際に数えられていた量を、そのままの単位で書くことです。職務要約の組み立て方そのものは営業職の職務経歴書の書き方にまとめています。
前職の実績は、営業のどの指標に翻訳できるか
営業の指標は「量(件数)×質(率)×金額」の3層でできているため、前職の対応件数を量に、正確性や完結率を質に、支援した売上や削減した工数を金額に対応させます。営業経験者の書類が読まれるとき、採用側が見ているのは売上額そのものではなく、その売上を生んだ行動の量と、行動が結果に変わる率です。前職に売上が無くても、量と率にあたる数字は前職の側にも残っています。
翻訳の作業は、新しい言葉を考えることではありません。前職で誰かが数えていた数字を探し、そのまま単位ごと書き写すだけです。日報、月次の報告資料、評価面談のシート、シフト表、引き継ぎ書のどれかに件数が残っていないか、記憶で書き出す前に当たります。記憶だけで書くと数字が丸くなり、面接で聞かれたときに答えられなくなります。
| 出身職種 | 前職で数えられている数字 | 営業の指標としての読まれ方 | 書き方(記入例) |
|---|---|---|---|
| 一般事務・営業事務 | 見積・受発注の処理件数、期限内処理率 | 行動量と正確性 | 見積作成 年1,440件(月平均120件)、期限内処理率99.5% |
| 営業事務(顧客と直接の接点あり) | 問い合わせ対応件数、支援した営業の人数と受注額 | 顧客折衝の量と、支えた商圏の規模 | 担当営業6名(年間受注額の合計4億8,000万円)を支援、問い合わせ年3,600件のうち80.0%を自己完結 |
| エンジニア・技術職 | 顧客折衝の回数と相手、提案書・見積の作成件数、同行件数 | 商談での役割と、技術を売り言葉に直す力 | 顧客の情報システム部門との要件定義 12案件、営業同行での技術説明 年30回 |
| 公務員(自治体) | 窓口・電話の対応件数、予算執行額、調整した部署数 | 対人対応量と、多者の合意形成 | 窓口・電話での住民対応 年4,800件(月平均400件)、関係5課との協議を要する制度改正 2件 |
| 教員 | 担任の生徒数、保護者面談の件数、進路相談の件数 | 説明力と、長期の関係維持 | 担任学級40名、保護者面談 年120件(1名あたり年3回)、進路相談 年200件 |
| 自衛官 | 班・部隊の人数、教育訓練の回数と人数 | 組織の運営と、人を動かす経験 | 班員12名の指導、新入隊員教育 年3期・計90名(1期30名) |
| 看護師・医療職 | 診療科と年数、症例・処置の件数、使用してきた機器 | 商材知識と、医療従事者との対話の下地 | 急性期病院の手術室で5年、器械出し・外回り 年480件(月平均40件) |
| 介護・福祉職 | 担当利用者数、家族面談の件数、連携先の事業所数 | 継続的な関係維持と、多者の調整 | 担当利用者24名、家族面談 年96件(1名あたり年4回)、居宅介護支援事業所8か所と連携 |
量の行だけを並べると、作業をこなしていた人に見えます。件数の行には、必ず率か改善を組にしてください。「問い合わせ年3,600件」だけなら受け身ですが、「年3,600件のうち80.0%を自分で回答まで完結」なら、判断して片づけた度合いが読めます(いずれも記入例)。率が手元に無ければ、前後の比較(18分→12分・記入例)でも同じ働きをします。
出身職種によって、応募先との相性が最初から高い先があります。エンジニア・技術職から進む場合、技術の説明そのものが商談の中心になる職種があり、指標の立て方は技術営業・セールスエンジニアの職務経歴書で扱っています。公務員として入札や随意契約の発注側に立っていた経験は、自治体を顧客とする営業では相手の予算年度と手続きを知っている材料になり、書き方は官公庁・自治体営業の職務経歴書にまとめています。医療職から進む場合の商材知識の見せ方はMRの職務経歴書と医療機器営業の職務経歴書で扱います。
翻訳するときに一線を越えやすいのが、支援した営業の受注額です。「担当営業6名の年間受注額の合計4億8,000万円」は自分が売った金額ではなく、支えた範囲の大きさを示す数字です(記入例)。自分の実績として書くと、面接で内訳を聞かれた瞬間に崩れます。他人やチームの数字と自分の貢献を分ける書き方はチーム実績しかない営業の職務経歴書で扱っています。
営業事務として、営業担当者のサポート業務を幅広く担当しました。正確かつ迅速な対応を心がけ、社内外から信頼を得ていました。
件数も相手も率も無いため、どれだけの量をさばいてきた人か判断できません。「幅広く」「心がけ」は誰でも書ける語で、同じ職種の応募者と区別がつきません。
担当営業6名(年間受注額の合計4億8,000万円)の案件を支援。見積書作成 年1,440件(月平均120件)、受発注処理 年2,400件、期限内処理率99.5%。顧客からの問い合わせ 年3,600件のうち2,880件(80.0%)は営業に引き継がず自分で回答まで完結(記入例)
量(1,440件・2,400件・3,600件)と質(99.5%・80.0%)が組になり、支えた範囲の大きさ(6名・4億8,000万円)も分かります。2,880件÷3,600件=80.0%と行の中で検算でき、面接でそのまま説明できます(いずれも記入例)。
【所属】から【実績・成果】までの5ブロックは、営業未経験でも埋まるか
5つとも埋まります。【営業対象】を「日常的に相手にしてきた人」、【商材】を「扱ってきた対象」、【営業手法】を「相手に働きかけた手段」に読み替えれば、営業以外の職歴でも欄の意味は成立します。入力フォームの「業務内容と実績・成果」は、【所属】【営業対象】【商材】【営業手法】【実績・成果】の5ブロックを1つの欄へ続けて書く形なので、読み替えの結果をそのままの並びで入れます。
| 欄 | 営業経験者が書くもの | 営業未経験での読み替え | 書き方(記入例) |
|---|---|---|---|
| 【所属】 | 部署・役職・部内の人数 | 前職の部署と役職、担当または支援した人数 | 営業管理部 営業事務(部内5名)。担当する営業6名の案件を支援 |
| 【営業対象】 | 顧客の業種・規模・決裁者 | 日常的に相手にしてきた人。社外か社内かを分けて書く | 社外:製造業の購買・生産技術(年商10億〜300億円規模の既存取引先 約120社)/社内:法人営業6名 |
| 【商材】 | 有形・無形の別と単価帯 | 扱ってきた対象と、1件あたりの重さ | 産業機械〇〇装置(1台300万〜2,000万円)、消耗品・保守部品(1件3万〜50万円) |
| 【営業手法】 | 新規・既存/直販・代理店/反響・訪問 | 相手に働きかけた手段と、その頻度 | 電話・メールでの受注対応(月平均200件)、既存顧客への案内(月20社)、営業同行 年24回 |
| 【実績・成果】 | 売上・目標達成率・順位 | 量(件数)×質(率)×改善(前後の数字) | 見積 年1,440件・期限内処理率99.5%、作成時間 18分→12分(33.3%短縮) |
【営業対象】で社外と社内を分けるのは、対人経験の性質が違うからです。社外の相手は、断ることも他社に切り替えることもできる相手で、社内の相手はそうではありません。営業に近いのは社外の行で、社内の行は調整力の材料になります。両方を1行に混ぜると、どれだけ外部と接してきた人か読めなくなります。
【商材】は、応募先が同じ業界のときに効く欄です。扱ってきた製品の種別と価格帯を書けば、入社初日から製品の話ができる人だと伝わります。自社製品でも型式や商品名がそのまま書けない場合は、「産業機械〇〇装置(1台300万〜2,000万円)」のように種別と価格帯に置き換えます(記入例)。前職が製品を売らない仕事(自治体・学校・病院)であれば、扱ってきた対象を制度・生徒・患者と書き、1件あたりの重さを人数や金額で添えます。
【営業手法】は、受け身に見せないための欄です。届いた依頼をさばいた話だけでなく、自分から働きかけた行(既存顧客への案内 月20社、営業同行 年24回)を必ず1つ入れます(記入例)。営業未経験の書類で最も見られているのは、指示待ちだったのか、自分の判断で相手に接触していたのかの差です。
【営業対象】社内の営業担当者 【商材】特になし(事務のため) 【営業手法】メール・電話での対応
社外との接点が無い人に見え、扱ってきた製品の知識も伝わりません。「特になし」と書いた欄は、そこに書ける経験が本当に無いという意思表示として読まれます。
【営業対象】社外:製造業(食品・自動車部品・化学)の購買・生産技術の担当者。年商10億〜300億円規模の既存取引先 約120社/社内:法人営業6名 【商材】産業機械〇〇装置(1台300万〜2,000万円)、消耗品・保守部品(1件3万〜50万円) 【営業手法】電話・メールでの受注対応(月平均200件)、既存顧客への消耗品・保守部品の案内(月20社)、営業同行 年24回(記入例)
社外の相手の業種・規模・役割が具体的で、製品の価格帯まで書かれています。自分から働きかけた行(月20社への案内、年24回の同行)があるため、支援だけをしていた人とは読まれません(いずれも記入例)。
書ける実績が少なく半ページで終わるとき、どう厚みを出すか
営業に接した経験・数字への関与・業務改善・応募先の商材に近い知識の4つを、実績とは別の行として立てます。行数が足りないと感じるのは、実績を「売った金額」だけで探しているからです。営業の仕事は受注の前後に工程があり、そのどれかに触れた経験は、前職の職種が営業から遠くても見つかります。
| 材料 | 書く欄 | 書き方(記入例) |
|---|---|---|
| 営業への同行・同席 | 【営業手法】 | 営業同行 年24回(月平均2回。展示会での製品説明を含む) |
| 見積・提案資料の作成 | 【実績・成果】 | 見積書作成 年1,440件、提案資料の作成補助 年60件(月平均5件) |
| クレーム・納期の一次対応 | 【実績・成果】 | 納期調整・在庫確認の折衝 年600件、うち代替品の提案で受注 36件・1,080万円 |
| 数字への関与 | 【実績・成果】 | 営業6名の週次の受注予測と、月次の売上実績の集計を担当 |
| 業務改善(前後の数字) | 【実績・成果】 | 見積の作成時間 18分→12分(33.3%短縮)、年1,440件で年間144時間の削減 |
| 社内表彰・評価ランク | 【実績・成果】 | 年間MVP(業務改善部門)1回(対象 管理部門45名) |
| 応募先の商材に近い知識 | 活かせる経験・知識・スキル | 産業機械〇〇装置の型式・仕様と、消耗品・保守部品の知識(見積 年1,440件) |
| 資格・独学 | 資格 | 日商簿記検定2級(○○○○年○月 合格)、〇〇検定 ○○○○年○月 受験予定 |
改善の行は、営業未経験の書類で評価に直結しやすい行です。目標を持って数字を追った経験がなくても、前と後を比べて良くしたという行動は、営業の目標管理と同じ形をしているからです。改善の行は「何を変えたか」「どれだけ変わったか」「その先に何が生まれたか」の3点で書きます。時間を減らした話で止めず、減らした時間を何に使ったかまで書くと、自発的に成果を取りに行く人だと伝わります。
社内表彰を書くときは、分母と期間を添えます。「MVP受賞」だけでは、社員10名の会社の話か、対象45名の中で選ばれた話か分かりません(記入例)。順位や表彰に分母と期間を付ける書き方は表彰歴・社内順位の職務経歴書にまとめています。
件数の記録がどこにも残っていない場合は、覚えている単位から復元し、復元した数字だと分かる形で書きます。「1日あたりおよそ10件、月20営業日でおよそ200件」(記入例)のように、概算であることを明記すれば嘘にはなりません。数字の復元と行動量への置き換えは実績が数字にできない職務経歴書、書けることの探し方の全体像は数字で示せる実績がない場合で扱っています。
学生時代の部活動やアルバイトは、社会人としての職歴が3年以上あるなら原則として書きません。営業未経験であっても、読み手が見たいのは直近の職場での動き方です。行数を埋めるために古い話を足すと、前職の3年間に書くことが無かったという印象になります。
PCスキルには自信があり、表計算ソフトを使った資料作成が得意です。前職では業務改善にも積極的に取り組みました。
何をどれだけ改善したのかが無く、自己申告の形容だけが並んでいます。「得意」「積極的」は面接で具体例を求められる語で、答えを用意していないと逆に評価が下がります。
見積の単価表とテンプレートを整備し、1件あたりの作成時間を平均18分から12分へ短縮(33.3%短縮)。年1,440件で年間144時間を削減し、削減分を既存顧客への消耗品・保守部品の案内(月20社)に振り向けて、年間で追加受注 48件・720万円につなげました(記入例)
改善の前後(18分→12分)、規模(年144時間)、その先に生まれた結果(48件・720万円)が1行でつながっています。6分×1,440件=144時間、48件×平均15万円=720万円と検算でき、自分の判断で売上に届いた経験として読まれます(いずれも記入例)。
前職の専門用語は、そのまま書いてよいか
業界の外に出ない語は、初出で一般語に置き換えるか、括弧で短い説明を添えます。営業未経験の書類を読むのは、応募先の人事と営業の管理職で、前職の業界にいた人ではありません。公用文の言い回し、医療の略語、開発の工程名は、書いた本人にとっては日常語でも、読み手には意味が届きません。
置き換えるときは、語を消すのではなく、行為と数量に開きます。「起案」を「稟議」と言い換えるだけでは前職の景色が見えませんが、「担当課として制度改正の原案を作成し、関係5課との協議を経て決裁まで進めた(年40件)」なら、誰と何をどれだけしたかが伝わります(記入例)。
| 出身職種 | 前職での言い方 | 職務経歴書での書き方(記入例) |
|---|---|---|
| 事務 | 基幹に計上する | 受発注データを基幹システムに登録(月平均200件) |
| エンジニア | 要件定義 | 顧客の情報システム部門と仕様を詰める打ち合わせ(12案件) |
| エンジニア | PoC | 顧客の環境で3か月かけて行う試験導入 |
| 公務員 | 起案・決裁 | 民間の稟議にあたる手続きの原案作成から決裁まで(年40件) |
| 公務員 | 所管・照会 | 担当する制度の範囲/他部署への確認 |
| 教員 | 学級経営 | 担任として40名の生徒と保護者に対する1年間の関係づくり |
| 教員 | 研究授業 | 同僚30名の前で行う公開授業と、その後の講評会 |
| 看護師 | 器械出し | 手術室で執刀医に器具を手渡す役割(年480件) |
| 介護職 | ADL | 日常生活の動作の自立度 |
| 自衛官 | 班長 | 12名の班(民間の係に相当)の責任者として指導 |
役職と階級も翻訳が要ります。「主任」「係長」は民間にもある語ですが、決められる範囲と持つ人数は組織によって違います。役職名の後ろに「(部下4名・年間予算8,000万円の執行を担当)」のように、人数と決裁の範囲を括弧で添えると、民間の読み手が同じ重さで読めます(記入例)。社内KPIや業界語を一般語へ直す手順そのものは社内用語・社内KPIを翻訳する職務経歴書で扱っています。
文体も、前職の書き癖が出やすいところです。行政文書や報告書の常体をそのまま持ち込むと、内容が薄くても硬く見え、逆に何をしたかが読み取りにくくなります。職務経歴書は敬体で、主語を自分に置いて書きます。
〇〇課において、所管する制度に係る照会対応及び起案・決裁を行い、円滑な事務執行に努めた。また、関係各課との調整を実施した。
「所管」「照会」「起案」「事務執行」は行政の内側の語で、件数も相手の人数も入っていません。何人を相手に、何件さばいた人なのかが分からず、量を測れない書類になります。
住民からの窓口・電話での問い合わせに対応(年4,800件/月平均400件)。担当する制度については、民間の稟議にあたる原案の作成から決裁までを年40件担当しました。制度改正2件では、関係5課との協議をまとめたうえで、対象となる約3,000世帯への案内文の作成と説明会の運営を担当しています(記入例)
行政の語が一般語に開かれ、相手(住民・5課・3,000世帯)と量(4,800件・40件・2件)が入りました。年4,800件÷12か月=月400件と検算でき、対人対応量の大きさがそのまま伝わります(いずれも記入例)。
職歴が短い・特殊な場合(アルバイト・非正規・競技者)はどう書くか
アルバイトも競技者としての所属も職歴として書き、雇用形態と期間を明記したうえで、対人の量と役割を数字にします。空欄にしたり、正社員の職歴だけを並べて期間を飛ばしたりすると、履歴書の職歴欄と食い違い、経歴が確認できない書類になります。
| 状況 | 職務経歴の見出し行(記入例) | 実績欄に書けること(記入例) |
|---|---|---|
| 正社員の職歴が無い(既卒・アルバイトのみ) | 株式会社〇〇〇〇(飲食店運営) ○○○○年○月〜現在 アルバイト(週4日・1日8時間) | 新人トレーナーとして年8名を育成、レジ締めと発注を担当(在籍3年2か月) |
| 契約社員・派遣社員 | 株式会社〇〇〇〇 契約社員(1年契約・更新3回/通算4年) | 担当業務の範囲と、更新のたびに任された範囲の広がり |
| 実業団・契約選手 | 株式会社〇〇〇〇 〇〇部 ○○○○年○月〜○○○○年○月(正社員/競技者として在籍) | 所属先での業務:広報活動 年12回、社内向け講演 年4回 |
| 資格取得・家族の介護などの離職期間 | ○○○○年○月〜○○○○年○月 〇〇資格取得のため離職 | 取得した資格と時期(○○○○年○月 合格)を1行で |
アルバイトしか職歴が無い場合、書けるのは対人の量と、任された範囲の広がりです。「週4日・1日8時間」で勤務の密度を示し、「新人トレーナーとして年8名を育成」「レジ締めと発注を担当」のように、時間の経過とともに任された仕事が増えた事実を並べます(記入例)。雇用形態は隠さず見出し行に書きます。伏せても在籍期間の書き方や社会保険の話で分かるうえ、隠したこと自体が印象を悪くします。
実業団や契約選手として在籍していた場合は、まず雇用形態を確定させます。競技をしながら正社員として業務にも就いていたのか、競技専任の契約だったのかで、書ける行が変わります。競技成績そのものは職務経歴書の実績欄ではなく、自己PR欄で「何を続け、何を変えて結果を出したか」の材料として使います。自己PRの組み立て方は営業職の自己PRの書き方にまとめています。
離職期間は、理由を1行だけ書いて閉じます。長く説明するほど気にしていることが伝わるので、事実と期間だけで足ります。資格の勉強に充てた期間であれば、取得の可否も含めて正直に書きます。落ちた資格を伏せるより、受験した事実と次の予定を書くほうが、行動の継続として読まれます。
よくある質問
「営業未経験可」の求人でも、職務経歴書は必要ですか?
提出を求められたら必要です。未経験可の求人は営業の実績を条件にしていないだけで、前職で何をどれだけやってきたかは同じように見られます。職務経歴書を出さないと、応募者に関する情報が履歴書の会社名と在籍期間だけになり、他の応募者と比べる材料が無くなります。営業の実績が書けないからこそ、対人対応の量と改善の行で埋めた1枚が効きます。
「なぜ営業なのか」は、職務経歴書に書きますか?
職務経歴書では、職務要約の最後に1〜2行だけ添えます。「支援する側から、自分の提案で数字をつくる側へ移りたい」のように、前職の経験と地続きの言い方にすると、思いつきではないと伝わります。理由の本体は履歴書の志望動機の欄に置き、応募先ごとに書き分けます。職務経歴書の側で長く書くと、実績を読む欄が動機の説明で埋まってしまいます。
前職の在籍が1年未満で、書ける実績がほとんどありません。
在籍期間を正確に書いたうえで、覚えるまでの速さを数字にします。「入社2か月で〇〇の業務を単独で担当」「3か月で月200件の処理を1人で回せる状態になった」(記入例)のように、立ち上がりの日数と到達した量を並べます。研修で学んだ内容を長く書くと受け身に見えるため、学んだことより、学んだ結果できるようになったことを書きます。
未経験なのに「営業経験がある」と読めるように書いてもよいですか?
避けてください。営業同行や見積作成は営業の工程の一部であって、目標を持って受注まで運んだ経験とは別のものです。「営業同行 年24回(展示会での製品説明を含む)」のように、自分がどこまでやったかを工程で書けば、盛らなくても十分に評価されます(記入例)。面接で工程を1段掘られたときに答えられない書き方は、書類が通っても後で不利になります。
応募先の業界が前職と同じ場合、何を前に出しますか?
商材の知識と、買う側・使う側にいた経験を先頭に置きます。同じ業界であれば、製品の種別・価格帯・使われ方を知っていること自体が、入社後の立ち上がりの速さの根拠になります。使ってきた製品は、他社の商品名をそのまま並べず、「産業機械〇〇装置(1台300万〜2,000万円)」のように種別と価格帯で書きます(記入例)。買う側として何を基準に選んでいたかを1行添えると、提案の視点があると読まれます。
参照した情報
- ハローワークインターネットサービス「履歴書・職務経歴書の書き方」 — 確認日 2026年9月6日
運営 オルグロー株式会社(運営会社)。この記事は、当社が運営する履歴書・職務経歴書作成ツール「営業の履歴書作成ツール」の編集部が制作し、当社が編集責任を負います。外部ライターへの委託や、他社記事の転載はしていません。
記事内の数値について 売上・件数・達成率・順位などの数値はすべて記入例です。当社サービスの実績や、特定の個人の経歴ではありません。
制作方法 構成と下書きに生成AIを使い、当社の担当者が数値の検算、入力フォームの欄名・並びとの整合、参照情報との照合を行っています。詳しくは編集方針に記載しています。
更新 公開 /最終更新 。記入例・表・結論を変えたときだけ最終更新日を上げています。募集要項に指定がある場合は、そちらが優先されます。