業務委託・フリーランス営業の職務経歴書は社名が書けない?案件単位で解決
この記事の結論
業務委託・フリーランス営業の職務経歴書は、会社単位ではなく案件単位で書きます。クライアント名は業種と従業員規模に置き換え、1案件を〔契約期間と更新回数/契約形態/クライアントの業種と規模/支援範囲/自分の工程までの実績〕の5点で1ブロックにします。成果報酬でも報酬額は実績欄に置かず、受注件数・アポイント件数・契約更新率(12社中9社・75.0%/記入例)で示します。並行案件には稼働日数を添えます。
この記事は業務委託・フリーランスの営業経験を、案件単位で職務経歴書に書き切ることを決めきるためのものです。職務要約から自己PRまでの全体の型、実績指標の対応表、数字で示せる実績がない場合の書き方、社名や売上を書いてよいかの判断は、営業職の職務経歴書にまとめています。様式そのものを探している方は、そちらの入力フォームからそのまま作れます。
入力フォームへ業務委託・フリーランス営業とは(職務経歴書での扱い)
業務委託・フリーランスの営業とは、雇用契約ではなく請負・準委任などの契約を結び、クライアント企業の営業活動の一部または全部を受託して報酬を得る働き方です。案件票や求人票では「営業代行」「セールスアウトソーシング」「営業顧問」「フルコミッション」「個人代理店」と書かれます。1社に所属して指揮命令のもとで動くのではなく、案件ごとに支援範囲と成果を約束する点が、書類の組み立てを変えます。
職務経歴書で手が止まるのは、会社名の欄です。在籍した会社がなく、書けるのは屋号か「個人事業主」だけ。クライアント名は秘密保持契約で出せない。報酬は成果に連動して毎月変わり、どの数字を売上と呼べばよいのか決まらない。会社を単位に並べる様式に、事業として動いた期間が収まらない状態になります。本記事は、会社ではなく案件を単位にして並べる型を扱い、フルコミッション・個人代理店、副業として受けた営業、履歴書の職歴欄の表記も節で受けます。
契約社員・アルバイト・派遣社員として雇用され、指揮命令を受けて営業をしていた期間は、雇用形態の明記の仕方が異なるため契約社員・アルバイト・派遣の営業経験の職務経歴書が扱います。受託もしておらず就業もしていなかった期間の埋め方は離職ブランクからの再就職の職務経歴書の範囲です。本記事が対象にするのは、契約書にもとづいて自分の裁量で受託していた期間です。
本記事の記入例は、業務用機器メーカーで法人営業を6年経験したのち独立し、営業支援の個人事業主として3年2か月・通算12社を受託した想定で置いています。案件はBtoBの新規開拓とインサイドセールスの受託が中心で、契約形態は月額固定・成果報酬・その併用の3種類がそろう構成にしています。
職務経歴書の完成記入例(業務委託・営業代行)
先に完成形を示します。会社の枠を1つ使って事業の期間をまとめ、その中を案件単位のブロックに分けた例です。数値はすべて記入例で、案件ごとの件数と率、契約期間の合計と平均が、いずれも計算で追えるようにそろえています。
記入例
職務要約
法人営業として6年、独立後は個人事業主として営業支援を3年2か月、通算9年2か月の営業経験があります(記入例)。独立後は通算12社と業務委託契約を結び、うち9社で契約を更新しました(更新率75.0%・1社あたり平均8.2か月/記入例)。クライアント名は秘密保持契約のため記載せず、業種と従業員規模で記しています。主軸のBtoB SaaS企業(従業員約120名)ではインサイドセールスの立ち上げから商談創出までを2年6か月・更新5回にわたり受託し、架電とメール月平均320件から商談16件を創出しました(商談化率5.0%/記入例)。並行は最大3社・週4日で運用し、契約開始から初アポイントまでは平均12日です(記入例)。
職務経歴(新しい順)
〇〇〇〇(屋号)/個人事業主 ○○○○年○月〜現在(3年2か月) 営業支援・営業代行(記入例)
- 【所属】個人事業主(税務署へ開業届を提出/屋号 〇〇〇〇)。通算12社と業務委託契約(継続中3社・終了9社)、並行は最大3社・週4日稼働(記入例)
- 【営業対象】従業員40〜300名規模の企業の経営者・営業責任者を窓口に受託。各社の販売先は法人(製造・IT・人材)(記入例)
- 【商材】クライアント各社の商材(クラウドサービス、産業用資材、人材紹介)。自社商材は持たず、各社の商材を受託して販売・商談化(記入例)
- 【営業手法】新規開拓の受託が中心。架電とメールによる商談創出、初回商談の同席、営業資料と架電スクリプトの作成、テレアポ担当者の研修まで(記入例)
- 【実績・成果】(すべて記入例。クライアント名は秘密保持契約により業種と従業員規模で記載)
- 案件A:BtoB SaaS(人事労務システム/従業員約120名) 2年6か月・更新5回・月額固定・週2日稼働。架電とメール 月平均320件(1日平均40件)→ 商談化 月平均16件(商談化率5.0%)。通算 架電・メール9,600件、商談480件。商談後の受注はクライアントの営業担当が実施し、月平均4件(商談の25.0%)(記入例)
- 案件B:産業用資材メーカー(従業員約60名) 1年0か月・更新2回・成果報酬(アポイント1件あたり)・週1日稼働。架電 月平均600件(1日平均150件)→ アポイント 月平均18件(アポイント率3.0%)。通算 架電7,200件、アポイント216件、うちクライアント側の受注27件(アポイントの12.5%)(記入例)
- 案件C:人材サービス(従業員約40名) 1年8か月・更新3回・月額固定+成果報酬・週1日稼働。法人向け新規開拓を受託し、新規取引 通算20社(月平均1.0社)、1社あたり平均粗利84万円、通算粗利1,680万円(記入例)
- 短期・スポット案件9社:1社あたり1〜6か月(平均4.0か月)。新規開拓の立ち上げ、架電スクリプトと営業資料の作成、テレアポ担当者の研修(1社あたり受講4〜8名)(記入例)
- 契約の継続:通算12社のうち9社で契約を更新(更新率75.0%)。延べ契約期間98か月、1社あたり平均8.2か月(記入例)
- 立ち上がり:契約開始から初アポイントまで平均12日、初受注まで平均38日(記入例)
- ※クライアント名・契約金額・報酬額は秘密保持契約のため記載していません。業種、従業員規模、契約期間、支援範囲で記載しています
株式会社〇〇〇〇(業務用機器メーカー・従業員約200名) ○○○○年○月〜○○○○年○月(6年0か月) 法人営業部(記入例)
- 【所属】法人営業部(部内12名)(記入例)
- 【営業対象】中小の製造業・物流業の購買担当と経営者(記入例)
- 【商材】業務用機器(有形・1件30万〜300万円)と保守契約(記入例)
- 【営業手法】既存60社のルート営業と新規開拓の併走。直販(記入例)
- 【実績・成果】最終年度 担当売上8,400万円(目標8,000万円・達成率105.0%)、部内12名中3位。新規開拓 年18社(記入例)
活かせる経験・知識・スキル
- 業務委託での営業支援(3年2か月・通算12社/継続中3社):契約更新率75.0%、1社あたり平均8.2か月(記入例)
- インサイドセールスの立ち上げと運用(架電・メール9,600件 → 商談480件、商談化率5.0%)(記入例)
- 成果報酬型のアポイント獲得(架電7,200件 → アポイント216件、アポイント率3.0%)(記入例)
- 法人向け新規開拓(受託で通算20社、会社員時代は年18社ペース)(記入例)
- 複数案件の並行管理(最大3社・週4日稼働/案件別の稼働記録と月次報告書の作成)(記入例)
- 秘密保持契約下での実績整理(クライアント名を業種と従業員規模へ置き換えた報告・書類作成)
- 架電スクリプト・営業資料の作成、テレアポ担当者への研修
資格
- 普通自動車第一種運転免許(○○○○年○月 取得)
記入例の数字は、次の関係で置いています。案件Aは月320件×5.0%=16件、30か月で架電・メール9,600件と商談480件。案件Bは月600件×3.0%=18件、12か月でアポイント216件、その12.5%が27件。案件Cは20社×84万円=1,680万円。契約期間は30か月+12か月+20か月+短期9社の36か月=98か月で、12社で割ると8.2か月になります(いずれも記入例)。案件単位で書いた書類が最初に疑われるのは案件の華やかさではなく、月次の件数と通算が合っているかどうかです。
職務経歴書は、履歴書では書ききれない具体的な職務内容と実績を伝える書類だと、ハローワークインターネットサービスの「履歴書・職務経歴書の書き方」でも位置づけられています。業務委託でいう「具体的」とは、クライアント名を明かすことではなく、何をどこまで受託し、どの工程の数字が自分のものかを読み手が追える状態にすることです。入力フォームの「業務内容と実績・成果」は【所属】【営業対象】【商材】【営業手法】【実績・成果】の5ブロックを1つの欄に続けて書く形なので、業務委託の情報は次のように振り分けます。
- 会社名の欄:屋号がある場合は「〇〇〇〇(屋号)/個人事業主」、屋号がない場合は「個人事業主(営業支援)」と書きます。雇用ではないことが、会社名の行だけで読み手に伝わります。
- 入社年月・退社年月:開業年月と、事業を終えた年月を入れます。受託を続けたまま応募する場合は「現在も在籍している」に相当するチェックを使い、契約の終了見込みは【所属】の中で1行触れます。
- 【所属】:個人事業主か法人代表か、開業届の提出と屋号、通算の契約社数、並行数と稼働の上限。案件の数と稼働の分母になる情報を先に置きます。
- 【営業対象】:クライアントの業種と従業員規模、窓口となった役職。あわせて、その先の販売先(法人か個人か、業種)まで書くと、誰に売る力があるかが伝わります。
- 【商材】:クライアントの商材の種類と単価帯。自社商材を持たないことを1行断ると、売る対象が案件ごとに変わる働き方だと読まれます。
- 【営業手法】:受託した工程を並べます。商談創出だけか、商談から契約まで持つか、資料作成や研修まで含むかで、任せられる範囲の判断が変わります。
- 【実績・成果】:案件ごとにブロックを分け、その中に契約期間・更新回数・契約形態・稼働・件数と率を置きます。末尾に契約の継続と立ち上がりの行、守秘の断り書きを添えます。
職務要約の組み立て方そのものは営業職の職務経歴書の書き方、数字にできる実績が手元にない期間の扱いは数字で示せる実績がない場合にまとめています。
クライアント名が書けない案件は、何を単位にして書くか?
会社ではなく案件を単位にし、1案件を「契約期間と更新回数/契約形態/クライアントの業種と従業員規模/支援範囲/自分の工程までの実績」の5点で1ブロックにします。雇用された経歴なら、会社名が実績の器になります。会社名が信用の代わりになり、規模も業種も社名から読み取ってもらえるためです。業務委託では、その器が使えません。器を作り直す最小の単位が案件で、5点がそろって初めて、社名のない1行が読み手の判断材料になります。
| 記載項目 | 書き方(記入例) | 押さえどころ |
|---|---|---|
| 契約期間と更新回数 | 2年6か月・更新5回(継続中) | 更新回数は満足度の代わりになる。月数と両方書く |
| 契約形態 | 月額固定/成果報酬(アポイント1件あたり)/固定+成果 | 実績欄に置ける数字の種類が形態で変わる |
| クライアントの業種と規模 | BtoB SaaS(人事労務システム/従業員約120名) | 社名の代わり。業種は商材まで、規模は従業員数で |
| 支援範囲(受託した工程) | 架電・メールによる商談創出と初回商談の同席まで | どこで手を離したかを書く。工程の境界が信用を作る |
| 自分の工程までの実績 | 架電・メール月320件 → 商談16件(商談化率5.0%) | 月次と通算を両方。率には必ず分母を添える |
| 稼働 | 週2日(月8日) | 並行案件の説明と、1日あたりの件数の分母になる |
| クライアント名 | (書かない) | 秘密保持契約の対象。伏せた理由を1行断る |
| 契約金額・報酬額 | (実績欄には書かない) | 報酬は年収欄で扱う。実績欄では件数と率に置き直す |
置き換えの粒度は、案件ごとに変えず全案件でそろえます。雇用された経歴なら置き換えるのは在籍先1社ぶんですが、業務委託では案件ブロックの見出しがすべて置き換え後の表記になり、通算12社なら12回繰り返すことになります(記入例)。1件だけ「東京都〇〇区の従業員118名のクラウド人事システム企業」のように細かく書くと、その案件だけが特定に近づき、案件どうしの規模も比べられなくなります。記入例では「BtoB SaaS(人事労務システム/従業員約120名)」の粒度に全案件をそろえています(記入例)。何を伏せ、何に置き換え、伏せたことをどう1行で断るかの型は守秘義務で社名・数値が書けないときの職務経歴書にまとめています。
案件は全部を同じ厚みで書きません。通算12社を各6行で書けば72行になり(記入例)、読み手はどの案件が主軸か判断できなくなります。応募先と近い案件を厚く、それ以外を薄く配分し、社数そのものは通算で1行残します。
| 案件の位置づけ | 厚みの目安 | 残す項目 |
|---|---|---|
| 応募先と同業・同じ売り方(1〜3社) | 各6〜8行 | 5点すべてと、月次の件数・率・通算 |
| 継続期間が長い案件 | 4〜6行 | 契約期間と更新回数、支援範囲、通算の件数 |
| 現在も継続中の案件 | 4〜6行 | 「継続中」の表記と、契約終了の見込み時期 |
| 短期・スポット案件 | まとめて2〜3行 | 社数、期間の幅、支援内容の種類 |
| 更新に至らなかった案件 | 通算社数の内数として1行 | 社数だけ。更新率の分母から外さない |
| 守秘の度合いが強い案件 | 1行 | 業種と契約期間のみ。支援範囲は一般語で |
更新に至らなかった案件を消さないことが、案件単位で書く書類の要点です。12社と契約して9社が更新なら更新率75.0%(記入例)で、成功だけを並べた12社中12社より読み手に信用されます。分母を維持したまま率を書く考え方は営業実績を数字でどう書くか、在籍した会社の数が多く1枚に収まらないときの圧縮は転職回数が多い営業の職務経歴書で扱っています。
業務委託として複数の企業の営業支援を担当し、新規顧客の獲得に貢献しました。守秘義務のため詳細は面接にてお伝えします。(記入例)
案件数も期間も工程も分からず、受託していた事実だけが残ります。守秘義務を理由に全部を面接送りにすると、書類の段階で判断できないため、比較の土俵に乗りません。
案件A:BtoB SaaS(人事労務システム/従業員約120名) 2年6か月・更新5回・月額固定・週2日稼働。架電とメール 月平均320件(1日平均40件)→ 商談化 月平均16件(商談化率5.0%)、通算 商談480件。商談後の受注はクライアントの営業担当が実施(月平均4件・商談の25.0%)。※クライアント名は秘密保持契約により業種と従業員規模で記載(記入例)
社名がなくても、商材・規模・期間・工程・件数がそろっているため、応募先は自社に置き換えて再現性を判断できます。受注の担い手を明記したことで、数字を大きく見せていないことも同時に伝わります(いずれも記入例)。
複数案件を並行していた期間は、どう並べるか?
期間の長い案件を上から順に並べ、各案件に稼働日数を添えて、同時期の稼働合計が実際の稼働を超えないようにそろえます。業務委託の経歴で読み手が最初に確かめるのは、期間の重なりです。会社員の職歴なら在籍期間は重なりませんが、案件は重なるのが普通で、しかも重なり方を書かないと「3年2か月で12社」(記入例)という行だけが残り、腰の据わらない働き方に見えます。稼働を書けば、12社が同時ではなく設計された並行だったと読めます(記入例)。
| 案件 | 開業からの月数 | 契約期間 | 契約形態 | 稼働 |
|---|---|---|---|---|
| 案件A(BtoB SaaS) | 9〜38か月目 | 2年6か月(継続中) | 月額固定 | 週2日 |
| 案件B(産業用資材メーカー) | 15〜26か月目 | 1年0か月 | 成果報酬 | 週1日 |
| 案件C(人材サービス) | 19〜38か月目 | 1年8か月(継続中) | 固定+成果 | 週1日 |
| 短期・スポット9社 | 1〜14か月目と27〜38か月目 | 各1〜6か月(平均4.0か月) | 成果報酬・スポット | 週0.5〜1日 |
| 同時期の稼働合計(最大) | 19〜26か月目 | — | — | 週4日 |
稼働の合計が、週の日数を超えていないか確かめる
記入例では、19〜26か月目に案件A(週2日)・案件B(週1日)・案件C(週1日)が重なり、合計は週4日です(記入例)。残りの1日は新規案件の商談と請求・報告の事務に充てた期間として置いています。ここに短期案件をさらに週1日で重ねると合計が週5日になり、事務の時間が消えます。並行数を多く見せたい気持ちで案件を足すと、稼働の合計が先に破綻し、案件の内訳を面接で聞かれた時点で説明できなくなります。短期・スポットの9社は、案件Aが始まる前の1〜8か月目に4社、案件Aと重なる9〜14か月目に2社、案件A・案件Cと重なる27〜38か月目に3社を順に受けた配置にしています(計9社・延べ36か月/記入例)。延べ98か月を38か月の中に置いても、同時に走る案件は3社、稼働の合計は週4日を超えません(記入例)。
並べ方は、契約期間の長い順が読みやすくなります。日付順に並べると、短期案件が主軸案件の途中に割り込み、どれが柱か分からない一覧になるためです。長い順に並べたうえで、各ブロックの先頭に「開業からの月数」ではなく実際の年月(○○○○年○月〜)を置けば、履歴書の職歴欄とも突き合わせられます。同じ期間に複数の案件が走っていたことは、稼働の行が説明します。
案件をまたいで積み上がった数字は、案件ブロックの外に1行で置きます。記入例では、契約更新率75.0%、延べ契約期間98か月、1社あたり平均8.2か月、初アポイントまで平均12日という4行が、案件をまたぐ集計にあたります(いずれも記入例)。案件ごとの数字は商材と条件が違うため単純に足せませんが、更新率と立ち上がりの日数は条件が違っても比べられるため、受託者としての力を1目盛りで示す行になります。
受注が自分に付かない案件が混ざる場合は、工程の境目を明示します。商談創出までを受託した案件で受注件数まで自分の実績として並べると、クライアントの営業担当の成果を取り込んだ書類になります。商談化までの指標で実績を組み立てる型はインサイドセールスの職務経歴書、自分とチームの数字を切り分ける考え方はチーム実績しかない営業の職務経歴書にまとめています。
3年2か月で12社の営業支援を担当。SaaS、製造業、人材サービスなど幅広い業界の新規開拓を経験しました。(記入例)
12社(記入例)が同時なのか順番なのか、1社あたりどれだけ関わったのかが読めません。社数の多さだけが前に出るため、腰を据えて取り組めない人という読み方をされます。
通算12社(継続中3社)。並行は最大3社・週4日稼働で、案件Aは週2日を2年6か月(更新5回)、案件Cは週1日を1年8か月(更新3回)継続しています。延べ契約期間98か月、1社あたり平均8.2か月、更新率75.0%(記入例)
並行数と稼働の上限が先に置かれ、長期案件が2件続いていることが読めます。社数の多さが、短期で切られた回数ではなく、稼働を設計して積み上げた結果として伝わります(いずれも記入例)。
固定報酬と成果報酬で、実績欄に書く数字はどう変わるか?
報酬額はどの形態でも実績欄に置かず、月額固定なら稼働と行動量・商談化の件数、成果報酬なら成果物の件数と率に置き直します。業務委託の実績欄が崩れる原因のほとんどは、報酬を売上として書くことです。成果報酬で年間600万円を受け取った案件(記入例)は、クライアントから見れば費用であって、自分が作った売上ではありません。読み手が知りたいのは、いくら受け取ったかではなく、何件を作れる人かです。
| 契約形態 | 報酬の決まり方 | 実績欄に置く数字(記入例) | 実績欄に置かない数字 |
|---|---|---|---|
| 月額固定(準委任) | 稼働日数・時間に対して月額 | 稼働 週2日、架電・メール月320件、商談化16件(5.0%)、更新5回 | 月額報酬、稼働単価 |
| 成果報酬(アポイント単価) | アポイント1件ごと | 架電月600件、アポイント18件(3.0%)、アポイント後の受注27件(クライアント実施と明記) | アポイント単価、月間報酬 |
| 成果報酬(受注時の配分) | 受注額の一定割合 | 新規取引20社、1社あたり平均粗利84万円、通算粗利1,680万円 | 配分率、受け取った報酬額 |
| 固定+成果の併用 | 月額に成果分を加算 | 固定分の稼働と成果分の件数を行を分けて記載 | 固定分と成果分の内訳金額 |
| フルコミッション(完全歩合) | 全額が成果連動 | 新規契約 年150件、13か月時点の継続138件(継続率92.0%)、保有顧客数 | 手数料収入、年収、歩合率 |
| 顧問・アドバイザー契約 | 月額または時間契約 | 支援した企業数、支援範囲、継続月数、同席・紹介した商談数 | 顧問料 |
フルコミッション・個人代理店として保険・不動産・通信の商材を扱ってきた場合は、件数に継続率を必ず組にします。完全歩合の世界では、契約件数だけを追った期間と、契約後も続く関係を作った期間が、書類の上では同じ「年150件」に見えるためです。「新規契約 年150件(月平均12.5件)、13か月時点の継続138件(継続率92.0%)」(記入例)と並べると、150件のうち12件が1年以内に外れた事実まで開示したうえで、9割超が残る売り方をしてきたことが伝わります。個人代理店として保険商材を扱った期間の指標と、募集人としての登録の書き方は生命保険営業の職務経歴書で扱っています。
報酬や事業の売上をどこにも書かないわけではありません。置き場所が実績欄ではないだけで、応募フォームの現年収欄や希望年収欄では扱います。歩合中心の年収は年度差が大きいため、直近年度の実績額なのか、目標達成時の見込み額なのかを分けて書く必要があります。内訳の分け方と、変動の大きい年収の示し方はインセンティブ・歩合込み年収の職務経歴書にまとめています。
成果報酬の案件では、成果の定義を1行添えると数字の意味が固まります。「アポイント」と書いても、担当者と話せた時点で1件と数える契約と、決裁者と日程を確定して初めて1件と数える契約では、同じ216件の重みがまったく違うためです。「アポイント(決裁者との初回面談の日程確定を1件と定義)」(記入例)のように、契約書で定めた検収の条件をそのまま括弧に入れます。定義を書いた数字は、面接で掘られても最初の説明と食い違いません。
成果報酬型の営業代行として、月平均60万円、年間720万円の売上を上げました。(記入例)
720万円(記入例)は自分が受け取った報酬であって、クライアントの売上でも自分が作った受注額でもありません。読み手は何件をどれだけの確率で作れる人か判断できず、単価の高い案件を引けただけの人とも読めます。
成果報酬(アポイント1件あたり/決裁者との初回面談の日程確定を1件と定義)。架電 月平均600件(1日平均150件・週1日稼働)→ アポイント 月平均18件(アポイント率3.0%)、通算 架電7,200件・アポイント216件。アポイント後の受注はクライアントの営業担当が実施し、通算27件(アポイントの12.5%)(記入例)
報酬が消え、成果の定義と分母つきの率、工程の境目が残ります。1日150件という行動量と3.0%という率が並ぶため、応募先は自社の商材に置き換えて見込みを立てられます(いずれも記入例)。
会社に在籍しながら受けた副業の営業は、書くべきか?
応募先の仕事と工程が重なる副業だけを書き、本業の実績とは行を分けて、稼働時間を添えます。副業は書く義務のある経歴ではないため、判断の基準は「応募先が再現してほしい経験かどうか」の1点になります。関係のない副業まで並べると、本業の実績が薄まり、就業時間外の活動量に読み手の関心が移ります。
| 副業の内容 | 書くか | 書く場所と添える情報 |
|---|---|---|
| 応募先と同じ商材・同じ売り方 | 書く | 職務経歴の末尾に「業務委託(副業)」の別ブロック。期間・稼働時間・件数 |
| 業種は違うが営業の工程が同じ | 書く | 「活かせる経験・知識・スキル」に1行。工程名と件数 |
| 独立準備として在職中に受けた案件 | 書く | 職務経歴の別ブロック。独立後の事業との連続を1行 |
| 営業と関係のない収入目的の仕事 | 書かない | 就業していた期間なので、空白の説明も不要 |
| 本業の顧客・商圏と重なる受託 | 書かない | 競業の懸念として読まれるため、実績としても扱わない |
| 在籍中の会社が副業を認めていない | 書かない | 在籍中の会社の規定を先に確かめる |
書くと決めた副業は、本業のブロックに混ぜません。稼働時間が本業の5分の1以下であることが多く、同じ欄に並べると件数の小ささだけが目立ちます。別ブロックにして稼働時間を先に置けば、少ない時間で作った件数として読まれます。「業務委託(副業・在職中)○○○○年○月〜○○○○年○月(8か月)。稼働 週5時間。BtoB SaaS企業(従業員約60名)の架電代行。架電 通算640件(月平均80件)→ アポイント32件(アポイント率5.0%)」(記入例)のように、期間・稼働・業種と規模・工程・件数を並べる形は、独立後の案件ブロックと同じ骨格です。
副業を書くときに欠かせない1行が、在籍中の会社の許可です。「在籍先の副業規定にもとづき届出のうえ受託」(記入例)と添えると、規定を確かめてから動く人だと伝わります。逆に、許可の有無に触れずに副業の実績だけを並べると、読み手は入社後も同じことをするのではないかと考えます。競業や守秘に触れない範囲で受けていたことも、案件の業種を書けば自然に伝わります。
履歴書の職歴欄には、業務委託の期間をどう書くか?
雇用と同じ「入社」「退職」は使わず、税務署へ開業届を出しているかどうかで語を選び、事業内容を1行添えます。職務経歴書を案件単位で整えても、履歴書の職歴欄が空いていると、経歴が確認できない書類になります。職歴欄は事実の記録なので、書き方に迷ったときは、雇用でなかったことが読み手に一目で分かる語を選びます。
| 状況 | 職歴欄の書き方(記入例) | 添える情報 |
|---|---|---|
| 開業届を提出し、屋号がある | ○○○○年○月 個人事業主として開業(屋号 〇〇〇〇/営業支援) | 事業内容を括弧で1行 |
| 開業届を提出し、屋号がない | ○○○○年○月 個人事業主として開業(法人向け営業支援) | 同上 |
| 開業届を出していない | ○○○○年○月 業務委託により営業支援の受託を開始 | 「開業」は使わず、受託の開始と表す |
| 事業をやめて再就職する | ○○○○年○月 廃業(届出をしていない場合は「受託を終了」) | 「退職」は雇用の終了に使う語なので避ける |
| 法人を設立していた | ○○○○年○月 株式会社〇〇〇〇 設立 代表取締役就任/○○○○年○月 代表取締役退任 | 設立と退任を2行に分ける |
| 受託を続けたまま応募する | ○○○○年○月 個人事業主として開業(現在に至る) | 入社可能日と、契約終了の見込み時期 |
会社員の期間と独立の期間が交互に並ぶ経歴でも、1枚の職歴欄に「入社・退職」と「開業・廃業」が混ざって構いません。雇用の期間には雇用の語を、事業の期間には事業の語を当てるだけで、読み手は契約の種類を行ごとに区別できます。語を統一しようとして事業の期間に「入社」と書くと、勤務先を尋ねられたときに答えが用意できません。
受託を続けたまま応募する場合は、契約の終了見込みを書き添えます。並行して受けている案件が3社あるなら、「継続中3社。入社時期に合わせて順次終了予定(引き継ぎ期間は各1か月)」(記入例)のように、いつ手が空くかまで書きます。書かなければ、読み手は入社後も副業が続くのかを確かめる必要があり、その確認を面接の時間で行うことになります。
採用側が業務委託の経歴に対して持つ最大の関心は、書類の書き方ではなく「また独立に戻るのではないか」という点です。職務経歴書は実績の書類なので、そこに戻らない理由を書き込むと実績の密度が下がります。組織に戻って取り組みたい理由は志望動機で扱う内容で、組み立て方は営業職の志望動機の書き方にまとめています。職務経歴書側でできるのは、更新率と平均契約期間という、腰を据えて関係を続けてきた事実を数字で置くところまでです。
○○○○年○月 フリーランス営業 入社/○○○○年○月 一身上の都合により退職(記入例)
雇用の語が事業の期間に使われているため、勤務先を尋ねられます。フリーランスという語だけでは、開業届の有無も事業内容も分からず、職歴の確認ができません。
○○○○年○月 個人事業主として開業(屋号 〇〇〇〇/法人向け営業支援・営業代行)/○○○○年○月 現在に至る(継続中3社。入社時期に合わせて順次終了予定)(記入例)
契約の種類・事業内容・現在の状況・引き継ぎの見込みが4点そろい、面接前に確認しなくても読み進められます。職務経歴書の案件ブロックとも、開始年月がそのまま対応します。
よくある質問
受託した案件が1社だけで、期間も半年です。案件単位で書く意味はありますか?
あります。1社でも、契約期間と更新回数・契約形態・業種と規模・支援範囲・工程までの実績の5点は同じようにそろえられます。社数が少ない場合はむしろ、1案件を厚く書いたほうが読まれます。半年なら月次の件数を6か月分並べ、月ごとの推移を1行に置く書き方もできます。「1〜2か月目は架電の設計と架電200件、3か月目以降は月320件で商談化率5.0%に安定」(記入例)のように、立ち上げの工程と安定後を分けて書くと、期間の短さが到達までの速さに変わります。
営業代行会社に正社員として在籍し、クライアント先を担当していました。同じ書き方でよいですか?
会社の枠は1つのまま、その中を案件単位のブロックに分ける形は同じです。会社名の行に業種と従業員規模を書き、【所属】に在籍中に担当したクライアント数と並行数を置きます。違うのは雇用されている点なので、稼働は週の日数ではなく担当社数と1社あたりの訪問・架電頻度で書きます。クライアント名を伏せて業種と規模で書く点、受注の担い手を明記する点、担当した案件の更新率を書く点は、個人事業主の場合とまったく同じです。
案件の実績を証明する記録が手元にありません。どこまで書けますか?
手元に残っている書類から順に埋め、残っていない数字は書きません。業務委託は、契約書・発注書・請求書・月次の報告書が自分の手元に残る働き方なので、契約期間・契約形態・支援範囲・請求の根拠になった成果件数は復元できることが多くあります。復元できるのが件数だけで率が出せない場合は、件数と期間だけを書き、率の列は空けます。記録が残っていない期間の埋め方と、「約」をどこまで付けるかの線引きは実績が数字にできない職務経歴書にまとめています。
屋号は書いたほうがよいですか。個人名だけでも構いませんか。
屋号があるなら書きます。屋号は事業として継続する意思の表れと読まれ、請求書や契約書に記載された名称と一致するため、経歴の確認にも役立ちます。屋号がない場合は「個人事業主(法人向け営業支援)」と事業内容を括弧で添えれば十分で、無理に名称を作る必要はありません。屋号に業種が入っていない場合は、事業内容を必ず併記します。名称だけでは、営業支援なのか物販なのか読み手には判断できません。
会社員時代の実績と独立後の実績で、指標がそろいません。どう並べますか?
そろえずに、期間ごとの指標をそのまま残します。会社員時代は担当売上と目標達成率と部内順位、独立後は案件別の件数と率と更新率が、それぞれの期間で使われていた評価軸だからです。無理に売上へ換算すると、受託の報酬を売上と書くことになり、実態から離れます。両方をつなぐのは職務要約の1文目で、「法人向け新規開拓を軸に、雇用と受託を合わせて通算9年2か月」(記入例)のように、売り方を補助線にすれば、指標が違っても1本の線として読まれます。
参照した情報
- ハローワークインターネットサービス「履歴書・職務経歴書の書き方」 — 確認日 2026年9月6日
運営 オルグロー株式会社(運営会社)。この記事は、当社が運営する履歴書・職務経歴書作成ツール「営業の履歴書作成ツール」の編集部が制作し、当社が編集責任を負います。外部ライターへの委託や、他社記事の転載はしていません。
記事内の数値について 売上・件数・達成率・順位などの数値はすべて記入例です。当社サービスの実績や、特定の個人の経歴ではありません。
制作方法 構成と下書きに生成AIを使い、当社の担当者が数値の検算、入力フォームの欄名・並びとの整合、参照情報との照合を行っています。詳しくは編集方針に記載しています。
更新 公開 /最終更新 。記入例・表・結論を変えたときだけ最終更新日を上げています。募集要項に指定がある場合は、そちらが優先されます。