営業の履歴書作成ツール

官公庁営業の職務経歴書は価格勝負?落札率の分母と年度予算で示す

執筆 営業の履歴書作成ツール 編集部 公開 最終更新

この記事の結論

官公庁営業の職務経歴書は、落札額だけでなく、契約方式ごとに「応札した件数」と「落札した件数」を組にして書きます。一般競争入札・指名競争入札・随意契約(プロポーザルを含む)では、自分が関与できる工程が違うためです。応札24件中9件を落札(件数ベース37.5%)、プロポーザル採択4件(提案7件)(記入例)のように、分母が件数であることを明示します。年度末に受注が偏るので、単年ではなく直近3年度を並べます。

この記事は官公庁・自治体営業の実績を、契約方式別の件数と年度予算のサイクルで書き切ることを決めきるためのものです。職務要約から自己PRまでの全体の型、実績指標の対応表、数字で示せる実績がない場合の書き方、社名や売上を書いてよいかの判断は、営業職の職務経歴書にまとめています。様式そのものを探している方は、そちらの入力フォームからそのまま作れます。

入力フォームへ

官公庁・自治体営業とは(職務経歴書での扱い)

官公庁・自治体営業とは、国の府省庁とその出先機関、都道府県・市区町村・一部事務組合、独立行政法人、公立の学校や病院などを顧客として、物品・システム・役務を納める営業です。本記事が扱うのは、官公庁に「売る側」の職務経歴書です。官公庁で働いていた人が民間企業へ移るときの職務経歴書は扱いません。同じ「官公庁」という語が付いていても、公務員が民間へ移るときの書き方と、官公庁に売る営業の書き方では、必要な型がまったく別のものになるためです。

対象にするのは、一般競争入札・指名競争入札・随意契約(プロポーザル方式や企画競争を含む)で受注する営業です。学校・教育委員会、病院、介護施設・福祉事業所のように、契約する部署と実際に使う人が分かれる顧客も、節で扱います。医療機器そのものを商材とし、立会いや症例数が実績になる営業は医療機器営業の職務経歴書、民間の大企業で本部稟議を通す営業はアカウントマネージャー・エンタープライズ営業の職務経歴書、システムの請負金額と工数で実績を書く場合はSIer・受託開発営業の職務経歴書で扱います。

求人票で「公共営業」「官需営業」「公共ソリューション営業」「自治体向け営業」「入札営業」と書かれている仕事は、本記事の範囲です。もうひとつ、書き始める前に取り違えを1つ外しておきます。入札の世界には「営業経歴書」という書類があります。入札参加資格の審査で会社が提出する様式で、沿革・組織・従業員数・営業品目・営業実績などを記載するものです。転職で提出する職務経歴書とは目的も書式も別なので、社内にある「営業経歴書」を流用しないでください。

職務経歴書の完成記入例(官公庁・自治体営業)

先に完成形を示します。県内の自治体と国の出先機関に業務システムとICT機器を納めてきた8年間を、直近の年度を中心にまとめた例です。数値はすべて記入例で、件数と金額、率と分母が割り切れるようにそろえています。

記入例

職 務 経 歴 書
○○○○年○月○日 現在

職務要約

官公庁・自治体営業として8年間、県内の自治体と国の出先機関に業務システムとICT機器を納めてきました。担当は32団体(県1・市12・町村9・一部事務組合4・独立行政法人3・国の出先機関3)で、一般競争入札・指名競争入札への応札から、プロポーザルの企画提案、少額の随意契約と継続保守の年度更新までを一貫して担当しています。直近の年度は受注総額2億400万円、目標1億9,000万円に対し達成率107.4%、部内10名中3位です(記入例)。公告が出てから動くのでは価格でしか戦えないため、仕様が固まる前の情報提供依頼・意見招請の段階から関与し、翌年度の予算に載せるところから案件をつくってきました(記入例)。

職務経歴

株式会社〇〇〇〇(情報システム・ICT機器の販売と保守/従業員約400名・非上場) ○○○○年○月〜現在 公共営業部 主任(記入例)

  • 【所属】公共営業部 第一課(営業10名・課長1名) 主任(○○○○年○月〜)(記入例)
  • 【営業対象】県・市町村・一部事務組合の情報政策課/総務課/教育委員会、独立行政法人と国の出先機関の会計課・調達担当。担当32団体(人口5万〜30万人の市が中心)(記入例)
  • 【商材】自治体向け業務システム(財務会計・住民記録の周辺システム、1件500万〜5,000万円)、校務・授業用のICT機器、導入後の運用保守(年額100万〜800万円)(記入例)
  • 【営業手法】入札公告と調達情報の巡回による案件把握、予算要求期(前年度の夏から秋)の提案、情報提供依頼・意見招請への回答、一般競争入札・指名競争入札への応札、プロポーザルの企画提案書作成と審査会でのプレゼンテーション、契約後の履行管理と翌年度の更新交渉まで一貫担当
  • 【実績・成果】(直近の年度・すべて記入例)
    • 年度受注総額 2億400万円。目標1億9,000万円に対し達成率107.4%、部内10名中3位(記入例)
    • 契約方式別:一般競争入札 応札16件→落札5件・5,400万円(1件平均1,080万円)/指名競争入札 応札8件→落札4件・5,400万円(1件平均1,350万円)/プロポーザル 提案7件→採択4件・6,000万円(1件平均1,500万円)/随意契約(少額随意契約・継続保守の更新)12件・3,600万円(1件平均300万円)(記入例)
    • 入札は応札24件中9件を落札(件数ベース37.5%)、落札総額1億800万円。プロポーザルの採択率57.1%(4件/7件)(記入例)
    • 直近3年度は応札68件・落札24件(件数ベース35.3%)、受注総額 1億5,600万円→1億8,200万円→2億400万円(前年比112.1%)(記入例)
    • 四半期別の受注:第1四半期2,040万円/第2四半期3,060万円/第3四半期4,080万円/第4四半期1億1,220万円(年度の55.0%)(記入例)
    • 予算要求期に提案した11件のうち6件が翌年度予算に計上(54.5%)、うち4件を受注(記入例)
    • 情報提供依頼・意見招請への回答18件、うち自社が想定する要件が仕様書に反映された案件7件(38.9%)。その7件のうち5件を落札(71.4%)(記入例)
    • 年度の契約25件のうち複数年契約6件(24.0%)。継続保守の年度更新は、更新時期を迎えた18件のうち17件を継続(更新率94.4%/方式は入札・随意契約を問わない)(記入例)
    • 公告・案内のあった32件のうち24件に応札。採算と体制が合わない8件は応札せず、辞退の理由を社内で記録(記入例)
    • 担当32団体のうち、新規に契約に至った団体7団体(記入例)
    • ※団体名・案件名は、公告と契約情報として公表されている範囲にとどめています。予定価格に対する比率、積算の内訳、社内の価格決裁は記載していません

活かせる経験・知識・スキル

  • 入札参加資格の申請と更新の実務(国の統一資格および担当32団体への申請・更新)(記入例)
  • 仕様書の読み込みと適合確認(要求要件と自社製品の対応表を作成、年24件の応札)(記入例)
  • 企画提案書の作成と審査会でのプレゼンテーション(年7件・採択4件)(記入例)
  • 予算要求期に合わせた提案の組み立て(当初予算・補正予算のサイクルに沿った提案時期の設計)
  • 契約後の履行管理と検査・請求の段取り(年度末に納品が集中する期間の工程管理)
  • 教育委員会・公立病院・介護施設など、使う部門と契約する部門が分かれる顧客への提案

資格

  • 普通自動車第一種運転免許(○○○○年○月 取得)
  • ITパスポート試験(○○○○年○月 合格)

記入例の数字は、方式別の金額を足すと年度の受注総額に一致し、率の分母がすべて同じ行の中にあります。5,400万円+5,400万円+6,000万円+3,600万円=2億400万円、応札16件+8件=24件、落札5件+4件=9件、9件÷24件=37.5%という関係です(いずれも記入例)。官公庁の調達は結果が公表される世界なので、面接では数字の出どころを確かめられます。合わない足し算を1つでも置くと、公表資料と突き合わせられる前提で読まれるぶん、民間向けの書類より痛手が大きくなります。

職務経歴書は、履歴書では書ききれない具体的な職務内容と実績を伝える書類だと、ハローワークインターネットサービスの「履歴書・職務経歴書の書き方」でも位置づけられています。官公庁営業でいう「具体的」とは、契約方式と年度を書き、読み手が件数を正しい分母で読めるようにすることです。入力フォームの「業務内容と実績・成果」は【所属】【営業対象】【商材】【営業手法】【実績・成果】の5ブロックを1つの欄に続けて書く形なので、官公庁営業の情報は次のように振り分けます。

  • 【所属】部署名、営業人数、役職と就任時期。「公共営業部 第一課(営業10名)主任」(記入例)のように、順位の分母になる人数まで書きます。
  • 【営業対象】団体の種類(県・市町村・一部事務組合・独立行政法人・国の出先機関)と数、人口規模、窓口になる課の名称。案件の大きさと決裁の重さを決める情報です。
  • 【商材】システムか物品か役務か、1件あたりの金額帯、保守の年額。金額帯は入札参加資格の等級とも結びつくため、規模の根拠になります。
  • 【営業手法】案件をどこで把握したか、公告前の工程に関わったか、応札とプレゼンのどこを担当したか、契約後の履行管理まで見ているか。価格でしか戦っていない人と分かれる欄です。
  • 【実績・成果】契約方式別の応札・落札の件数と金額から始め、年度の並び、公告前の工程、更新と継続の順に並べます。各行に分母と期間を添えます。

職務要約の組み立て方そのものは営業職の職務経歴書の書き方、数字にできる実績が手元にない期間の扱いは数字で示せる実績がない場合にまとめています。

入札・プロポーザル・随意契約は、どう書き分けるか

契約方式ごとに自分が関与できる工程が違うため、応札・提案・契約の件数を方式別に分け、方式の名称を書いたうえで金額を添えます。同じ「受注2億円」でも、価格で決まった入札の2億円と、提案内容を審査されて選ばれた2億円では、応募先が知りたい力がまったく違います。方式が書かれていない実績は、読み手にとって解釈のしようがない数字です。

国の契約は会計法、地方公共団体の契約は地方自治法が方法を定めており(2026年9月時点)、いずれも一般競争入札を原則とし、指名競争入札と随意契約は法令が認める場合の方法として位置づけられています。条文はe-Gov法令検索の会計法とe-Gov法令検索の地方自治法で確認できます。プロポーザル方式(企画競争)は、価格だけでなく提案内容や体制を審査して相手を選ぶ方法で、随意契約の一形態として運用されるのが一般的です。制度側の位置づけは記入例の数字とは別のものとして扱い、書類には自分が担当した件数と金額だけを書きます。

契約方式ごとの書き分け(記入例)
契約方式受注者の決まり方自分の関与が出るところ書き方(記入例)
一般競争入札資格を満たせば誰でも応札でき、原則として価格で決まる案件把握の速さ、仕様への適合確認、応札するかの判断応札16件→落札5件・5,400万円(1件平均1,080万円)
指名競争入札発注者が指名した者だけが応札する指名を受けられるだけの履行実績と関係指名8件(前年5件)→応札8件→落札4件・5,400万円
随意契約(少額・特命)発注者が相手を選んで契約する既存契約の履行実績、他で代えられない理由の整理12件・3,600万円(1件平均300万円)。内訳は継続保守の更新9件・少額随意契約3件
プロポーザル・企画競争価格に加えて提案内容・体制・実績を審査する企画提案書、審査項目への当て込み、プレゼンテーション提案7件→採択4件(57.1%)・6,000万円(1件平均1,500万円)
単価契約・複数年契約期間内の発注を1つの契約でまとめる履行管理と年度更新、次期の仕様への反映年度の契約25件のうち複数年契約6件(24.0%)
代理店・販売店経由契約の相手は代理店で、発注者との契約者ではない提案・仕様調整・現場対応の工程自社契約分と代理店経由分を行を分けて記載

方式を分けると、応募先は自社の売り方と重なる部分を見つけられます。価格で勝負する物品調達が中心の会社なら一般競争入札の応札件数と落札件数を、提案で選ばれる案件を増やしたい会社ならプロポーザルの提案数と採択率を先に読みます。両方書いてあれば、どちらの会社にも同じ書類で応募できます。方式ごとに件数の桁が違うのは普通のことなので、少ない方式を隠す必要はありません。提案7件で採択4件(記入例)という小さな数字でも、採択率と1件あたりの金額があれば規模は伝わります。

官公庁向けの営業として、年間2億400万円を受注しました。(記入例)

価格で通した入札なのか、提案で選ばれたのか、前任者から引き継いだ随意契約の更新なのかが分かりません。官公庁営業の求人は方式ごとに求める力が違うため、方式の書かれていない金額は選考の材料になりません。

年度受注総額2億400万円の内訳は、一般競争入札 応札16件→落札5件・5,400万円、指名競争入札 応札8件→落札4件・5,400万円、プロポーザル 提案7件→採択4件・6,000万円、随意契約(少額随意契約・継続保守の更新)12件・3,600万円。目標1億9,000万円に対し達成率107.4%、部内10名中3位(記入例)

4つの方式の金額を足すと2億400万円になり、応札16件+8件=24件も行の中で検算できます。価格で取る力と提案で取る力の比率まで読めるため、応募先が自社の案件構成と重ねられます(いずれも記入例)。

「落札率」はどの分母で書くと誤解されないか

官公庁の調達で「落札率」は落札額を予定価格で割った割合を指すのが一般的なため、営業側の勝率を書くときは「応札24件中9件を落札(件数ベース37.5%)」(記入例)のように、分母が件数であることを明示します。分母を書かずに「落札率37.5%」とだけ置くと、調達の実務に触れたことのある読み手には、予定価格の4割ほどの安値で取った案件だと読まれかねません。営業として誇るつもりの行が、値崩れの告白として届いてしまいます。

落札額と予定価格の比率そのものは、原則として書きません。公表された案件であれば計算できる数字ではありますが、書類に平均値を載せると、自社がどれだけ値を下げて取っているかを自分から開示することになります。応募先が同じ入札で競合する会社であればなおさらです。書かない理由を1行添えると、線引きができる人として読まれます。守秘と公表のどちらに寄せるかの判断は、案件ごとに公表資料を確認したうえで決めます。

官公庁の調達で意味がずれる言葉と、職務経歴書での書き方(記入例)
言葉調達の場での意味職務経歴書での書き方(記入例)
落札率落札額を予定価格で割った割合「応札24件中9件を落札(件数ベース37.5%)」と分母を件数だと明示する
予定価格発注者があらかじめ定める契約金額の上限の目安比率も実額も記載しない。自社の価格政策に触れるため
指名指名競争入札で発注者から応札者に選ばれること「指名を受けた案件8件(前年5件)」と件数と前年を組にする
随契随意契約の略。社内でしか通じない「随意契約(少額随意契約・継続保守の更新)」と正式名称で書く
スペックイン仕様書に自社の要件が反映されること。業界語「情報提供依頼・意見招請への回答18件、うち自社が想定する要件が仕様書に反映された案件7件」と工程と件数で書く
議決を要する契約条例で定める重要な契約は議会の議決が必要とされる場合がある「議決を要する規模の契約2件」と、案件の重さの目安として使う
官需・官公需官公庁向けの需要「官公庁・自治体向け」と一般語に開く
年度4月から翌年3月まで「直近の年度(4月〜翌3月)」と、書類の中で1回だけ期間を定義する

官公庁営業の言葉は、業界の中では通じるぶん、翻訳を忘れやすいところがあります。とくに「随契」「指名」「スペックイン」の3語は、応募先が民間向けの営業組織だと意味が届きません。初出で正式名称と一般語を添え、2回目以降は短い語で構いません。社内KPIや業界語を一般語へ直す手順そのものは社内用語・社内KPIを翻訳する職務経歴書で扱っています。

落札率37.5%を達成し、スペックインにも成功しました。(記入例)

落札率の分母が書かれていないため、予定価格に対する比率と取り違えられます。「スペックイン」は業界語で、何をどこまでやったのかが分かりません。どちらも検算できず、面接で確かめ直す1問を使わせる行になっています。

一般競争入札・指名競争入札に年24件応札し、9件を落札(件数ベース37.5%)。落札総額1億800万円(1件平均1,200万円)。方式別は一般競争 5件/16件、指名競争 4件/8件。仕様が固まる前の情報提供依頼・意見招請に18件回答し、自社が想定する要件が仕様書に反映された案件は7件(38.9%)、うち5件を落札(71.4%)(記入例)。なお落札額と予定価格の比率は、自社の価格政策に関わるため記載していません

分母が件数だと明示され、5件+4件=9件、9件÷24件=37.5%と行の中で検算できます。業界語を工程の説明に置き換えたことで、公告前に何をしていたかも伝わります。全体の37.5%に対し、仕様に関与した案件は71.4%という差が、価格以外の力の証拠になっています(いずれも記入例)。

年度末に偏った実績は、どう書けば通年の実力が伝わるか

単年ではなく直近3年度を並べ、そのうえで四半期別の受注額を添えて、年度末への集中がどれだけあるかを自分から示します。官公庁の予算は4月から翌年3月までの年度で動き、年度内に使い切る必要のある案件は1月から3月に公告と納品が集中します。年間の数字を12で割った月平均は、実力とも忙しさとも一致しません。記入例の年度受注総額2億400万円のうち、1億1,220万円(55.0%)が第4四半期に立っています(記入例)。

四半期別の受注と、その期間に動いている中身(記入例)
期間受注額年度に占める割合その期間に動いている中身
第1四半期(4〜6月)2,040万円10.0%前年度からの継続案件の履行、当初予算で公告された案件への応札準備
第2四半期(7〜9月)3,060万円15.0%翌年度の予算要求期。提案11件のうち6件が翌年度予算に計上
第3四半期(10〜12月)4,080万円20.0%補正予算で追加された案件、年内納品の物品調達
第4四半期(1〜3月)1億1,220万円55.0%年度内に執行する案件の公告と納品が集中。契約25件のうち14件
年度計2億400万円100%契約25件(入札9件・プロポーザル4件・随意契約12件)

集中していること自体は弱みではありません。弱みになるのは、第4四半期の数字を年度の実力として見せ、閑散に見える第2四半期に何をしていたかが書かれていない状態です。官公庁営業の第2四半期は、翌年度の予算要求に向けて提案を持ち込む時期で、夏から秋に動かなかった分は翌年度の3月に返ってきます。「予算要求期に提案した11件のうち6件が翌年度予算に計上(54.5%)、うち4件を受注」(記入例)という行を置くと、受注が少ない四半期にこそ翌年の案件をつくっていたことが読めます。

単年で見せない、というのがもう1つの要点です。年度単位の調達は、担当団体の大型更新が回ってきた年と、そうでない年で数字が倍近く動きます。直近3年度を並べると、当たり年だけを切り出していないことが伝わります。記入例では、応札21件・落札7件(33.3%)、応札23件・落札8件(34.8%)、応札24件・落札9件(37.5%)で、3年度合計は応札68件・落札24件(件数ベース35.3%)です(いずれも記入例)。受注総額は1億5,600万円→1億8,200万円→2億400万円と伸びています(記入例)。3年度のうち目標に届かなかった年度がある場合の書き方は目標未達・成績が悪いときの職務経歴書で扱っています。

複数年契約と、翌年度以降にまたがる契約の計上年度にも注意します。3年契約を初年度に全額計上すると、その年度だけが突出し、翌年度の数字が落ち込んで見えます。会社の集計単位に合わせたうえで、「契約総額3,600万円(3年度分・年額1,200万円)」(記入例)のように期間を括弧で添えると、どの年度に何を数えたのかが読み手に分かります。

年間受注額2億400万円を達成し、安定して目標を達成してきました。(記入例)

年度のどこで積んだ2億円かが分からず、3月の駆け込みを拾っただけとも読まれます。「年間」が4月始まりの年度なのか暦年なのかも書かれていないため、面接で期間の確認から始まります。

直近の年度(4月〜翌3月)の受注総額2億400万円。四半期別は第1四半期2,040万円・第2四半期3,060万円・第3四半期4,080万円・第4四半期1億1,220万円で、年度の55.0%が第4四半期。第2四半期は翌年度の予算要求期にあたり、提案11件のうち6件が翌年度予算に計上(54.5%)。直近3年度は1億5,600万円→1億8,200万円→2億400万円(前年比112.1%)、応札68件・落札24件(件数ベース35.3%)(記入例)

年度の定義を1回置いたうえで、偏りを隠さずに示しています。四半期の合計が2億400万円と一致し、閑散期に翌年の案件をつくっていた事実も行になっています。3年度分あるため、当たり年を切り出した数字でないことも同時に伝わります(いずれも記入例)。

価格で決まる入札で、自分の営業の貢献はどこに書くか

落札そのものではなく、応札できる状態をつくった工程を件数で書きます。入札参加資格の維持、案件の早期把握、予算要求期の提案、意見招請への回答、指名の獲得、応札するかしないかの判断が、営業本人の仕事として数えられる部分です。公告が出てから価格を詰めるところだけを書くと、誰がやっても同じ結果になる仕事に見えます。

落札の前後で、自分の実績として書ける工程(記入例)
工程何の証拠になるか書き方(記入例)自分の実績にできるか
入札参加資格の申請・更新応札できる状態を保っていたこと国の統一資格と担当32団体への申請・更新を担当実務としては書ける。資格は会社が受けるものなので、自分の保有資格の欄には書かない
案件の早期把握公告前に案件を知っていたか予算要求期に提案した11件のうち6件が翌年度予算に計上(54.5%)できる。営業本人の動きが最も出る工程
情報提供依頼・意見招請への回答仕様が固まる前の関与回答18件、うち自社が想定する要件が反映された案件7件(38.9%)できる。反映の判断根拠を説明できる範囲で書く
指名の獲得過去の履行実績と関係の蓄積指名を受けた案件8件(前年5件)できる。前年と組にすると伸びが伝わる
企画提案書とプレゼンテーション価格以外で選ばれたこと提案7件→採択4件(57.1%)。審査結果が公表された案件は順位も添えるできる。作成の分担(自分が書いた項目)を1行添える
応札するかしないかの判断取りに行かない判断ができること公告・案内32件のうち24件に応札、8件は採算と体制が合わず応札せずできる。件数と辞退の理由の型で書く
落札・採択結果落札9件・1億800万円、採択4件・6,000万円できるが、単独では価格で決まったと読まれる
契約後の履行管理・検査対応翌年度の随意契約や指名につながる信頼継続保守の年度更新 対象18件のうち17件(更新率94.4%)できる。次の受注の起点になる工程として強い
予定価格の読みと価格決裁自社の価格政策(記載しない)できない。面接でも比率までにとどめる

入札は、営業ひとりで完結しない仕事でもあります。積算は技術部門、資格の維持は総務、応札書類の作成は営業事務が担うことが多く、落札の手柄を全部引き受ける書き方をすると、面接で工程を分解された時点で崩れます。自分の担当を工程で切り出し、「企画提案書14項目のうち、要求要件への適合と導入体制の8項目を作成」(記入例)のように書けば、共同作業の中の自分の位置が伝わります。部門をまたぐ数字しか手元にない場合の分け方はチーム実績しかない営業の職務経歴書にまとめています。

官公庁営業には、民間向けの営業と逆の性質が1つあります。入札の公告、落札者、契約金額は公表されるのが原則なので、団体名と案件名を書ける場面が民間より多いことです。公表資料で確認できる範囲であれば「〇〇県〇〇市の財務会計システム更新(契約金額○,○○○万円)」(記入例)のように書けます。ただし、公表されていない情報はそのまま社外秘です。予定価格に対する比率、積算の内訳、担当者との調整の中身、他社の提案内容は書きません。公表されているかどうかで線を引き、迷ったものは伏せる側に置きます。伏せた項目の置き換え方は守秘義務で社名・数値が書けないときの職務経歴書で扱っています。

入札参加資格は、会社が受けるものであって個人の資格ではありません。国の各府省庁で使われる統一の資格は有効期間が原則3年度単位とされ、等級によって参加できる調達の規模の目安が変わるとされています(2026年9月時点)。自治体はそれぞれの団体で審査を受ける形が一般的です。職務経歴書では、資格欄ではなく「活かせる経験・知識・スキル」に、申請と更新を担当した事実として書きます。自分名義で取得している国家資格や検定は、入札参加資格とは別に資格欄へ書いて構いません。

入札は価格で決まるため、営業として工夫できる余地は限られていました。年間9件を落札しています。(記入例)

自分の仕事を価格の提出に限定して説明しているため、公告前の工程を持っていない営業として読まれます。9件という結果だけが残り、応募先には再現できる力が見えません。

公告・案内のあった32件のうち24件に応札し9件を落札(件数ベース37.5%)。公告前の工程として、予算要求期に11件を提案し6件が翌年度予算に計上(54.5%)、情報提供依頼・意見招請に18件回答し7件で自社が想定する要件が仕様書に反映(38.9%)、その7件のうち5件を落札(71.4%)。応札を見送った8件は、採算と納期の体制が合わないことを理由に社内で記録(記入例)

落札の前に自分が動かした工程が件数で並び、仕様に関与した案件の落札率が全体より高いことまで示せています。応札しなかった8件があるため、数を追うだけの営業ではないことも読めます。32件-24件=8件と足し算も合います(いずれも記入例)。

学校・病院・介護施設が顧客のときは、何を足すか

契約する相手(教育委員会・病院の契約担当課・施設の運営法人)と、実際に使う人(教員や児童生徒・医師や看護師・介護職員や利用者)が分かれるため、契約件数に加えて「使う側」の規模を書きます。契約が1件でも、その先に何校・何施設・何人が乗っているかで案件の重さがまったく違うためです。公立・公設の施設は入札や見積合わせにかかるので、方式の節と同じ型で応札と落札の件数も並べます。以下の数値は、顧客の種類ごとに別の担当を想定した記入例です。

顧客の種類別に、契約件数へ足す指標(記入例)
顧客契約の相手実際に使う人契約件数に足す指標(記入例)
学校・教育委員会教育委員会(公立)/学校法人(私立)教員・児童生徒教育委員会6団体を担当し、3団体で採択(50.0%)。管内の導入62校、利用する児童生徒 約2万4,000名、翌年度も継続58校(93.5%)
公立病院・大学病院契約担当課・事務局医師・看護師・臨床工学技士担当22施設(公立6・大学2・民間14)。入札にかかる公立6施設で応札5件→落札3件(60.0%)
介護施設・福祉事業所運営法人・施設長(公設は市町村の契約担当課)介護職員・利用者担当84事業所、年度の契約24件。うち市町村が契約主体の公設事業所6件(25.0%)、年度更新は20件中18件(90.0%)

学校・教育機関が顧客の場合、契約は教育委員会や学校法人と1件でも、導入は管内の学校全体に及びます。契約件数だけを書くと年に数件の営業に見えてしまうので、導入校数と利用する児童生徒数を添えます。採択は年度単位で、教材やICTの選定時期を外すと1年待つことになるため、提案の時期を設計できていたかも実績です。「提案は前年度の秋までに教育委員会と学校現場の双方へ行い、翌年度予算に載せたうえで公告を待った」(記入例)のように、年度の流れに沿って書きます。年度更新率は、導入後に現場で使われ続けたかを示す数字なので、採択数より重く読まれることがあります。

公立病院・大学病院が顧客の場合は、入札にかかる部分を方式の節と同じ型で書きます。自治体が設置する病院や、国立大学法人・公立大学法人が設置する病院の調達は、一定の規模を超えると入札や見積合わせを経るのが一般的で(2026年9月時点)、民間の病院のように事務局との交渉だけで決まるとは限りません。担当する施設のうち何施設が入札の対象だったかを分けて書くと、価格で戦った案件と、提案や履行実績で決まった案件の比率が読めます。「担当22施設(公立6・大学2・民間14)のうち、入札にかかる公立6施設で応札5件→落札3件(60.0%)」(記入例)のように、施設数と応札・落札の件数を同じ行に置きます。

介護施設・福祉事業所が顧客の場合は、運営主体によって契約の相手が変わる点を書き分けます。同じ種別の施設でも、市町村が設置して指定管理者が運営する施設と、社会福祉法人や民間事業者が独自に運営する施設では、契約の窓口も決め方も違います。公設の施設や、市町村が費用を負担する備品・システムの導入は入札や見積合わせにかかるため、「担当84事業所、年度の契約24件(うち市町村が契約主体の公設事業所6件・25.0%)、年度更新は20件中18件(90.0%)」(記入例)のように、事業所数を分母に置いたうえで公費が入る契約を切り分けます。事業所数だけを並べると訪問の多さしか伝わらないので、契約件数と年度更新の件数を必ず組にします。

病院で使う部門の採用と購買部門の決裁が二層になるときの書き分け、介護施設で入居者を集める入居営業(相談員)の指標、立会い件数や症例数といった商材側の指標は、医療機器営業の職務経歴書で扱います。本記事は、公費で動く契約と入札にかかる部分に絞ります。

よくある質問

落札できなかった年度が続き、書ける結果がありません。

結果が出なかった年度は、応札件数・提案件数・予算要求期の提案数といった行動量と、その年度に整えた土台を書きます。「応札19件・落札2件。同年度に3団体から新たに指名を受け、翌年度の落札6件につながった」(別の担当を想定した記入例)のように、翌年度の結果と接続すると空白になりません。数字が手元にない期間の扱いは実績が数字にできない職務経歴書にまとめています。

官公庁向けの経験しかないと、民間向けの営業に応募するとき不利になりますか?

不利になるとすれば、書き方が官公庁の型のままのときです。応札件数を「提案機会の数」、採択率を「コンペの勝率」、年度更新率を「継続率」と、民間の営業が使う語に置き換えます。仕様書を読み込んで要件と自社製品の対応表をつくる作業は、民間のRFP対応とほぼ同じ工程なので、その1行を前に出すと経験が接続します。決裁が多層で商談が長い点も、大企業向けの営業では強みとして読まれます。

入札参加資格や「営業経歴書」は、職務経歴書に書けますか?

入札参加資格は会社が受けるものなので、自分の資格欄には書きません。書けるのは「国の統一資格と担当32団体への申請・更新を担当」(記入例)という実務の事実で、置き場所は「活かせる経験・知識・スキル」です。入札の提出書類である「営業経歴書」は会社の沿革や営業実績を書く様式で、転職用の職務経歴書とは別物なので、内容を流用しないでください。

代理店・販売店を経由して納品しており、発注者との契約者が自社ではありません。

契約者が誰かを明示したうえで、自分が担当した工程を書きます。「発注者への提案と仕様調整を担当、契約は販売店経由(年8件・3,200万円)」(別の担当を想定した記入例)のように、契約の形と自分の関与を同じ行に置きます。自社契約分と経由分は行を分け、合計を1つにまとめません。分母が違うものを足すと、面接で内訳を聞かれた時点で説明が崩れます。代理店を経由した売上をどこまで自分の実績にできるかという考え方そのものは代理店営業・パートナーセールスの職務経歴書で扱っています。

公告や落札結果は公表されているので、団体名や金額はそのまま書いてよいですか?

公表されている範囲であれば書けます。団体名・案件名・契約金額は、公告や契約情報として公表されるのが原則だからです。ただし、公表の有無は案件ごとに違うので、書く前に発注者の公表資料で確認します。予定価格に対する比率、積算の内訳、担当者とのやりとり、他社の提案内容は公表されていないため書きません。判断に迷ったものは伏せる側に置きます。

契約方式別の件数と年度の並びが決まったら、あとは入力するだけです

ここまでの内容は、入力フォームの該当欄にそのまま書けます。登録なしで、PDFまで作れます。

職務経歴書の入力フォームへ

運営 オルグロー株式会社(運営会社)。この記事は、当社が運営する履歴書・職務経歴書作成ツール「営業の履歴書作成ツール」の編集部が制作し、当社が編集責任を負います。外部ライターへの委託や、他社記事の転載はしていません。

記事内の数値について 売上・件数・達成率・順位などの数値はすべて記入例です。当社サービスの実績や、特定の個人の経歴ではありません。

制作方法 構成と下書きに生成AIを使い、当社の担当者が数値の検算、入力フォームの欄名・並びとの整合、参照情報との照合を行っています。詳しくは編集方針に記載しています。

更新 公開 /最終更新 。記入例・表・結論を変えたときだけ最終更新日を上げています。募集要項に指定がある場合は、そちらが優先されます。

無料で職務経歴書を作成する