チーム実績しかない職務経歴書は?個人の貢献は担当規模と自分の差分で書く
この記事の結論
チーム実績しかない職務経歴書は、【実績・成果】を「担当規模」と「自分の差分」の2段に分けて書きます。上段にはチーム売上・案件数・人数を「チームの数字」と明記して置き、下段には主担当として受注した件数と金額、担当工程の指標、前任や他メンバーとの比較のいずれかで、自分がいたことで変わった分を書きます(記入例:チーム売上3億円のうち主担当分8,400万円・28%)。チーム売上をそのまま自分の売上の行に書くことだけは避けます。
この記事はチームの実績の中から自分の貢献を切り出し、【実績・成果】に置き分けることを決めきるためのものです。職務要約から自己PRまでの全体の型、実績指標の対応表、数字で示せる実績がない場合の書き方、社名や売上を書いてよいかの判断は、営業職の職務経歴書にまとめています。様式そのものを探している方は、そちらの入力フォームからそのまま作れます。
入力フォームへチーム実績しかない状態とは(職務経歴書での扱い)
チーム実績しかない状態とは、売上や受注がチーム・案件・代理店の単位で集計されていて、自分ひとりの数字として切り出せない状態です。数字が無いわけではなく、数字は手元にあるのに誰のものかが決まっていない、帰属の問題です。書き方に迷う原因は「数字が弱い」ことではなく「置き場所が無い」ことなので、本記事は個人の貢献の置き場所と書き方だけを扱います。
帰属が決まらない構造は、大きく3つあります。インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスに工程を分けた分業、代理店や紹介者が売った売上が自分の担当に乗る間接販売、前任から既存顧客を受け取った引き継ぎです。上長の同席や共同受注は、3つのどれにも重なって起こります。
本記事では、メンバーとして働いた人が自分の貢献をどこに書くかを対象にします。部下を率いる立場でのチーム実績は営業マネージャーの職務経歴書の論点なので扱いません。実績の数字そのものが手元に残っていない場合は実績が数字にできない・覚えていないときの職務経歴書で、工程ごとの指標の細かな取り方はインサイドセールスの職務経歴書など営業のかたち別の記事で扱います。
職務経歴書の完成記入例(チーム実績しかない法人営業)
先に完成形を示します。分業型の法人営業チームでメンバーとして働いた人の例で、数値はすべて記入例です。【実績・成果】の中を<担当規模>と<自分の差分>の2段に分けている点を見てください。
記入例
職務要約
法人営業として6年間、製造業向け業務システムの提案営業に従事。直近3年間は4名の営業チームで、インサイドセールスから引き継いだ商談の提案から受注までを主担当として担い、年間21件・8,400万円を受注しました(チーム売上3億円の28%、記入例)。複数部門にまたがる案件では上長と役割を分け、提案書とデモを担当してきました。
職務経歴
株式会社〇〇〇〇 ○○○○年○月〜現在 営業部 法人営業チーム
- 【所属】営業部 法人営業チーム(メンバー4名・上長1名)
- 【営業対象】従業員300〜1,000名規模の製造業。情報システム部門と生産管理部門の責任者
- 【商材】生産管理システム(無形・1件400万円前後)
- 【営業手法】インサイドセールスが創出した商談を引き継ぎ、提案から受注までを担当。複数部門にまたがる案件は上長が同席。受注後はカスタマーサクセスへ引き継ぎ
- 【実績・成果】(記入例)
- <担当規模>チーム売上3億円(目標2億8,000万円・達成率107%)、受注75件・商談268件(受注率28%)(記入例)
- <自分の差分>主担当として受注21件・8,400万円(チーム売上の28%、平均単価400万円)(記入例)
- <自分の差分>主担当案件の受注率35%(商談60件→受注21件、チーム平均28%)(記入例)
- <自分の差分>上長同席案件2件・他メンバー支援12件の計14件・1億1,300万円の受注に関与(提案書・デモを担当)(記入例)
- <自分の差分>失注理由を12分類で集計する型を作り、チームの週次会議で運用(記入例)
活かせる経験・知識・スキル
- 情報システム部門と生産管理部門、複数の決裁者にまたがる要件整理と提案書作成
- 失注理由の分類と共有(12分類の集計表をチームで運用)
- SFAでの商談進捗管理と、インサイドセールス・カスタマーサクセスとの引き継ぎ設計
入力フォームでは、職務経歴の「業務内容と実績・成果」欄に【所属】【営業対象】【商材】【営業手法】【実績・成果】の順で書きます。<担当規模>と<自分の差分>は【実績・成果】の中の小見出しとして入れ子にし、欄を増やしたり順番を変えたりはしません。1行1事実で、担当比率の行には分子(自分の分)と分母(チームの分)を同じ行に置きます。
チームの実績は、自分の実績として書いてよいのか
書いてよいのですが、「チームの数字」と明記して上段に置き、自分の数字とは行を分けます。
採用側が実績欄から読み取りたいことは2つです。1つは「どの規模の商売を見てきた人か」、もう1つは「その人が入ると何が変わるか」です。上段の担当規模が前者に、下段の自分の差分が後者に答えます。チーム売上を主語なしで自分の行に書くと、面接で「そのうちあなたが決めたのは何件ですか」と分解され、口頭の答えと書類が食い違います。
| 手元にある数字 | 置く段 | 書き方(記入例) | 押さえどころ |
|---|---|---|---|
| チーム売上・チーム達成率 | 上段 | チーム売上3億円(目標2億8,000万円・達成率107%)、メンバー4名 | 「チーム」の語を省かない。人数を添える |
| 上長同席・共同受注の案件金額 | 下段(関与の行) | 上長が主担当の案件6,000万円に副担当として参画 | 「受注した」と書かず、役割名を添える。主担当の行とは分ける |
| 主担当として受注した件数・金額 | 下段 | 主担当受注21件・8,400万円(チーム売上の28%) | 分母を同じ行に置く |
| 担当工程の指標 | 下段 | 主担当案件の受注率35%(商談60件→受注21件) | 分子と分母を両方書く |
| 代理店・紹介者が売った売上 | 上段 | 担当代理店12社・担当代理店経由売上 年間1億8,000万円 | 「担当代理店経由」の語で、自分が売ったのではないと示す |
| 前任から引き継いだ売上 | 上段 | 引き継ぎ時点で18社・年間4,000万円 | 「引き継ぎ時点」と明記する |
職務経歴書に決まった様式はなく、何を書くかは本人に任されています(ハローワークインターネットサービス「履歴書・職務経歴書の書き方」)。任されているからこそ、事実と受け取られ方がずれる書き方を避けるのは書く側の責任です。盛らない線引きは3つで足ります。チームの数字を主語なしで書かない、同席した案件を「受注した」と書かない、担当比率の分子に同席分を混ぜない、の3つです。
主担当・同席・後方支援は、どこで線を引くのか
提案の設計・見積・クロージングの3つに自分が責任を持っていたかで主担当を判定し、それ以外は「副担当」「後方支援」と役割名で書きます。
チーム実績の中で個人の貢献が薄く見える原因の多くは、役割を書かずに案件だけを並べることにあります。役割は3つに分けると迷いません。判定の基準は「誰が決めたか」であり、「誰が同席したか」ではありません。上長が同席していても、提案の中身と見積を自分が組み、最後の合意を自分が取ったなら主担当です。
| 役割 | 判定の条件 | 書き方(記入例) | 数字の扱い |
|---|---|---|---|
| 主担当 | 提案の設計・見積・クロージングの責任を自分が持った。上長が同席しても決めたのは自分 | 主担当として受注21件・8,400万円 | 件数・金額を自分の行に書く。担当比率の分子に入れる |
| 副担当・同席 | デモ・提案書の一部・技術説明など商談の一部を担い、決定の責任は他の人にあった | 上長が主担当の6,000万円案件に副担当として参画(デモ・導入計画書を担当) | 金額は書くが「受注した」とは書かない。関与件数として別行に |
| 後方支援 | 商談には出ず、提案書・見積・社内調整で他メンバーの案件を支えた | 他メンバーの案件の提案書・見積を作成し、12件の受注に関与 | 件数だけを書く。金額は「関与」の行にまとめる |
上長同席の大型案件は、役割の書き方で読まれ方が変わる典型です。主担当だった場合と副担当だった場合を並べます。
・大型案件(6,000万円)を受注し、チーム目標の達成に貢献(記入例)
誰が決めた案件か分かりません。上長が主担当だったなら受注は上長の実績であり、自分が主担当だったなら上長同席を隠したように読まれます。どちらにしても面接で必ず分解されます。
・6,000万円の案件(チーム内で年間最大)を主担当として受注。要件整理・提案書・見積の作成を担当し、最終の価格交渉のみ上長が同席(記入例) または ・上長が主担当の6,000万円案件に副担当として参画。3部門へのデモと導入計画書の作成を担当し、受注に至る(記入例)
金額は同じでも、自分が持った責任の範囲が1行で伝わります。副担当の書き方でも、6,000万円規模の案件を動かした経験は伝わり、盛っていないことが読み手の信用になります(数値は記入例)。
主担当か副担当か迷う案件は、上長に「あの案件は誰が決めたか」と聞かれて「自分です」と言い切れるかで判断します。言い切れないなら副担当と書きます。副担当と書いた案件が多いこと自体は減点ではなく、大型案件に触れてきた経験として読まれます。
分業型の営業は、自分の工程の数字をどう切り出すのか
自分の工程の「入口の数」と「出口の数」を書き、前後の工程の成果は「引き継いだ」「引き渡した」と書き分けます。
インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスの分業では、チームの売上は3つの工程の合作です。自分の成果は自分の工程の出口にあります。インサイドセールスなら商談化した数、フィールドセールスなら受注した数と金額、カスタマーサクセスなら継続した数です。入口の数(引き継いだ商談数など)を添えると、出口の数が率として読めるようになります。
・インサイドセールス・カスタマーサクセスと連携し、チームで年間売上2億円を達成(記入例)
「連携」「チームで」の2語で、自分の工程がどこかも、そこで何を出したかも消えています。読み手には2億円のうち自分の分が0円にも2億円にも見えます(数値は記入例)。
・【担当工程】インサイドセールスが創出した商談を受け、提案から受注までを担当(受注後はカスタマーサクセスへ引き継ぎ) ・年間商談100件(うち自己開拓16件)→受注32件(受注率32%)・受注額9,600万円(チーム売上2億円の48%)(記入例)
工程の入口(商談100件)と出口(受注32件・9,600万円)がそろい、チーム売上との関係も1行で読めます。自己開拓の16件を分けて書くと、引き継ぎ待ちの営業ではないことも伝わります(数値は記入例)。
工程ごとの指標の細部は、それぞれの記事に譲ります。商談化率・有効商談率の書き方はインサイドセールスの職務経歴書、受注後の継続率・解約率の書き方はカスタマーサクセスの職務経歴書、受注率・受注単価・商談リードタイムの書き方はフィールドセールスの職務経歴書にまとめています。本記事で決めるのは、チームの合作の中で自分の工程の数字をどこに置くかまでです。
代理店経由や前任から引き継いだ売上は、どこまで自分の数字なのか
代理店や前任が作った数字は上段に「担当」「引き継ぎ時点」と明記して置き、下段には自分が担当してから増えた分と新しく開いた分だけを書きます。
間接販売と引き継ぎは、分業と違って「自分が売っていない売上」が自分の担当に乗ります。だからこそ、上段の数字を自分の売上のように書くと、面接で最初に崩れます。上段は「見てきた規模」として正直に書き、下段で差分を示すと、規模と貢献の両方が伝わります。
・代理店経由の販売で年間1億8,000万円を達成(記入例)
売ったのは代理店で、自分は代理店の担当です。「達成」の主語が自分に読めるため、代理店営業を知る読み手ほど警戒します。
・<担当規模>担当代理店12社・担当代理店経由売上 年間1億8,000万円(記入例) ・<自分の差分>新規に取扱を開始した代理店3社(販売額2,400万円・全体の13%)。既存代理店9社への同行商談36件、うち受注15件・4,500万円(記入例)
代理店が売った規模は規模として残し、自分が動いて生まれた分(新規取扱と同行商談の受注)だけを差分に置いています。同行商談の受注は「代理店と共同」であることが行の構造から読めます。
代理店が売った売上の帰属をどこまで書くか、稼働代理店の数え方や新規代理店の開拓の書き方は代理店営業・パートナーセールスの職務経歴書にまとめています。
前任から引き継いだ売上も同じ構造で、受け取った時点の数字を上段に固定し、下段にはその後の増減だけを書きます。「<担当規模>前任から引き継いだ既存顧客18社・年間売上4,000万円(引き継ぎ時点)/<自分の差分>担当2年目に20社・4,600万円(引き継ぎ時点の115%)」のように、引き継ぎ時点と明記した行が上段、その基準からの差が下段です(記入例)。基準年をどこに置くか、維持率と社数の内訳をどう書くかはルート営業・既存深耕の職務経歴書にまとめています。本記事では、上段に置く数字と下段に置く数字の境目だけを決めます。
担当比率はどう計算し、どこまで書くのか
担当比率は「自分が主担当として受注した金額÷チーム売上」で計算し、整数のパーセントに丸めて、分子と分母を同じ行に添えます。
計算そのものは単純ですが、分子と分母の取り方を揃えないと数字が崩れます。分子は主担当として受注した金額だけで、副担当・後方支援の案件は入れません。分母はチーム全体の同じ期間の売上で、自分が在籍していない月を含めないようにします。記入例では、主担当分8,400万円÷チーム売上3億円=28%で、4名のチームなら均等割の25%より少し上に位置することが読めます(記入例)。
比率だけを書かず、必ず分子と分母を同じ行に置きます。「チーム売上の28%」だけでは、チームが3人なのか30人なのかで意味が変わるからです(記入例)。「主担当受注21件・8,400万円(チーム売上3億円の28%、メンバー4名)」まで書けば、読み手は自分で検算できます(記入例)。丸めは整数で構いませんが、たとえば27.6%を「約30%」と切り上げると検算で崩れるので、28%と書きます(記入例)。
比率が低い場合も、書かないより書いたほうが伝わります。低い理由が期間や工程にあるなら、その事実を同じ行に添えます。
・主担当として受注9件・2,700万円(チーム売上1億8,000万円の15%、メンバー4名、入社2年目)(記入例) ・上長・先輩が主担当の案件で提案書を作成し、11件の受注に関与(記入例)
15%は均等割の25%を下回りますが、入社2年目という条件と、関与件数11件が並ぶことで「まだ主担当は少ないが、案件を動かす側に回り始めた人」として読めます。低い比率を隠すより、条件を添えて出したほうが信用されます(数値は記入例)。
個人目標が設定されず、チーム目標しか無い会社もあります。その場合は上段にチーム目標と達成率を書き、下段には主担当の件数と金額、担当工程の指標、行動量のいずれかを置きます。個人の数字がどうしても切り出せないときの3つの置き換え方は営業職の職務経歴書のハブページにまとめています。数字が手元に残っていない場合の復元のしかたは実績が数字にできない・覚えていないときの職務経歴書で扱います。
比率の根拠は、SFAの受注一覧か、日報・週報の集計から拾います。正確な数字が出せないときは「約」を付けて、算出根拠(受注一覧から集計、など)を面接で説明できるようにしておきます。「アシスト件数」「同席受注」といった社内でしか通じないKPI名で持っている場合は、社内用語・社内KPIを翻訳する職務経歴書の手順で一般語に置き換えてから書きます。チーム売上や代理店名そのものが守秘に触れるときは、守秘義務で社名・数値が書けないときの職務経歴書で置き換え方を確認してください。
よくある質問
チーム売上を自分の売上として書いたら、虚偽になりますか?
「チーム売上3億円」と事実を書くこと自体は虚偽ではありません(記入例)。問題になるのは「売上3億円を達成」のように主語を省いて自分の行に置く書き方で、面接で分解されたときに口頭の説明と書類が食い違います(記入例)。上段に「チーム」と明記し、自分の分は下段に分けて書けば、事実のまま規模も伝わります。
チームで受けた表彰は、個人の実績欄に書けますか?
書けますが、受賞の主体がチームであることを省かずに「チーム表彰(部門4チーム中1位)、自分は主担当として受注21件」のように、受賞と自分の役割を同じ行に並べます(記入例)。個人受賞のように読める書き方は避けます。表彰歴や順位そのものの書き方は、表彰歴・順位の書き方の記事で扱います。
同じ案件を、上長や同僚も自分の受注として書いていたら問題になりますか?
役割を書いていれば矛盾しません。1つの案件に主担当1人と副担当2人がいるのは自然で、それぞれが「主担当として受注」「副担当として参画」と書けば、3人の書類は同じ事実を別の立場から書いたものになります。矛盾が生まれるのは、副担当だった人が「受注した」と書いたときだけです。
職務要約にも、チーム実績のことを書きますか?
1文だけ書きます。「4名の営業チームで主担当として年間21件・8,400万円を受注(チーム売上の28%)」のように、チームの規模と自分の役割と数字を1文に収めます(記入例)。上段・下段の2段構えは【実績・成果】の中で行い、職務要約では繰り返しません。職務要約の全体の書き方は営業職の職務経歴書のハブページにまとめています。
参照した情報
- ハローワークインターネットサービス「履歴書・職務経歴書の書き方」 — 確認日 2026年9月5日
運営 オルグロー株式会社(運営会社)。この記事は、当社が運営する履歴書・職務経歴書作成ツール「営業の履歴書作成ツール」の編集部が制作し、当社が編集責任を負います。外部ライターへの委託や、他社記事の転載はしていません。
記事内の数値について 売上・件数・達成率・順位などの数値はすべて記入例です。当社サービスの実績や、特定の個人の経歴ではありません。
制作方法 構成と下書きに生成AIを使い、当社の担当者が数値の検算、入力フォームの欄名・並びとの整合、参照情報との照合を行っています。詳しくは編集方針に記載しています。
更新 公開 /最終更新 。記入例・表・結論を変えたときだけ最終更新日を上げています。募集要項に指定がある場合は、そちらが優先されます。