提案営業の職務経歴書は自称に見える?課題発見の工程と顧客側の効果で示す
この記事の結論
提案営業の職務経歴書は、「提案営業を担当」と書く代わりに、課題を見つけた工程を1件ずつ書きます。ヒアリングで確かめた項目、そこから立てた仮説、仮説を検証した方法、提案した内容、顧客側に出た効果の順に並べ、提案48件→受注18件(提案受注率37.5%)、コンペ勝率46.2%、平均案件単価620万円(記入例)で量と勝ち方を添えます。顧客側の効果は、相手が認めた数字だけを書きます。
この記事は提案営業の実績を、課題発見の工程・提案の数字・顧客側の効果で書き切ることを決めきるためのものです。職務要約から自己PRまでの全体の型、実績指標の対応表、数字で示せる実績がない場合の書き方、社名や売上を書いてよいかの判断は、営業職の職務経歴書にまとめています。様式そのものを探している方は、そちらの入力フォームからそのまま作れます。
入力フォームへ提案営業・ソリューション営業とは(職務経歴書での扱い)
提案営業とは、決まった商品をそのまま売り込むのではなく、顧客の業務や事業の課題を聞き取り、その課題が解ける形に自社の商品・サービスを組み立てて売る営業です。ソリューション営業、課題解決型営業、企画提案営業、コンサルティングセールスも、求人票ではほぼ同じ仕事を指して使われます。売る物が先にあるのではなく、顧客の困りごとを特定する工程が仕事の前半を占めるところが、他の売り方との違いです。
職務経歴書で手が止まるのは、その前半の工程が書類に残らないところです。現場を回り、部門をまたいで話を聞き、仮説を立てて試算し、資料を作り直した時間は長いのに、書けるのは受注金額と「顧客の課題を的確にとらえた提案を行いました」の一文しかない。しかも「提案営業」「ソリューション営業」は求人票の側でも使われる言葉なので、書いた本人が思うほどには区別する情報になりません。本記事は、課題を見つけた工程をどこまで分解して書くか、提案の実力を何の数字で示すか、顧客側に出た効果をどこまで自分の実績にできるかを扱います。会社によって「コンサルティング営業」と呼ばれてきた仕事も、同じ型で書きます。
提案の技術面を担う立場は範囲が違います。デモ・PoC・技術検証の実施回数や、提案書のうち技術パートの作り込みを実績として数値化する書き方は技術営業・セールスエンジニアの職務経歴書で扱います。1案件の商談期間が1年を超え、複数部門・複数階層の決裁を通す大型案件の書き方はアカウントマネージャー・エンタープライズ営業の職務経歴書の範囲です。提案の前段にあたる接点づくり(リスト作成・アプローチ件数・アポイント獲得)は新規開拓営業の職務経歴書、引き継いだ既存顧客の売上を守る側の指標はルート営業・既存深耕の職務経歴書にまとめています。仕様書が先に公示され、価格と要件で機械的に評価される入札案件は官公庁・自治体営業(公共・入札)の職務経歴書で扱うため、本記事では民間企業への相見積り(コンペ)だけを対象にします。
職務経歴書の完成記入例(提案営業・ソリューション営業)
先に完成形を示します。製造業・物流業の企業に、業務システムと現場用の機器、導入後の運用代行を組み合わせて提案してきた9年間を、直近1年の数字を中心にまとめた例です。数値はすべて記入例で、工程ごとの件数と金額が最後まで割り切れるようにそろえています。
記入例
職務要約
法人向けの業務システムと現場機器・運用サービスを組み合わせて提案する営業として9年間、製造業・物流業の企業74社を担当してきました(記入例)。出荷や在庫の現場に入って作業を実地で確認し、顧客が困りごととして口にした症状から原因を特定して、システム・機器・運用代行の組み合わせに落とす進め方をとっています。直近1年は案件96件を立ち上げ、提案書48件を提出して受注18件、受注金額1億1,160万円(目標1億円・達成率111.6%)、部内8名中2位です(記入例)。他社との相見積り26件では12件を受注し(勝率46.2%)、受注18件のうち11件で導入後の効果を顧客側の数字として確認しています(記入例)。
職務経歴
株式会社〇〇〇〇(業務システム・現場機器の販売と運用受託/従業員約600名・非上場) ○○○○年○月〜現在 法人営業本部 第二営業部 主任(記入例)
- 【所属】第二営業部(営業8名・部長1名) 主任(○○○○年○月〜)(記入例)
- 【営業対象】製造業・物流業の企業74社(従業員100〜2,000名)の生産管理・物流・情報システム・購買の各部門。稟議は課長級が起案し、決裁は部長級・役員級(記入例)
- 【商材】受発注・在庫・出荷管理の業務システム、現場用の読み取り端末、導入後の運用代行・保守の組み合わせ提案(1案件 200万〜2,400万円)(記入例)
- 【営業手法】既存顧客からの相談58件と新規開拓38件の計96件を案件として立ち上げ、現場の実地確認 → 課題の特定 → 仮説 → 試算による検証 → 提案書 → 導入後の効果測定まで一貫して担当(記入例)
- 【実績・成果】(直近1年・すべて記入例)
- 受注 18件、受注金額 1億1,160万円(1件平均620万円)。目標1億円に対し達成率111.6%、部内8名中2位(記入例)
- 前年(受注16件・8,960万円・1件平均560万円)に対し、件数112.5%・金額124.6%・平均単価110.7%(記入例)
- 案件の工程:立ち上げ96件 → 現場の業務フロー確認62件(96件の64.6%)→ 提案書提出48件(62件の77.4%)→ 受注18件(48件の37.5%、96件の18.8%)(記入例)
- 提案48件の内訳:他社との相見積り26件(受注12件・勝率46.2%)/単独での相談22件(受注6件・27.3%)(記入例)
- 受注に至らなかった30件の内訳:相見積りでの失注14件/予算化の見送り6件/翌期へ繰越10件(記入例)
- 初回ヒアリングから受注までの期間 平均4.2か月(最短1.5か月・最長11か月)(記入例)
- 受注18件の最終決裁層:部長級12件・役員級6件。稟議資料の作成に同席した案件 15件(記入例)
- 提案の型化:業種別の提案書の型を3種つくり、部内8名で共有。他メンバーの提案12件に適用(記入例)
- 顧客側の効果:受注18件のうち導入後に数値で確認できたもの11件(残る7件は測定前または非開示)。例=出荷検品と伝票突合の作業 月240時間→月90時間(削減150時間・62.5%)、帳票の外部印刷費 年240万円→96万円(削減144万円・60.0%)(記入例)
- ※顧客名・顧客の売上高・提案書の原本・自社の値引き率は、守秘義務のため業種・規模・単価帯・比率で記載しています
活かせる経験・知識・スキル
- 現場の作業を実地で確認したうえでの課題特定(年62件)(記入例)
- 複数メニューを組み合わせた提案設計と見積作成(年48件・1案件200万〜2,400万円)(記入例)
- 他社との相見積り案件での提案(年26件・受注12件)(記入例)
- 顧客の稟議に合わせた資料作成と決裁までの段取り(部長級12件・役員級6件)(記入例)
- 導入後の効果測定の設計と、顧客側の担当者との数値のすり合わせ
資格
- 普通自動車第一種運転免許(○○○○年○月 取得)
- 日商簿記検定2級(○○○○年○月 合格)
- ITパスポート試験(○○○○年○月 合格)
記入例の数字は、工程を下るほど件数が減り、最後の金額まで割り切れるように置いています。18件×620万円=1億1,160万円、1億1,160万円÷1億円=111.6%、相見積り26件+単独相談22件=提案48件、受注12件+6件=18件、受注に至らなかった14件+6件+10件=30件で48件-18件と一致します(いずれも記入例)。前年比も、件数112.5%と平均単価110.7%を掛け合わせると金額の124.6%になります(記入例)。提案営業の書類で最初に疑われるのは率の高さではなく、工程の件数が上から下までつながっているかどうかです。
職務経歴書は、履歴書では書ききれない具体的な職務内容と実績を伝える書類だと、ハローワークインターネットサービスの「履歴書・職務経歴書の書き方」でも位置づけられています。提案営業でいう「具体的」とは、提案の巧みさを形容詞で語ることではなく、誰に何を聞き、何を見て、どこに原因があると判断し、いくらの提案を何件出したかを読み手が追える状態にすることです。入力フォームの「業務内容と実績・成果」は【所属】【営業対象】【商材】【営業手法】【実績・成果】の5ブロックを1つの欄に続けて書く形なので、提案営業の情報は次のように振り分けます。
- 【所属】部署名(または担当エリア)、営業人数、役職と就任時期。「第二営業部(営業8名)主任」(記入例)のように、順位の分母になる人数まで書きます。
- 【営業対象】業種と規模に加えて、話をした部門を並べます。生産管理・物流・情報システム・購買のように部門が複数あることが、提案営業では担当範囲の広さを表します。
- 【商材】単品ではなく「何と何を組み合わせて売っていたか」を書きます。1案件の金額レンジを添えると、提案の重さが伝わります。
- 【営業手法】案件の入口(相談を受けたのか自分から持ちかけたのか)と、工程のどこからどこまでを担当したかを矢印でつなぎます。提案営業でいちばん情報量の多い欄です。
- 【実績・成果】受注件数と金額を組にした行から始め、工程別の件数、提案の内訳、失注の内訳、決裁層、顧客側の効果の順に並べます。各行に分母と期間を添えます。
職務要約の組み立て方そのものは営業職の職務経歴書の書き方、数字にできる実績が手元にない期間の扱いは営業職の職務経歴書(数字で示せる実績がない場合)にまとめています。
「提案営業を担当」は、どの工程に割れば実績になるか
案件の入口・現状の確認・課題の特定・仮説・検証・提案・合意形成・効果測定の8工程に割り、それぞれに件数か具体を1つ付けます。「提案営業を担当しました」「顧客の課題を的確にとらえた提案を行いました」という文が弱いのは、内容が間違っているからではなく、同じ会社の営業なら全員が書けてしまうからです。読み手は、書き手が何をした結果その受注になったのかを知りたいのに、形容詞だけが並ぶと、判断する材料がありません。工程に割ると、書ける行が一気に増えます。
| 工程 | 書く内容 | 1行の記入例 |
|---|---|---|
| 案件の入口 | 相談を受けたのか、自分から持ちかけたのか | 既存顧客からの相談58件・新規開拓38件(年96件) |
| 現状の確認 | 誰に何を聞き、何を実地で見たか | 生産管理・物流・情報システムの3部門に聞き取り、出荷現場の作業を確認(年62件) |
| 課題の特定 | 顧客が口にした症状と、自分が見つけた原因を分ける | 「残業が減らない」の原因を、受注データの二重入力と紙伝票の突合に特定 |
| 仮説 | 何をどう変えれば解決すると考えたか | 出荷指示の入力を1回に集約すれば検品の待ち時間が消えると想定 |
| 検証 | 仮説を数字で確かめた方法 | 現行作業を実測し、削減見込み月150時間を試算して顧客と合意 |
| 提案 | 何を組み合わせ、いくらで出したか | システム+現場端末+運用代行の3点、1案件200万〜2,400万円で提案(年48件) |
| 合意形成 | 顧客の社内をどう通したか | 稟議資料の作成に同席15件、最終決裁は部長級12件・役員級6件 |
| 効果測定 | 導入後に何を測り、誰が確認したか | 受注18件のうち11件で削減時間・削減額を顧客側と確認 |
8工程すべてを毎回書く必要はありません。書き手の強みが出るのは、たいてい「現状の確認」「課題の特定」「検証」の3つです。商品説明と見積提出だけで受注できる仕事なら、そもそも現場を2日かけて見る必要はなく、顧客が言った要望をそのまま形にして出せば済みます。実地で見た件数と、症状ではなく原因を書いた1文が並んでいると、それだけで「提案営業」という言葉が自称でなくなります。
顧客の潜在的な課題を深くヒアリングし、最適なソリューションを提案することで信頼関係を構築しました。年間1億1,160万円を受注しました。(記入例)
「潜在的」「深く」「最適な」はいずれも書き手の自己評価で、読み手が確かめる手がかりがありません。金額だけが残るため、商材の力で売れたのか、自分が課題を見つけたのかが区別できず、面接で一から説明することになります。
【営業手法】既存顧客からの相談58件と新規開拓38件の計96件を案件として立ち上げ、現場の実地確認62件 → 課題の特定 → 試算による検証 → 提案書48件 → 受注18件まで担当(記入例)
・出荷の残業が減らないという相談に対し、原因を受注データの二重入力と紙伝票の突合に特定。現行作業を実測して削減見込み月150時間を試算し、システム・現場端末・運用代行の3点で880万円を提案(記入例)
工程の件数が上から下までつながっているため、提案48件がどこから来た48件なのかが読めます。1件を具体で書いた行があるので、「課題を特定した」が形容詞ではなく作業として伝わります(いずれも記入例)。
案件が部やチーム単位で動き、提案書も複数名で作った場合は、自分が担当した工程だけを書きます。「提案書の作成を担当(構成と試算部分)、現場確認は自分が単独で実施」(記入例)のように工程ごとに関与を分けると、チームの成果を丸ごと引き受けたようには読まれません。分け方の考え方はチーム実績しかない営業の職務経歴書にまとめています。
ヒアリングと仮説は、どう書けば「聞いただけ」に見えないか
聞いた相手・確かめた項目・そこから立てた仮説・仮説を確かめた方法の4点を1組にして書きます。ヒアリングは提案営業の中心にある作業ですが、「丁寧にヒアリングしました」と書くと、注文を聞いて回っただけの営業と区別が付きません。分かれ目は、聞いた内容を自分の判断に変えたかどうかです。相手の言葉をそのまま提案にしたのなら要望対応であり、症状から原因を推定して確かめたのなら課題発見です。書類でその差を出すには、確かめた項目を具体で残すしかありません。
| 聞く相手 | 確かめる項目 | 職務経歴書での残し方(記入例) |
|---|---|---|
| 現場の担当者 | 1日の作業手順、手戻りの回数、残業の出方 | 出荷検品と伝票突合を実測(1名1日4.0時間×3名=月240時間) |
| 部門の管理職 | 部門目標、評価される指標、予算の枠と時期 | 予算化の時期と枠を確認し、提案時期を期初に合わせた案件 9件 |
| 情報システム部門 | 既存の仕組み、データの持ち方、社内規程 | 既存システムとの接続可否を提案前に確認 34件(提案48件の70.8%) |
| 経理・購買部門 | いま出ている費用、契約の更新時期 | 帳票の外部印刷費 年240万円を把握し、削減額の根拠にした |
| 決裁者 | 稟議の順路、判断の基準、過去に見送った理由 | 稟議の順路(課長→部長→役員)を確認し、資料を2種に分けて作成 |
| 現場の記録・帳票 | 実績データ、エラー件数、作業日報 | 出荷伝票の記入誤りを3か月分集計(月18件) |
仮説は、書類では1文で十分です。「出荷指示の入力を1回に集約すれば、検品の待ち時間が消える」(記入例)のように、変える対象と、その結果起きることを1組で書きます。長く書くと提案書の要約になってしまい、読み手が求めている「この人は何を考えて動くか」からずれます。仮説を書いたら、必ず確かめた方法を続けます。現行作業の実測、3か月分の帳票の集計、他部門への確認のいずれかがあれば、思いつきではないことが伝わります。
検証まで書くと、失注した案件にも書ける行が生まれます。仮説が外れて提案に至らなかった案件、試算した削減額が投資額に届かず自分から見送りを提案した案件は、いずれも判断ができる人の証拠です。「試算の結果、削減見込みが投資額に届かないと判断し、規模を落とした保守のみの契約を提案(記入例)」のように書けば、売上を取りに行かなかった理由まで説明できます。
顧客の現場に足を運び、担当者から経営層まで幅広くヒアリングを行い、真の課題を発見しました。(記入例)
誰に何を聞いたかが無いため、訪問回数の話なのか、聞き取り内容の話なのかが分かりません。「真の課題」は書き手の主観で、読み手には検算のしようがない語です。
現場の作業者・物流課長・情報システム担当の3者に聞き取り、出荷検品と伝票突合の作業を実測(1名1日4.0時間×3名=月240時間)。残業の原因を受注データの二重入力と特定し、入力を1回に集約すれば検品の待ち時間が消えると想定。3か月分の出荷伝票から記入誤り月18件を集計し、削減見込み月150時間を試算して顧客と合意しました(記入例)
聞いた相手・確かめた項目・仮説・検証の4点が1組で並び、月240時間と月150時間という数字の出所まで書かれています。同じ手順を応募先の顧客に対しても実行できる人だと読めます(いずれも記入例)。
提案メニューの名前が社内の商品名で、外部に出しても意味が通らない場合は、初出で一般語を添えます。「〇〇パック(受発注システムと運用代行を月額でまとめた自社サービス)」(記入例)のように括弧で説明すれば、扱った提案の中身が伝わります。社内の呼称やKPIを一般語に直す手順は社内用語・社内KPIを翻訳する職務経歴書で扱っています。
提案の実力は、どの数字で示すか
提案件数を分母に置いた受注率と、相見積りだけを切り出したコンペ勝率、そして案件単価とリードタイムの4つを軸にします。受注金額だけを書くと、単価の大きい商材を扱っていただけの人と区別が付きません。提案営業の実力は「どれだけ提案したか」ではなく「出した提案がどれだけ通ったか」「競合と並んだときに選ばれたか」に表れるので、分母を提案件数にそろえた率を必ず1本置きます。
| 指標 | 書き方(記入例) | 押さえどころ |
|---|---|---|
| 案件立ち上げ件数 | 年96件(既存からの相談58件・新規開拓38件) | 提案の分母。相談待ちか自分発かを分けて書く |
| 現場確認の件数 | 年62件(立ち上げ96件の64.6%) | 「聞いた」ではなく「見た」件数。提案営業でしか書けない行 |
| 提案件数 | 年48件(現場確認62件の77.4%) | 提案書を出した件数。見積だけ出した件数と混ぜない |
| 提案受注率 | 18件÷48件=37.5% | 分母を提案件数にそろえる。引合数や商談数と混ぜない |
| コンペ勝率 | 相見積り26件中12件(46.2%) | 単独相談と分けて書く。混ぜると勝率が薄まる |
| 平均案件単価 | 620万円(1案件200万〜2,400万円) | レンジを併記する。平均だけでは構成が読めない |
| 受注金額 | 1億1,160万円(目標1億円・達成率111.6%) | 件数×平均単価と一致させる |
| 提案リードタイム | 初回ヒアリングから受注まで平均4.2か月 | 起点を必ず書く(引合日か初回訪問日か) |
| 最終決裁層 | 部長級12件・役員級6件 | 誰まで会えたかが提案の重さを示す |
| 提案の型の横展開 | 型3種を部内8名で共有、他メンバーの提案12件に適用 | 個人技で終わらせていないことが伝わる |
| 受注に至らなかった案件 | 30件(失注14件・予算化見送り6件・翌期繰越10件) | 理由の分類が提案の精度を語る。隠すより効く |
コンペ勝率を単独で切り出すのは、相見積りと単独相談では勝ち方の質が違うからです。記入例では、相見積り26件で12件(46.2%)、単独での相談22件で6件(27.3%)と、単独相談のほうが受注率が低くなっています(記入例)。相見積りは顧客がすでに投資を決めていて比較段階にある一方、単独の相談は予算化の前に持ちかけられることが多く、社内で見送りになったり翌期に回ったりするためです。2つを混ぜて「受注率37.5%」とだけ書くと、競合と並んだときにどうだったかが消えます。逆に、単独相談ばかりの環境なら「相見積りは年3件のみ(既存顧客からの相談が中心)」(記入例)と書けば、率の低さが環境の話だと伝わります。
リードタイムは、提案営業では期間の長さそのものが情報になります。平均4.2か月という数字は、初回訪問の翌週に受注する売り方とも、2年かけて1件を追う売り方とも違うことを示します(記入例)。起点をどこに置いたか(引合を受けた日か、初回訪問の日か)を括弧で添えると、応募先が自社の商談と比べられます。最短と最長を併記すると、案件の幅も同時に伝わります。
年間受注率60%を達成し、部内トップクラスの成績を維持しました。(記入例)
分母が書かれていないため、60%が何に対する率なのかが読めません。訪問した会社の数か、提案書を出した件数か、見積を出した件数かで意味がまったく変わります。「トップクラス」も、順位でも人数でもない語です。
提案書提出48件 → 受注18件(提案受注率37.5%)。うち他社との相見積り26件で12件を受注(コンペ勝率46.2%)、単独での相談22件で6件を受注(27.3%)。受注金額1億1,160万円(1件平均620万円・目標1億円に対し達成率111.6%)、部内8名中2位(記入例)
率の分母が提案件数だと明示され、相見積りと単独相談に分かれています。件数と単価と金額が行の中で検算でき、順位にも分母(8名)が付いています(いずれも記入例)。
順位や社内表彰を書くときの分母と評価期間の付け方は表彰歴・社内順位の職務経歴書、分母と期間をそろえる一般的な考え方は営業職の職務経歴書(営業実績を数字でどう書くか)にまとめています。
顧客側に出た効果は、どこまで自分の実績にできるか
顧客側の効果は自分の売上とは別の行に置き、何をどう測ったか、誰が確認した数字かを必ず添えます。提案営業の書類でいちばん強い行は、受注金額ではなく「導入後に顧客側で何が変わったか」です。同時に、いちばん盛りやすい行でもあります。削減時間も削減額も自分の会社の数字ではないため、出所を書かずに置くと、聞いた話をそのまま書いたのか、実際に確認したのかが判別できません。
| 効果の種類 | 書き方(記入例) | 添える一言 |
|---|---|---|
| 作業時間 | 出荷検品と伝票突合 月240時間→月90時間(削減150時間・62.5%) | 測った人数・日数と、測定した期間 |
| 費用 | 帳票の外部印刷費 年240万円→96万円(削減144万円・60.0%) | 顧客の経理が確認した数字であること |
| エラー・手戻り | 出荷伝票の記入誤り 月18件→月4件(14件減・77.8%減) | 減った理由を1行だけ添える |
| 所要期間 | 受注から出荷指示までの所要 平均2営業日→当日 | 何を起点に測ったか |
| 継続・追加 | 受注18件のうち、翌期に追加の相談を受けたもの6件(33.3%) | 効果が続いたことの間接的な証拠になる |
| 顧客の売上・利益 | (原則として書かない) | 要因が多すぎて自分の提案に帰属しない |
| 測れなかった案件 | 受注18件のうち7件は測定前または非開示 | 測れた件数と分母を書くと、11件の信頼が上がる |
顧客の売上や利益を効果として書かないのは、控えめにするためではなく、帰属しないからです。顧客の売上には、市況・商品力・人員配置・他社の動きが同時に効いています。自分の提案で動いたと言い切れるのは、提案が直接触った作業と費用の範囲までです。作業時間・費用・エラー件数・所要期間の4つに絞ると、どれも「その仕組みを入れたから変わった」と説明できる範囲に収まります。
効果を測れた件数と測れなかった件数を並べる書き方は、一見すると自分の実績を減らしているように見えます。実際には逆で、受注18件のうち11件と書かれていると(記入例)、その11件は本当に確認した数字だと読まれます。全件で効果が出たと書かれた書類のほうが、面接で1件ずつ確かめられます。測れなかった理由(導入直後で測定前、顧客が数値を開示しない、測定を担う部署が別)を1語添えれば、書き手が数字の性格を分かっていることも同時に伝わります。
提案したシステムの導入により、顧客の業務効率を大幅に改善し、コスト削減に大きく貢献しました。(記入例)
「大幅」「大きく」に中身がなく、何時間・何円が減ったのかが分かりません。効果を測ったのか、顧客がそう言っていたのかも区別できず、提案の質を判断する材料になりません。
受注18件のうち11件で導入後の効果を顧客側の数字として確認(残る7件は測定前または非開示)。
・出荷検品と伝票突合の作業 月240時間→月90時間(削減150時間・62.5%。3名の作業を導入前後で各1か月実測、顧客の物流課と確認)(記入例)
・帳票の外部印刷費 年240万円→96万円(削減144万円・60.0%。顧客の経理部門の年間集計による)(記入例)
効果が受注金額とは別の行に置かれ、測り方と確認した相手が括弧に入っています。分母(18件)と確認できた件数(11件)が並ぶため、数字を選んで見せていないことが伝わります(いずれも記入例)。
顧客名・顧客の売上高・提案書の原本・自社の値引き率は、職務経歴書では書かない側の情報です。業種・規模・単価帯・比率への置き換え方と、伏せたつもりでも特定されてしまう組み合わせは守秘義務で社名・数値が書けないときの職務経歴書にまとめています。効果が出なかった案件や目標に届かなかった年度の扱いは目標未達・成績が悪いときの職務経歴書で扱っています。
ソリューション営業・コンサルティング営業と呼ばれていた場合、どう書き分けるか
呼び名をそのまま職務経歴書の見出しにせず、自分が担当した工程の範囲を書きます。求人票と社内での呼称は会社ごとにばらつきがあり、同じ「コンサルティング営業」でも、業務調査と要件設計まで担う仕事を指す会社と、既存商品を丁寧に提案する仕事を指す会社があります。呼び名だけを書くと、読み手は自社の定義で読み替えるため、面接で担当範囲の食い違いが出ます。
| 呼び名 | 指していることが多い仕事 | 書類での置き換え方 |
|---|---|---|
| 提案営業 | 顧客の要望に合わせて商品を組み替えて売る | 工程(現場確認→仮説→検証→提案)と件数で書く |
| ソリューション営業 | 複数の商品・サービスを束ねて課題を解決する | 組み合わせたメニューの種類と、1案件の構成を書く |
| コンサルティング営業 | 会社により範囲が違う(調査・設計まで/提案の丁寧さ) | 担当した工程の始点と終点を1行で書く |
| 企画提案営業 | 販促・売り場・運用の企画を持ち込む | 企画の採用件数と、企画から売上が立つまでの期間を書く |
| ITソリューション営業 | 情報システムの導入提案 | 要件定義のどこまでを担ったかを1行で書く |
| 課題解決型営業 | 求人票で使われる一般語 | 見つけた課題を1件だけ具体で書く |
「コンサルティング営業」という言葉には、もう1つ扱いにくいところがあります。コンサルティングファームのコンサルタント職と語がぶつかるため、職務経歴書の見出しにその語を置くと、読み手によっては調査・分析・設計を主業務とする職種の経験として受け取られます。営業として応募するのであれば、見出しは実際の職種名(法人営業、提案営業など)にし、コンサルティング的に動いた部分は工程の行で示すほうが正確に伝わります。逆に、要件定義や業務設計まで担っていたのなら、その工程を独立した行にして、成果物(業務フロー図、要件定義書、運用設計書)の種類まで書きます。
既存顧客を回る仕事から提案型に変わった経緯がある場合は、その転換を1行で書けます。「担当引き継ぎ時は定期訪問と補充発注の受け付けが中心だったが、現場の作業実測を提案の起点に変え、担当52社のうち24社で新規テーマの案件を立ち上げた(記入例)」のように書くと、環境が提案型だっただけではなく、自分で仕事の形を変えたことが伝わります。定期訪問と補充発注の対応そのものは、担当社数と売上の前年比で別の行に置き、提案案件の行と混ぜません。
扱った商材がシステムやクラウドサービスの場合は、提案営業の型に業界固有の指標が1つ加わります。受託開発や機器・回線を含む一式の提案なら案件単価と検収までの期間、月額課金型のサービスなら継続率と解約の理由が、それぞれ主要な指標です。前者の書き方はSIer・受託開発営業の職務経歴書にまとめています。どちらの場合も、本記事の工程(現場確認・仮説・検証)は共通で、足す指標は1つに絞ると読みやすくなります。
よくある質問
結局は商材が良かっただけではないか、と面接で言われそうです。
商材で決まる部分と、担当者が替われば変わる部分を分けて書きます。受注金額の絶対額は商材と価格の力に支えられているので、そこは規模の情報として置き、自分の行には現場確認62件、相見積り26件中12件の受注、稟議資料の作成に同席15件、効果測定まで確認した11件のように、担当者の動きで変わる数字を並べます(いずれも記入例)。同じ商材を扱う部内8名の中で2位という順位も、商材の力を差し引いた比較になります。読み手も、法人向けの提案が営業一人で決まらないことは知っているので、分けて書くこと自体が評価の材料になります。
求人票では提案営業でしたが、実際は既存顧客を回るルート営業に近い仕事でした。
実態のとおりに書いたうえで、提案として動いた部分を切り出します。「担当52社への定期訪問と補充発注の対応が業務の中心。うち24社で現場の作業を実測し、新規テーマの案件を立ち上げて提案書24件・受注9件」(記入例)のように、日常業務と提案案件を2行に分ければ、誇張せずに提案の経験が示せます。件数が少なくても、工程を書いた1件が具体であれば十分に伝わります。求人票の職種名に寄せて「提案営業」とだけ書くより、日常業務の規模(担当52社・年間売上)と提案案件の工程を並べたほうが、応募先で同じ動き方ができるかを判断してもらえます。
提案の中身を書くと守秘義務に触れそうで、工程を具体的に書けません。
伏せるのは工程に付いた固有名のほうで、工程の記述そのものは残せます。守秘の対象になるのは顧客名、顧客の売上高や原価、提案書の原本、自社の値引き率であって、「出荷検品の作業を実測して削減見込みを試算した」という作業の手順ではありません。提案営業の書類で価値があるのは作業の手順のほうなので、顧客名を業種と規模に、金額を単価帯に置き換えれば、現場確認・仮説・検証の行はそのまま書けます。試算の中身を出せない案件でも、「現行作業を実測して削減見込みを試算」という工程の記述は残せます。顧客側の効果も、削減額を伏せて削減率62.5%だけを書けば、顧客の費用構造を出さずに提案の効き方が伝わります(記入例)。
提案から受注までが長く、在籍中に受注できなかった案件があります。
進行中の案件を、段階と金額規模で別の行に書きます。「提案済みで検討中の案件 6件・提案金額合計4,800万円(うち役員報告まで到達3件)」(記入例)のように書けば、退職時点で積んでいた量が伝わります。受注済みの数字と混ぜないことが条件で、混ぜると水増しと見なされます。前任者が提案し自分が受注した案件も同様に、「前任からの引き継ぎ案件4件(うち受注3件)」(記入例)と分けて書きます。進行中の案件を書くときは、提案金額の合計だけでなく到達した段階(提案済み・見積提出済み・役員報告済み)を添えると、期待値の水増しに見えません。
提案件数を数えたことがなく、受注件数と金額しか分かりません。
受注件数から逆に数えます。提案営業は1件ごとの記憶が残りやすいので、受注18件の裏で提案書を出した相手を思い出し、月ごとに数え直すと近い数字に届きます。それでも出ない場合は、提案書のファイル数、見積番号の連番、稟議に同席した回数のように、社内に残っていた数え方を1つ選び、「提案書のファイル数から集計」(記入例)と出所を添えます。件数が復元できないときは、率を書かずに件数と金額だけを書き、工程の具体を1件ぶん厚くするほうが読み手に届きます。復元の考え方と「約」の付け方の線引きは実績が数字にできない職務経歴書にまとめています。
参照した情報
- ハローワークインターネットサービス「履歴書・職務経歴書の書き方」 — 確認日 2026年9月6日
運営 オルグロー株式会社(運営会社)。この記事は、当社が運営する履歴書・職務経歴書作成ツール「営業の履歴書作成ツール」の編集部が制作し、当社が編集責任を負います。外部ライターへの委託や、他社記事の転載はしていません。
記事内の数値について 売上・件数・達成率・順位などの数値はすべて記入例です。当社サービスの実績や、特定の個人の経歴ではありません。
制作方法 構成と下書きに生成AIを使い、当社の担当者が数値の検算、入力フォームの欄名・並びとの整合、参照情報との照合を行っています。詳しくは編集方針に記載しています。
更新 公開 /最終更新 。記入例・表・結論を変えたときだけ最終更新日を上げています。募集要項に指定がある場合は、そちらが優先されます。