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自動車部品・建機営業の職務経歴書は売上だけ?受注車種と量産立ち上げで示す

執筆 営業の履歴書作成ツール 編集部 公開 最終更新

この記事の結論

自動車部品・建機メーカー営業の職務経歴書は、年間売上ではなく、受注した車種・機種のプログラム件数と量産立ち上げを軸に書きます。売上は顧客の生産台数で決まるため、次期モデルの受注3件・量産期間を通した売上見込26億5,000万円、量産立ち上げ4件(記入例)のように、自分が取った受注と量産に乗せた件数を別の行に置きます。単価が円単位で数量が万単位の商売は、年間数量480万個と担当売上24億円(記入例)を組にして規模を示します。

この記事は自動車部品・建機メーカー営業の実績を、受注プログラム・量産立ち上げ・価格と原価の指標で書き切ることを決めきるためのものです。職務要約から自己PRまでの全体の型、実績指標の対応表、数字で示せる実績がない場合の書き方、社名や売上を書いてよいかの判断は、営業職の職務経歴書にまとめています。様式そのものを探している方は、そちらの入力フォームからそのまま作れます。

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自動車部品・建機メーカー営業とは(職務経歴書での扱い)

自動車部品・建機メーカー営業とは、完成車メーカーや建設機械メーカー、その一次サプライヤーに対して、量産部品・ユニット・補給部品を供給する営業です。求人票では自動車部品営業、部品メーカー営業、カーメーカー担当、建機メーカー担当とも呼ばれます。取引先は数社に固定され、新型車・新機種の引合を受けて図面と見積を出し、内示(受注)を取り、量産開始に乗せ、量産が続く数年のあいだ毎月の数量と価格を管理し続けることが仕事の中心になります。

職務経歴書で手が止まるのは、担当売上を1行書いたあとです。売上は担当した車種が何台売れたかで決まるため、伸びた年も落ちた年も自分の力に見えません。顧客は数社しかないので新規開拓の件数が書けません。単価と数量は守秘で出しにくく、図面や量産立ち上げは技術部門の仕事に見えます。本記事は、受注から量産までの数年をどの期間で書くか、円単位の単価と万単位の数量で規模をどう示すか、図面・見積・量産立ち上げのどこまでを自分の実績にできるかを扱います。

商流を1行に圧縮する書き方と、売上と粗利のどちらを主指標に置くかは業界を問わないメーカー営業共通の型なので、メーカー営業の職務経歴書(総論)にまとめています。設計採用(スペックイン)から量産売上までのずれと、市況で売上が倍半分になる年度の説明は半導体・電子部品営業の職務経歴書で扱います。1台数百万円から数億円の設備を売り、見積からの受注率と案件単価を主指標にする仕事は産業機械・工作機械・装置営業の職務経歴書、相手先ブランドの製品を受託製造し、引合から試作・量産化までの案件フェーズで実績を書く仕事はOEM営業の職務経歴書の範囲です。メーカーから仕入れて部品を売る立場は取扱高と粗利額の書き分けという別の型を持つため、商社営業の職務経歴書にまとめています。完成車を個人のお客様へ販売するディーラーの営業は、本記事では扱いません。

建設機械・産業車両の部品を供給する営業も本記事の範囲です。顧客が数社に固定され、機種ごとのまとまりで受注し、量産と補給で長く売上が続くという骨格が自動車部品と同じだからです。違うのは台数の桁と機種が更新される周期で、後半の節で1つの表にまとめます。

職務経歴書の完成記入例(自動車部品・建機メーカー営業)

先に完成形を示します。駆動系の機能部品を、完成車メーカーへの直納と一次サプライヤーへの供給の両方で扱った9年間を、直近1年の数字を中心にまとめた例です。数値はすべて記入例で、納入先別と区分別の合計がどちらも担当売上と一致し、数量と単価を掛けた金額も合うようにそろえています。

記入例

職 務 経 歴 書
○○○○年○月○日 現在

職務要約

自動車部品メーカーの営業として9年間、駆動系の機能部品を担当し、完成車メーカー2社への直納と、モジュールを組む一次サプライヤー3社への供給を受け持ってきました(記入例)。直近1年は担当売上24億円(目標23億円・達成率104.3%、前年22億5,000万円・前年比106.7%)、量産品の年間数量は480万個です(記入例)。同じ年に次期モデル向けのプログラム3件を受注し(量産期間を通した売上見込 合計26億5,000万円)、量産立ち上げ4件すべてを顧客指定の量産開始日どおりに初回出荷しました(記入例)。原材料費の上昇分は主要12型番のうち9型番で価格改定に合意し、年次の価格低減要求との差引きで平均単価を前年360円から375円へ引き上げています(記入例)。

職務経歴

株式会社〇〇〇〇(自動車部品メーカー/従業員約3,200名・東証プライム上場) ○○○○年○月〜現在 営業本部 第一営業部 主任(記入例)

  • 【所属】第一営業部(営業7名・部長1名) 主任(○○○○年○月〜)(記入例)
  • 【営業対象】完成車メーカー2社の購買・車両開発・品質保証部門(国内2工場・海外1工場向け)と、モジュールを組む一次サプライヤー3社の購買・技術部門(記入例)
  • 【商材】駆動系の機能部品(量産品は1個200〜600円)と、市場に出た車両向けの補給部品(1個1,000円前後)(記入例)
  • 【営業手法】新型車の企画段階で引合(RFQ)を受け、社内の設計・生産技術・原価管理をまとめて図面と見積を提出。内示(受注)後は量産開始までの日程・型手配・工程監査に立ち会い、量産開始後は月次の内示数量の管理、年次の価格低減要求への対応、品質不具合の窓口までを一貫して担当
  • 【実績・成果】(直近1年・すべて記入例)
    • 担当売上 24億円(目標23億円・達成率104.3%)。前年22億5,000万円に対し前年比106.7%(記入例)
    • 納入先別:完成車メーカー直納 16億8,000万円(構成比70.0%)/一次サプライヤー経由 7億2,000万円(構成比30.0%)(記入例)
    • 区分別:量産品 18億円(年間数量480万個・平均単価375円)/補給部品 6億円(年間数量60万個・平均単価1,000円)(記入例)
    • 前年内訳:量産品 450万個・平均単価360円(16億2,000万円)/補給部品 63万個・1,000円(6億3,000万円)。量産品は数量106.7%・平均単価104.2%(記入例)
    • 新規受注:次期モデル向けプログラム3件(年産60万個×単価420円×5年=12億6,000万円/年産36万個×単価550円×5年=9億9,000万円/年産25万個×単価400円×4年=4億円)、量産期間を通した売上見込 合計26億5,000万円(記入例)
    • 引合(RFQ)18件 → 見積提出14件 → 内示(受注)3件(見積からの内示 21.4%)。見積の社内取りまとめ 平均18営業日、提出期限の遵守14件(記入例)
    • 新規口座:一次サプライヤー1社と新たに取引開始(初年度売上 8,000万円。一次サプライヤー経由7億2,000万円の11.1%)(記入例)
    • 量産立ち上げ 4件(新規3件・モデルチェンジに伴う切替1件)。4件すべて顧客指定の量産開始日どおりに初回出荷、初期流動期間(量産開始後3か月)の不具合 0件(記入例)
    • 価格:主要12型番のうち9型番で原材料・エネルギー費の上昇分の価格改定に合意(合意率75.0%、担当数量全体で1個あたり平均+22円)。年次の価格低減要求(量産中の型番に対し約2.0%=1個あたり約7円)との差引きで平均単価は前年360円から375円へ(+15円)、年間数量480万個に対する売上押し上げ 7,200万円(記入例)
    • 原価低減:VA/VE提案(材料・形状・工程の見直しによる原価低減提案)年12件提出・5件採用、製造原価 年2,400万円の低減(1個あたり5円)(記入例)
    • 生産変動への対応:月次の内示数量が前月比±20%を超えた回数 年6回。自社工場・仕入先との調整により、顧客ラインの停止 0件・欠品 0件(記入例)
    • 品質:不具合の一次対応 年9件(受領当日の一次報告 9件、是正処置報告書の提出まで平均12営業日)。特別採用(顧客の判断による一時的な受入)に至った件数 1件(記入例)
    • 試作対応:試作用部品の出荷 年28回、顧客の設計審査・評価会への同席 年16回(記入例)
    • ※取引先名・車種名・型番・型番別の単価と原価は、守秘義務のため業種・規模・単価帯・比率で記載しています

活かせる経験・知識・スキル

  • 完成車メーカー2社への直納と一次サプライヤー3社への供給(担当売上24億円/年)(記入例)
  • 新型車の引合から見積・内示・量産立ち上げまでの一貫対応(直近1年で内示3件・立ち上げ4件)(記入例)
  • 社内の設計・生産技術・原価管理を横断した見積のとりまとめ(見積提出14件/年・平均18営業日)(記入例)
  • 原材料・エネルギー費の上昇分の価格改定交渉(対象12型番・合意9型番)(記入例)
  • VA/VE提案による原価低減(年12件提出・5件採用・年2,400万円)(記入例)
  • 月次の内示変動と品質不具合への一次対応(顧客ラインの停止 0件)(記入例)

資格

  • 普通自動車第一種運転免許(○○○○年○月 取得)
  • 品質管理検定 2級(○○○○年○月 合格)

記入例の数字は、切り口を変えても合計が動かないように置いています。納入先別は直納16億8,000万円+一次サプライヤー経由7億2,000万円=24億円、区分別は量産品18億円+補給部品6億円=24億円。量産品は480万個×375円=18億円、補給部品は60万個×1,000円=6億円で、前年も450万個×360円=16億2,000万円、63万個×1,000円=6億3,000万円の合計22億5,000万円になります(いずれも記入例)。受注の見込額も12億6,000万円+9億9,000万円+4億円=26億5,000万円と足し算が合います(記入例)。面接で最初に確かめられるのは率の高さではなく、数量と単価を掛けた金額が本人の口から出てくるかどうかです。

職務経歴書は、履歴書では書ききれない具体的な職務内容と実績を伝える書類だと、ハローワークインターネットサービスの「履歴書・職務経歴書の書き方」でも位置づけられています。自動車部品・建機の営業でいう「具体的」とは、車種名や型番を書くことではなく、どの顧客の何に使われる部品を、年に何個・いくらで納めたかと、その受注を誰が取ったかを読み手が追える状態にすることです。入力フォームの「業務内容と実績・成果」は【所属】【営業対象】【商材】【営業手法】【実績・成果】の5ブロックを1つの欄に続けて書く形なので、情報は次のように振り分けます。

  • 【所属】営業部・営業所名、営業人数、役職と就任時期。「第一営業部(営業7名)主任」(記入例)のように、順位や分担の分母になる人数まで書きます。
  • 【営業対象】完成車メーカーか一次サプライヤーかを分け、社数と、話した部門(購買・車両開発・品質保証)まで書きます。自社が何次のサプライヤーとして納めているかも1語で添えます。
  • 【商材】部品の種別と単価帯、量産品と補給部品の別。単価の桁が読み手の想像と離れやすい商材なので、単価帯を必ず入れます。
  • 【営業手法】引合から量産中の管理までの流れを1行にします。「引合(RFQ)→図面・見積→内示→量産立ち上げ→量産中の数量・価格管理」(記入例)と並べると、どこまでを担当したかが一目で伝わります。
  • 【実績・成果】担当売上と数量を組にした行から始め、納入先別・区分別、新規受注、引合から内示までの件数、量産立ち上げ、価格と原価、生産変動、品質の順に並べます。各行に分母と期間を添えます。

職務要約の組み立て方そのものは営業職の職務経歴書の書き方、数字にできる実績が手元にない期間の扱いは営業職の職務経歴書(数字で示せる実績がない場合)にまとめています。

受注から量産まで数年かかる仕事は、どの期間を実績として書くか

在籍中に立った売上と、在籍中に取った受注を別の行に分け、受注には量産開始の予定時期と量産期間を添えます。自動車・建機の部品は、新型車・新機種の企画から量産開始までが年単位で進みます。会社や車種によって差はありますが、部品メーカーが量産開始日から逆算して関わり始めるのは量産開始のおよそ2年前より前で、引合と見積はさらにその手前に来ます。つまり自分が取った受注の売上が立つのは早くても2〜3年後で、逆に今年の売上をつくっている車種の受注は、2〜3年前の担当者が取ったものです。

受注から生産終了までの段階と、その時点で書けること(記入例)
段階書き方(記入例)押さえどころ
引合(RFQ)を受ける引合 年18件(担当2社の次期モデル・派生機種)引合の数は顧客の開発計画で決まる。件数だけで実力を示さない
図面・見積を出す見積提出 年14件、社内取りまとめ 平均18営業日誰と何をまとめたか(設計・生産技術・原価管理)を添える
内示(受注)を得る内示3件、量産期間を通した売上見込 26億5,000万円年産数量×単価×量産年数の算式を1行で示す
量産準備・型手配型手配と工程監査の日程を顧客と合意 4件営業が責任を持ったのは日程と条件の合意。設計・製造の作業とは分ける
量産立ち上げ量産開始日どおりの初回出荷 4件、初期流動3か月の不具合 0件遅れなかったことが成果。日付ではなく件数と期間で書く
量産中量産品 年480万個・18億円、平均単価375円売上が顧客の生産台数に連動する旨を1行添える
モデルチェンジ・生産終了切替1件、生産終了車種の補給部品 年6億円切替時の在庫・型の扱いまで担当したなら書く

受注から生産終了までの一巡は、在籍年数と実績の関係を説明する材料にもなります。乗用車のモデルチェンジの間隔は車種や市場によって差が大きく、かつて言われた4年前後より長くなる傾向も指摘されています。年数を断定して書く必要はなく、在籍中に担当車種のモデルチェンジを何回またいだかで書けば十分です。「担当車種のフルモデルチェンジを在籍9年で2回経験(うち1回は次期モデルの受注から量産立ち上げまで担当)」(記入例)と書けば、量産中の管理だけをしてきた人ではないことが1行で伝わります。逆に在籍2年で「量産立ち上げの経験」だけを書くと、引合から受注までを見ていない可能性が読み手に浮かびます。担当した段階を、周期の中の位置として書くほうが正確です。

建設機械の場合は、機種が更新される周期が乗用車よりさらに長くなることがあり、規制対応の時期に合わせて機種の入れ替えが重なる年もあります。ここでも周期の数字は書かず、「担当機種は在籍中に1回の機種更新を経験」(記入例)のように、自分がまたいだ回数で書きます。

自動車部品メーカーの営業として、年間24億円を担当しました。新規受注も獲得しています。(記入例)

24億円がいつ誰の受注で立った売上なのかが読めません。新規受注も件数・規模・量産開始の時期がないため、面接で一から説明することになります。売上の大きさだけが残り、そのうちどこが自分の仕事だったのかが伝わりません。

・担当売上 24億円(前年22億5,000万円・前年比106.7%)。売上の大半は在籍前から量産中の車種で、担当期間中は量産品の数量480万個(前年450万個)と平均単価375円(前年360円)を維持・改善(記入例)
・在籍中に取った新規受注は次期モデル向け3件、量産期間を通した売上見込 合計26億5,000万円。量産開始は○○○○年以降のため、直近1年の売上には含まれていません(記入例)

引き継いだ売上と自分が取った受注が2行に分かれ、受注の規模が金額で示されています。量産開始が先であることを自分から書いているため、数字を大きく見せていないと判断されます(いずれも記入例)。

単価が円単位で数量が万単位の商売は、規模をどう書くか

数量・単価・金額の3点を1行に置き、単価を出せないときは数量と金額の2点で書きます。1個200〜600円の部品を年480万個という商売(記入例)は、金額だけを書くと24億円という数字が独り歩きし、単価だけを書くと商売が小さく見えます。読み手が知りたいのは金額の大きさではなく、桁の構造です。数量が万単位なのか億単位なのか、単価が円なのか万円なのかで、必要な管理も交渉の中身もまったく違うからです。

守秘の度合い別・規模の書き方(記入例)
出せる情報書き方(記入例)何が伝わるか
数量・単価・金額のすべて量産品 年480万個・平均単価375円・売上18億円桁と構造が一度に伝わる。最も情報量が多い
単価だけ出せない量産品 年480万個・売上18億円(1個あたり数百円の機能部品)単価帯を幅で示す。型番別の原価の逆算を避けられる
数量も単価も出せない量産品 売上18億円(担当5社・車種8)分母を社数と車種数に移す
金額も出せない担当5社・車種8、年産数百万個規模の量産部品桁だけを残す。「約」を付けて概算と分かるようにする
1台あたりの搭載数担当車種のうち1車種は1台あたり4個搭載・年産12万台=年48万個(量産品480万個の10.0%)数量が顧客の生産台数で決まる構造まで伝わる
補給部品補給部品 年60万個・1個1,000円前後・6億円(担当売上の25.0%)量産品と単価の桁が違うので必ず分ける

桁の書き方には決まった作法があります。24億円を「2,400,000,000円」と書かず、480万個を「4,800,000個」と書きません(いずれも記入例)。読み手に桁を数えさせないことが目的なので、億・万で丸めます。単価だけは円単位まで書いてかまいませんが、必ず「平均単価」と明示します。型番ごとに単価が違う商材で単価を1つだけ書くと、その1点が全体の価格だと誤解され、面接で型番別の単価を聞かれる流れになります。

書かない側の情報もはっきりしています。型番、車種名、型番別の単価表、製品別の原価、顧客ごとの値引き条件は、職務経歴書には書きません。単価と数量から製造原価と利益率が逆算できるためで、どの部品をどの会社が納めているかは公表されていないことも多く、車種名を出した時点で取引関係を明かすことになります。単価帯・業種・社数・車種数への置き換えという型そのものは守秘義務で社名・数値が書けないときの職務経歴書にまとめています。

「内示」「員数」「切替」「特採」「初期流動」「型(かた)」といった言葉は、業界の中では通じますが、人事や他業界の読み手には届きません。初出で「内示(顧客から示される月次の発注予定数量)」「員数(1台に搭載される個数)」のように一般語を添えます(記入例)。社内KPIや業界語を一般語へ直す手順は社内用語・社内KPIを翻訳する職務経歴書で扱っています。数量も金額も手元に残っていない場合の復元の仕方は実績が数字にできない職務経歴書にまとめています。

担当製品の年間売上は約24億円です。数量や単価は守秘義務のため記載できません。(記入例)

「記載できません」で止まると、規模も構造も読み手に残りません。守秘義務は数字を伏せる理由であって、規模を書かない理由にはなりません。金額1つだけが残るため、商材の性格も担当の広さも伝わらない行になっています。

担当売上 24億円。量産品は年間数量480万個・1個あたり数百円の駆動系機能部品、補給部品は年間60万個・1個1,000円前後。担当は完成車メーカー2社・一次サプライヤー3社、車種8(記入例)
※型番・車種名・型番別の単価と原価は守秘義務のため、単価帯と社数・車種数に置き換えています

単価表そのものを伏せたまま、桁・構造・担当の広さが残っています。注記が1行あるため、書いていない情報があることと、その理由も同時に伝わります(いずれも記入例)。

図面・見積・量産立ち上げは、どこまで自分の実績にできるか

決めたのが誰かで分け、営業が担ったのは「まとめた」「通した」「間に合わせた」の3種類だと書きます。図面を引くのは設計、原価を積むのは原価管理、工程をつくるのは生産技術です。営業が「図面対応」「量産立ち上げを担当」とだけ書くと、技術者が読んだときに何をしたのか分からず、他部署の仕事を自分の実績にしたとも読まれます。営業の仕事は、顧客の要求(性能・価格・日程)を社内に翻訳し、社内の回答を期日までにまとめて顧客へ返し、決まったことを守らせることです。

工程別・営業が書ける行(記入例)
工程決める部門営業が書ける行(記入例)
引合・仕様確認顧客の開発・購買引合18件の受付と要求仕様の社内展開、未確定点の照会 年40件
図面・技術検討自社の設計顧客の設計審査・評価会への同席 年16回、設計変更の受付と回答 年22件
見積自社の原価管理・生産技術見積提出14件、社内取りまとめ 平均18営業日、提出期限の遵守14件
内示(受注)顧客の購買内示3件、量産期間を通した売上見込 26億5,000万円
量産準備・型手配自社の生産技術型手配・工程監査への立会い4件、日程の顧客合意4件
初回量産(立ち上げ)自社の製造量産開始日どおりの初回出荷4件、初期流動3か月の不具合0件
量産中の変動対応自社の生産管理内示が前月比±20%を超えた6回に対応、ライン停止0件・欠品0件
品質不具合自社の品質保証一次対応9件、受領当日の一次報告9件、是正処置報告書 平均12営業日

工程別に分けたときの要点は、動詞を「対応した」から「まとめた」「通した」「間に合わせた」へ置き換えることです。「量産立ち上げ4件」だけでは、工場に行ったのか書類をつくったのかが分かりません。「型手配と工程監査の日程を顧客と合意し、4件すべて量産開始日どおりに初回出荷」(記入例)まで書くと、営業が責任を持った範囲が確定します。件数の横に、その件数を守るために自分がした行為を1つ添える。それだけで、技術者が読んでも成立する行になります。

見積は営業の実績にしやすい工程です。顧客の要求日までに社内の設計・生産技術・原価管理から数字を集め、社内の承認を取り、提出する。集める相手の数と、かかった日数と、期限を守った件数は、担当者が替われば変わる数字です。「見積提出14件、社内取りまとめ 平均18営業日、提出期限の遵守14件」(記入例)と書けば、社内を動かす力が件数で伝わります。見積金額そのものや原価の内訳は書きません。

試作品の技術評価、性能データの読み解き、顧客の技術部門への技術提案そのものが評価対象の立場は、営業とは別の職種として指標を持ちます。提案書や技術評価の数値化は技術営業・セールスエンジニアの職務経歴書で扱っているので、営業として書くときは、社内をまとめた行為と顧客と合意した条件に絞ります。

新型車の量産立ち上げに携わり、図面対応や見積作成を行いました。品質問題にも対応しました。(記入例)

「携わる」「対応」は、関与の深さも量も伝えません。図面を引いたのか、見積の数字をつくったのかも読めず、技術部門の実績を借りているようにも読まれます。3つの工程を並べているのに、1つも数字が付いていません。

・引合18件を受け、社内の設計・生産技術・原価管理を取りまとめて見積14件を提出(社内取りまとめ 平均18営業日、提出期限の遵守14件)(記入例)
・内示3件を獲得(量産期間を通した売上見込 合計26億5,000万円)(記入例)
・量産立ち上げ4件で、型手配と工程監査の日程を顧客と合意し、4件すべて量産開始日どおりに初回出荷。初期流動3か月の不具合0件(記入例)
・品質不具合9件で受領当日に一次報告、是正処置報告書の提出まで平均12営業日(記入例)

誰と何をまとめたかが書かれ、営業が持った責任(期限・日程・初回出荷・報告の速さ)が4つの数字で示されています。工程の名前ではなく、自分の行為で書かれているため、応募先で同じ動き方ができるかも想像できます(いずれも記入例)。

年次の価格低減要求と価格改定は、どう数字にするか

下げた分と上げた分を別の行に書き、差引きの平均単価と、その年の売上への影響額を算式で添えます。量産中の型番には、毎年一定率の価格低減を求められる取引があります。一方で原材料・エネルギー・物流費の上昇分を販売価格へ反映する申し入れも必要になり、両方が同じ年に起きます。平均単価の増減だけを書くと、値下げを飲んだのか値上げを通したのかが読めません。

価格・原価に関する実績の書き分け(記入例)
項目書き方(記入例)押さえどころ
年次の価格低減要求量産中の型番に対し約2.0%(1個あたり約7円)の要求、対象数量480万個率だけでなく1個あたりの金額に落とす
価格改定(値上げ)の申し入れ主要12型番のうち9型番で合意(合意率75.0%、担当数量全体で1個あたり平均+22円)対象・合意・単価差の3点で書く
差引きの平均単価前年360円 → 375円(+15円)上げ下げの結果として1行に置く
年間の売上影響額+15円 × 480万個 = 7,200万円算式を書くと読み手がその場で検算できる
VA/VEによる原価低減提案12件・採用5件、製造原価 年2,400万円(1個あたり5円)価格ではなく原価。価格の行と混ぜない
合意に至らなかった型番3型番は数量の見直しと材料の切替を継続協議通した数だけを見せない
原価の内訳・利益率(書かない)型番別の原価構成が逆算できる。面接でも触れない

価格改定の交渉は、根拠資料の作り方が仕事の中身です。原材料の価格指数、為替、物流費の推移を型番ごとの原価構成に当てはめ、社内の原価管理と数字を合わせ、顧客の購買に説明します。職務経歴書では「粘り強く交渉した」ではなく、「対象12型番・合意9型番(75.0%)・売上押し上げ7,200万円」(記入例)と書きます。合意に至らなかった3型番(記入例)の扱いを1行添えると、通した数だけを見せていないことが伝わります。

VA/VE提案は、顧客からの価格低減要求に対して、部品の形状・材料・工程を見直し、原価そのものを下げる提案です。営業の実績としては、提案件数・採用件数・低減額の3つで書きます。ただし原価は自社の内部情報なので、低減額を金額で書けるかは会社によります。書けない場合は「提案12件・採用5件・うち量産へ反映4件」(記入例)のように件数だけで並べ、金額は外します。粗利率そのものをどこまで書けるかの線引きはメーカー営業の職務経歴書(総論)にまとめています。

毎年のコストダウン要求に対応しつつ、原材料高騰時には値上げ交渉を行い、粘り強く対応しました。(記入例)

対応した件数も、通った割合も、金額もありません。同じ会社の営業なら全員が書ける文で、下げた分と上げた分が1文に混ざっているため、結果として単価が上がったのか下がったのかも読めません。

・年次の価格低減要求(量産中の型番に対し約2.0%=1個あたり約7円、対象数量480万個)に対し、VA/VE提案12件を提出・5件採用し、製造原価を年2,400万円(1個あたり5円)低減(記入例)
・原材料・エネルギー費の上昇分について主要12型番に価格改定を申し入れ、9型番で合意(合意率75.0%、担当数量全体で1個あたり平均+22円)(記入例)
・差引きで平均単価は前年360円から375円へ(+15円)。年間数量480万個に対する売上押し上げは7,200万円(記入例)
・合意に至らなかった3型番は、数量の見直しと材料の切替を継続協議(記入例)

下げた分と上げた分が別の行に分かれ、差引きの結果と算式が示されています。原価を下げて要求に応えた行と、価格を上げて利益を守った行の両方があるため、値引きに逃げずに数字をつくった人だと読まれます(いずれも記入例)。

系列取引で新規開拓の件数がないとき、何を実績にするか

会社を増やした件数ではなく、既存の顧客の中で新しく取った枠の件数を「新規」として書きます。顧客が数社に固定されている取引では、新規開拓○社という行は最初から書けません。しかし新しく取った仕事は毎年あります。次期モデルで他社が納めていた枠を取ること、既存顧客の別車種や別工場へ広げること、新しい取引口座を開くこと、生産終了後の補給部品へつなぐこと。4種類に分けて数えると、書ける行が出てきます。

系列取引の中での「新規」の4種類(記入例)
種類書き方(記入例)押さえどころ
競合からの切替次期モデルで競合他社の枠を獲得 1件(年産36万個×単価550円×5年=9億9,000万円)前モデルを他社が納めていた事実を1行添える
既存顧客の別車種・別工場への横展開既存顧客の新規車種で受注 2件(合計16億6,000万円)横展開でも受注は受注。車種名ではなく規模で書く
新規口座の開設一次サプライヤー1社と取引開始(初年度売上 8,000万円)件数が少なくても書く。1社あたりの金額を添える
補給部品・二次市場への展開生産終了車種の補給部品 年6億円(担当売上の25.0%)量産終了後も続く売上。担当した期間を添える

4種類のうち、面接で最も評価されるのが競合からの切替です。前のモデルで他社が納めていた枠を取るということは、価格・品質・供給のどれかで比較され、選ばれたということだからです。「次期モデルで競合他社からの切替1件(年産36万個・単価550円・量産5年=9億9,000万円)」(記入例)のように、切替であることと規模の両方を書きます。逆に、前モデルから継続で受注した案件を切替として書くと、経緯を聞かれた時点で説明がつかなくなります。継続は継続、切替は切替として数え、混ぜないことが前提です。

建設機械・産業車両の部品を担当している場合は、同じ型のまま数字の桁と周期だけを置き換えます。骨格が同じでも、台数の桁が2〜3桁違うため、自動車部品と同じ書き方をすると数量が小さく見えてしまいます。

自動車部品と建設機械部品で、書き方が変わるところ(記入例)
項目自動車部品建設機械・産業車両の部品
数量の桁年数百万個(1車種で年数十万個)年数千〜数万台分(1機種で年数百〜数千台)
単価の桁1個 数十円〜数百円1個 数千円〜数十万円
更新の周期車種差が大きい。またいだモデルチェンジの回数で書く機種の更新間隔は長い。規制対応の時期に更新が重なる年がある
主指標年間数量・平均単価・受注プログラム数担当機種数・1台あたり金額・受注機種数
補給・アフター生産終了後の補給部品(担当売上の25.0%)稼働年数が長く、補修部品とアタッチメントの比率が高い
需要の動き方担当車種の販売台数建設投資、レンタル会社の設備投資、海外市況
書き足す1行1台あたりの搭載数(員数)と担当車種の年産台数1台あたりの部品点数・金額と担当機種の年産台数

いずれの場合も、量産中の売上は自分が入る前から続いていることが多いため、前年比の基準年をどこに置くかを決めてから書きます。担当替えがあった年の基準年の決め方と、横ばいだった年に何を成果として書くかはルート営業・既存深耕の職務経歴書にまとめています。担当が2名以上いる顧客で、部やチームの売上しか手元にない場合の切り出し方はチーム実績しかない営業の職務経歴書の範囲です。

既存顧客を担当し、定期訪問で関係を維持してきました。取引先が固定されているため、新規開拓の実績はありません。(記入例)

担当した規模も、新しく取った仕事も書かれていません。最後の一文がなくても伝わる情報は同じで、書き手が自分の実績を先に値引きしているだけの行になっています。

・取引先は完成車メーカー2社・一次サプライヤー3社に固定。その中で在籍中に取った新規は、次期モデルでの競合他社からの切替1件(9億9,000万円)、既存顧客の新規車種2件(16億6,000万円)、新規口座1社(初年度8,000万円)(記入例)
・生産終了車種の補給部品は年6億円(担当売上24億円の25.0%)で、量産終了後も続く売上として担当(記入例)

顧客数が固定されている事実を先に置いたうえで、その制約の中で取った新規が3種類に分かれています。切替・横展開・新規口座の区別が付いているため、数字を膨らませていないと判断されます(いずれも記入例)。

よくある質問

担当した車種が減産・生産終了になり、売上が落ちた年度はどう書きますか。

金額の減少を隠さずに書き、数量と単価に分解したうえで、落ち幅を小さくするために自分がした行為を並べます。「担当売上 18億7,500万円(前年24億円・前年比78.1%)。担当車種の減産により量産品の数量が480万個から340万個へ減少(前年比70.8%)した一方、平均単価は価格改定により375円を維持し(340万個×375円=12億7,500万円)、補給部品は6億円を維持」(記入例)と書けば、数量の減少が顧客の生産計画によるもので、単価は守ったことが読めます。減産の局面では、補給部品への切替、他車種への横展開の提案、生産数量の見直しに合わせた発注調整が営業の仕事になるので、件数で並べます。未達だった年度の書き方そのものは目標未達・成績が悪いときの職務経歴書にまとめています。

内示(受注)は取りましたが、量産開始前に転職します。実績として書けますか。

書けます。ただし量産開始が退職後であることを自分から書きます。「次期モデル向けプログラム3件を受注(量産期間を通した売上見込 合計26億5,000万円)。量産開始は○○○○年以降のため、在籍中の売上には計上されていません」(記入例)という形です。自動車・建機の部品では、受注した人と売上を受け取る人が違うのは普通のことなので、どちらの立場だったかを書けば十分に評価されます。逆に、前任者が受注した車種の量産売上を自分の獲得実績として書くと、受注時期を聞かれた時点で説明がつかなくなります。受注と売上は別の行に分け、それぞれ自分が担当した期間を添えるのが安全です。

Tier2・Tier3の立場で、完成車メーカーと直接やり取りしていません。不利になりますか。

不利にはなりませんが、自社が何次で、直接の窓口が誰かを必ず書きます。「一次サプライヤー4社の購買・技術部門を担当(最終納入先は完成車メーカー3社の車両向け)」(記入例)のように、直接の取引先と最終的な使われ先を分けて書く形です。二次・三次の立場では、価格低減要求が一次サプライヤー経由で来ること、品質不具合の調査が二段階になること、内示の変動が一次側の在庫方針に左右されることなど、一次とは違う難しさがあります。その難しさに対して何をしたか(変動への生産調整、二段階の是正報告、複数顧客の要求のすり合わせ)を件数で書くと、階層の低さではなく調整の幅として読まれます。

海外工場向けの供給や英語でのやり取りは、どこに書きますか。

【営業対象】に納入先の国と拠点を書き、【実績・成果】に海外向けの売上構成比と、英語で担当した業務を件数で書きます。「担当売上24億円のうち海外工場向け 4億8,000万円(構成比20.0%)。海外拠点の購買・品質部門との会議 月2回、仕様書・是正処置報告書の英文作成 年18件」(記入例)という形です。語学は「英語での日常会話が可能」ではなく、実際に何を英語でやったかで書くほうが伝わります。現地法人への出向や駐在の期間がある場合は、期間・拠点・担当範囲を職務経歴の中で区切って書き、帰任後の担当と混ぜません。

自動車部品から他業界のメーカー営業へ応募するとき、何を前に出しますか。

顧客が数社に固定された取引で数字をつくった経験を前に出します。具体的には、社内の設計・生産技術・原価管理を期日までにまとめて見積を出す力(見積14件・平均18営業日)、量産開始日を守り切る日程管理(立ち上げ4件すべて期日どおり)、原材料費の上昇分を価格に反映させた交渉(対象12型番・合意9型番)です(いずれも記入例)。いずれも商材が変わっても再現できる行為で、少数の大口顧客を持つメーカーであれば業界を問わず読まれます。逆に、車種名や型番の知識、業界特有の工程名は、応募先で通じないことが多いので前に出しません。製品知識は「自社製品の知識」ではなく「その部品が使われる工程と、顧客の生産計画の読み方」として書き直すと、扱う商材が変わっても通用する経験になります。

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