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商社営業の職務経歴書は取扱高を書く?粗利(口銭)と仕入先開拓で示す

執筆 営業の履歴書作成ツール 編集部 公開 最終更新

この記事の結論

商社営業の職務経歴書は、取扱高(売上高)と粗利(口銭)を必ず一組にして書きます。取扱高12億円・粗利9,600万円(粗利率8.0%)のように並べると、取扱高だけの誇張にも粗利だけの過小評価にもならず、規模と自分が残した利益の両方が伝わります(記入例)。仕入先の開拓、与信枠、在庫回転など、仕入と販売の両面に立つ商社機能は、件数と金額で1行ずつ添えます。

この記事は商社営業の実績を、取扱高と粗利(口銭)の一組で書き切ることを決めきるためのものです。職務要約から自己PRまでの全体の型、実績指標の対応表、数字で示せる実績がない場合の書き方、社名や売上を書いてよいかの判断は、営業職の職務経歴書にまとめています。様式そのものを探している方は、そちらの入力フォームからそのまま作れます。

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商社営業とは(職務経歴書での扱い)

商社営業とは、メーカーなどの仕入先から商品を仕入れ、数量・納期・与信・物流の条件を整えたうえで販売先へ売る営業です。求人票では専門商社営業、法人営業、トレーディング、あるいは鉄鋼商社・機械商社・電子部品商社・化学品商社の営業と呼ばれます。自社では製造しないため、扱える商材の幅と仕入先との関係、そして仕入と販売の差額である粗利(口銭)が、仕事の中心にあります。

職務経歴書で手が止まるのは、規模を1行書いた直後です。年間の取扱高が12億円(記入例)あっても、そのうち会社に残る粗利は1億円に満たないことがあり、取扱高だけを書くと誇張に見え、粗利だけを書くと担当していた規模が消えます。さらに、開拓したのが仕入先なのか販売先なのか、在庫と与信を持つリスクを誰が負っていたのかを書かないと、メーカー営業の経歴と読み分けられません。本記事は、取扱高と粗利の書き分け、仕入先開拓と取扱商材の幅の数え方、与信・在庫・物流の実績化を扱います。

自社が製造した製品を売る側の書き方はメーカー営業の職務経歴書(総論)にまとめています。販売代理店を開拓し稼働させる活動そのものが評価対象になる職種は代理店営業・パートナーセールスの職務経歴書の範囲です。電子部品のディストリビュータのように、設計採用(スペックイン)から量産売上まで年単位のずれが評価軸になる商材は半導体・電子部品営業の職務経歴書で、量販店の本部商談と棚割り・配荷率が中心になる食品・日用品は食品・消費財メーカー営業の職務経歴書で扱います。自社で製造した機械・装置そのものを売る立場は産業機械・工作機械・装置営業の職務経歴書、相手先ブランドの製品を受託製造して売る立場はOEM営業の職務経歴書の範囲です。

総合商社については、商品を売買して口銭を得るトレーディングを本記事の対象にします。出資して経営に関与する事業投資と、事業会社への出向は、売買の営業とは評価される軸が異なるため、専用の節で「営業の実績」と分けて書く方法を扱います。取扱高が大きく粗利の薄い役務という点で構造が同じ物流・運送営業と、消化仕入れ・返品という固有の取引形態を持つ繊維・アパレル卸は、後半の節で1業態1行にまとめます。

職務経歴書の完成記入例(専門商社営業)

先に完成形を示します。産業機械と関連資材を扱う専門商社で、国内メーカーから仕入れて製造業へ販売した9年間を、直近1年の数字を中心にまとめた例です。数値はすべて記入例で、商材別の取扱高と粗利の合計が、担当の取扱高・粗利と一致するようにそろえています。

記入例

職 務 経 歴 書
○○○○年○月○日 現在

職務要約

産業機械・資材の専門商社の法人営業として9年間、国内メーカー38社から仕入れ、製造業52社へ販売する仕入・販売の両面を担当してきました(記入例)。直近1年は取扱高12億円(目標11億円・達成率109.1%)、粗利9,600万円(粗利率8.0%、粗利目標9,000万円に対し達成率106.7%)で、支店の営業12名中3位です(記入例)。仕入価格の見直しと販売価格の改定を合わせて粗利を600万円押し上げ、粗利率を前年の7.5%から8.0%へ引き上げました(記入例)。

職務経歴

株式会社〇〇〇〇(産業機械・資材の専門商社/従業員約400名・非上場) ○○○○年○月〜現在 〇〇支店 機械資材部 主任(記入例)

  • 【所属】〇〇支店 機械資材部(営業12名・支店長1名) 主任(○○○○年○月〜)(記入例)
  • 【営業対象】販売先=製造業52社(食品・自動車部品・樹脂成形、従業員50〜2,000名)の生産技術・購買・工務部門/仕入先=国内メーカー38社(産業機械・工具・資材)(記入例)
  • 【商材】産業機械の本体(1台200万〜3,000万円)、交換部品・消耗品(定期発注)、自社倉庫に在庫を持つ資材の小口販売(記入例)
  • 【営業手法】仕入先メーカー38社 → 自社(専門商社)→ 製造業52社。仕入先の選定・価格交渉・納期確保と、販売先への提案・見積・与信管理・在庫手配の両面を担当(記入例)
  • 【実績・成果】(直近1年・すべて記入例)
    • 取扱高 12億円(目標11億円・達成率109.1%)/粗利 9,600万円(粗利率8.0%、粗利目標9,000万円・達成率106.7%)。支店の営業12名中3位(粗利額での順位)(記入例)
    • 前年(取扱高10億8,000万円・粗利8,100万円・粗利率7.5%)に対し、取扱高111.1%・粗利118.5%(記入例)
    • 商材別:機械本体 8億4,000万円(構成比70.0%・粗利率5.0%=4,200万円)/交換部品・消耗品 2億4,000万円(構成比20.0%・粗利率12.5%=3,000万円)/在庫販売・小口 1億2,000万円(構成比10.0%・粗利率20.0%=2,400万円)(記入例)
    • 仕入先:取扱メーカー38社(うち自分が新規に取引を開始 3社、初年度の取扱高6,000万円・粗利900万円=粗利率15.0%)(記入例)
    • 販売先:担当52社(前年から継続47社・継続率90.4%)、新規口座5社(初年度の取扱高9,000万円・粗利720万円=粗利率8.0%、1社平均1,800万円)(記入例)
    • 価格:仕入先12社と仕入価格・取引条件を見直し8社と合意(合意率66.7%・粗利押し上げ240万円)/販売先30社に価格改定を申し入れ24社が合意(合意率80.0%・粗利押し上げ360万円)(記入例)
    • 与信・回収:担当52社の与信枠 合計3億2,000万円を四半期ごとに見直し、増減の申請から承認まで行ったもの 年12件。支払遅延2件(いずれも平均24日で全額回収、貸倒れ0件)(記入例)
    • 在庫:担当分の平均在庫残高8,000万円、在庫回転 年13.8回(売上原価11億400万円÷平均在庫8,000万円)。6か月超の滞留在庫を1,200万円から400万円へ圧縮(記入例)
    • 輸入取引 2億4,000万円(取扱高の構成比20.0%)。通関・船積書類の手配 年42件、納期遅延が見込まれた18件で代替品・在庫品を手配し販売先の生産停止0件(記入例)
    • 行動量:販売先への訪問 年480件(月平均40件)、うち仕入先メーカーとの同行訪問 96件。見積 620件 → 受注 217件(受注率35.0%)(記入例)
    • ※取引先名・仕入価格・仕切価格・取引先別の粗利率は、守秘義務のため業種・規模・単価帯・比率で記載しています。粗利は社内の評価指標として目標・実績とも開示されている項目のため記載しています

活かせる経験・知識・スキル

  • 仕入先メーカーの開拓と価格・取引条件の交渉(取扱メーカー38社・新規3社/年)(記入例)
  • 取扱高と粗利を分けた採算管理(取扱高12億円・粗利9,600万円・粗利率8.0%)(記入例)
  • 与信枠の設定・見直しと売掛金の回収管理(担当52社・与信枠合計3億2,000万円・貸倒れ0件)(記入例)
  • 在庫を持つ商材の発注と滞留在庫の圧縮(平均在庫8,000万円・在庫回転 年13.8回)(記入例)
  • 納期遅延時の代替品手配と輸入取引の通関・物流手配(年42件)(記入例)

資格

  • 普通自動車第一種運転免許(○○○○年○月 取得)
  • 日商簿記検定2級(○○○○年○月 取得)

記入例の数字は、切り口を変えても合計が動かないように置いています。商材別の取扱高は8億4,000万円+2億4,000万円+1億2,000万円=12億円、その粗利は4,200万円+3,000万円+2,400万円=9,600万円で、粗利率は9,600万円÷12億円=8.0%です(いずれも記入例)。粗利の増加額1,500万円(9,600万円−8,100万円)も、取扱高の増加分1億2,000万円に前年の粗利率7.5%を掛けた900万円と、12億円に粗利率の改善0.5ポイントを掛けた600万円に分かれます(記入例)。面接で最初に確かめられるのは率の高さではなく、この足し算が合うかどうかです。

職務経歴書は、履歴書では書ききれない具体的な職務内容と実績を伝える書類だと、ハローワークインターネットサービスの「履歴書・職務経歴書の書き方」でも位置づけられています。商社営業でいう「具体的」とは、扱った商材の名前を並べることではなく、仕入から販売までのどこを自分が担い、その結果いくらの粗利が残ったかを読み手が追える状態にすることです。入力フォームの「業務内容と実績・成果」は【所属】【営業対象】【商材】【営業手法】【実績・成果】の5ブロックを1つの欄に続けて書く形なので、商社営業の情報は次のように振り分けます。

  • 【所属】支店・部署名、営業人数、役職と就任時期。「〇〇支店 機械資材部(営業12名)主任」(記入例)のように、順位の分母になる人数まで書きます。
  • 【営業対象】販売先と仕入先を必ず2本に分けます。販売先は業種・規模・話した部門まで、仕入先はメーカーの数と商材カテゴリまで書きます。
  • 【商材】カテゴリと単価帯、在庫を持つ商材と持たない商材の別。粗利率の差が生まれる場所なので、構成が分かるように書きます。
  • 【営業手法】商流の1行を置きます。「仕入先メーカー38社 → 自社 → 製造業52社」(記入例)と矢印でつなぎ、仕入側と販売側のどちらまで担当したかを添えます。
  • 【実績・成果】取扱高と粗利を組にした行から始め、商材別、仕入先、販売先、価格、与信・回収、在庫、輸入・物流、行動量の順に並べます。各行に分母と期間を添えます。

職務要約の組み立て方そのものは営業職の職務経歴書の書き方、数字にできる実績が手元にない期間の扱いは営業職の職務経歴書(数字で示せる実績がない場合)にまとめています。

取扱高と粗利(口銭)は、どちらをどう書くか

取扱高と粗利は必ず一組で並べ、主指標には粗利を、規模の情報として取扱高を添えます。商社は仕入原価が売上原価のほとんどを占めるため、取扱高に対する粗利の比率が、自社で製造するメーカーより構造的に低くなります。取扱高12億円(記入例)という数字だけを渡された読み手は、自社の物差しで読み替えて「12億円を売った人」と受け取るか、逆に「商社の数字だから実質は分からない」と割り引いて読むかのどちらかになります。粗利9,600万円(記入例)を同じ行に置くだけで、その両方が起きなくなります。

商社営業の取扱高・粗利まわりの指標と書き方(記入例)
指標書き方(記入例)押さえどころ
年間取扱高12億円(目標11億円・達成率109.1%)規模の情報。「取扱高」と明記し、粗利と同じ行に置く
担当粗利額9,600万円(粗利目標9,000万円・達成率106.7%)商社営業の主指標。順位もここで取る
粗利率8.0%(前年7.5%・+0.5ポイント)取引条件が逆算される。評価指標として開示されている場合に限る
商材別の粗利率機械本体5.0%/交換部品・消耗品12.5%/在庫販売20.0%粗利の出どころが変わった年に置く
粗利の増加要因数量要因900万円+率要因600万円=1,500万円伸びを「量」と「率」に割ると、市況任せでないことが伝わる
前年比取扱高111.1%・粗利118.5%取扱高が横ばいでも粗利が伸びた年は、条件を取りに行った証拠になる
1社あたり粗利担当52社・1社平均 約185万円社数が多い担当は、平均値があると密度が伝わる
口銭・マージン「口銭(仕入価格と販売価格の差額。会計上の売上総利益にあたる)」初出で一般語を添える。単独では金額の意味が伝わらない
仕入価格・仕切価格・取引先別の粗利率(書かない)仕入先とその条件が特定できる。面接でも触れない

粗利の伸びを「量」と「率」に割る書き方は、商社営業の職務経歴書でとくに効きます。記入例では粗利が1,500万円増えていますが、その内訳は、取扱高が1億2,000万円増えたことによる900万円(1億2,000万円×前年の粗利率7.5%)と、粗利率が0.5ポイント上がったことによる600万円(12億円×0.5ポイント)です(いずれも記入例)。前者は取引量を伸ばした成果、後者は仕入と販売の条件を動かした成果で、性質が違います。両方を書けば、市況が良かっただけの年と、条件を取りに行った年を読み手が区別できます。

会社の会計処理によって「売上」と呼ばれている数字の意味が変わる点にも注意が必要です。自社が取引の当事者(本人)にあたるか、仲介者(代理人)にあたるかで、売上高を総額で計上するか、手数料相当の純額で計上するかが分かれるという整理があります(2026年時点)。純額で計上している会社では、社内で「売上」と呼ばれている数字がすでに粗利に近く、総額で計上している会社の「売上」とは桁が違います。判断は会社の経理部門が行うものなので、職務経歴書の側では「取扱高(総額)12億円/粗利9,600万円」(記入例)のように、どちらの数字かが分かる言葉を添えれば足ります。

専門商社の法人営業として、年間12億円の売上を担当しました。目標を毎年達成し、利益率の改善にも貢献しました。(記入例)

12億円が取扱高なのか粗利なのか、自分の担当分なのか支店の合計なのかが読めません。「利益率の改善に貢献」は結果の数字が無く、同じ支店の営業なら全員が書ける文です。読み手は12億円を過大にも過小にも受け取り、面接で一から確かめ直すことになります。

取扱高 12億円(目標11億円・達成率109.1%)/粗利 9,600万円(粗利率8.0%、粗利目標9,000万円・達成率106.7%)。支店の営業12名中3位(粗利額での順位)(記入例)
・粗利は前年8,100万円から1,500万円増加。うち取扱高の増加による分900万円、粗利率の改善(7.5%→8.0%)による分600万円(記入例)

規模と利益が同じ行に並び、順位の分母(営業12名)と、その順位が粗利で付いていることまで分かります。増えた1,500万円が量と率に割れているため、値引きで数量を積んだのではなく条件を取りに行ったと読めます(いずれも記入例)。

粗利率や粗利額が社外秘にあたる会社では、金額と率を外し、粗利目標に対する達成率(106.7%)と前年差(+0.5ポイント)だけを残します(記入例)。何を伏せ、何に置き換えるかの判断は守秘義務で社名・数値が書けないときの職務経歴書にまとめています。「口銭」「建値」「仕切」「有償支給」「三国間」「デポ」といった商流の言葉は業界内でしか通じないため、初出で括弧に一般語を添えます。社内KPIや業界語を一般語へ言い換える手順は社内用語・社内KPIを翻訳する職務経歴書にまとめています。

仕入先の開拓と取扱商材の幅は、何で数えるか

取扱メーカー数と新規仕入先数を、その仕入先から生まれた初年度の取扱高・粗利とセットで書きます。商社営業の求人票にある「新規開拓」には、販売先の開拓と仕入先の開拓の2種類が含まれます。専門商社の強みは「その商材を、その条件で仕入れられること」なので、仕入側の実績はメーカー営業の経歴には出てこない、この区分に固有の行になります。逆に、仕入側を一切書かないと、メーカーの製品を右から左に流していたと読まれかねません。

仕入・販売の両面をどう数えるか(記入例)
対象書き方(記入例)押さえどころ
仕入先の開拓新たに取引を開始した仕入先 3社(初年度の取扱高6,000万円・粗利900万円=粗利率15.0%)代理店契約・特約店契約の有無と、独占か非独占かを1行添える
取扱商材の幅取扱メーカー38社/機械本体・交換部品・資材の3カテゴリ「幅広く」ではなく、社数とカテゴリ数と代表的な用途で書く
商流の組み替え仕入先12社と条件を見直し8社と合意(うち2社は経由をやめてメーカー直取引へ変更、粗利押し上げ240万円)短縮した段数と、動いた粗利額を対で書く
新規口座(販売先)5社(初年度の取扱高9,000万円・粗利720万円、1社平均1,800万円)件数が少なくても書く。1社あたりの金額を添える
既存取引の継続担当52社のうち前年から継続47社(継続率90.4%)分母は担当社数。減った社の理由を1行添えると強い
輸入・三国間取引輸入取引 2億4,000万円(取扱高の構成比20.0%)取引通貨と決済条件(前受・信用状など)を添える
見積から受注まで見積 620件 → 受注 217件(受注率35.0%)1件あたりの平均金額を添えると案件の大きさが伝わる

取扱メーカー数を書くときは、会社が持っている口座と、自分が開いた口座を分けます。代理店契約や特約店契約は会社の資産なので、取扱メーカー38社(記入例)をそのまま自分の成果として書くと、面接で契約時期を聞かれたときに説明がつきません。「取扱メーカー38社(うち自分が新規に取引を開始 3社、引き継ぎ35社)」(記入例)と書けば、引き継いだ資産を回した実績と、自分で増やした実績の両方が正確に伝わります。引き継ぎ35社を運用した事実自体も、社数と継続率で評価される材料です。

新規仕入先の粗利率は、既存平均より高く出ることがよくあります。記入例では新規3社の粗利率が15.0%で、担当全体の8.0%を上回っています(記入例)。この差は「取扱高を増やした」だけでなく「会社の採算を良くした」ことの証拠なので、社数と初年度の金額に粗利率を添えるだけで、開拓の質まで伝わります。逆に、新規仕入先の粗利率が全体平均より低い場合は、量を取りに行った開拓だったと分かるように、狙いを1行添えます。分母と期間をそろえる一般的な考え方は営業職の職務経歴書(営業実績を数字でどう書くか)にまとまっています。

幅広いメーカーの商材を扱い、お客様のあらゆるご要望に対応しました。新規開拓にも積極的に取り組みました。(記入例)

扱ったメーカーの数も、開拓したのが仕入先か販売先かも分かりません。「あらゆる要望に対応」は商社営業なら誰でも書ける文で、選ぶ材料になりません。商社の中核である仕入側の仕事が、1行も見えていません。

・仕入先:取扱メーカー38社(うち自分が新規に取引を開始 3社、初年度の取扱高6,000万円・粗利900万円=粗利率15.0%。担当全体の粗利率8.0%を上回る)(記入例)
・販売先:担当52社(前年から継続47社・継続率90.4%)、新規口座5社(初年度の取扱高9,000万円・粗利720万円、1社平均1,800万円)(記入例)
・仕入先12社と価格・取引条件を見直し8社と合意(うち2社は経由をやめてメーカー直取引へ変更、粗利押し上げ240万円)(記入例)

仕入と販売のどちらを開拓したのかが行で分かれ、新規仕入先の粗利率が全体平均より高いことまで読めます。商流を1段短くして粗利を240万円動かした行は、メーカー営業でも販売店営業でも書けない、商社営業だけの実績です(いずれも記入例)。

与信・在庫・物流の管理は、営業の実績として書けるか

書けます。件数・金額・日数で数えられる形にすれば、仕入と販売の間に立つ商社営業でしか書けない実績になります。商社が口銭を得ている理由は、商品を安く見つけてくることだけではありません。代金を立て替えて回収する(与信)、在庫を持って必要な数量だけ出す(在庫)、納期と輸送を手配する(物流)という機能を引き受けているからで、その機能を担った証拠が、粗利率の裏付けになります。職務経歴書では「営業の実績ではない」と判断して省かれることがありますが、件数・金額・日数で書けば、担った機能がそのまま実績として読まれます。

商社機能を実績に直す(記入例)
機能実績の書き方(記入例)押さえどころ
与信枠の管理担当52社の与信枠 合計3億2,000万円を四半期ごとに見直し、増減の申請から承認まで 年12件枠の決裁者(自分・上長・審査部門)を1行添える
債権の回収支払遅延2件を平均24日で全額回収、貸倒れ0件(担当52社)「貸倒れ0件」は分母の社数とセットで書く
在庫の保有担当分の平均在庫残高8,000万円、在庫回転 年13.8回(売上原価11億400万円÷平均在庫8,000万円)計算式を括弧で添える。直送分を含む範囲かどうかを明記する
滞留在庫の圧縮6か月超の滞留在庫を1,200万円から400万円へ(▲800万円・66.7%減)処分した分と売り切った分を分けて書けるとさらに良い
納期・代替品の手配納期遅延が見込まれた18件で代替品・在庫品を手配し、販売先の生産停止0件件数と「止めなかった」結果を対で置く
輸入・通関の手配輸入取引 2億4,000万円(構成比20.0%)、通関・船積書類の手配 年42件取引通貨と決済条件、為替の社内ルールの有無を添える
支払条件の交渉販売先3社の入金サイトを120日から90日へ短縮資金繰りに触れる数字は、開示されている範囲だけにとどめる

与信は「与信枠を管理していました」と書くだけでは、上長が決めた枠を眺めていただけとも読めます。自分が動かした回数で書くのが確実で、「四半期ごとの見直しのうち、増減の申請から承認まで自分が行ったもの 年12件」「支払遅延2件を平均24日で全額回収」(記入例)のように、行為と結果を分けて置きます。与信の判断が審査部門にある会社であれば、「審査部門への申請資料の作成と、販売先の決算書の入手・説明」まで書けば、担った範囲が正確に伝わります。決裁権が無かったこと自体は弱点になりません。

在庫は、回転の数字を計算式ごと書くのが早い方法です。記入例では売上原価11億400万円(取扱高12億円−粗利9,600万円)を平均在庫8,000万円で割って年13.8回、日数にすると365日÷13.8回で約26日です(記入例)。分子を担当全体の売上原価に置くと、在庫を持たない直送取引の分まで入って回転が高く出るため、式と対象範囲(担当全体か、在庫を持つ商材だけか)を括弧で添えます。滞留在庫は金額の推移で書き、1,200万円から400万円へ800万円減らした(66.7%減)ように、減った額と率を並べます(記入例)。在庫を持たない会社の営業であれば、その事実自体を1行書いておくと、粗利率が低い理由の説明にもなります。

総合商社の事業投資や出向は、営業の実績と分けてどう書くか

売買(トレーディング)の実績と、事業投資・出向先での役割は別の行に分け、投資額や投資先の売上を自分の実績にしません。総合商社の職務経歴書が読みにくくなるのは、同じ「営業」という言葉の中に、商品を売買して口銭を得る仕事、出資して経営に関与する仕事、事業会社へ出向して現場を回す仕事が混ざるためです。3つは評価される軸が違うので、混ぜて1つの実績欄に並べると、どれも中途半端に見えます。

総合商社の仕事の型と、実績として書ける範囲(記入例)
仕事の型自分の実績として書けるもの(記入例)自分の実績にしないもの
トレーディング(売買)取扱高・粗利・担当取引先数・新規商流の構築件数部門や本部の合計取扱高
新規商流の構築新規商流 年2件(初年度の取扱高 合計4億円・粗利3,200万円=粗利率8.0%)会社が既に持っていた商流の取扱高
事業投資・出資担当した工程(案件の発掘、条件交渉、社内承認の取得、投資後のモニタリング)と件数投資額そのもの、投資先の売上・利益
事業会社への出向出向先の業種・規模、自分の役職と管掌範囲(人数・拠点数)、在任中に自分が決めた施策出向先の全社業績
海外駐在駐在国、担当した取引の種類(輸出入・三国間)、言語を使った場面語学の資格だけを並べること
管理業務(与信・審査・物流)担当した社数・件数・金額と、自分が判断した範囲社内制度そのものの説明

総合商社の営業らしい成果として最も伝わるのは、新規商流の構築です。仕入先の商材を、従来は取引の無かった業界の販売先へ流す経路を新しく作る仕事で、「新規商流 年2件(初年度の取扱高 合計4億円・粗利3,200万円=粗利率8.0%)」(記入例)のように、専門商社と同じく取扱高と粗利を組にして書けます。商流の図を文章で書くときは「仕入先(国内メーカー2社)→ 自社 → 販売先(海外の加工メーカー3社)」(記入例)のように矢印1行に圧縮し、そのうち自分が交渉した相手を括弧で添えます。

事業投資の担当が長い場合、売買の実績が薄いことを気にする必要はありません。投資額や投資先の業績は会社の数字なので、そこを自分の実績にすると、面接で持ち分や決裁の経緯を尋ねられて説明が止まります。書くのは工程と件数です。「案件の発掘から社内承認の取得まで担当 年3件、うち投資実行2件」「投資後の取締役会資料の作成と月次モニタリング(対象2社・3年間)」(記入例)のように、自分が手を動かした範囲を並べます。出向・転籍がある場合の在籍会社の書き分けは社名変更・合併・出向・転籍がある職務経歴書、部や課の合計しか手元にないときの切り分けはチーム実績しかない営業の職務経歴書にまとめています。

繊維・アパレル、食品、物流など、商材別に足す1行は何か

本記事の型(取扱高と粗利の一組・仕入と販売の両面・与信と在庫)に、その商材の取引形態を表す1指標を足します。同じ商社営業でも、在庫を持つか持たないか、季節で受注が山になるか通年で流れるか、価格が市況で動くか交渉で決まるかによって、成果と呼べるものが入れ替わります。足す指標を1つに絞るのは、業界の内部指標をいくつも並べると、どれも定義の説明で終わって成果が読めなくなるためです。

商材・業態ごとに足す1指標(記入例)
商材・業態足す1指標書き方(記入例)
鉄鋼・非鉄・化学品(市況商材)数量と平均単価年4,800トン(前年比104.0%)、平均単価は市況連動のため金額と数量を並記
繊維・アパレル(卸)シーズン受注額と店頭消化率春夏1億4,000万円・秋冬1億6,000万円(年3億円)、店頭消化率78.0%、返品率4.0%
食品(食品商社・卸)欠品率と温度帯別の構成比欠品率0.8%、温度帯別(常温・冷蔵・冷凍)の取扱高構成比、帳合(卸として取引を通す経路)の変更による取扱高の増減
機械・工具(機械商社)見積件数と受注率、交換部品・消耗品の構成比見積620件 → 受注217件(35.0%)、交換部品・消耗品の構成比20.0%
建材・住宅設備物件採用(スペックイン)件数設計事務所・工務店への提案から物件採用 年18件、うち受注12件
物流・運送(3PL・倉庫・輸配送)新規荷主数と料金改定の合意率新規荷主4社(年間8,000万円・1社平均2,000万円)、料金改定 対象45社→合意36社(80.0%)

繊維・アパレルの卸営業は、取引形態を書かないと取扱高の意味が伝わりません。買取・委託・消化仕入れの3つがあり、店頭で売れた分だけ仕入と売上を計上する形態では、同じ商品を同じ数だけ店に並べても、計上される金額が他の形態と変わります。初出で「消化仕入れ(店頭で売れた分だけ売上を計上する取引形態)」(記入例)のように一般語を添え、どの形態の取扱高かを明記します。受注が展示会に集中して年2回の山になる点も特徴なので、シーズンごとの受注額と、その後の店頭消化率・返品率を並べると、売った後まで見ていたことが伝わります。

物流・運送の営業は、取扱高が大きく粗利が薄い点で商社と構造が同じですが、在庫を持たず、原価が自社の車両・倉庫・傭車費用である点が違います。そのため主指標は粗利率よりも「獲得した案件の年間契約額」と「料金改定の達成」になります。提案が倉庫費用と配送費用の見積そのものなので、「見積60件 → 受注15件(受注率25.0%)」「提案物量 月間4,800パレット」(記入例)のように、見積の歩留まりと物量を添えます。近年は料金改定の交渉が主成果になりやすく、対象社数・合意社数・年間の増収額の3点で書くと、値上げを通した力が読めます。

市況商材を扱っていて、相場の下振れで取扱高が大きく落ちた年度は、金額の未達を隠さずに書き、数量と粗利率で守った部分を並べます。「取扱高は前年比82.0%だが、数量は年4,800トンで前年比104.0%、粗利率は前年と同水準を維持」(記入例)のように3行を置けば、落ちたのは単価であって取引ではないことが伝わります。未達だった年度そのものの書き方は目標未達・成績が悪いときの職務経歴書にまとめています。

よくある質問

取扱高が部やチームの合計しか分かりません。自分の担当分をどう出しますか。

担当していた取引先ごとの年間取引額を積み上げて復元します。「担当52社の年間取引額の合計 約12億円(社内の得意先別売上表による)」(記入例)のように、どこから戻した数字かを括弧で添えれば、精度の高さを装わずに規模が伝わります。粗利が分からない場合は、社内で共有されていた部門の粗利率を使って「粗利はおよそ9,000万円(部門平均の粗利率を用いた概算)」(記入例)と書く方法もありますが、概算であることを必ず明記します。金額がどうしても出てこないときは、担当社数・新規口座数・見積件数・与信枠の管理件数など、数えられる行から先に埋めます。復元の算式と「約」をどこまで付けるかの線引きは実績が数字にできない職務経歴書にまとめています。

粗利率が社外秘で、粗利額も書いてよいか分かりません。

粗利額と粗利率を外し、粗利目標に対する達成率(106.7%)と前年差(+0.5ポイント)だけを書きます(記入例)。商社の粗利率は、仕入先から受け取る仕切価格と販売先への売値の差そのものなので、率の絶対値を出すと仕入条件まで逆算されます。判断が付かない段階では、取扱高に「取扱高(総額)」と付けたうえで、粗利の代わりに商材別の取扱高構成比(機械本体70.0%/交換部品・消耗品20.0%/在庫販売10.0%)を置くと、採算を見ていたことは伝わります(記入例)。仕入価格・仕切価格・取引先別の粗利率は、粗利を金額で書ける会社であっても職務経歴書には書きません。面接で率を尋ねられた場合も、水準ではなく、粗利を動かすために取った行動(仕入条件の見直し、価格改定の申し入れ)で答えます。

商社からメーカーへ応募するとき、何を前に出しますか。

仕入先を選ぶ側にいた経験と、粗利をつくった実績を前に出します。メーカーの採用担当が知りたいのは、自社の製品が商社の店頭でどう選ばれ、どこで競合と比較されるかなので、「取扱メーカー38社の中から販売先に提案する商材を選んでいた」(記入例)という立場そのものが材料になります。加えて、与信・在庫・物流を担ってきた経験は、販売店を経由して売るメーカーでは代理店管理の仕事に直結します。「複数メーカーの商材を扱った」を強みとして書くときは、商材名を並べるのではなく、比較して選んだ基準(納期・在庫・価格・技術サポート)を1行添えると、応募先で再現できる経験として読まれます。

「口銭」「建値」「仕切」といった言葉は職務経歴書に書いてよいですか。

書いて構いませんが、初出に必ず一般語を添えます。「口銭(仕入価格と販売価格の差額。会計上の売上総利益にあたる)」「建値(取引の基準となる価格)」(記入例)のように括弧を付ければ、業界の内側で仕事をしてきたことを示しつつ、人事や他業界の読み手にも意味が届きます。括弧を付けずに使うと、同業の面接官には通じても、書類選考を最初に読む採用担当には伝わらないまま落ちます。同じ配慮が必要な言葉に「有償支給」「三国間」「デポ」「バイヤーズコンソリデーション」などがあります。

総合商社で事業投資と管理業務が長く、売った実績がありません。

売買の実績欄を無理に立てず、案件の工程と件数で書きます。「案件の発掘から社内承認の取得まで担当 年3件、うち投資実行2件」「投資後のモニタリングと取締役会資料の作成(対象2社・3年間)」(記入例)のように、自分が手を動かした工程を並べれば、営業の数字が無くても仕事の中身は伝わります。応募先が事業会社の経営企画や事業開発であれば、この書き方のほうが評価されます。営業職へ応募する場合は、投資先や取引先との条件交渉、社内の関係部署をまとめて承認を取った過程を、交渉の相手と回数で書くと、営業の適性として読まれます。

取扱高と粗利まで整理できたら、あとは入力するだけです

ここまでの内容は、入力フォームの該当欄にそのまま書けます。登録なしで、PDFまで作れます。

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記事内の数値について 売上・件数・達成率・順位などの数値はすべて記入例です。当社サービスの実績や、特定の個人の経歴ではありません。

制作方法 構成と下書きに生成AIを使い、当社の担当者が数値の検算、入力フォームの欄名・並びとの整合、参照情報との照合を行っています。詳しくは編集方針に記載しています。

更新 公開 /最終更新 。記入例・表・結論を変えたときだけ最終更新日を上げています。募集要項に指定がある場合は、そちらが優先されます。

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