OEM営業の職務経歴書は自社名が出ない?案件フェーズと量産化率で示す
この記事の結論
OEM営業の職務経歴書は、製品が相手先ブランドで売られ自社名も取引先名も書けない前提で、案件を引合・見積・試作・量産のフェーズに分けた件数で示します。引合48件→試作20件→量産開始8件(引合の16.7%)、その初年度受注額7,200万円(記入例)のように、通過率と金額を組にします。担当範囲は会社ごとに違うため、企画・仕様・見積・生産管理のどこを持ったかも1行で書きます。
この記事はOEM営業の実績を、案件フェーズ別の件数と量産化率で書き切ることを決めきるためのものです。職務要約から自己PRまでの全体の型、実績指標の対応表、数字で示せる実績がない場合の書き方、社名や売上を書いてよいかの判断は、営業職の職務経歴書にまとめています。様式そのものを探している方は、そちらの入力フォームからそのまま作れます。
入力フォームへOEM営業とは(職務経歴書での扱い)
OEM営業とは、取引先のブランドで販売される製品を自社の工場で受託製造するために、仕様・数量・価格・納期を取り決める営業です。求人票では受託製造営業、ODM営業、PB(プライベートブランド)営業、相手先ブランド営業とも呼ばれます。売り先は最終消費者ではなくブランドを持つ企業で、その企業の商品部・購買部・開発部が話し相手になります。完成した製品には取引先のブランド名が入り、自社名は箱にも店頭にも出ません。
職務経歴書で手が止まる理由は3つに絞られます。1つ目は、製品にも店頭にも自社名が残らないため、何を売った実績なのかを示す手掛かりが無いこと。2つ目は、引合から量産開始まで年単位かかり、その年に動かした案件の多くが年度の売上に出ないこと。3つ目は、企画から出荷後までのどこを営業が持つかが会社ごとに違い、担当範囲を書かないと読み手が仕事の大きさを測れないことです。本記事はこの3つを、案件フェーズ別の件数、量産化率、工程の分担表で埋めます。
自社ブランドの製品を代理店・商社や工場へ売るメーカー営業の総論(商流を1行に圧縮する書き方、売上と粗利のどちらを主指標にするか、既存深耕の指標)はメーカー営業の職務経歴書にまとめています。完成車メーカーへ部品を納める立場は、取引先が数社に固定され次期モデルのプログラム獲得が主成果になるため自動車部品・建機メーカー営業の職務経歴書で扱います。自社では作らず、他社の製品を仕入れて売る立場は商社営業の職務経歴書の範囲です。
OEMとODMは、仕様と設計を誰が出すかで分かれます。取引先が仕様書を出して自社が作るのがOEM、自社が処方や設計まで提案して取引先のブランドで売るのがODMです。実務では1人が両方を担当することが多いため、職務経歴書では区別を捨てず、案件ごとに「仕様提供型」か「自社提案型」かを分けて数えます。提案型の比率が高いほど、企画を持ち込める営業だと読まれます。
職務経歴書の完成記入例(OEM営業)
先に完成形を示します。日用品・化粧品の受託製造メーカーで、ブランド企業からの企画相談を受け、仕様・見積・試作・量産立ち上げまでを担当した8年間を、直近1年の数字を中心にまとめた例です。数値はすべて記入例で、売上の内訳と案件フェーズの件数がそれぞれ合計と一致するようにそろえています。
記入例
職務要約
日用品・化粧品の受託製造(OEM/ODM)メーカーの営業として8年間、ブランド企業18社を担当し、企画相談の受付から仕様決め・見積・試作手配・量産立ち上げ・納期管理までを一貫して担当しました(記入例)。直近1年は担当売上3億6,000万円(目標3億4,000万円・達成率105.9%)、粗利9,000万円(粗利率25.0%)で、営業12名中3位です(記入例)。同年の案件は引合48件から見積32件・試作20件・量産承認10件を経て量産開始8件(引合の16.7%)、その初年度受注額は7,200万円です(記入例)。製品は取引先のブランドで販売されるため、ブランド名・処方・容器仕様は伏せ、業種と規模で記載しています。
職務経歴
株式会社〇〇〇〇(日用品・化粧品の受託製造/従業員約320名・非上場) ○○○○年○月〜現在 営業本部 営業部 主任(記入例)
- 【所属】営業部(営業12名・部長1名) 主任(○○○○年○月〜)(記入例)
- 【営業対象】ブランド企業18社の商品部・購買部・開発部。内訳は、全国チェーンの小売・ドラッグストアのPB担当4社、化粧品・日用品ブランド10社、通販・D2Cブランド4社(いずれも年商20億〜600億円規模)(記入例)
- 【商材】取引先ブランドで販売される液体洗浄剤・クリーム類の受託製造(OEM/ODM)。1ロット5,000〜50,000個、出荷単価60〜400円/個、年間出荷 約450ロット(記入例)
- 【営業手法】取引先の商品部からの企画相談と、展示会・既存取引先からの紹介による引合対応。自社の開発(処方)・品質保証・製造/購買・生産管理と取引先の間に立ち、仕様書・見積・試作・量産移行・納期の各段を通す(記入例)
- 【実績・成果】(直近1年・すべて記入例)
- 担当売上 3億6,000万円(目標3億4,000万円・達成率105.9%/前年3億3,000万円・前年比109.1%)、粗利 9,000万円(粗利率25.0%)。営業12名中3位(記入例)
- 売上内訳:前年以前から続く量産品 2億8,800万円(構成比80.0%・粗利率23.0%=6,624万円)/当年に量産開始した8件 7,200万円(構成比20.0%・粗利率33.0%=2,376万円)(記入例)
- 案件フェーズ:引合48件 → 見積32件(引合の66.7%)→ 試作20件(見積の62.5%)→ 量産承認10件(試作の50.0%)→ 量産開始8件(承認の80.0%)。引合からの量産化率16.7%(記入例)
- 量産開始8件の初年度受注額 7,200万円(1件平均900万円)。内訳は、新規取引先3社での量産化3件・2,400万円(1社平均800万円)と、既存取引先の新規品目5件・4,800万円(1件平均960万円)(記入例)
- 引合から量産開始までの平均リードタイム 9か月(最短4か月・最長22か月)。量産承認後に取引先の発売延期・計画中止で立ち上がらなかった案件 2件(記入例)
- 継続:担当品目96品目(前年からの継続88品目+当年量産化8品目)。前年の担当92品目に対する継続率95.7%(記入例)
- 取引先:ブランド企業18社(前年から継続15社・新規3社)(記入例)
- 社内調整:引合受付から初回見積回答まで 平均4営業日(見積32件)。試作の作り直し 平均1.8回(前年2.4回・試作20件)。試作20件のうち取引先の目標原価内に収めた案件 14件(70.0%)(記入例)
- 原価低減:量産中の12品目で容器・処方・充填工程を見直し、年間1,080万円(担当売上の3.0%)(記入例)
- 品質・納期:品質不具合の一次対応 年14件、是正報告書の提出まで平均5営業日。年間出荷 約450ロットのうち、納期回答どおりに出荷したもの441ロット(98.0%)(記入例)
- ※取引先名・ブランド名・処方・容器の金型仕様・品目別の原価は、秘密保持契約と社内規程により記載していません。粗利率は本人の評価指標として開示されている項目のため記載しています
活かせる経験・知識・スキル
- 受託製造の引合対応から量産立ち上げまでの一貫担当(年間 引合48件・量産開始8件)(記入例)
- 自社の開発・品質保証・製造/購買・生産管理と取引先の間に立つ仕様・原価・納期の調整
- 取引先の目標原価に合わせた仕様変更の提案(試作20件のうち14件で目標原価内)(記入例)
- 量産中品目の原価低減提案(年12品目・1,080万円)(記入例)
- 品質不具合の一次対応と是正報告書の取りまとめ(年14件・提出まで平均5営業日)(記入例)
資格
- 普通自動車第一種運転免許(○○○○年○月 取得)
- 危険物取扱者 乙種第4類(○○○○年○月 取得)
記入例の数字は、切り口を変えても合計が動かないように置いています。売上内訳は継続量産品2億8,800万円+当年量産化7,200万円=3億6,000万円、その粗利は6,624万円+2,376万円=9,000万円で、粗利率は9,000万円÷3億6,000万円=25.0%です。量産開始8件の受注額も、新規取引先2,400万円+既存取引先4,800万円=7,200万円と、当年量産化分の売上に一致します。担当品目は継続88品目+当年量産化8品目=96品目で、量産開始の件数と品目の増分がそろいます(いずれも記入例)。OEM営業の書類で面接官が最初に確かめるのは率の高さではなく、案件の件数と売上の内訳が同じ現実を指しているかどうかです。
職務経歴書は、履歴書では書ききれない具体的な職務内容と実績を伝える書類だと、ハローワークインターネットサービスの「履歴書・職務経歴書の書き方」でも位置づけられています。OEM営業でいう「具体的」とは、取引先の名前を明かすことではなく、どの段階の案件を何件動かし、そのうち何件が量産に届いたかを読み手が追える状態にすることです。入力フォームの「業務内容と実績・成果」は【所属】【営業対象】【商材】【営業手法】【実績・成果】の5ブロックを1つの欄に続けて書く形なので、OEM営業の情報は次のように振り分けます。
- 【所属】営業部・課の名称、営業人数、役職と就任時期。「営業部(営業12名)主任」(記入例)のように、順位の分母になる人数まで書きます。
- 【営業対象】ブランドを持つ取引先の業種・チャネル・規模と、話し相手の部門(商品部・購買部・開発部)を書きます。社名やブランド名の代わりに、チャネルと年商規模で表します。
- 【商材】受託する製品のカテゴリー、1ロットの数量帯、出荷単価帯、年間の出荷ロット数。単価帯とロット帯が揃うと、案件の重さが伝わります。
- 【営業手法】引合がどこから来るか(企画相談・展示会・紹介)と、社内のどの部門と組んで案件を通したかを1行にまとめます。OEM/ODMの別もここで示します。
- 【実績・成果】売上と粗利の行から始め、案件フェーズ別の件数、量産開始案件の金額、リードタイム、継続、社内調整、品質・納期の順に並べます。各行に分母と期間を添えます。
職務要約の組み立て方そのものは営業職の職務経歴書の書き方、数字にできる実績が手元にない期間の扱いは営業職の職務経歴書(数字で示せる実績がない場合)にまとめています。
年度の売上に出ない案件は、どう実績として書くか
引合・見積・試作・量産承認・量産開始の5段に分けた件数と通過率で書き、量産に届いた案件にだけ金額を添えます。OEM営業の1年は、量産中の品目から入る継続売上と、いま動かしている新規案件の2階建てでできています。継続売上は前任者や前年以前の自分が仕込んだもので、当年の働きは新規案件の側にしか現れません。売上だけを書くと、その年に動かした引合の件数が1行も残らず、既存品の受注処理をしていた人と区別がつかなくなります。
| フェーズ | 件数と通過率(記入例) | その行で伝わること |
|---|---|---|
| 引合・企画相談 | 48件(母数) | 引合がどこから来るか(相談・展示会・紹介)を添える |
| 見積提出 | 32件(引合の66.7%) | 仕様と原価を形にできた件数。社内の見積体制を動かせた証拠 |
| 試作・サンプル提出 | 20件(見積の62.5%) | 開発部門の工数を確保できた件数。原価と品質の折り合いがついた段 |
| 量産承認(採用決定) | 10件(試作の50.0%) | 取引先の社内決裁を通った件数。売上はまだ立たない |
| 量産開始 | 8件(承認の80.0%・引合の16.7%) | 初年度受注額を添える。承認との差は取引先都合の延期・中止 |
| 量産継続 | 担当96品目(継続88品目+当年量産化8品目)。前年92品目のうち継続88品目で継続率95.7% | 立ち上げた品目が生き残っているかどうか |
| リードタイム | 引合から量産開始まで平均9か月(最短4か月・最長22か月) | 年度をまたぐ理由の説明。在籍期間と数字の関係が読める |
5段すべてを書く必要はありません。書き方が決まるのは母数と最終段の2つで、記入例では引合48件と量産開始8件、その比である量産化率16.7%が背骨になっています。間の3段は、自分が強い工程に応じて選びます。企画相談を引き出す力を見せたいなら引合と見積、開発を動かす力なら試作、原価を通す力なら量産承認の段を残します。社内で「歩留まり」と呼んでいる比率も、職務経歴書では「引合からの量産化率」のように、数える対象が分かる言葉に直します。
量産に至らなかった案件を消すのは損です。記入例では引合48件のうち40件が量産に届いていませんが、その40件にも見積・試作・原価調整の工数がかかっています(記入例)。「引合48件・見積32件・試作20件」と段を残せば、量産開始8件という小さな数字の裏に、それだけの案件を回した年があったことが伝わります(いずれも記入例)。逆に量産開始の件数だけを書くと、年に8件しか動かない小さな担当に見えます(記入例)。
OEM営業として、年間売上3億6,000万円を担当しました。新製品の立ち上げにも多数関わりました。(記入例)
3億6,000万円のうち、その年に自分が動かして生まれた分がいくらなのか読めません。「多数」は件数ではないため、年に8件なのか80件なのかが分からず、面接で案件数を一から聞き直されます。
・担当売上 3億6,000万円のうち、前年以前から続く量産品 2億8,800万円(80.0%)/当年に量産開始した8件 7,200万円(20.0%)(記入例)
・案件フェーズ:引合48件 → 見積32件 → 試作20件 → 量産承認10件 → 量産開始8件(引合からの量産化率16.7%)(記入例)
・引合から量産開始まで平均9か月。量産承認後に取引先の発売延期で立ち上がらなかった案件 2件(記入例)
継続分と当年分が分かれ、当年の働きが7,200万円と8件の両方で読めます。承認10件と開始8件の差を隠していないため、数字を都合よく丸めていないと判断されます(いずれも記入例)。
前年以前から続く量産品の売上をどの年を基準に前年比とするか、担当を引き継いだ直後の年をどう書くかは、既存の取引を担当する営業に共通する論点です。基準年の決め方はルート営業・既存深耕の職務経歴書にまとめています。分母と期間をそろえる一般的な考え方は営業職の職務経歴書(営業実績を数字でどう書くか)にまとまっています。
担当範囲が会社ごとに違うとき、どこまでを自分の仕事として書くか
企画から出荷後までの工程を並べ、主担当・一部担当・他部門の3段で印を付けます。OEM営業という同じ肩書きでも、引合を受けて社内に渡すだけの会社と、処方の提案から工場の生産計画・資材手配まで持つ会社があります。範囲を書かないと、読み手は自社のOEM営業の範囲で読み替えるため、面接で「そこまではやっていませんでした」という食い違いが起きます。範囲を先に示すのは、自分を小さく見せる行為ではなく、話が噛み合う状態をつくる行為です。
| 工程 | 担当の書き分け(記入例) | 押さえどころ |
|---|---|---|
| 企画提案・引合対応 | 主担当(引合48件を受付、うち自社提案型15件) | 仕様提供型と自社提案型の件数を分ける |
| 仕様・処方の決定 | 一部担当(開発部門と同席し、取引先要求を仕様書に落とす) | 決めた人と橋渡しした人を混ぜない |
| 見積・原価 | 主担当(見積32件・初回回答まで平均4営業日) | 原価は購買が出し、価格は自分が組む、という分担まで書く |
| 試作・評価の手配 | 主担当(試作20件・作り直し平均1.8回) | 作り直し回数は減らした実績として書ける |
| 表示・法規のチェック | 一部担当(品質保証部門の確認を受けて取引先へ回答) | 最終責任がどの部門かを明記する |
| 生産計画・納期調整 | 主担当(年間出荷 約450ロット・納期回答どおり441ロット) | 営業が持つ会社と生産管理が持つ会社がある |
| 資材・容器の調達 | 他部門(購買部門が担当。仕様と数量の情報のみ提供) | 持っていない工程は「他部門」と書いて構わない |
| 出荷後のクレーム対応 | 主担当(一次対応14件・是正報告書まで平均5営業日) | 件数と所要日数の2つで書く |
8工程のうち何を主担当と書けるかで、応募先が想定するポジションが変わります。見積と納期の2つを主担当で持っていれば、受注から出荷までを1人で回せる人として読まれます。企画提案と仕様を主担当で持っていれば、商品を一緒につくれる営業として読まれます。どちらも書けるなら両方を残し、持っていない工程は空欄にせず「他部門」と明記します。書かれていない工程は、読み手には「触れていない」ではなく「答えたくない」に見えます。
「型数」「処方」「充填」「スペックイン」「先行手配」「スポット生産」といった言葉は、業界内では通じますが、人事や他業界の読み手には伝わりません。初出で「処方(製品の中身の配合)」のように一般語を添えます(記入例)。社内KPIや業界語を一般語へ直す手順そのものは社内用語・社内KPIを翻訳する職務経歴書で扱っています。
OEM営業として、企画から生産管理まで幅広く担当しました。取引先との折衝や社内調整を行いました。(記入例)
「幅広く」はどの工程も指しません。企画を主導したのか相談を受けただけなのか、生産計画を組んだのか納期を聞いていただけなのかが読めず、8年の経験が1行で消えます。
【営業手法】引合対応・見積・試作手配・生産計画/納期調整を主担当、仕様と処方の決定・表示の法規確認は開発/品質保証部門と分担、資材と容器の調達は購買部門が担当(記入例)
・見積32件(初回回答まで平均4営業日)、試作20件(作り直し平均1.8回・前年2.4回)、年間出荷 約450ロットのうち納期回答どおり441ロット(98.0%)(記入例)
主担当・分担・他部門の3段が1行で読め、主担当の工程には件数と日数が付いています。応募先は自社の分担と重ね合わせられるので、書類の段階で配属先を想像できます(いずれも記入例)。
開発・品質・原価の社内調整は、どう数字にするか
相手の部門ごとに「何を、何件、どれだけの速さで通したか」に置き換えます。OEM営業の仕事の実体は、取引先が出す要求(この仕様で、この価格で、この時期に)と、自社の開発・品質保証・製造/購買が出す条件(この処方なら、この原価なら、このラインなら)の間に立ち、両方が受け入れられる案に着地させることです。ところが職務経歴書では、この時間のかかる仕事が「社内調整」「関係部署との連携」という一言に潰れます。潰れた瞬間に、どの会社の誰が書いても同じ文になります。
| 調整の相手 | 調整の中身 | 数字にした書き方(記入例) |
|---|---|---|
| 開発(処方・設計) | 取引先の要求を作れる仕様に翻訳し、試作の順番を確保する | 試作20件、作り直し平均1.8回(前年2.4回) |
| 品質保証 | 規格・表示・安定性の確認と、不具合時の是正 | 品質不具合の一次対応 年14件、是正報告書の提出まで平均5営業日 |
| 製造・購買(原価) | 目標原価に収まる容器・処方・充填条件を探す | 試作20件のうち目標原価内に収めた14件(70.0%) |
| 生産管理(納期) | ラインの空きと資材の入荷から出荷日を決める | 年間出荷 約450ロット、納期回答どおり441ロット(98.0%) |
| 量産中品目の見直し | 容器・処方・工程の変更で原価を下げる | 12品目で年間1,080万円(担当売上の3.0%) |
| 取引先の商品部・購買部 | 引合と仕様変更への回答を待たせない | 初回見積回答まで平均4営業日(見積32件) |
6行のうち、OEM営業でしか書けないのが試作の作り直し回数と目標原価内に収めた件数です。作り直し回数は、取引先の要求を最初にどれだけ正確に開発へ渡せたかの結果で、平均1.8回を前年の2.4回と並べれば、自分の仕事が改善した幅まで読めます。目標原価は、取引先が先に決めて動かさない数字であることが多く、そこに14件収めた(試作20件の70.0%)という行は、値引きではなく仕様の作り替えで通したことを示します(いずれも記入例)。
「関係部署と連携し、円滑に進めました」と書きたくなったときは、連携した相手を1つ選び、その相手と何回・何日で決着したかに置き換えます。開発なら試作回数、品質保証なら是正報告書までの日数、購買なら目標原価内の件数、生産管理なら納期の遵守ロット数です。相手を1つに絞ると、書ける数字が必ず1つ出てきます。
受注前の技術検討そのものを職務として担い、提案書やデモの内容で評価される立場は技術営業・セールスエンジニアの職務経歴書で扱います。原材料費や物流費の上昇分を販売価格へ反映する価格改定の書き方(対象社数・合意率・粗利押し上げ額の3点で書く型)はメーカー営業の職務経歴書にまとめているので、OEM営業の書類では原価低減と目標原価の側を厚く書き、価格改定は1行で足します。
開発部門や品質部門と密に連携し、取引先の要望に応えられる体制をつくりました。(記入例)
誰が何をした行なのかが無く、要望に応えられたかどうかの結果も書かれていません。同じ会社の営業全員が書ける文で、8年の差が出ません。
・試作20件を手配し、作り直しは平均1.8回(前年2.4回)。取引先の要求を仕様書へ落とす段で確認項目を12点に定型化し、開発への差戻しを減らしました(記入例)
・試作20件のうち、取引先の目標原価内に収めたもの14件(70.0%)。容器の共通化と充填工程の見直しで対応し、値引きでは対応していません(記入例)
・量産中の12品目で原価低減を提案し、年間1,080万円(担当売上の3.0%)(記入例)
相手の部門ごとに件数と結果が並び、下げ方まで書かれています。「値引きでは対応していない」の一文があるため、利益を削って通した人ではないと読まれます(いずれも記入例)。
相手先ブランド名が書けないとき、取引先をどう表すか
ブランド名の代わりに、チャネル・年商規模・取扱いカテゴリー・ロット規模の4点で表します。OEM営業では、取引先の名前と製品のブランド名が同時に伏せる対象になります。自社ブランドのメーカーなら製品名は公開情報ですが、受託製造では「誰のために作っているか」自体が契約上の非公開情報になることが多く、社名を伏せる話と製品を伏せる話が同時に起きます。それでも、規模と性格を示す情報は残せます。
| 示す軸 | 書き方(記入例) | 伝わること |
|---|---|---|
| チャネル | 全国チェーンの小売・ドラッグストアのPB担当4社、化粧品・日用品ブランド10社、通販・D2Cブランド4社 | 誰と話してきたか。決裁の重さと商談の型 |
| 年商規模 | 年商20億〜600億円規模のブランド企業18社 | 取引先の大きさ。応募先の顧客層と重なるか |
| カテゴリー | 液体洗浄剤・クリーム類(自社工場の充填ラインで対応可能な範囲) | 製品知識の範囲。転用できる工程の知識 |
| ロット規模 | 1ロット5,000〜50,000個、出荷単価60〜400円/個 | 案件の重さ。少量多品種型か大量少品種型か |
| (書かない) | 取引先名・ブランド名・処方・金型仕様・品目別の原価 | 契約と社内規程で伏せる。面接でも触れない |
4点を並べると、ブランド名が1つも無くても取引先の輪郭が出ます。「全国チェーンのPB担当4社、年商20億〜600億円規模、1ロット5,000〜50,000個」(記入例)と書けば、読み手は小売本部との商談を経験した人で、少量多品種の案件を回してきたと判断できます。ブランド名を1つ書くよりも、この4点のほうが応募先での再現性を示します。ブランド名は応募先にとって「知っている名前かどうか」の情報でしかなく、仕事の中身は伝えません。
伏せた理由は、記入例のように末尾へ1行で置きます。「取引先名・ブランド名・処方・金型仕様は、秘密保持契約と社内規程により記載していません」と書けば、隠したのではなく守ったのだと伝わります。何を伏せて何を書けるかの線引きと、伏せた情報の置き換えの型は守秘義務で社名・数値が書けないときの職務経歴書にまとめています。個別に書けるかどうかは勤務先の規程と取引先との契約で決まるため、判断は自分の会社の定めに従ってください。
取引先の売上そのものが課やチームの数字で、自分の担当分を切り出せない場合は、担当社数と担当品目数で割る方法を先に決めます。分け方の考え方はチーム実績しかない営業の職務経歴書にまとめています。OEM営業の場合、案件フェーズ別の件数は個人に紐づく数字であることが多いので、売上の切り出しに悩むときほど件数の行を先に埋めるのが早い手順です。
大手化粧品メーカー数社を担当し、有名ブランドの製品を数多く手がけました。守秘義務のため詳細は面接でお話しします。(記入例)
「大手」「有名」は規模の情報になりません。数社が2社なのか9社なのかも読めず、面接まで何も判断できない書類になります。守秘義務は情報を書かない理由であって、規模を書かない理由にはなりません。
【営業対象】ブランド企業18社(年商20億〜600億円規模)の商品部・購買部・開発部。内訳は、全国チェーンの小売・ドラッグストアのPB担当4社、化粧品・日用品ブランド10社、通販・D2Cブランド4社(記入例)
【商材】取引先ブランドで販売される液体洗浄剤・クリーム類。1ロット5,000〜50,000個、出荷単価60〜400円/個(記入例)
※取引先名・ブランド名・処方・金型仕様は、秘密保持契約と社内規程により記載していません
社名が1つも無いのに、取引先の数・規模・チャネル・案件の重さがすべて読めます。伏せた項目を明記しているため、面接で踏み込んで聞いてよい範囲も伝わります(いずれも記入例)。
アパレル・化粧品・食品・電子部品では、何を足すか
本記事の型(フェーズ別件数・量産化率・工程分担・4点での取引先表示)に、業界固有の指標を1つだけ足します。受託製造は扱う製品で数え方の単位が変わりますが、変わるのは主に「1件」を何で数えるかの1点です。アパレルは型、化粧品は品目、食品は規格(レシピ)、電子部品は品番と、単位を先に決めてから件数を並べると、業界の外の読み手にも通じます。
| 業界・商材 | 足す1指標 | 書き方(記入例) |
|---|---|---|
| アパレル(OEM/ODM) | シーズンあたりの型数と生産地 | 1シーズン約120型、生産地は4か国8工場、シーズン内の追加生産12型 |
| 化粧品・日用品 | 処方・容器の切替件数と表示の確認範囲 | 量産中12品目の処方・容器を切替、表示原稿の確認は品質保証部門と分担 |
| 食品・飲料 | 試作から定番採用までの品目数 | 試作18品目 → テスト販売9品目 → 定番採用6品目(試作の33.3%) |
| 電子部品・樹脂成形 | 金型費の負担区分と金型完成から量産までの期間 | 金型14型(取引先負担9型・自社負担5型)、完成から量産まで平均5か月 |
| 小売のPB(プライベートブランド) | 導入チェーン数と店舗数 | PB採用4チェーン(合計約1,800店)、年間の改廃で継続3チェーン |
| 医薬部外品・機能性表示など | 社内で確認を通した工程 | 申請・届出の書類作成は薬事/品質保証部門、取引先への回答窓口を担当 |
1つに絞る理由は、受託製造の指標がどれも定義の説明を必要とするからです。型数も金型費の負担区分も定番採用率も、社外の読み手はまず言葉の意味から入るため、2つ並べれば行の半分が説明で埋まります。初出に「金型費の負担区分(型の製作費を取引先と自社のどちらが持つか)」のように括弧で1文を添え、残りの行はフェーズ別の件数と量産化率で埋めるほうが、動かした案件の量は正確に伝わります。
小売本部のPBを担当していた場合、店舗数を分母にした配荷の指標は自社ブランドを棚に載せる仕事の指標なので、受託製造の側では採用チェーン数と改廃後の継続数までにとどめます。棚割と店頭の指標そのものは食品・消費財メーカー営業の職務経歴書の範囲です。電子部品で設計採用から量産売上までの年単位のずれを主指標にする書き方は半導体・電子部品営業の職務経歴書にまとめているので、受託製造側では金型と量産移行の期間を残します。
業界をまたいで転職する場合も、案件フェーズの型はそのまま持ち運べます。食品の受託から化粧品の受託へ移るとき、変わるのは規格の呼び名と法規の担当部門で、引合から量産までを通す仕事の形は変わりません。職務経歴書では「1件」の単位を先に定義してから件数を並べておくと、応募先の担当者が自社の単位に置き換えて読めます。
よくある質問
OEM営業から自社ブランドのメーカー営業へ応募するとき、何を前に出しますか。
原価と納期を通した実績を前に出します。自社ブランドのメーカーでも、営業は工場・開発・購買と取引先の間に立ちます。「試作20件のうち目標原価内に収めた14件(70.0%)」「年間出荷 約450ロットのうち納期回答どおり441ロット(98.0%)」(記入例)は、扱う製品が変わっても再現できる仕事として読まれます。取引先の商品部・購買部と価格と数量を詰めた経験も、そのまま持ち運べます。逆に、処方や金型に関する知識は自社製品に固有なので、「その製品が使われる売場と工程の知識」に言い換えると伝わります。
担当した案件が量産に至らず、書ける実績が少ない年があります。
量産化率が低い年は、母数と理由を書けば実績になります。「引合44件・見積26件・試作15件に対し量産開始2件」(記入例/完成記入例とは別の年を想定した数字)と段を残したうえで、取引先の発売延期や計画中止など自分の外側で決まった理由を1行添えます。加えて、その年に減らせたもの(試作の作り直し回数、見積の回答日数)を書くと、量産が出なかった年に何を積んだかが読めます。件数が動かない年ほど、量産中の品目を守った継続率と原価低減の行が効きます。
取引先が数社に集中していて、新規開拓の実績がありません。
取引先の数ではなく、取引先の中で増やした品目数で書きます。「取引先18社のうち上位3社で売上の6割」(記入例)のような集中は受託製造では普通のことなので、隠さずに構成を書き、そのうえで「既存取引先の新規品目5件・4,800万円」(記入例)のように、同じ取引先の中で新しく立ち上げた案件を数えます。新規取引先の獲得が年に数社なら、件数が少なくても1社あたりの初年度受注額を添えて書きます。数の少なさは、1件あたりの重さで説明できます。
生産管理や納期調整が仕事の大半で、営業らしい数字がありません。
納期と品質は、受託製造では取引を続けるかどうかを決める指標なので、営業の成果として書けます。「年間出荷 約450ロットのうち納期回答どおり441ロット(98.0%)」「品質不具合の一次対応 年14件、是正報告書の提出まで平均5営業日」(記入例)は、担当者が替われば動く数字です。加えて、量産中の品目の継続率(前年92品目のうち継続88品目で95.7%・記入例)を添えると、守った売上の規模まで伝わります。工程分担の行で生産計画・納期調整を主担当と明記しておくことが前提になります。
売上や案件件数の記録が手元に残っていません。
OEM営業は担当取引先の数と、立ち上げた品目の数が記憶に残りやすいので、その2つから戻します。「担当18社、年間の量産立ち上げ8品目、1品目あたり初年度およそ900万円、当年分の受注額はおよそ7,200万円(概算)」(記入例)のように、復元した数字だと分かる形で書きます。金額が出てこない場合は、引合・試作・量産の件数だけでも先に埋めると、書ける実績が残ります。復元の算式と「約」をどこまで付けるかの線引きは実績が数字にできない職務経歴書にまとめています。
参照した情報
- ハローワークインターネットサービス「履歴書・職務経歴書の書き方」 — 確認日 2026年9月6日
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記事内の数値について 売上・件数・達成率・順位などの数値はすべて記入例です。当社サービスの実績や、特定の個人の経歴ではありません。
制作方法 構成と下書きに生成AIを使い、当社の担当者が数値の検算、入力フォームの欄名・並びとの整合、参照情報との照合を行っています。詳しくは編集方針に記載しています。
更新 公開 /最終更新 。記入例・表・結論を変えたときだけ最終更新日を上げています。募集要項に指定がある場合は、そちらが優先されます。