旅行会社営業の職務経歴書は取扱高だけ?手数料収入と法人・個人で分ける
この記事の結論
旅行会社営業の職務経歴書は、取扱高だけでなく収益(手数料収入・取扱料金)を同じ行に組にして書きます。取扱高2億4,000万円・収益2,880万円(取扱高比12.0%/記入例)と並べると、取扱高は大きいが収益率の低い出張手配と、収益率の高い受注型企画旅行の構成まで読めます。法人は社数・取扱高・収益・実施人員、個人は客単価と方面別の構成で指標を分け、団体案件は受注年度と実施年度を別の行にします。
この記事は旅行会社営業の実績を、取扱高と収益(手数料収入)の組と、法人・個人で分けた指標で書き切ることを決めきるためのものです。職務要約から自己PRまでの全体の型、実績指標の対応表、数字で示せる実績がない場合の書き方、社名や売上を書いてよいかの判断は、営業職の職務経歴書にまとめています。様式そのものを探している方は、そちらの入力フォームからそのまま作れます。
入力フォームへ旅行会社営業とは(職務経歴書での扱い)
旅行会社営業とは、旅行会社・旅行代理店に所属し、運送・宿泊・食事・現地手配などの素材を組み合わせた旅行商品を、法人または個人に販売する営業です。求人票では「旅行営業」「法人営業(旅行)」「ツアープランナー」「カウンターセールス」「団体営業」「教育旅行担当」と書かれます。売っているものが形のないサービスで、しかも自社で仕入れた素材を組み替えて価格をつくるため、実績欄に置ける数字が売上ひとつに定まりません。
職務経歴書で手が止まるのは、金額をどの数字で書くかという一点です。社内で日常的に見ている数字は取扱高(お客様が支払った旅行代金の総額)ですが、会社の利益になるのはそのうちの収益(手数料収入・取扱料金)だけです。取扱高だけを書くと金額は大きく見える一方、収益率の低い商品を回していただけの人と読まれます。逆に収益だけを書くと、扱った案件の規模が消えます。本記事は、この2つを組にして書く型を扱い、法人と個人の指標の違い、団体案件の年度ずれ、需要が落ちた年度の書き方までを節で受けます。
店頭カウンターに座り、来店したお客様の接客件数を分母にして成約率・客単価・付帯率で実績を組み立てる型そのものは内勤営業・カウンターセールスの職務経歴書が扱います。本記事の個人向けの節は、旅行商品に固有の指標(方面別の構成、収益率、繁忙期の偏り)に絞ります。訪日のお客様や海外の旅行会社・OTAを顧客にして送客を受ける立場は海外営業(輸出・外資・駐在)の職務経歴書の範囲です。学習塾・教室運営や教材の販売は、名前が似ていても顧客も商材も別で、教育・塾・教材営業の職務経歴書が扱います。本記事でいう教育旅行は、学校が契約主体となる修学旅行・研修旅行の受注を指します。
本記事の記入例は、支店の法人営業課で業務出張の手配、社員旅行・視察・研修の受注、教育旅行を担当した想定で置いています。履歴書と職務経歴書の役割の違いは営業職の履歴書と職務経歴書の違いにまとめています。
職務経歴書の完成記入例(旅行会社の法人営業)
先に完成形を示します。支店の法人営業課で法人60社と学校8校を担当し、直近年度の数字を中心にまとめた例です。数値はすべて記入例で、取扱高と収益、商品区分ごとの内訳、新規と既存の内訳が、いずれも合計と一致するようにそろえています。
記入例
職務要約
旅行会社の法人営業として8年間、業務出張の手配、社員旅行・視察・研修の受注、学校の教育旅行を担当してきました。直近年度は担当60社・8校で取扱高2億4,000万円、収益(手数料収入・取扱料金)2,880万円、収益率12.0%、収益目標2,640万円に対し達成率109.1%です(記入例)。取扱高の大きい出張手配に偏らせず、収益率の高い受注型企画旅行と教育旅行を積み増したため、取扱高は前年度比111.1%に対し収益は121.2%で伸びました(記入例)。
職務経歴
株式会社〇〇〇〇(旅行業/従業員約900名・国内32営業所) ○○○○年○月〜現在 〇〇支店 法人営業課 主任(記入例)
- 【所属】〇〇支店 法人営業課(法人営業6名・課長1名) 主任(○○○○年○月〜)。○○支店の旅行業務取扱管理者に選任(○○○○年○月〜)(記入例)
- 【営業対象】担当法人60社(既存48社・新規12社)と学校8校(中学5校・高校3校)。従業員50〜800名の製造業・医療法人・学校法人が中心。窓口は総務・人事、教育旅行は学年主任・教頭(記入例)
- 【商材】業務出張の手配(航空・鉄道・宿泊/1件1万〜10万円)、受注型企画旅行(社員旅行・視察・研修)・教育旅行・会議イベントの手配(1案件20万〜1,200万円)(記入例)
- 【営業手法】既存法人への定期訪問と新規開拓の併走。要望の聞き取り→行程と見積の作成→社内の素材手配→提案・価格交渉→契約→実施前の下見と説明会→実施後の精算と報告まで一貫担当(記入例)
- 【実績・成果】(直近年度を中心に・すべて記入例)
- 取扱高2億4,000万円(目標2億2,000万円・達成率109.1%)、収益2,880万円(収益率12.0%/収益目標2,640万円・達成率109.1%)(記入例)
- 商品区分別(取扱高/収益/収益率):業務出張手配1億800万円/756万円/7.0%、受注型企画旅行7,200万円/1,152万円/16.0%、教育旅行4,800万円/720万円/15.0%、会議・イベント手配ほか1,200万円/252万円/21.0%(記入例)
- 前年度(取扱高2億1,600万円・収益2,376万円・収益率11.0%)に対し、取扱高111.1%・収益121.2%・収益率+1.0ポイント(記入例)
- 支店の法人収益1億4,400万円に対する構成比20.0%(法人営業6名・1名あたり平均2,400万円の120.0%)、収益ベースで支店の法人営業6名中2位(通年)(記入例)
- 新規開拓:訪問・提案180社→提案書提出60社(33.3%)→新規取引12社(180社の6.7%/提案書提出の20.0%)。新規12社の取扱高3,600万円(全体の15.0%)・収益576万円(新規分の収益率16.0%)(記入例)
- 既存48社:取扱高2億400万円・収益2,304万円(収益率11.3%)。翌年度も取引が継続した法人45社(継続率93.8%)(記入例)
- 受注型企画旅行:実施24件・参加1,800名(1件平均75名・1件平均300万円・1名あたり4.0万円)(記入例)
- 教育旅行:担当8校のうち当年度実施5校・実施人員1,200名(1校平均240名)、取扱高4,800万円(1名あたり4.0万円)。当年度の企画提案5件に参加し受注3件(受注率60.0%)で、実施は翌年度2件・翌々年度1件(記入例)
- 業務出張手配:手配6,000件(月平均500件・1件平均1.8万円)。うちオンライン予約システム経由3,600件(60.0%)で、導入法人の電話・メール受付を削減(記入例)
- 渡航・団体旅行の需要が大きく縮小した年度は、取扱高3,600万円(前年度比15.0%)・収益612万円(収益率17.0%)。担当60社への稼働確認と手配条件の見直し提案を年540件(月平均45件)継続し、再開時に54社(90.0%)と取引を再開(記入例)
- 後輩2名の同行研修を担当(1名あたり同行商談30件・独り立ちまで平均4か月)(記入例)
- ※取引先の法人名・学校名、素材ごとの仕入条件、個別の値引き額は、守秘義務のため業種・規模・単価帯で記載しています
活かせる経験・知識・スキル
- 法人向け旅行の受注型企画(年24件・参加1,800名)と、行程・見積・素材手配の一貫作成(記入例)
- 取扱高でなく収益で見る商品構成の組み替え(収益率11.0%→12.0%)(記入例)
- 学校の教育旅行の企画提案と下見の同行(当年度参加5件・受注3件)(記入例)
- 業務出張手配のオンライン化推進(導入法人の予約経由率60.0%)(記入例)
- 実施前の説明会運営と、実施中の緊急連絡・行程変更対応(年24件)(記入例)
- 取引先ごとの精算・請求と、キャンセル料規定にもとづく条件説明
資格
- 総合旅行業務取扱管理者(○○○○年○月 合格)
- 国内旅程管理主任者(○○○○年○月 取得)
- 普通自動車第一種運転免許(○○○○年○月 取得)
記入例の数字は、取扱高×収益率=収益、商品区分の合計=全体という関係で置いています。1億800万円+7,200万円+4,800万円+1,200万円=2億4,000万円、756万円+1,152万円+720万円+252万円=2,880万円、2,880万円÷2億4,000万円=12.0%という足し算です(いずれも記入例)。新規12社の取扱高3,600万円と既存48社の2億400万円も、合計が2億4,000万円に戻ります(記入例)。面接で最初に確かめられるのは金額の大きさではなく、取扱高と収益のどちらの数字を答えているかを本人が分かっているかどうかです。
職務経歴書は、履歴書では書ききれない具体的な職務内容と実績を伝える書類だと、ハローワークインターネットサービスの「履歴書・職務経歴書の書き方」でも位置づけられています。旅行会社営業でいう「具体的」とは、行程づくりの丁寧さを言葉で説明することではなく、どの商品区分で、いくら扱い、いくら残したかを読み手が追える状態にすることです。入力フォームの「業務内容と実績・成果」は【所属】【営業対象】【商材】【営業手法】【実績・成果】の5ブロックを1つの欄に続けて書く形なので、旅行会社営業の情報は次のように振り分けます。
- 【所属】支店・営業所名、課の人数、役職と就任時期。旅行業務取扱管理者に選任されていた期間があれば、この欄に置きます。順位や構成比を書くときの分母になる数まで書きます。
- 【営業対象】法人か個人か、法人なら担当社数と業種・規模、窓口の役職。教育旅行があれば学校数と校種。旅行会社の求人は法人主体か個人主体かで求める経験が大きく変わるため、真っ先に読まれる欄です。
- 【商材】業務出張手配・受注型企画旅行・募集型企画旅行の販売・教育旅行・会議イベント手配のうち、どれをいくらの単価帯で扱ったか。収益率の根拠になります。
- 【営業手法】受注から実施後の精算までの工程を並べます。行程作成と素材手配を自分でしたのか、企画造成部門に依頼したのかで、応募先が求める役割との一致度が変わります。
- 【実績・成果】取扱高と収益を組にした行から始め、商品区分別の内訳、前年度比、目標と順位、新規と既存の内訳、団体の受注件数と実施人員の順に並べます。各行に期間と分母を添えます。
職務要約の組み立て方そのものは営業職の職務経歴書の書き方、数字にできる実績が手元にない期間の扱いは数字で示せる実績がない場合にまとめています。支店内順位を書く行には、分母(法人営業6名)と評価期間(通年)と評価軸(収益ベース)を添えます(記入例)。順位や表彰そのものの書き方は表彰歴・社内順位の職務経歴書にまとめています。
取扱高と収益は、どちらを実績として書くか
どちらか一方ではなく、同じ行に組にして書きます。旅行会社の営業がふだん追いかけている数字は取扱高ですが、取扱高はお客様が支払った旅行代金の総額であって、その大半は航空会社・鉄道会社・宿泊施設へ支払われます。会社に残るのは、素材側から受け取る販売手数料、実績に応じた割戻手数料、そしてお客様から受け取る旅行業務取扱料金の合計です。取扱高だけの書類は、金額が大きいほど「どの商品を回したのか分からない」という印象に近づきます。
| 商品区分 | 取扱高(記入例) | 収益(記入例) | 収益率(記入例) | 職務経歴書での意味 |
|---|---|---|---|---|
| 業務出張手配 | 1億800万円 | 756万円 | 7.0% | 件数が多く取扱高は大きいが収益は薄い。件数と処理の効率で書く段 |
| 受注型企画旅行(社員旅行・視察・研修) | 7,200万円 | 1,152万円 | 16.0% | 行程を自分で組む商品。提案力が収益率に直結する段 |
| 教育旅行 | 4,800万円 | 720万円 | 15.0% | 1件が大きく年度をまたぐ。受注と実施を分けて書く段 |
| 会議・イベント手配ほか | 1,200万円 | 252万円 | 21.0% | 企画料・取扱料金の比率が高い。金額は小さいが収益率は高い |
| 合計 | 2億4,000万円 | 2,880万円 | 12.0% | 実績欄の1行目。目標・達成率と同じ行に置く |
この表の要点は、取扱高の45.0%を占める業務出張手配が、収益では26.3%にしかならないところにあります(1億800万円÷2億4,000万円、756万円÷2,880万円。いずれも記入例)。取扱高だけの書類ではこの構造が消え、2億4,000万円(記入例)という金額が一人歩きします。逆に商品区分ごとに2つの数字を並べると、収益率の低い商品を減らしたのか、収益率の高い商品を増やしたのかという、読み手がいちばん知りたい判断の跡が残ります。取扱高が大きく粗利が薄い商材で、金額の書き分けを迫られる構造は商社営業と共通で、考え方の一般形は商社営業(総合・専門)の職務経歴書にそろえています。
収益の呼び名は会社によって違います。「手数料収入」「収益額」「粗利」「取扱料金」「コミッション」「KB(割戻手数料)」など、社内で通っている語をそのまま書くと、旅行業以外から読む人事には伝わりません。実績欄では「収益(販売手数料・割戻手数料・取扱料金の合計)2,880万円」(記入例)のように、初出で中身を括弧で開きます。旅行業務取扱料金や販売手数料といった収受のしくみは旅行業法と各社の料金表に根拠があり、何を収益に含めるかは会社ごとに違うため、「自社の収益定義に沿った集計」と1行断っておくと、面接で定義を聞かれたときに答えが合います(2026年9月時点の考え方として記載しています)。
収益の数字を社外に出せない場合は、金額を伏せて率と構成だけを書きます。「取扱高2億4,000万円。収益額は開示できないため、商品区分別の取扱高構成(出張手配45.0%・受注型企画旅行30.0%・教育旅行20.0%・その他5.0%)と、収益率が前年度比+1.0ポイントである点を記載」(記入例)という形です。構成比は45.0+30.0+20.0+5.0=100.0%で閉じるようにそろえます(記入例)。
法人営業として年間取扱高2億4,000万円を達成し、目標を上回りました。(記入例)
金額は大きく見えますが、会社にいくら残したのかが読めません。出張手配の件数を回して積み上げた2億4,000万円なのか、企画商品で積み上げた2億4,000万円なのかで、応募先が評価する内容は正反対になります(いずれも記入例)。
取扱高2億4,000万円(目標2億2,000万円・達成率109.1%)、収益2,880万円(収益率12.0%・収益目標2,640万円に対し109.1%)。内訳は業務出張手配1億800万円/収益756万円(7.0%)、受注型企画旅行7,200万円/1,152万円(16.0%)、教育旅行4,800万円/720万円(15.0%)、会議・イベント手配ほか1,200万円/252万円(21.0%)(記入例)
取扱高と収益が同じ行に並び、2億4,000万円×12.0%=2,880万円と行の中で検算できます。商品区分別の収益率まで出ているため、どの商品で会社の利益をつくった人かが、面接前に読み手の側で判断できます(いずれも記入例)。
法人と個人で、指標をどう書き分けるか
法人は社数・取扱高・収益・実施人員で書き、個人は客単価・方面別の構成・リピート率で書きます。同じ旅行会社の営業でも、法人担当と店頭カウンター担当では、1日にすることも、成果が出るまでの時間も違います。求人の側もこの2つを別の職種として募集するため、両方を混ぜた1行を置くと、どちらの経験を持つ人か読み手が判断できなくなります。
| 項目 | 法人担当の書き方(記入例) | 個人担当の書き方(記入例) |
|---|---|---|
| 分母になる数 | 担当法人60社・学校8校 | 年間の取扱件数480件 |
| 金額 | 取扱高2億4,000万円/収益2,880万円 | 取扱高9,600万円/収益1,344万円 |
| 収益率 | 12.0%(商品区分別に内訳) | 14.0%(方面・商品別に内訳) |
| 単価 | 1件平均300万円(受注型企画旅行24件) | 1件平均20.0万円(海外32.0万円・国内8.0万円) |
| 人数 | 実施人員1,800名(1件平均75名) | (書かない。件数と客単価で足りる) |
| 継続・再来 | 取引継続45社(既存48社の93.8%) | リピート・紹介経由168件(480件の35.0%) |
| 新規 | 訪問180社→新規取引12社(6.7%) | (店舗の集客が分母。自分の実績行には置かない) |
| 季節の偏り | 実施時期の分散(繁忙期の受注比率) | 繁忙期の1日あたり件数と通常期の差 |
個人担当の実績で旅行商品に固有なのは、件数と単価の内訳の取り方です。海外パッケージ240件・平均32.0万円で7,680万円、国内240件・平均8.0万円で1,920万円、合計480件・9,600万円(記入例)のように、方面と商品の別で単価がまったく違うため、件数だけを合計すると平均単価が実態から離れます。240件×32.0万円=7,680万円、240件×8.0万円=1,920万円、合計9,600万円という関係で検算できる形にそろえます(いずれも記入例)。
法人と個人の両方を経験している場合は、期間で分けて2ブロックにします。同じ会社の中での配置転換であれば会社は1つにまとめ、「〇〇支店 店頭カウンター(○○○○年○月〜○○○○年○月)」「〇〇支店 法人営業課(○○○○年○月〜現在)」のように期間を分け、それぞれに指標を置きます(記入例)。応募先が法人営業を募集しているなら法人のブロックを厚く、店頭を募集しているなら個人のブロックを厚くします。両方の経験があること自体は、素材と価格の知識が広いという意味で強みになるため、短いほうも1〜2行は残します。
個人予算が置かれず、店舗や課の合計しか手元にない場合は、合計を合計として書いたうえで、自分の構成比と人数を添えます。「課の収益1億4,400万円のうち自分の担当分2,880万円(構成比20.0%/法人営業6名・1名あたり平均2,400万円の120.0%)」(記入例)と書けば、6名の平均が16.7%(記入例)であることまで読み手が計算できます。チームの数字と個人の数字を切り分ける一般的な考え方はチーム実績しかない営業の職務経歴書にまとめています。
教育旅行・団体は、受注年度と実施年度をどう書き分けるか
受注(契約)した年度の件数と、実施した年度の件数・人員を、別々の行に置きます。旅行会社の団体営業でいちばん誤解されやすいのが、この年度のずれです。教育旅行は、学年の早い時期に企画提案(プロポーザル)で業者が決まり、実施はその1〜2年後になることがあります。社員旅行や視察も、予算計上の都合で前年度に内定し、実施は翌年度というケースが珍しくありません。取扱高は実施した年度に立つため、「受注した年」と「数字が立つ年」がずれます。
| 書く行 | 書き方(記入例) | 押さえどころ |
|---|---|---|
| 当年度の受注 | 企画提案5件に参加し受注3件(受注率60.0%)。実施は翌年度2件・翌々年度1件 | 受注は自分の営業活動の成果。実施年度を必ず添える |
| 当年度の実施 | 実施5校・実施人員1,200名(1校平均240名)、取扱高4,800万円 | 取扱高が立つのは実施年度。受注件数と足し合わせない |
| 進行中の案件 | 実施前の案件3校(下見同行済み・実施人員見込み720名) | 「見込み」と明記する。確定した数字と混ぜない |
| 1件あたりの規模 | 1名あたり4.0万円(4,800万円÷1,200名) | 人員と金額の両方があると規模が伝わる |
| 実施までの工程 | 企画提案→下見同行→保護者説明会→人員確定→実施→精算 | どこまで自分が担当したかで役割の幅が読まれる |
| 人員の増減 | 提案時見込み1,150名→実施1,200名(104.3%) | 確定人員で精算する商品であることが伝わる |
| 中止・延期 | 延期1件(実施年度を翌年度へ変更・人員240名) | 件数だけ残し、理由の断定は避ける |
| 「年間◯件担当」だけ | (書かない) | 受注か実施かが読めず、どの年度の成果かも分からない |
この書き分けをすると、単年度の数字が小さく見える年が出てきます。それでも受注と実施を分けたほうが有利です。受注3件(記入例)が翌年度・翌々年度の取扱高になるという事実は、自分がいなくなった後も会社に売上が残る形をつくったという意味になり、団体営業の経験者を採る側がまさに確かめたい点だからです。実施した年度の数字しか書かないと、その受注をしたのが自分か前任者かが読み手には区別できません。
学校や自治体が契約主体になる案件では、指名ではなく企画提案や入札で業者が決まる場合があります。参加件数と受注件数を分母つきで並べ、選定の方式(企画提案・見積合わせなど)を1行添えると、勝率の意味がはっきりします。「企画提案5件に参加し受注3件(受注率60.0%)。うち他社からの切り替え2件」(記入例)という形です。選定に落ちた2件も件数として残します。参加5件のうち3件という分母つきの書き方でなければ、受注3件がすべて指名で決まったのか、競合の中で勝ち取ったのかが読み分けられません(いずれも記入例)。
教育旅行を担当し、年間8校を受け持ち、取扱高4,800万円を達成しました。(記入例)
8校が受注した学校数なのか、実施した学校数なのか、担当として引き継いだ学校数なのかが読めません。取扱高4,800万円がその8校ぶんなのかも分からず、面接で必ず「その年に決めたのは何校ですか」と聞き直される行になります(いずれも記入例)。
教育旅行 担当8校(中学5校・高校3校)。当年度実施5校・実施人員1,200名(1校平均240名)、取扱高4,800万円(1名あたり4.0万円)。当年度は企画提案5件に参加し受注3件(受注率60.0%)、実施は翌年度2件・翌々年度1件。実施前の案件3校は下見同行済み、実施人員見込み720名(記入例)
受注と実施が別の行になり、当年度に自分が決めた3件と、当年度に数字が立った5校が区別できます。1,200名と4,800万円から1名あたり4.0万円が計算でき、進行中の案件が「見込み」と明記されているため、確定した実績と将来の見込みも混ざりません(いずれも記入例)。
取扱高が大きく落ちた年度は、どう書くか
落ち込みを隠さず数字で先に書き、その年度に何を維持したかを別の分母で書きます。旅行業は、感染症の流行、災害、為替や燃油の変動など、個人の努力の外側で需要が大きく動く業種です。渡航や団体旅行の需要が大きく縮小した年度は、本人の営業活動と関係なく取扱高が前年度を大きく下回ります。この年度を空欄にすると、在籍していたのに何もしていなかったように読まれます。金額を書けば実力が低く見えると考えて省く人が多い場所ですが、業界の読み手は事情を知っているため、省くほうが不利になります。
| 書く内容 | 書き方(記入例) | 押さえどころ |
|---|---|---|
| 落ち込みの事実 | 取扱高3,600万円(前年度2億4,000万円の15.0%) | 前年度との比を添える。落ちた事実は1行で済ませる |
| 収益率の変化 | 収益612万円(収益率17.0%)。収益率の低い出張手配が減り構成が変わったため | 率が上がった理由を1行。良く見せる材料にしない |
| 維持した取引 | 年度内に取扱があった法人22社(担当60社の36.7%) | 金額でなく社数を分母にすると活動が見える |
| 継続した活動 | 稼働確認と手配条件の見直し提案 年540件(月平均45件) | 件数で書く。「関係維持に努めた」で終わらせない |
| 再開時の結果 | 再開年度に54社(担当60社の90.0%)と取引を再開、取扱高1億2,000万円(前年度比333.3%) | 維持の活動と再開の数字を同じ段に置く |
| 担当業務の変更 | この期間は〇〇業務を兼務(○○○○年○月〜○○○○年○月) | 他部署の応援・出向があれば期間を明記する |
| 目標が置かれなかった年度 | 会社として予算を設定しなかったため達成率は記載せず、件数で記載 | 達成率の欄を空けた理由を1行断る |
| 年度をまるごと省く | (しない) | 職歴の空白と読まれ、在籍期間の説明を面接で使うことになる |
この年度で効くのは、金額以外の分母です。取扱高3,600万円という数字だけでは「売れなかった年」で終わりますが、担当60社のうち22社(36.7%)と取引が残った、稼働確認を年540件続けた、再開年度に54社(90.0%)と再開した、という3行が並ぶと、需要が消えた期間に何をしていた人かが具体的に読めます(いずれも記入例)。540件は月平均45件の12か月ぶんで、22社・54社はいずれも担当60社を分母にした数です(記入例)。
目標そのものが置かれなかった年度は、達成率の行を空けて理由を1行書きます。無理に達成率を計算すると、分母の説明ができません。目標が置かれていた年度で届かなかった場合の書き方は目標未達・成績が悪いときの職務経歴書、社内に集計が残っておらず件数の復元もできない場合の線引きは実績が数字にできない職務経歴書にまとめています。
○○○○年〜○○○○年は業界全体が厳しく、実績を出せる状況ではありませんでした。(記入例)
事情の説明だけで、その期間に何をしたかがありません。同じ期間を過ごした応募者は全員この文を書けるため、書類の中で差がつかない段落になります。
渡航・団体旅行の需要が大きく縮小した年度:取扱高3,600万円(前年度2億4,000万円の15.0%)、収益612万円(収益率17.0%)。担当60社への稼働確認と手配条件の見直し提案を年540件(月平均45件)継続し、年度内に取扱があった法人は22社(36.7%)。再開年度は54社(90.0%)と取引を再開し、取扱高1億2,000万円(前年度比333.3%)(記入例)
落ち込みを最初に数字で認めたうえで、金額以外の分母(社数・活動件数)で活動が示され、再開年度の数字までつながっています。需要が戻ったときに取引が戻る関係を持っていた人だと読めます(いずれも記入例)。
旅行会社の社内語は、どこまで一般語に直すか
実績欄の指標名は一般語に直し、工程の説明では業界語に括弧で説明を添えます。旅行業には、社内でも取引先でも通じるために、そのまま書いてしまう言葉が多くあります。書類を最初に読むのが人事や、旅行業以外から来た採用担当である場合、意味が取れない語が1つあるだけで、その行はまるごと読み飛ばされます。一方で、業界内の応募先には業界語で書いたほうが早く伝わる場面もあるため、消すのではなく開くのが現実的です。
| 社内語 | 職務経歴書での書き方(記入例) | 押さえどころ |
|---|---|---|
| 取扱高 | 取扱高(お客様が支払った旅行代金の総額)2億4,000万円 | 初出で括弧を開く。収益と必ず組にする |
| 収益・粗利・コミッション | 収益(販売手数料・割戻手数料・取扱料金の合計)2,880万円 | 会社ごとに範囲が違うため定義を添える |
| 素材・仕入 | 運送・宿泊・食事・現地手配の仕入 | 「素材」は業界外に通じない |
| 造成 | 行程と価格の設計(企画造成) | 営業が造成まで担ったかは応募先の関心事 |
| 催行・催行中止 | 実施(実施中止) | 件数の話であることが伝わる語に直す |
| PAX・実施人員 | 実施人員1,200名 | 略号は使わない。単位は「名」でそろえる |
| FIT | 個人手配旅行(FIT) | 括弧で残すのは可。単独で書かない |
| BTM・業務渡航 | 業務出張の手配・管理(BTM) | 法人向けの出張管理であることを日本語で示す |
| ランドオペレーター | 現地手配会社(ランドオペレーター) | 取引先の種類として説明を添える |
| KB・AD | 割戻手数料・送客に応じた手数料(社内での呼称) | 会社ごとに指す範囲が違うため断定しない |
| デポジット | 前受金・内金 | 精算業務の説明では日本語にする |
| 込み・バラ | パッケージ商品/個別手配 | 現場の言い回しはそのまま書かない |
社内KPIや現場の言い回しを一般語へ直す手順そのものは社内用語・社内KPIを翻訳する職務経歴書で扱っています。旅行業に固有なのは、直す対象が指標名だけでなく金額の定義そのものである点です。「売上2億4,000万円」と書いた人が面接で取扱高の話をしていた、というずれは、この業界でとくに起きやすいので、実績欄の1行目で語を確定させておきます(記入例)。
取引先の名前も、そのまま書けない場合があります。学校名、法人名、素材ごとの仕入条件、個別の値引き額は、守秘義務と契約上の制約にかかるため、業種・規模・単価帯に置き換えます。「従業員300名規模の製造業(社員旅行・年1回・参加180名)」「公立中学校5校(1校あたり実施人員240名)」(いずれも記入例)のように書けば、名前がなくても案件の性格は伝わります。社名や数値を書けないときの置き換え方は守秘義務・社名が書けない職務経歴書にまとめています。
よくある質問
旅行業務取扱管理者の資格は、どこにどう書きますか。
資格欄に試験区分と合格年月を書き、営業所の管理者に選任されていた期間があれば職務経歴の【所属】欄にも置きます。旅行業務取扱管理者は、旅行業法にもとづき営業所ごとに選任することが定められている国家資格で、試験は総合・国内・地域限定の区分に分かれています(2026年9月時点。制度の詳細は旅行業法の条文と観光庁の公表資料で確認してください)。「総合旅行業務取扱管理者(○○○○年○月 合格)」を資格欄に、「○○支店の旅行業務取扱管理者に選任(○○○○年○月〜)」を所属欄に置くと、資格を持っているだけの人か、実際に管理者として営業所を回していた人かが区別できます(記入例)。旅程管理主任者を持ち添乗業務も担当していた場合は、資格欄に区分(国内・総合)と取得年月を書き、実績欄には添乗の回数と日数を1行添えます。
添乗や現地対応が多く、営業らしい数字が少ないのですが。
添乗・現地対応は件数と規模で書けば実績になり、そのうえで受注につながった部分を分けて書きます。「添乗24件・延べ48日・最大参加人員240名」(記入例)のように件数・日数・人員の3つを置くと、扱った規模が伝わります。営業の書類として効くのは、その先です。実施後の報告と次年度の提案までを担当していたなら、「実施後の報告訪問から翌年度の受注につながった案件8件(実施24件の33.3%)」(記入例)と書けば、添乗が受注の起点になっていたことが数字で示せます。旅程管理だけを担当し受注に関与していない場合は、無理に営業の数字に寄せず、緊急時の行程変更や、参加者の増減に対応した精算など、判断を伴った業務を件数で書きます。
商品の企画造成も兼務していました。営業の実績と分けるべきですか。
分けて書きます。同じ欄に混ぜると、造成した商品の売上を自分の営業成績として書いたように読まれるためです。営業の行は自分が受注した案件の取扱高と収益、造成の行は企画した商品の本数・設定期間・販売実績という別の指標で置きます。「受注型企画旅行の行程設計を年24件担当(うち自分が受注した案件18件・他担当の受注6件)」(記入例)のように、自分の受注と社内からの依頼を分けると、役割が正確に伝わります。商品企画・販売促進の側に軸足を移して応募する場合の書き方は営業企画・営業推進の職務経歴書で扱っています。
店舗が閉鎖になり、担当していた数字の記録が手元にありません。
残っている記録から順に埋め、復元したものは復元と分かる形で書きます。旅行会社では、取扱高と収益は基幹システムに残っていることが多く、在職中であれば年度単位の数字を確認できます。退職後で確認できない場合は、月あたりの平均件数と単価帯から復元し、「年間およそ480件(月平均40件・1件平均20.0万円/概算)」(記入例)のように、概算であることを明記します。件数も思い出せない場合は、金額を書かずに担当していた商品区分・顧客の種類・1件の規模帯だけを書きます。数字を推定で置いて面接で根拠を聞かれるより、書ける範囲を確定させて書いたほうが、書類全体の信頼は保てます。
旅行業界の外へ転職します。取扱高と収益はそのまま書いてよいですか。
そのまま書いてかまいませんが、語の定義を先に開き、比べられる指標を1つ添えます。業界外の読み手は取扱高という語を知らないため、「取扱高(お客様が支払った旅行代金の総額)2億4,000万円、うち当社の収益2,880万円」(記入例)と書き、金額の大小ではなく、担当社数・案件数・継続率のように他業界でも意味が通る指標を隣に置きます。「担当法人60社・年間受注24件・取引継続率93.8%」(記入例)であれば、無形商材の法人営業としてそのまま読めます。加えて、旅行商品は実施までの期間が長く、参加人員の確定や当日の変更対応まで担当する点が、他業界の営業と違う経験になります。工程の長さと関与範囲を【営業手法】欄で並べておくと、業界が変わっても再現できる部分が伝わります。
参照した情報
- ハローワークインターネットサービス「履歴書・職務経歴書の書き方」 — 確認日 2026年9月6日
運営 オルグロー株式会社(運営会社)。この記事は、当社が運営する履歴書・職務経歴書作成ツール「営業の履歴書作成ツール」の編集部が制作し、当社が編集責任を負います。外部ライターへの委託や、他社記事の転載はしていません。
記事内の数値について 売上・件数・達成率・順位などの数値はすべて記入例です。当社サービスの実績や、特定の個人の経歴ではありません。
制作方法 構成と下書きに生成AIを使い、当社の担当者が数値の検算、入力フォームの欄名・並びとの整合、参照情報との照合を行っています。詳しくは編集方針に記載しています。
更新 公開 /最終更新 。記入例・表・結論を変えたときだけ最終更新日を上げています。募集要項に指定がある場合は、そちらが優先されます。