賃貸仲介営業の職務経歴書は年間件数だけ?手数料売上と繁忙期別で示す
この記事の結論
賃貸仲介営業の職務経歴書は、年間成約件数だけでなく、仲介手数料売上を繁忙期と通常期に分けて書きます。1件あたりの手数料が小さい件数商売のため、契約168件・仲介手数料売上2,016万円・1件平均12万円(記入例)のように件数と金額を組にして、初めて規模が伝わります。反響から来店・内見案内・申込・契約までの段階別の率と、火災保険や保証会社の付帯率を添えると、店舗の集客に乗っただけの数字ではないと読まれます。
この記事は賃貸仲介営業の件数商売の実績を、手数料売上・繁忙期の分割・段階別の率で書き切ることを決めきるためのものです。職務要約から自己PRまでの全体の型、実績指標の対応表、数字で示せる実績がない場合の書き方、社名や売上を書いてよいかの判断は、営業職の職務経歴書にまとめています。様式そのものを探している方は、そちらの入力フォームからそのまま作れます。
入力フォームへ賃貸仲介営業とは(職務経歴書での扱い)
賃貸仲介営業とは、部屋を探している借主と、貸したいオーナー・管理会社の間に立ち、物件の紹介から内見案内、申込、契約手続きまでを進める営業です。店舗の売上は、借主から受け取る仲介手数料と、貸主側から受け取る広告料(AD)で構成され、1件あたりの金額が小さいぶん、件数を積み上げてつくります。職務経歴書で手が止まるのは、その件数が「年間○件」としか書けず、扱った物件の重さも自分の関与も伝わらないところです。
本記事は、居住用の賃貸物件を店舗(営業所)で扱う仲介営業を対象にし、法人の社宅斡旋と、オフィス・店舗などの事業用物件の仲介もあわせて扱います。売買の媒介は売買仲介営業の職務経歴書、収益物件を投資家に販売する仕事は投資用不動産営業の職務経歴書、オーナーから買い取って再販する仕入れの仕事は不動産買取再販・仕入れ営業の職務経歴書で扱います。オーナー側に立って建物の運営と入居者管理を担う不動産管理・PMは、賃料収入と稼働率が主指標になるため、本記事では入居付け(客付け)に関わる範囲だけを扱います。
求人票で「賃貸仲介」「賃貸営業」「リーシング」「法人社宅斡旋」と書かれている仕事は、本記事の範囲です。仲介と管理を兼務する店舗に在籍していた場合も、仲介として動いた分の数字を本記事の型で書き、管理側の業務は担当戸数と業務範囲で別に書きます。
職務経歴書の完成記入例(賃貸仲介営業)
先に完成形を示します。駅前店で個人のお客様と法人社宅の両方を担当した5年間を、直近1年の数字を中心にまとめた例です。数値はすべて記入例で、件数と金額、率と分母が割り切れるようにそろえています。
記入例
職務要約
賃貸仲介営業として5年間、ターミナル駅前の店舗で居住用賃貸物件の仲介を担当してきました。個人のお客様の来店対応に加え、直近2年は法人社宅の斡旋も兼務し、企業の人事・総務担当24社を担当しています。直近1年は契約168件・仲介手数料売上2,016万円、目標1,800万円に対し達成率112%、店舗8名中2位です(記入例)。繁忙期に頼らず通常期の契約を月11件で維持することを課題に置き、未来店の反響への追客と自社管理物件への客付けで通年の数字をつくってきました(記入例)。
職務経歴
株式会社〇〇〇〇(不動産賃貸仲介・管理/従業員約200名・店舗18) ○○○○年○月〜現在 〇〇駅前店 主任(記入例)
- 【所属】〇〇駅前店(営業8名・店長1名) 主任(○○○○年○月〜)(記入例)
- 【営業対象】個人:初めての一人暮らしから家族での住み替えまで(20〜50代、単身・ファミリー)/法人:従業員100〜1,000名規模の企業の人事・総務担当(社宅・転勤者の住まい)(記入例)
- 【商材】居住用賃貸物件(平均賃料8万円、法人社宅は平均賃料11万円)。付帯として火災保険、家賃保証会社、室内消臭・除菌などのオプション(記入例)
- 【営業手法】賃貸ポータルサイト・自社サイト・電話・来店からの反響対応を、初回連絡から内見案内・申込・契約・鍵渡しまで一貫担当。未来店の反響への追客、自社管理物件のオーナーへの条件相談、法人の人事・総務担当への定期訪問を併走
- 【実績・成果】(直近1年・すべて記入例)
- 契約 168件、仲介手数料売上 2,016万円(1件あたり平均12万円)。目標1,800万円に対し達成率112%、店舗8名中2位(記入例)
- 前年(契約150件・売上1,800万円)に対し、件数112%・売上112%(記入例)
- 繁忙期(1〜3月)契約69件・売上828万円(月平均23件)/通常期(4〜12月)契約99件・売上1,188万円(月平均11件)(記入例)
- 担当反響 年840件(月平均70件)→ 来店336件(来店率40%)→ 内見案内252件(来店の75%)→ 申込189件(案内の75%)→ 契約168件(申込の88.9%、反響全体の20%)(記入例)
- 内訳:個人120件・平均10.8万円(1,296万円)/法人社宅48件・平均15.0万円(720万円)(記入例)
- 火災保険 自社代理店扱い140件(契約の83.3%)、家賃保証会社の利用147件(87.5%)、オプション84件(50.0%)・付帯売上126万円(記入例)
- 自社管理物件への客付け 56件(契約の33.3%)。更新手続き 対象200件のうち更新184件(更新率92%)(記入例)
- 法人取引先24社を担当(うち新規開拓6社)。法人契約48件のうち24件は2〜3月の異動期(記入例)
- ※オーナー名・物件名・個別の賃料は、守秘義務と個人情報保護のため、種別・エリア・賃料帯で記載しています
活かせる経験・知識・スキル
- 居住用賃貸の重要事項説明・賃貸借契約書の作成と説明(年168件・記入例)
- 未来店の反響への追客(初回連絡は反響受付から30分以内、条件変更の再提案を7日以内に1回)(記入例)
- 法人社宅の斡旋(社宅規程の確認、法人契約書の調整、異動期の一括対応)
- オーナー・管理会社との条件交渉(フリーレント・初期費用の調整、募集条件の見直し提案)
- 入居審査の実務(家賃保証会社の審査書類、収入・在籍確認の段取り)
資格
- 宅地建物取引士(○○○○年○月 登録)
- 賃貸不動産経営管理士(○○○○年○月 合格)
- 普通自動車第一種運転免許(○○○○年○月 取得)
記入例の数字は、件数×平均手数料が売上と一致し、繁忙期と通常期の合計が年間と一致するように置いています。168件×12万円=2,016万円、69件+99件=168件、828万円+1,188万円=2,016万円という関係です(いずれも記入例)。面接で最初に確かめられるのは率の高さではなく、件数・金額・期間の整合です。
職務経歴書は、履歴書では書ききれない具体的な職務内容と実績を伝える書類だと、ハローワークインターネットサービスの「履歴書・職務経歴書の書き方」でも位置づけられています。賃貸仲介でいう「具体的」とは、扱った物件の賃料帯と反響の出所を書き、読み手が件数を正しい分母で読めるようにすることです。入力フォームの「業務内容と実績・成果」は【所属】【営業対象】【商材】【営業手法】【実績・成果】の5ブロックを1つの欄に続けて書く形なので、賃貸仲介の情報は次のように振り分けます。
- 【所属】店舗名(または担当エリア)、営業人数、役職と就任時期。「〇〇駅前店(営業8名)主任」(記入例)のように、順位の分母になる人数まで書きます。
- 【営業対象】個人か法人か、単身かファミリーか、学生街・オフィス街・郊外といった商圏の性格。分母である反響の質を決める情報です。
- 【商材】取扱物件の種別(アパート・マンション・戸建・事業用)と平均賃料の帯、自社管理物件と他社物件の比率。手数料単価の根拠になります。
- 【営業手法】反響の出所、初回連絡から契約・鍵渡しまでのどこを担当したか、追客の型、オーナー側との交渉の有無。受け身に見せないための欄です。
- 【実績・成果】件数と金額を組にした行から始め、繁忙期と通常期、段階別の率、付帯・更新の順に並べます。各行に分母と期間を添えます。
職務要約の組み立て方そのものは営業職の職務経歴書の書き方、数字にできる実績が手元にない期間の扱いは数字で示せる実績がない場合にまとめています。
年間成約件数だけでは、なぜ規模が伝わらないのか
件数は1件の重さも分母の大きさも表さないため、契約件数・1件あたりの平均手数料・仲介手数料売上の3つを同じ行に並べます。賃料6万円の学生向けワンルームを150件決めた人と、賃料15万円のファミリー物件を150件決めた人では、店舗にもたらした売上が2倍以上違います(いずれも記入例)。読み手が知りたいのは「どの賃料帯の物件を、どれだけの件数、いくらの売上にしたか」であって、件数だけを見せられても比べようがありません。
| 指標 | 書き方(記入例) | 押さえどころ |
|---|---|---|
| 契約件数 | 年168件(月平均14件) | 単独では弱い。必ず次の2行と組にする |
| 仲介手数料売上 | 2,016万円(168件×平均12万円) | 店舗売上ではなく自分に計上された分。会社の集計単位を確かめる |
| 1件あたり平均手数料 | 12万円(個人10.8万円・法人15.0万円) | 賃料帯と広告料の厚みが同時に伝わる |
| 平均賃料 | 8万円(法人社宅は11万円) | 商圏と物件の格を示す。単価の根拠にもなる |
| 売上の定義 | 借主からの仲介手数料+貸主側からの広告料(AD) | 広告料を含むかどうかを1行で明記する |
| 目標達成率 | 目標1,800万円に対し実績2,016万円(112%) | 件数目標か金額目標かを書く |
| 店舗内順位 | 8名中2位(通年) | 分母(店舗人数)と評価期間が必須 |
| 前年比 | 件数112%・売上112%(前年150件・1,800万円) | 前年の実数を括弧で添えると伸びの重さが分かる |
| 取扱物件・エリア | 自社管理物件33.3%、〇〇線沿線の単身向け中心 | 再現できる商圏かどうかの判断材料 |
売上の定義は、会社によって食い違います。借主から受け取る仲介手数料だけを個人の売上に計上する会社もあれば、貸主側から受け取る広告料(AD)を含めて計上する会社もあります。広告料は、入居者募集にあたってオーナーの依頼で行う特別な広告の費用として支払われるもので、賃料1か月分を超える物件も珍しくありません。含めるか含めないかで金額が倍近く変わるため、「仲介手数料売上(借主からの手数料+貸主からの広告料)2,016万円」(記入例)のように、定義を括弧で添えます。
報酬の上限そのものを職務経歴書に書く必要はありませんが、面接で単価の根拠を聞かれることはあります。賃貸の媒介で宅地建物取引業者が受け取れる報酬には、宅地建物取引業法と国土交通省の告示による上限が定められています(2026年9月時点)。居住用建物では貸主・借主から受け取る合計額に上限があり、一方の依頼者から受け取れる割合は依頼者の承諾の有無で扱いが変わるとされています。条文はe-Gov法令検索の宅地建物取引業法で確認できます。制度の数値は記入例の数字とは別のものとして扱い、書類には自分が生んだ売上の実績だけを書きます。
賃貸仲介営業として、年間168件の成約を達成しました。(記入例)
賃料帯も売上も分からないため、店舗にいくら残した人なのかが読めません。件数だけの行は、繁忙期に人手が足りず数をこなしただけの結果とも受け取られます。
契約168件、仲介手数料売上2,016万円(1件あたり平均12万円/借主からの仲介手数料+貸主からの広告料)。取扱物件の平均賃料は8万円、法人社宅は11万円。目標1,800万円に対し達成率112%、店舗8名中2位(記入例)
件数・単価・売上・目標・順位が1か所にそろい、168件×12万円=2,016万円と行の中で検算できます。賃料帯があるため、応募先の商圏と近いかどうかも判断できます(いずれも記入例)。
オーナー名・物件名・個別の賃料が社外秘にあたる場合は、種別・エリア・賃料帯に置き換えます。置換の型と、伏せたつもりでも特定されてしまう組み合わせは守秘義務で社名・数値が書けないときの職務経歴書にまとめています。分母と期間をそろえる一般的な考え方は営業実績を数字でどう書くかを参照してください。
繁忙期に偏った成績は、どう書けば通年の実力が伝わるか
年間の数字を1〜3月の繁忙期と4〜12月の通常期に分け、それぞれの月平均を並べます。賃貸仲介は、進学と異動が重なる時期に反響も成約も集中する仕事で、年間を12で割った月平均は、繁忙期の実力とも通常期の実力とも一致しません。記入例の年間168件を12で割ると月14件になりますが、実際は繁忙期が月23件、通常期が月11件です(記入例)。読み手が採用後に見たいのは、多くの場合、人手が足りない繁忙期をさばく力と、反響が細る通常期に数字を落とさない力の両方です。
| 区分 | 期間 | 契約件数 | 仲介手数料売上 | 月平均 |
|---|---|---|---|---|
| 繁忙期 | 1〜3月(3か月) | 69件 | 828万円 | 23件 |
| 通常期 | 4〜12月(9か月) | 99件 | 1,188万円 | 11件 |
| 年間 | 12か月 | 168件 | 2,016万円 | 14件 |
分けて書くと、年間168件のうち69件(41.1%)が3か月に集中していた事実が見えます(記入例)。集中していること自体は弱みではありません。弱みになるのは、繁忙期の数字だけを年間実績として見せ、通常期に何をしていたかが書かれていない状態です。通常期の行には、契約件数に加えて、翌年の繁忙期に効く仕込み(法人の新規開拓6社、オーナーへの募集条件の見直し提案、自社管理物件の空室の消化)を並べます(記入例)。
繁忙期の実績を強調したいときは、期間を明示したうえで店舗内の位置を添えます。「繁忙期3か月で69件、店舗8名中1位(通年は2位)」(記入例)と書けば、集中期に人の倍動ける人だと伝わり、通年の順位も隠していないことが同時に示せます。順位を書くときの分母と期間の付け方は表彰歴・社内順位の職務経歴書、目標に届かなかった年度の書き方は目標未達・成績が悪いときの職務経歴書で扱っています。
月平均14件の成約を安定して継続しました。(記入例)
実際には繁忙期23件・通常期11件と2倍以上の差があるため、「安定」という表現が実態と食い違います。面接で月別の推移を聞かれた時点で、書類の信頼が下がります(いずれも記入例)。
年間契約168件(うち1〜3月の繁忙期69件・月平均23件、4〜12月の通常期99件・月平均11件)。通常期は未来店の反響への追客と自社管理物件の空室消化で月11件を維持し、法人6社の新規開拓で翌年の異動期の契約24件につなげました(記入例)
季節の偏りを隠さずに示したうえで、通常期に何をしていたかが行になっています。69件+99件=168件と足し算が合うため、月別の質問にもそのまま答えられます(いずれも記入例)。
店舗の反響で決まる成約を、自分の実績としてどう書くか
反響の数は店舗のポータル出稿と立地で決まるため、自分の数字は反響を受けたあとの段階(来店・内見案内・申込・契約)の率で示します。賃貸仲介の来店は、店舗が広告費を払って買っている反響の上に成り立っています。契約件数だけを書くと、集客の強い店舗に在籍していただけの人と区別がつきません。区別をつくるのは、同じ反響を受けた同僚と差がつく段の率です。
| 段階 | 件数 | 率と分母 | 賃貸仲介での意味 |
|---|---|---|---|
| 担当反響 | 年840件(月平均70件) | —(店舗の集客に依存) | 自分の実績ではなく分母。出所の内訳を1行で添える |
| 来店 | 336件 | 来店率40%(336/840) | 初回連絡の速さと物件提案の精度が出る段 |
| 内見案内 | 252件 | 案内率75%(252/336) | 来店時のヒアリングと在庫の当て方が出る段 |
| 申込 | 189件 | 申込率75%(189/252) | 案内した物件で決めきれたかが出る段 |
| 契約 | 168件 | 契約率88.9%(168/189) | 審査・初期費用・条件交渉をまとめきる力が出る段 |
| 申込後のキャンセル | 21件 | キャンセル率11.1%(21/189) | 賃貸固有の段。低いこと自体が成果になる |
| 反響から契約まで | 168件 | 20.0%(168/840) | 全段をまとめた1行。店舗平均と並べる |
賃貸仲介に固有なのは、申込と契約の間に段がもう1つあることです。入居審査の結果、他の申込者との競合、初期費用の折り合い、連帯保証人や勤務先の書類がそろわないといった理由で、申込が契約に至らないことがあります。申込189件のうち21件が流れた(キャンセル率11.1%、記入例)という行は、入居審査という賃貸仲介固有の関門を含めて、申込を契約まで運びきった度合いを示します。キャンセルを減らした工夫(申込前に必要書類と審査の要件を案内、初期費用の総額を内見当日に提示)を1行添えると、率の改善が偶然でないことが伝わります。
反響の出所は、内訳を1行にとどめます。「賃貸ポータルサイト504件・自社サイト168件・電話・飛び込み来店84件・法人取引先からの依頼60件・紹介24件」(記入例)のように書けば、店舗の集客構造は伝わります。反響を段階に分けて率で示す考え方と、媒体ごとに分母を分けて歩留まりを比べる方法は反響営業の職務経歴書で扱っているため、賃貸仲介の書類では賃貸固有の段(内見案内・申込・申込後のキャンセル)と出所の内訳までにとどめます。店舗の数字しか手元になく、自分の分が切り出せない場合の分け方はチーム実績しかない営業の職務経歴書にまとめています。
来店したお客様に丁寧に対応し、成約につなげました。(記入例)
段も率も分母もないため、店舗の集客力と自分の貢献が分けられません。同じ店舗の営業なら全員が書ける文になっています。
担当反響 年840件(月平均70件)に対し、来店336件(来店率40%/店舗平均33%)、内見案内252件、申込189件、契約168件(反響全体の20.0%)。申込後のキャンセルは21件(11.1%)で、内見当日に初期費用の総額と審査書類を案内する運用に変えてから、前年の18.0%から改善しました(記入例)
店舗平均と並べたことで、同じ反響を受けた同僚との差が読めます。キャンセル率は前年比で改善幅まで示され、率が運用の変更によるものだと分かります(いずれも記入例)。
火災保険・保証会社・更新・管理は、どこまで実績に書いてよいか
自分が案内し手続きしたものは獲得率として書き、管理部門や店舗全体の数字は自分の実績にしません。賃貸仲介の売上は仲介手数料だけではなく、火災保険の代理店手数料、家賃保証会社の事務手数料、室内消臭などのオプション、更新事務手数料が積み上がります。仲介手数料売上だけを書くと、店舗に残した金額を実際より小さく見せることになります。
| 項目 | 書き方(記入例) | 自分の実績にできるか |
|---|---|---|
| 火災保険 | 自社代理店扱い140件(契約168件の83.3%) | できる。募集人として自分が手続きした件数 |
| 家賃保証会社 | 利用147件(87.5%)、審査通過までの平均1.5営業日 | できる。書類の段取りと審査対応が成果 |
| オプション | 84件(50.0%)、付帯売上126万円(84件×平均1.5万円) | できる。ただし押し売りに見えないよう獲得率と併記 |
| 自社管理物件への客付け | 56件(契約の33.3%) | できる。会社の利益率が高い物件を決めた実績 |
| 更新手続き | 対象200件のうち更新184件(更新率92%) | 自分が担当した戸数の範囲で書ける |
| 新規の管理受託 | 6棟・72戸(オーナーへの提案から受託まで) | できる。仲介から管理へ広げた実績として強い |
| 空室期間の短縮 | 募集開始から成約まで平均24日→18日(25%短縮) | 自分の担当物件に限れば書ける |
| 店舗全体の売上 | (自分の行には書かない) | できない。書くなら「店舗売上のうち自分の構成比」 |
付帯商品の獲得率を書くときは、母数を契約件数にそろえます。「火災保険140件」だけでは多いのか少ないのか判断できませんが、「契約168件のうち140件(83.3%)」(記入例)なら、ほぼ全件で提案していたことが伝わります。付帯売上は仲介手数料売上と足し合わせず、別の行に置きます。記入例では仲介手数料売上2,016万円と付帯売上126万円を分けて書き、合計2,142万円は必要なときだけ添えます。
更新と管理は、仲介から一歩踏み出した実績として読まれます。更新は既存の入居者との接点で、更新率が高いことは、入居後のトラブル対応やオーナーへの条件調整をこなしてきた証拠になります。新規の管理受託は、借主側だけでなくオーナー側にも入れることの証明で、応募先が管理戸数を伸ばしたい会社であれば、契約件数より前に置く価値があります。オーナー側の運営そのものを担う不動産管理・PMは別の職種なので、担当した戸数と業務範囲を1〜2行にとどめ、仲介の数字と混ぜません。
「客付け」「元付け」「自社物・他社物」「AD」「先物」といった業界語は、業界内では通じますが、人事や他業界の読み手には伝わりません。初出で「自社管理物件への客付け(自社が管理する物件に入居者を決めること)」のように一般語を添えます(記入例)。社内KPIや業界語を一般語へ直す手順そのものは社内用語・社内KPIを翻訳する職務経歴書で扱っています。
法人社宅と事業用物件は、個人向けの仲介とどう書き分けるか
法人社宅は分母を「反響数」ではなく「取引先社数」に置き換え、事業用物件は件数ではなく成約面積と賃料総額で書きます。個人来店の仲介と法人・事業用の仲介は、同じ賃貸仲介でも動き方が違います。個人は反響を受けてから契約までが数日から2週間程度で終わることが多い反響型、法人は人事・総務との関係を年単位で維持する既存型、事業用はテナントとビルオーナーの双方を数か月かけてまとめる案件型です。3つを1つの数字にまとめると、どの型の営業ができる人なのかが読めなくなります。
件数の足し算も型ごとに閉じます。居住用の契約168件を個人120件と法人社宅48件に分け、事業用の成約9件は居住用に合算せず別枠で数えます(いずれも記入例)。単位の違うものを1つの合計にすると、どちらの分母で読めばよいのかが分からなくなるためです。
| 項目 | 個人(来店・反響) | 法人社宅 | 事業用(オフィス・店舗) |
|---|---|---|---|
| 分母 | 担当反響数(年840件のうち個人分780件) | 担当取引先社数(24社) | 担当案件数・募集区画数 |
| 主指標 | 来店率・契約件数・平均手数料 | 契約件数・取引先あたり件数・新規開拓社数 | 成約面積(坪)・賃料総額・成約までの期間 |
| 書き方(記入例) | 契約120件・平均10.8万円(1,296万円) | 24社で契約48件・平均15.0万円(720万円)、新規6社 | 成約9件・合計540坪(平均60坪) |
| 季節性 | 1〜3月に集中 | 2〜3月の異動期に集中(48件中24件) | 通年。決算期・移転計画に左右される |
| 交渉の中身 | 初期費用・入居日・設備条件 | 社宅規程への適合、法人契約書、一括請求 | フリーレント・原状回復区分・契約期間 |
| 押さえどころ | 店舗平均と並べて自分の率を示す | 件数より「何社を、何年、どう維持したか」 | 件数が少ないので1件の規模を面積と賃料で示す |
法人社宅で効くのは、契約件数よりも取引先の維持です。「担当24社、うち3年以上の継続16社、年間契約48件(1社あたり平均2件)、新規開拓6社」(記入例)と書くと、異動期に依頼が集まる関係をつくれる人だと伝わります。48件÷24社=2件という関係が行の中で確かめられるため、面接でも同じ数字で説明できます。社宅規程の確認や法人契約書の調整、請求のまとめ方といった実務は、個人向けの仲介には出てこない経験なので、「活かせる経験・知識・スキル」の欄に1行ずつ立てます。
事業用物件は、居住用の契約168件には含めず別枠で数え、件数の少なさを面積と賃料で補います。年に9件しか決まらない仕事でも、成約面積 合計540坪(平均60坪)、月額賃料総額810万円(平均坪単価1.5万円)、仲介手数料売上891万円(月額賃料1か月分に消費税相当額を加えた額として算出)と書けば、扱った規模が伝わります(いずれも記入例)。テナント側とビルオーナー側のどちらに立ったか、案件の起点から成約までの期間(平均6か月、記入例)、リーシングとして募集区画をどれだけ埋めたかを添えます。テナント側とオーナー側で担当が分かれる会社では成約の帰属があいまいになりやすいため、「テナント側の担当として9件のうち6件、双方を担当した案件3件」(記入例)のように、自分の立場を件数ごとに分けて書きます。
個人・法人あわせて年間168件の契約を担当しました。(記入例)
個人の反響対応と法人の関係維持がひとまとまりになっているため、応募先が法人開拓を任せたい会社でも、来店対応の即戦力を探している会社でも、判断の材料になりません。
契約168件の内訳は、個人(来店・反響)120件・平均手数料10.8万円、法人社宅48件・平均手数料15.0万円。法人は担当24社(うち新規開拓6社)で、48件のうち24件が2〜3月の異動期。社宅規程の確認と法人契約書の調整、異動期の一括対応まで担当(記入例)
2つの型の数字が分かれ、120件+48件=168件、1,296万円+720万円=2,016万円と全体とも整合します。法人側は社数と新規開拓数があるため、関係を広げられる人かどうかも読めます(いずれも記入例)。
よくある質問
宅地建物取引士を持っていない場合、契約の実績はどう書きますか?
契約件数はそのまま書けます。重要事項説明は宅地建物取引士が行うため、自分の役割を「重要事項説明書・賃貸借契約書の作成補助と、宅地建物取引士による説明への同席(年168件)」(記入例)のように工程で書きます。資格欄には「宅地建物取引士 ○○○○年○月 試験合格(登録手続き中)」や「○○○○年○月 受験予定」と、いま置かれている段階を正確に書きます。実務経験と受験の意思がそろっていれば、未取得を理由に書類で外されるとは限りません。
店舗異動が多く、店ごとに反響数も家賃相場も違います。どう並べますか?
会社は1つにまとめ、店舗ごとに期間を分けて実績を並べます。学生街の店舗と都心のファミリー向け店舗では、平均賃料も1件あたりの手数料も違うため、同じ表に平均賃料の行を置くと違いが説明できます。「〇〇店(学生街・平均賃料6万円)契約192件」「〇〇店(都心・平均賃料11万円)契約132件」(記入例)のように書けば、件数の増減が商圏の違いによるものだと伝わり、どの商圏でも数字をつくれる人として読まれます。
賃貸仲介から売買仲介や不動産管理へ応募するとき、何を前に出しますか?
売買仲介へ進むなら、契約単価の高い物件の経験と、審査・条件交渉をまとめきった実績を前に出します。法人社宅や事業用の経験があれば、決裁者と交渉した事実が売買の商談に近い経験として読まれます。管理へ進むなら、更新率、自社管理物件への客付け件数、新規の管理受託、空室期間の短縮を前に出します。件数の多さより、オーナー側の課題に応えた行を先に置くのが要点です。
「月平均○件」しか覚えておらず、年間の件数や売上が分かりません。
覚えている月平均から年間を復元し、復元した数字だと分かる形で書きます。繁忙期と通常期で差が大きい仕事なので、「繁忙期は月20件前後、通常期は月10件前後、年間およそ150件」(記入例)のように幅で書き、「概算」と添えます。給与明細のインセンティブ額や、店舗の月次資料の記憶から逆算できることもあります。数字が手元にない場合の復元と、行動量への置き換えは実績が数字にできない職務経歴書にまとめています。
個人目標がなく、店舗目標しかない会社にいました。
店舗目標の達成率を書いたうえで、自分の契約件数と店舗合計に対する構成比を添えます。「店舗目標1億4,400万円に対し達成率105%、うち自分の仲介手数料売上2,016万円(構成比13.3%)」(記入例)のように書くと、店舗の成果と自分の貢献が分かれます。1億4,400万円×105%=1億5,120万円、2,016万円÷1億5,120万円=13.3%という関係です(いずれも記入例)。構成比を出すときは、店舗の目標額と達成率の両方を書き、自分の売上をどの母数で割ったのかが読み手に分かるようにします。
参照した情報
- ハローワークインターネットサービス「履歴書・職務経歴書の書き方」 — 確認日 2026年9月6日
運営 オルグロー株式会社(運営会社)。この記事は、当社が運営する履歴書・職務経歴書作成ツール「営業の履歴書作成ツール」の編集部が制作し、当社が編集責任を負います。外部ライターへの委託や、他社記事の転載はしていません。
記事内の数値について 売上・件数・達成率・順位などの数値はすべて記入例です。当社サービスの実績や、特定の個人の経歴ではありません。
制作方法 構成と下書きに生成AIを使い、当社の担当者が数値の検算、入力フォームの欄名・並びとの整合、参照情報との照合を行っています。詳しくは編集方針に記載しています。
更新 公開 /最終更新 。記入例・表・結論を変えたときだけ最終更新日を上げています。募集要項に指定がある場合は、そちらが優先されます。