新築分譲マンション販売の職務経歴書は完売実績だけ?個人契約戸数で示す
この記事の結論
新築分譲マンション・戸建販売の職務経歴書は、物件の完売実績ではなく、担当物件の総戸数・価格帯・販売期間を条件として置き、そのうえで個人の契約戸数と契約金額を書きます。モデルルーム来場600組から契約36戸(来場契約率6.0%)のように、来場を分母にした数字を添えると、チームの完売が自分の成果として読めます(記入例)。売主・販売代理の立場なので、仲介手数料ではなく販売価格の合計を金額として書きます。
この記事は新築分譲の販売実績を、担当物件の条件・個人契約戸数・来場からの契約率で書き切ることを決めきるためのものです。職務要約から自己PRまでの全体の型、実績指標の対応表、数字で示せる実績がない場合の書き方、社名や売上を書いてよいかの判断は、営業職の職務経歴書にまとめています。様式そのものを探している方は、そちらの入力フォームからそのまま作れます。
入力フォームへ新築分譲マンション・戸建販売営業とは(職務経歴書での扱い)
新築分譲マンション・戸建販売営業とは、自社(または委託元のデベロッパー)が売主となる新築の住戸を、モデルルームや現地販売会でエンドユーザーへ直接販売する営業です。求人票では分譲マンション営業、居住用マンション営業、分譲住宅営業、デベロッパー販売とも呼ばれます。1つの物件に販売センターが立ち、複数名の営業が同じ在庫を分け合って売り、売り切ると解散して次の物件へ移る、という働き方が中心になります。
職務経歴書で手が止まるのは、担当した物件を並べたあとです。「〇〇〇〇 全180戸 完売」(記入例)と書いても、完売は販売センター全体の結果であって自分の数字ではありません。物件名を並べるだけでは価格帯も難易度も伝わらず、かといって個人の契約戸数だけを書くと、その戸数が何戸の物件を何名で売った中の数字なのかが読み取れません。本記事は、担当物件の条件・個人の契約戸数・来場からの契約率という3つの層で書き切る型を扱います。
売主と買主の間に立って媒介し、成功報酬として仲介手数料を受け取る立場は不動産売買仲介営業の職務経歴書で扱います。区分マンションや一棟収益物件を利回りで販売する形は投資用不動産営業の職務経歴書、土地を持つ顧客と建築請負契約を結ぶ形は注文住宅・ハウスメーカー営業の職務経歴書、中古物件を買い取ってリノベーション後に再販する形は不動産買取再販・仕入れ営業の職務経歴書の範囲です。自社の在庫を売り、代金として販売価格を受け取る立場なら本記事の型になります。
職務経歴書は、応募先ごとに書く内容を選び直す書類です。ハローワークインターネットサービスの「履歴書・職務経歴書の書き方」でも、履歴書では書ききれない具体的な職務内容と実績を伝える書類と位置づけられています。新築分譲でいう「具体的」とは、契約戸数に物件の条件と来場の分母を添え、その戸数を何名の販売体制の中で取ったのかまで書くことです。
職務経歴書の完成記入例(新築分譲マンション・戸建販売営業)
先に完成形を示します。分譲戸建の現地販売を3年、その後、分譲マンションの販売センターで5年・4物件を担当した例です。数値はすべて記入例で、戸数・平均販売価格・契約金額が掛け算で合うようにそろえています。
記入例
職務要約
新築分譲住宅の販売営業として8年、売主または販売代理の立場で、モデルルーム・現地販売会からエンドユーザーへ直接販売してきました。前職では分譲戸建(建売)の現地販売を3年担当して累計52棟、現職では分譲マンションの販売センターに配属され、5年で4物件・累計118戸を契約しています(記入例)。直近に担当した全180戸・販売期間14か月の物件では、自分が初回接客した来場600組から契約36戸(売買契約38戸から住宅ローン特約による解除2戸を除いた戸数。来場契約率6.0%)、契約金額20億8,800万円、個人目標30戸に対し達成率120.0%、販売センター6名中2位でした(記入例)。
職務経歴
株式会社〇〇〇〇(新築分譲マンションの企画・販売/従業員約300名) ○○○○年○月〜現在 販売部 〇〇販売センター(記入例)
- 【所属】販売部 販売センター 主任(営業6名・センター長1名・受付事務2名)(記入例)
- 【営業対象】沿線の駅徒歩10分圏で新築分譲マンションの購入を検討する個人(30〜40代の一次取得層が中心。住み替え・親族との同居・親からの資金援助を伴う購入を含む)(記入例)
- 【商材】新築分譲マンション(自社が売主。全180戸、専有面積55〜85平方メートル、販売価格4,200万〜9,800万円、平均5,800万円)(記入例)
- 【営業手法】モデルルームでの来場接客が中心。物件広告・自社サイト・住宅情報サイトからの来場予約に対し、初回接客(資金計画・住戸選定)→再来場→住宅ローン事前審査→買付申込(要望書)→重要事項説明・売買契約→内覧会・引渡しまで一貫して担当。第1期から第5期までの期分け販売では、住戸の割付と価格表の作成にも参加(記入例)
- 【実績・成果】(直近担当物件・全180戸/販売期間14か月。売買契約ベース。金額は販売価格の合計。すべて記入例)
- ・個人契約 36戸(個人目標30戸に対し達成率120.0%)、契約金額 20億8,800万円(36戸×平均販売価格5,800万円)(記入例)
- ・物件全体180戸に対する自分の契約割合 20.0%。販売センター6名の1名あたり平均30戸(180戸÷6名)に対して36戸で、センター6名中2位(記入例)
- ・来場からの段階:自分が初回接客した来場600組 → 再来場180組(来場の30.0%)→ 買付申込48件(再来場の26.7%)→ 売買契約38戸(申込の79.2%)(記入例)
- ・契約戸数は、売買契約38戸から住宅ローン特約による解除2戸を除いた36戸で記載。来場契約率は36戸÷600組=6.0%(記入例)
- ・住宅ローン事前審査 申込72件・承認63件(承認率87.5%)(記入例)
- ・期別の個人契約:第1期12戸・第2期9戸・第3期7戸・第4期5戸・第5期3戸(合計36戸)(記入例)
- ・引渡し状況:契約36戸のうち、期末時点で引渡し済み31戸・引渡し前5戸(記入例)
- ・前担当物件(全150戸):竣工後、未契約28戸(物件全体の契約率81.3%=122戸/150戸)の状態で完成在庫の販売を1名で引き継ぎ、10か月で個人契約24戸。物件累計146戸・契約率97.3%まで進めた。自分が接客した来場210組に対する契約率11.4%(記入例)
- ・その前の担当物件(全96戸・平均販売価格3,900万円):来場320組から個人契約22戸(来場契約率6.9%)、契約金額8億5,800万円(記入例)
- ・現職5年の累計:4物件・個人契約118戸(全180戸の物件36戸+全150戸の物件24戸+全96戸の物件22戸+配属初年度から担当した全144戸の物件36戸)(記入例)
株式会社〇〇〇(新築分譲戸建の企画・販売/従業員約60名) ○○○○年○月〜○○○○年○月 販売課(記入例)
- 【所属】販売課(営業4名)(記入例)
- 【営業対象】市内とその周辺で新築の戸建購入を検討する個人(20〜40代の一次取得層)(記入例)
- 【商材】新築分譲戸建(自社が売主。1分譲地あたり4〜12棟、土地建物セットで3,200万〜4,400万円、平均3,600万円)(記入例)
- 【営業手法】現地販売会(オープンハウス)とチラシ配布による集客、来場者への現地案内と資金計画の作成、提携金融機関への住宅ローンの取り次ぎ、売買契約から引渡しまでを担当
- 【実績・成果】(最終年度・売買契約ベース。すべて記入例)
- ・担当分譲地 年6か所・計42棟。個人契約 18棟、契約金額 6億4,800万円(18棟×平均販売価格3,600万円)(記入例)
- ・現地販売会 年48回、来場340組から契約18棟(来場契約率5.3%)(記入例)
- ・在籍3年の累計契約 52棟(記入例)
活かせる経験・知識・スキル
- モデルルーム・現地販売会での初回接客と資金計画の作成(自己資金と返済比率から購入可能額を示し、住戸と価格帯を絞り込む)
- 期分け販売の住戸割付と価格表作成への参加、要望書の集約と抽選・先着の運用
- 重要事項説明書・売買契約書の読み合わせ、手付金等の保全措置の説明、内覧会と引渡しの立ち会い
- 提携金融機関への住宅ローン事前審査・本審査の取り次ぎ、親からの資金援助や親子リレー返済を含む資金計画の組み立て
- 竣工後に残った完成在庫の販売(販売条件の見直し提案、即入居できる利点の訴求、現物を見せる接客)
資格
- 宅地建物取引士(○○○○年○月 登録)
- 普通自動車第一種運転免許
入力フォームの「業務内容と実績・成果」は1つの欄に【所属】【営業対象】【商材】【営業手法】【実績・成果】を続けて書く形なので、新築分譲固有の情報をそれぞれに振り分けます。【所属】には販売センターの人数構成を、【商材】には物件の総戸数・価格帯・平均販売価格を、【営業手法】には集客の経路と、初回接客から引渡しまでのどの工程を担当したかを書きます。【実績・成果】は、物件名ではなく「全180戸・販売期間14か月」という条件を1行目に置いてから数字を並べます(記入例)。職務要約の組み立て方そのものは営業職の職務経歴書の書き方にまとめています。
記入例の数字は、その場で検算できるように置いています。36戸×平均5,800万円=20億8,800万円、36戸÷600組=6.0%、180戸÷6名=1名あたり30戸、第1期12戸+第2期9戸+第3期7戸+第4期5戸+第5期3戸=36戸(いずれも記入例)。新築分譲は1戸の金額が大きく、面接では必ず戸数と金額の関係を確かめられます。自分の数字に置き換えるときも、掛け算と割り算が合うかを先に点検してください。
担当物件は、何を添えれば難易度が伝わるか
物件名ではなく、総戸数・価格帯・販売期間・立地条件の4つを添えます。新築分譲の職歴は物件単位で動くため、書き出すと物件名の列挙になりがちですが、名前は読み手にとって難易度の情報を含みません。同じ「1物件を完売」でも、40戸を4か月で売ったのか、300戸を24か月かけて売ったのかで、必要な仕事量も体制もまったく違います(いずれも記入例)。
4つのうち最も効くのは総戸数です。総戸数は販売の総量であり、販売センターの人数と組み合わせると1名あたりの持ち戸数が出ます。180戸を6名で売る現場と、60戸を2名で売る現場では、どちらも1名あたり30戸で、実は近い負荷だと分かります(記入例)。価格帯は顧客層と資金計画の難しさを、販売期間は在庫を抱えた期間の長さを示します。
| 条件 | 書き方(記入例) | 押さえどころ |
|---|---|---|
| 総戸数 | 全180戸(うち自分の契約36戸=20.0%) | 販売の総量。自分の契約戸数と必ず組にする |
| 平均販売価格・価格帯 | 平均5,800万円(4,200万〜9,800万円帯) | 顧客層と資金計画の難易度がここで伝わる |
| 販売期間 | 販売開始から完売まで14か月 | 期間が長いほど在庫消化の局面を経験している |
| 立地・交通条件 | 沿線の駅徒歩10分圏、市街地の再開発区画 | 物件名を出さずに立地の強弱を伝える書き方 |
| 販売体制 | 販売センター 営業6名・センター長1名・受付事務2名 | 1名あたりの持ち戸数(180戸÷6名=30戸)の分母 |
| 販売形態 | 自社が売主/売主から販売代理を受託 | 金額の意味が変わる。契約金額か手数料かを決める |
| 竣工との前後 | 青田売り(竣工前販売)/竣工後の完成在庫 | 売り方が別物。同じ物件でも局面ごとに分けて書く |
| 住戸タイプ | 専有面積55〜85平方メートル、2LDK〜4LDK | 間取りの幅は提案の幅として読まれる。1行で足りる |
物件名そのものは、新築分譲では広告に出ている公開情報なので、書いても守秘の問題にはなりにくい種類の情報です。ただし、名前を書いても採用側にその物件の記憶があるとは限らず、行を1本使うわりに伝わる量が少ない書き方になります。物件名を書くなら「〇〇〇〇(全180戸・平均販売価格5,800万円・販売期間14か月)」のように条件を括弧で添え、条件のほうを主にしてください(記入例)。販売前の物件の価格計画や、契約者の属性など公開されていない情報を扱う型は守秘義務で社名・数値が書けないときの職務経歴書にまとめています。
〇〇〇〇、〇〇〇〇、〇〇〇〇の3物件を担当し、いずれも完売しました。
物件名が3つ並ぶだけで、規模も価格帯も販売期間も分かりません。完売は販売センター全体の結果なので、自分が何戸を売ったのかも読み取れません。
直近担当物件:全180戸・平均販売価格5,800万円(4,200万〜9,800万円帯)・販売期間14か月・販売センター営業6名。個人契約36戸(物件全体の20.0%)、契約金額20億8,800万円(記入例)
物件の規模と価格帯、売り切るのにかかった期間、体制の人数が先に置かれ、そのうえで自分の戸数が読めます。180戸÷6名=30戸に対して36戸という比較もその場でできます(いずれも記入例)。
完売がチームの成果になるとき、自分の数字は何か
個人の契約戸数と契約金額を主指標に置き、完売は物件の条件として1行に落とします。販売センターは同じ在庫を複数名で売るため、完売という結果は誰か1人の成果になりません。一方で、契約書に自分の名前が入った戸数は個人に帰属する数字であり、社内でも戸数と金額で管理されているのが普通です。手元にある数字のうち、最初に取り出すべきはその戸数です。
契約戸数だけでは規模が伝わらないため、平均販売価格を掛けた契約金額を添えます。36戸×平均5,800万円=20億8,800万円のように、掛け算が合う形で並べると、単価の桁を読み違えられません(記入例)。加えて、物件全体に占める割合(36戸÷180戸=20.0%)と、1名あたり平均との比較(180戸÷6名=30戸に対し36戸)を置くと、チームの中での位置が数字で出ます(記入例)。
| 層 | 書き方(記入例) | 押さえどころ |
|---|---|---|
| 物件(チーム) | 全180戸を販売期間14か月で完売、販売センター営業6名 | 条件として1行。実績の柱には置かない |
| 個人の契約戸数 | 個人契約36戸(目標30戸・達成率120.0%) | 契約書に自分の名前が入った戸数。実績の柱 |
| 個人の契約金額 | 20億8,800万円(36戸×平均5,800万円) | 戸数との掛け算が合うこと。単価の桁を示す |
| 物件内シェア | 物件全体180戸の20.0%を担当 | チームの何割を売ったかが1行で伝わる |
| 1名あたり平均との比較 | 平均30戸(180戸÷6名)に対し36戸 | 順位より先に、平均との差を数字で置く |
| 順位 | 販売センター6名中2位 | 必ず分母(6名)を添える |
| 個人以外の貢献 | 新人2名の初回接客のロールプレイングを週1回担当 | 戸数に混ぜず、別の行に分ける |
販売センターでは、初回接客をした担当と契約を取った担当が別になる案件が出ます。接客の途中で担当を引き継いだ戸数がある場合は、自分の契約戸数に含めるかどうかを社内の集計に合わせ、含めたなら「引き継ぎ受け3戸を含む」と1行添えます(記入例)。逆に自分が初回接客をして他の担当が契約した戸数は、契約戸数には入れず、来場からの段階の数字として別に書きます。同じ戸を二重に数えないことが、面接で数字を突き合わせられたときに効きます。
チームの成果しか残っていない期間の扱い方そのものはチーム実績しかない営業の職務経歴書、順位や表彰に分母を添える手順は表彰歴・順位の職務経歴書にまとめています。目標と実績を並べるときの分母のそろえ方は営業実績を数字でどう書くかを参照してください。本記事で押さえるのは、新築分譲では「物件」「個人」「物件内シェア」の3層に分けると、完売がチームの結果のままでも個人の実力が読める、という一点です。
担当物件は全180戸で、チーム一丸となって完売を達成しました。(記入例)
完売までの過程に自分がどれだけ関わったのかが数字になっていません。180戸を1名で売ったのか6名で売ったのかも書かれておらず、規模の印象だけが残ります。
全180戸(販売センター営業6名)を14か月で完売。うち個人契約36戸・契約金額20億8,800万円で、物件全体の20.0%を担当。1名あたり平均30戸に対し36戸、センター6名中2位(記入例)
物件の完売はあくまで条件として置かれ、自分の戸数・金額・シェア・順位が分母つきで並びます。180÷6=30戸、36÷180=20.0%と検算できます(いずれも記入例)。
来場から契約までの数字は、どの分母で書くか
分母は「自分が初回接客した来場組数」に置きます。モデルルームや現地販売会の総来場者数は物件の広告費と立地で決まる数字で、個人の力とは切り離されています。一方、割り当てられた来場者を再来場につなげ、資金計画を通し、申込に持ち込んだ割合は、担当者ごとに差が出ます。総来場ではなく自分の接客組数を分母にすると、その差が数字になります。
段階は、初回接客・再来場・買付申込・売買契約の4つに分けます。新築分譲は住戸の選定と資金計画に時間がかかるため、初回接客だけで契約に至る案件は多くありません。再来場率を書くと、初回接客で次につなぐ力が見え、申込から契約までの率を書くと、資金計画の詰めの正確さが見えます。段階ごとに何が測られているかが違うので、まとめて「成約率6.0%」とだけ書くと、どこが強いのかが消えます(記入例)。
| 段階 | 書き方(記入例) | 押さえどころ |
|---|---|---|
| 初回接客 | 自分が初回接客した来場600組 | 物件の総来場ではなく自分の接客組数。すべての分母 |
| 再来場 | 再来場180組(来場600組の30.0%) | 初回接客で次につなげた割合。新築分譲の要 |
| 住宅ローン事前審査 | 申込72件・承認63件(承認率87.5%) | 資金計画の精度。承認率は顧客層の目安にもなる |
| 買付申込(要望書) | 申込48件(再来場180組の26.7%) | 抽選になる期は申込と契約がずれる。件で数える |
| 売買契約 | 契約38戸(申込48件の79.2%) | 申込から契約に至った割合。抽選落選も含む分母 |
| 解除を除いた契約戸数 | 36戸(契約38戸−ローン特約による解除2戸) | 実績の柱に置く数字。差し引いた旨を1行添える |
| 来場契約率 | 36戸÷600組=6.0% | 通しの歩留まり。段階別と併記して初めて意味が出る |
来場の出所も1行で書きます。物件広告、住宅情報サイトからの来場予約、現地看板、既契約者からの紹介では、来場したときの検討度合いが違います。紹介からの来場が多ければ、既契約者との関係づくりまで含めて仕事をしていたと読めます。媒体ごとに分母を分ける一般的な型は反響営業の職務経歴書にまとめているので、本記事では新築分譲固有の点だけを押さえます。すなわち、来場の割り当てが当番制なのか予約担当制なのかで、来場組数そのものの意味が変わることです。当番制なら「来場割り当ては当番制(6名で均等)」と1行添えると、600組が自分で集めた数ではないことが正確に伝わります(記入例)。
接客組数が社内システムに残っていない場合は、契約戸数と再来場の実数だけでも書きます。数字がまったく手元にない期間の扱い方は物件条件と工程の記述で補い、来場からの率は書ける期間だけに限定してください。率を推測で書くと、面接で分母を聞かれたときに答えられなくなります。
モデルルームには年間3,000組の来場があり、その中で高い成約率を維持しました。(記入例)
3,000組は物件全体の来場で、自分が接客した組数ではありません。「高い」の基準もなく、どの段階の率を指しているのかも分かりません。
自分が初回接客した来場600組(割り当ては6名の当番制)→再来場180組(30.0%)→買付申込48件(再来場の26.7%)→売買契約38戸(申込の79.2%)。ローン特約による解除2戸を除く契約戸数36戸、来場契約率6.0%(記入例)
分母が自分の接客組数だと明記され、段階ごとの率が別々に読めます。600×30.0%=180組、48÷180=26.7%、36÷600=6.0%と検算できます(いずれも記入例)。
期分け販売の消化率と販売期間は、どう数えるか
期ごとの売出戸数と、その期の中で契約に至った戸数を並べ、消化率として書きます。新築分譲マンションは、総戸数をいちどに売り出さず、第1期・第2期と時期を区切って売り出す形が広く取られます。期ごとに売出戸数と価格が決まるため、期の中でどれだけ消化したかが、そのまま販売の進み具合になります。物件全体の完売だけを書くと、この進み方が消えます。
期別に書く効き目は、後半の期を担当した経験が見えることです。第1期には条件の良い住戸が多く含まれ、発売を待っていた顧客が動くため決まりやすく、期が進むほど残る住戸の条件は厳しくなりがちです。第4期・第5期での契約戸数を書けると、売りにくい住戸を売った経験として読まれます。逆に第1期の数字しかない場合は、期を明記したうえで、そこに集中した理由を1行添えます。
| 期 | 売出戸数 | 期内契約戸数 | 期内消化率 | うち個人契約 |
|---|---|---|---|---|
| 第1期 | 60戸 | 54戸 | 90.0% | 12戸 |
| 第2期 | 48戸 | 42戸 | 87.5% | 9戸 |
| 第3期 | 36戸 | 30戸 | 83.3% | 7戸 |
| 第4期 | 24戸 | 18戸 | 75.0% | 5戸 |
| 第5期 | 12戸 | 12戸 | 100.0% | 3戸 |
| 合計 | 180戸 | 156戸 | 86.7% | 36戸 |
合計欄の読み方を1行添えると誤解がありません。売出180戸に対し期内契約156戸で通算の期内消化率86.7%、残る24戸は各期の終了後に追加販売で契約し、最終的に180戸が完売した、という形です(記入例)。期内で消化しきれなかった戸数を隠すと、合計が合わなくなって面接で崩れます。売れ残った戸数がある期こそ、そのあとどう売ったかを書ける材料になります。
竣工後に残った完成在庫を引き継いだ場合は、引き継いだ時点の契約率と、担当期間中に進めた増分の2つで書きます。「未契約28戸の状態で1名で引き継ぎ、10か月で個人契約24戸。物件全体の契約率は81.3%(122戸/150戸)から97.3%(146戸/150戸)へ」という形なら、任された局面の難しさと、自分が動かした量の両方が伝わります(記入例)。完成在庫は現物を見せられる利点があるため、来場に対する契約率は初期より上がることがあり、記入例では11.4%(24戸÷210組)としています(記入例)。数字が良くなった理由まで1行書くと、局面の違いを理解している人だと読まれます。
目標に届かなかった期の書き方は目標未達・成績が悪いときの職務経歴書にまとめています。「期分け」「要望書」「ヨミ」「登録」といった販売センターの内側でしか通じない言い回しは、そのまま書かず、初出で1行の説明を付けるか一般語に置き換えます。置き換えの手順は社内用語・社内KPIを翻訳する職務経歴書にまとめています。たとえば「要望書」は「購入希望住戸の申込書」、「登録」は「抽選対象としての申込受付」と書けば、分譲の経験がない読み手にも通ります。
売れ残っていた物件を引き継ぎ、粘り強く販売して完売に導きました。
引き継いだ時点で何戸残っていたのか、担当期間中に何戸を売ったのかが数字になっていません。「粘り強く」だけでは、何をしたのかも伝わりません。
竣工後、未契約28戸(物件全体の契約率81.3%=122戸/150戸)の状態で完成在庫の販売を1名で引き継ぎ、10か月で個人契約24戸。物件累計146戸・契約率97.3%。自分が接客した来場210組に対する契約率11.4%で、現物を見せられる利点と即入居を軸に接客を組み替えました(記入例)
引き継ぎ時点と担当後で契約率が並び、自分が動かした24戸が明確です。122÷150=81.3%、146÷150=97.3%、24÷210=11.4%と検算できます(いずれも記入例)。
売主・販売代理の立場は、売買仲介とどう書き分けるか
金額は仲介手数料ではなく、契約した住戸の販売価格の合計で書きます。新築分譲では、自社が売主となるか、売主から販売代理を受託して窓口になるかのどちらかで、買主から仲介手数料を受け取らないのが通常の形です。会社に入るのは販売代金(販売代理なら売主から受け取る販売手数料)であり、仲介手数料の額を実績に置くと、そもそも数字の種類が合いません。
立場の違いは、仕事の中身にも表れます。売主側の営業は、価格の設定や住戸の割付、販売時期の決め方に関わることがあり、売り出し方そのものを設計する側に立ちます。仲介の営業は、決まっている条件の物件について買主を見つけ、条件を調整します。応募先が仲介会社なら、価格の根拠づくりや条件交渉の経験を、応募先がデベロッパーや販売会社なら、在庫を持って売り切った経験を厚く書くことになります。
| 立場 | 会社が受け取るもの | 実績に書く金額(記入例) | 押さえどころ |
|---|---|---|---|
| 自社が売主 | 販売代金 | 契約金額 20億8,800万円(36戸×平均5,800万円) | 在庫を持つ立場。販売期間と残戸数の管理経験が価値 |
| 販売代理を受託 | 売主から受け取る販売手数料 | 契約金額 20億8,800万円(販売代理として受託) | 契約金額で書き、立場を括弧で1行添える |
| 媒介(仲介) | 仲介手数料 | 本記事の範囲外。仲介手数料売上で書く | 同じ「成約」でも金額の意味が違う |
自ら売主となる取引の制度(2026年9月時点)
宅地建物取引業者が自ら売主となり、宅地建物取引業者でない買主へ販売する取引には、宅地建物取引業法で買主保護の定めが置かれています。2026年9月時点では、事務所等以外の場所で申込みをした買主による申込みの撤回等(クーリング・オフ)、手付の額の制限、手付金等の保全措置などが含まれると整理されています。要件や対象は改正が入るため、最新の条文と勤務先の規程で確認してください。定めに沿った実務を回していた事実は【営業手法】のブロックに1行で書けば足り、実績の数字にはしません。
もう1つ、新築分譲に固有なのが計上のタイミングです。青田売りでは、売買契約から引渡しまで1年以上あくことが珍しくなく、契約の年度と引渡しの年度がずれます。【実績・成果】の1行目に「売買契約ベース」と書き、必要なら引渡し済みの戸数を別行に置いてください。記入例では契約36戸のうち期末時点で引渡し済み31戸・引渡し前5戸としています(記入例)。会社が引渡しベースで売上を立てている場合、契約戸数と社内の売上計上がずれるため、どちらの数字かを明記しないと説明がかみ合いません。
キャンセルの扱いも決めておきます。住宅ローン特約による解除や、手付解除で契約がなくなった戸は、契約戸数に残すと金額との割り算が合わなくなります。記入例では、売買契約38戸から解除2戸を除いた36戸を契約戸数として書き、その旨を1行添えています(記入例)。差し引いた事実を書くこと自体が、数字の扱いに正確な人だという材料になります。
年間の仲介手数料売上は2,800万円で、社内で表彰されました。(記入例)
売主側の販売なのに仲介手数料を実績にしており、立場と金額の種類が食い違います。同業の読み手には、取引態様を理解していないと受け取られます。
(直近担当物件・売買契約ベース。自社が売主)個人契約36戸、契約金額20億8,800万円(36戸×平均販売価格5,800万円)。うち期末時点で引渡し済み31戸。売買契約38戸から住宅ローン特約による解除2戸を除いて記載(記入例)
立場・数え方・差し引きが先に決まっているため、戸数と金額が同じ物差しの数字だと分かります。38戸−2戸=36戸、36戸×5,800万円=20億8,800万円と検算できます(いずれも記入例)。
よくある質問
担当した物件の名前を職務経歴書に書いてよいですか?
新築分譲の物件名は広告で公開されているため、書くこと自体は問題になりにくい情報です。ただし、名前だけでは規模も価格帯も伝わらないので、「〇〇〇〇(全180戸・平均販売価格5,800万円・販売期間14か月)」のように条件を括弧で添えます(記入例)。販売前の価格計画や、契約者の氏名・属性は公開されていない情報なので書きません。物件名を出さない場合は「駅徒歩10分圏の全180戸」と立地と規模で置き換えれば、必要な情報は十分に伝わります(記入例)。
販売代理会社の社員で、売主ではありません。不利になりますか?
不利にはなりません。買主にとっての窓口は販売代理会社であり、初回接客から契約・引渡しまでの工程は売主直販とほとんど変わらないためです。書き方としては【商材】に「売主〇〇社より販売代理を受託した新築分譲マンション(全180戸)」と1行置き、金額は契約した住戸の販売価格の合計で書きます(記入例)。価格設定や住戸割付に関与していない場合は、関与していない旨をあえて書く必要はなく、担当した工程だけを正確に並べます。
1物件しか担当していません。経歴が薄く見えませんか?
物件数ではなく、その1物件の条件と自分の戸数で読まれます。全180戸を6名で14か月かけて売った現場で36戸を契約したのなら、1物件でも十分な情報量です(記入例)。加えて、第1期から第5期までのどの局面を担当したか、青田売りと完成在庫のどちらを経験したかを書くと、1物件の中に複数の局面があったことが伝わります。物件数が少ないときほど、期別の契約戸数を並べる書き方が効きます。
来場者の割り当ては当番制で、自分で集客していません。それでも実績になりますか?
なります。集客は物件の広告予算と立地で決まる部分が大きく、採用側もそれを前提に読みます。評価されるのは、割り当てられた来場をどれだけ次につないだかで、再来場率30.0%、申込率26.7%、来場契約率6.0%といった段階別の数字がその材料です(記入例)。当番制であることを1行書いておくと、来場600組(記入例)が自分で集めた数ではないと正確に伝わり、かえって数字の信頼度が上がります。
新築分譲から売買仲介や賃貸の会社へ応募するとき、実績はどう置き換えますか?
契約金額は桁が大きいため、そのまま並べると比較されにくくなります。戸数と来場からの段階別の数字を主に置き、金額は平均販売価格として1行に落とします。あわせて、仲介で必要になる工程(重要事項説明の同席、住宅ローンの取り次ぎ、引渡しの立ち会い、境界・管理規約の説明)を経験として別行で書きます。売主側では扱わない媒介契約の取得や価格査定は未経験である旨を隠さず、代わりに在庫を売り切った経験を前に出してください。
参照した情報
- ハローワークインターネットサービス「履歴書・職務経歴書の書き方」 — 確認日 2026年9月6日
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