投資用不動産営業の職務経歴書は件数が少ない?利回りと融資付けで示す
この記事の結論
投資用不動産営業の職務経歴書は、年間契約件数の横に平均販売価格と契約総額を必ず組にし、その手前に初回面談数を分母として置きます。面談と契約は紹介・反響・アウトバウンドの経路別に分け、混ぜた契約率は最後に添えます。融資は提携金融機関の種別と数、事前審査の承認率まで書きます。年間契約 15戸・契約総額4億5,000万円・面談→契約率8.1%(記入例)のように、件数と金額と分母をそろえます。
この記事は投資用不動産営業の実績を、契約件数・単価・経路・融資付けの数字で書き切ることを決めきるためのものです。職務要約から自己PRまでの全体の型、実績指標の対応表、数字で示せる実績がない場合の書き方、社名や売上を書いてよいかの判断は、営業職の職務経歴書にまとめています。様式そのものを探している方は、そちらの入力フォームからそのまま作れます。
入力フォームへ投資用不動産営業とは(職務経歴書での扱い)
投資用不動産営業とは、家賃収入や売却益を目的に不動産を購入する個人・法人へ、投資用の区分マンションや一棟収益物件を販売・仲介する営業です。買い手が自分で住む家ではなく、収支の見込みで判断する商品を扱うため、提案の中身は利回り・自己資金・融資条件・空室時の負担の説明で構成されます。職務経歴書で手が止まるのは、一件の金額が大きいぶん年間の契約件数が十数件にとどまり、件数だけを書くと実績が小さく見えるからです。
本記事では、売主として投資用物件を販売する直販と、投資家に収益物件を売買仲介する形の両方を対象にします。自分が住む家を売り買いする実需の仲介は売買仲介営業の職務経歴書、部屋を借りる人の仲介は賃貸仲介営業の職務経歴書、自社で買い取って価値を上げてから売り直す仕入れ側は不動産買取再販・仕入れ営業の職務経歴書で扱います。求人票に「投資用マンション営業」「収益物件営業」「資産形成コンサルタント」と書かれている仕事は、本記事の範囲です。
職務経歴書は、ハローワークインターネットサービス「履歴書・職務経歴書の書き方」にあるとおり、履歴書では書ききれない職務内容と実績を具体的に伝える書類です。投資用不動産営業でいう「具体的」とは、契約件数の横に単価と総額を置き、その契約がどの経路から生まれ、融資をどう通したかまでを分母つきで示すことを指します。
職務経歴書の完成記入例(投資用不動産営業)
先に完成形を示します。投資用区分マンションの販売(売主・直販)を現職、投資家向けの収益物件の売買仲介を前職とした例です。数値はすべて記入例で、件数と金額、率と分母が割り切れるようにそろえています。
記入例
職務要約
投資用不動産の営業として6年間、収益物件を購入する個人・法人を担当してきました。前職では一棟収益物件の売買仲介を、現職では都心部の投資用区分マンションの販売を、初回面談から金融機関の事前審査、契約、決済・引渡しまで一貫して担当しています。直近1年は年間契約15戸・契約総額4億5,000万円、契約目標12戸に対し達成率125%。事前審査の承認率85%を2年続けて維持しました(記入例)。
職務経歴
株式会社〇〇〇〇(投資用不動産の販売・売主/従業員約120名・非上場) ○○○○年○月〜現在 営業一部 主任(記入例)
- 【所属】営業一部(営業12名)主任。○○○○年○月から3名のチームリーダーを兼任(記入例)
- 【営業対象】年収700万円以上の給与所得者(上場企業の会社員・公務員・医療従事者)を中心とした30〜50代の個人、および資産管理法人(記入例)
- 【商材】都心部の投資用区分マンション(新築・中古。1戸2,000万〜4,500万円、平均販売価格3,000万円。想定家賃 月10.5万円)(記入例)
- 【営業手法】自社保有リストへの架電(アウトバウンド)、Web・セミナー反響、既契約者と提携先からの紹介の3経路。初回面談、収支シミュレーションの提示、金融機関の事前審査、重要事項説明・売買契約、決済・引渡しまで一貫担当
- 【実績・成果】(直近1年・すべて記入例)
- 年間契約 15戸、契約総額 4億5,000万円(15戸×平均3,000万円)。契約目標12戸に対し達成率125%、営業12名中2位(記入例)
- 初回面談 年186件。経路別は アウトバウンド120件・反響50件・紹介16件(記入例)
- 経路別の契約 アウトバウンド6戸(面談→契約率5.0%)/反響5戸(同10.0%)/紹介4戸(同25.0%)。全体の面談→契約率8.1%(15戸/186件)(記入例)
- 架電 1日100件(月20営業日で月2,000件、年24,000件)。架電から初回面談 120件(面談化率0.5%)(記入例)
- 融資:事前審査 20件申込・17件承認(承認率85%)、うち契約14件。現金購入1件。提携金融機関6社(地方銀行3行・信用金庫1庫・信販会社2社)(記入例)
- 初回面談から契約までの平均68日(最長14か月)。初回面談から180日以上を経ての契約 3戸(契約15戸の20%)(記入例)
- 契約15戸すべて決済・引渡しまで完了。契約後の解除・申込みの撤回 0件(直近2年)(記入例)
- 2戸目以降の追加購入 3戸(既契約者からの再購入。契約15戸の20%)(記入例)
- チーム3名の年間契約 33戸(目標30戸、達成率110%)、うち本人15戸(記入例)
株式会社〇〇〇(不動産売買仲介・投資家向け/従業員約40名・非上場) ○○○○年○月〜○○○○年○月 営業部(記入例)
- 【所属】営業部(営業8名)(記入例)
- 【営業対象】一棟収益物件を購入する個人投資家・資産管理法人(自己資金1,000万円以上)(記入例)
- 【商材】中古の一棟アパート・一棟マンション(1件4,000万〜1億5,000万円、平均8,000万円。表面利回り6〜8%帯)(記入例)
- 【営業手法】収益物件のポータルサイトからの反響と、業者間流通で得た物件の紹介。買主側の融資付け(金融機関への同行)を含む
- 【実績・成果】
- 年間成約 8件、取扱高 6億4,000万円(8件×平均8,000万円)(記入例)
- 買主の融資:金融機関3行へ持ち込み、事前審査 16件申込・12件承認(承認率75%)(記入例)
- ※物件名・所在地・買主名は守秘義務のため伏せ、種別・価格帯・件数・取扱高で記載しています。面接では守秘義務に反しない範囲で補足します。
活かせる経験・知識・スキル
- 収支シミュレーションの作成(表面利回り・実質利回り・返済比率・金利上昇時の返済額を並べて提示)
- 金融機関の事前審査の組み立て(年収・勤続年数・既存借入の整理、提携6社の中からの持ち込み先の選定)(記入例)
- 重要事項説明・売買契約書の作成と説明(宅地建物取引士)
- 賃貸管理会社との連携(入居付けの状況確認、原状回復と修繕の説明、賃料改定時の報告)
- 顧客管理システムでの長期追客(面談履歴・検討時期・資産状況の更新と、四半期ごとの情報提供)
資格
- 宅地建物取引士(○○○○年○月 登録)
- 普通自動車第一種運転免許(○○○○年○月取得)
記入例の数字は、件数×平均価格が総額になり、率は分母で割り切れるように置いています。自分の数字に置き換えるときも、契約戸数と契約総額、面談数と契約率が食い違っていないかを先に確かめてください。単価の大きい商材ほど、面接で最初に確認されるのは件数の多さではなく、件数・単価・総額の整合です。
年間の契約が十数件でも、実績の規模は伝わるか
伝わります。契約件数・平均販売価格・契約総額の3つを必ず同じ行に組にし、その手前に初回面談数を分母として置きます。
投資用不動産は1戸2,000万〜4,500万円(記入例)が普通で、年間15戸(記入例)でも契約総額は4億5,000万円(記入例)になります。件数だけを書くと、月に何十件も売る商材の営業と同じ物差しで読まれ、実績が小さく見えます。逆に総額だけを書くと、一件の大型契約でつくった数字なのか、平均3,000万円の契約を積み上げた数字なのか(いずれも記入例)が読み分けられません。3つを並べると、掛け算で検算できる形になります。
| 指標 | 書き方(記入例) | 押さえどころ |
|---|---|---|
| 年間契約戸数 | 年間契約 15戸(契約目標12戸・達成率125%) | 件数だけでは規模が伝わらない。次の2行と必ず組にする |
| 平均販売価格・価格帯 | 1戸2,000万〜4,500万円、平均3,000万円 | 帯と平均の両方を書く。帯だけでは総額の根拠にならない |
| 契約総額 | 4億5,000万円(15戸×平均3,000万円) | 件数×平均価格で読み手が検算できる形にする |
| 初回面談数 | 年186件(アウトバウンド120・反響50・紹介16) | 契約率の分母。経路別の内訳を同じ括弧に入れる |
| 面談→契約率 | 8.1%(15戸/186件) | 経路を混ぜた率は、必ず経路別の率と並べる |
| 融資の事前審査 | 20件申込・17件承認(承認率85%)、うち契約14件 | 分母は「自分が持ち込んだ件数」。契約に至った数まで書く |
| 追加購入・紹介 | 2戸目以降 3戸(契約15戸の20%)、紹介経由 4戸 | 売り切りで終わっていないことの証拠になる |
| 引渡し・解除 | 引渡し15戸、契約後の解除 0件(直近2年) | 契約後まで責任を持った証拠。件数が少ない商材ほど効く |
目標に対する達成率と部内での順位も添えます。件数が少ない商材では1件の差で率が大きく動くため、達成率だけを見せると運の要素を疑われます。「契約目標12戸に対し実績15戸、達成率125%(営業12名中2位)」(記入例)のように、目標・実績・分母のある順位を1行にまとめると、率の重さが確定します。分母と期間をそろえる一般的な考え方は営業実績を数字でどう書くかにまとめています。
投資用マンションの販売を担当し、年間15件の契約を獲得しました(記入例)。
1戸あたりの価格帯も、何件の面談から生まれた15件かも書かれていないため、扱った金額の規模も歩留まりも判断できません。
年間契約 15戸、契約総額4億5,000万円(1戸2,000万〜4,500万円、平均3,000万円)。初回面談186件からの契約で、面談→契約率8.1%。契約目標12戸に対し達成率125%(営業12名中2位)(記入例)
15戸×3,000万円=4億5,000万円、15戸÷186件=8.1%と行の中で検算でき、規模と歩留まりの両方が読めます(いずれも記入例)。
販売センターや複数名で1件を分担する会社では、契約が誰に付くかが社内でも割り切れていないことがあります。その場合は「チーム3名の年間契約33戸のうち本人15戸」(記入例)のように、上段にチームの規模、下段に自分の戸数を分けて書きます。チームの数字と個人の貢献の切り分けはチーム実績と個人の貢献を分ける職務経歴書で扱っています。
紹介・反響・アウトバウンドの3経路は、どう書き分けるか
3経路は分母が違うので、経路ごとに面談数と契約数を分けて書き、混ぜた契約率は最後に置きます。
アウトバウンドは架電数、反響は問い合わせ件数、紹介は紹介を受けた件数が、それぞれの分母です。混ぜた率だけを書くと、応募先が使っている集客と自分の経験が重なるかどうかを読み手が判断できません。アウトバウンド中心の会社に応募するのに紹介の高い契約率だけを見せると、面接で経路の内訳を聞かれたときに説明が苦しくなります。投資用不動産では3経路が1人の担当の中で並走するため、配分そのものが実力の説明になります。
| 経路 | 手前の分母(記入例) | 初回面談(件・記入例) | 契約(戸・記入例) | 面談→契約率(記入例) |
|---|---|---|---|---|
| アウトバウンド(架電) | 架電 24,000件(1日100件) | 120 | 6 | 5.0% |
| Web・セミナー反響 | 反響 100件(面談化率50%) | 50 | 5 | 10.0% |
| 既契約者・提携先の紹介 | 紹介 20件(面談化率80%) | 16 | 4 | 25.0% |
| 合計 | — | 186 | 15 | 8.1% |
職務経歴書には表をそのまま貼らず、2行に圧縮します。「初回面談 年186件(アウトバウンド120・反響50・紹介16)/契約15戸(同 6戸・5戸・4戸)/面談→契約率 アウトバウンド5.0%・反響10.0%・紹介25.0%」(記入例)のように、分母の内訳→契約→率の順に並べると、表と同じ情報が2行に収まります。経路が2つ以下なら括弧書きで足ります。
経路ごとの詰まりどころは、隣接する売り方の記事に分けてまとめています。架電数そのものの置き場所やアポ率の分母の取り方はテレアポ・アウトバウンドコールの職務経歴書、問い合わせから面談までの歩留まりや媒体別に分母を分ける考え方は反響営業の職務経歴書、自分でリストを設計して開拓した部分は新規開拓営業の職務経歴書の型に合わせます。
紹介と2戸目以降の追加購入は、投資用不動産で再現性が伝わりやすい数字です。買った直後ではなく、家賃の入金と確定申告を1年以上経験した顧客が次の1戸を買う、または知人を紹介するという流れなので、契約後に接点を保っていた事実の裏づけになります。「紹介面談 年16件(既契約者12件・提携先4件)、紹介経由の契約 4戸。2戸目以降の追加購入 3戸(契約15戸の20%)」(記入例)のように、紹介の出どころを分けて書きます。
紹介の契約率は他の経路より高いのが普通なので、紹介だけを抜き出して書くと数字を選んだ印象になります。表のように3経路を並べ、率の低い経路で何を変えたかを1行添えます。「アウトバウンドの初回面談は、架電時に年収と勤務先の条件を確認してから設定する運用に変え、面談→契約率を前年の3.3%から5.0%へ改善」(記入例)という形です。
融資付けと利回りは、どこまで自分の実績として書けるか
融資は「提携金融機関の種別と数」「事前審査に持ち込んだ件数と承認率」「自己資金の帯」までが書ける範囲で、金利や各行の審査基準は書きません。利回りは表面と実質のどちらかを明記し、計算の元になる家賃と価格を添えます。
投資用不動産の契約は、買い手の融資が下りて初めて成立します。物件を気に入ってもらう力と同じくらい、顧客の年収・勤続年数・既存借入といった条件を整理し、どの金融機関へ持ち込むかを選ぶ力が成果を左右します。融資の部分を書かないと、契約件数が会社の物件供給によるものか、自分の組み立てによるものかを読み分けられません。
一方で、提携先の名称・適用金利・各行の審査基準は、勤務先が金融機関と結んだ取引条件そのものです。種別(地方銀行・信用金庫・信販会社)と数までにとどめ、条件の中身は書きません。伏せる対象と置き換え方の整理は守秘義務で社名・数値が書けないときの職務経歴書にまとめています。
| 数字 | 書き方(記入例) | 押さえどころ |
|---|---|---|
| 提携金融機関 | 提携6社(地方銀行3行・信用金庫1庫・信販会社2社) | 名称は書かない。種別と数で融資の選択肢の広さを示す |
| 事前審査の承認率 | 20件申込・17件承認(承認率85%) | 分母は自分が持ち込んだ件数。会社全体の数字と混ぜない |
| 承認から契約への転換 | 承認17件のうち契約14件、現金購入1件 | 承認率だけでは契約に結び付いたかが分からない |
| 自己資金 | 自己資金10万〜100万円の帯で提案(登記費用等を含む) | 平均の実額より帯のほうが誤読されにくい |
| 表面利回り | 平均販売価格3,000万円・想定家賃 月10.5万円で4.2% | 年間家賃126万円÷3,000万円と、計算が追える形にする |
| 実質利回り | 運営費 年21万円を引いた105万円を物件価格で割って3.5% | 表面か実質かに加え、分母(物件価格か取得総額か)も明記する |
| 返済の説明 | 金利が上がった場合の返済額を3パターンで提示 | 金利の実数と提携先の条件は書かず、説明の型を書く |
| 家賃保証・借上げ | 借上げ契約付き物件の取扱い 年6戸 | 制度の解説ではなく、自分の取扱件数で書く |
利回りは、表面と実質で値が変わります。表面利回りは年間の想定家賃収入を物件価格で割った値、実質利回りは管理費・修繕積立金・賃貸管理料などの運営費を差し引いた額を割った値です。実質利回りには、分母に物件価格だけを置く数え方と、仲介手数料・登記費用などの購入時諸費用を加えた取得総額を置く数え方があり、どちらを使うかは会社によって違います。平均販売価格3,000万円・想定家賃 月10.5万円で、分母を物件価格に取るなら、年間家賃126万円÷3,000万円で表面利回り4.2%、運営費 年21万円を引いた105万円÷3,000万円で実質利回り3.5%です(いずれも記入例)。種類と分母を書かずに数値だけを置くと、読み手は商品の質を判断できません。
業界語や社内語も、そのままでは投資用不動産を知らない読み手に通じません。初出で一般語に置き換え、略さずに書きます。
| 業界語・社内語 | 職務経歴書での書き方 |
|---|---|
| 利回り | 表面利回り(年間想定家賃÷物件価格)/実質利回り(運営費を差し引いた額÷物件価格、または購入時諸費用を加えた取得総額)のどちらかを、分母とあわせて明記 |
| 属性 | 顧客の年収・勤務先・勤続年数・既存借入など、融資審査で見られる条件 |
| フルローン | 物件価格の全額を融資で賄う組み方 |
| オーナーチェンジ | 入居者が入ったまま売買する中古の収益物件 |
| 区分・一棟 | 投資用区分マンション(1戸単位)/一棟アパート・一棟マンション |
| アポ・面談 | 初回面談(対面またはオンライン)。件数の分母を書き添える |
| 追客 | 契約に至っていない見込み客への継続的な情報提供と再接触 |
| 決済 | 残代金の支払いと引渡し(社内で「決裁」と表記していても改める) |
フルローンでの購入提案を得意とし、属性の良いお客様を中心に高い利回りの物件をご案内していました。
「フルローン」「属性」「高い利回り」がいずれも定義のない語で、件数も承認率も表面か実質かも書かれていないため、何をどれだけできる人かが判断できません。
顧客の年収・勤続年数・既存借入を整理したうえで、提携6社(地方銀行3行・信用金庫1庫・信販会社2社)から持ち込み先を選定。事前審査 20件申込・17件承認(承認率85%)、うち14件が契約。自己資金10万〜100万円の帯で、表面利回り4.2%・実質利回り3.5%(いずれも物件価格を分母)の収支を提示(記入例)
語が一般語に直り、分母つきの承認率と、利回りの種類と分母がそろっているため、物件を売るだけでなく融資の組み立てまで担当していたことが読み取れます。
社内KPIの名称を一般語へ直す手順そのものは社内用語・社内KPIを翻訳する職務経歴書で扱っています。応募先が同じ投資用不動産の会社でも、利回りの定義や事前審査の数え方は会社ごとに違うため、定義を添える手間は省かないでください。
「強引な営業」に見えないためには、何を書けばよいか
説明の手順と、契約後の数字(引渡し・解除・追加購入)を書きます。契約件数と架電数だけを並べると、短期で押し込んで数字をつくった人に読まれるためです。
投資用不動産の営業は、電話での新規開拓と長期の追客が中心になる仕事です。採用側は経験の有無と同時に、進め方の健全性を見ます。検討期間が長い商材であることは不利ではなく、初回面談から契約までの平均日数と、時間をかけて契約に至った件数を書けば、急がせない進め方をしていたことが数字で伝わります。
「初回面談から契約までの平均68日(最長14か月)。初回面談から180日以上を経ての契約 3戸(契約15戸の20%)。契約に至っていない見込み客 常時約120名へ、四半期ごとに賃料相場と金利動向を送付」(記入例)のように、期間・行動量・結果の3点をそろえます。追客の件数を書くと、契約に至らなかった見込み客との接点を管理していた事実も同時に伝わります。
説明の手順は、制度の解説ではなく自分が運用していた手順として書きます。宅地建物取引業法には、宅地建物取引業者が売主となる売買について、事務所等以外の場所でした買受けの申込みや契約を、一定の要件のもとで撤回・解除できる定めがあります(2026年9月時点)。適用の可否は取引の形態によって変わるため、職務経歴書に条文の要約を書く必要はありません。書くのは、重要事項説明の前に収支・空室時の返済負担・金利が上がった場合の返済額を書面で確認していた、といった自分の手順です。
契約後の数字は、押し込みで数字をつくっていないことの証拠になります。引渡しまで完了した戸数、契約後の解除・申込みの撤回の件数、2戸目以降の追加購入の件数を並べます。件数の少ない商材では、1件の解除が年間実績の割合として大きく響くため、解除がなかった年は数字として書く価値があります。
1日100件の架電と徹底したクロージングで、年間15件を契約しました(記入例)。
行動量と契約件数だけで、面談の分母も説明の手順も契約後の状況もありません。数字のつくり方を確かめる質問が面接の大半を占めることになります。
初回面談186件から年間契約15戸。初回面談から契約までの平均68日、180日以上を経ての契約3戸。重要事項説明の前に収支・空室時の返済負担・金利上昇時の返済額を書面で確認する手順を運用し、契約15戸すべてを決済・引渡しまで完了。契約後の解除・申込みの撤回 0件(直近2年)、2戸目以降の追加購入 3戸(記入例)
分母・期間・手順・契約後の結果がそろい、時間をかけて納得を得る進め方をしていたことが数字で裏づけられます。
実績が目標に届かなかった年がある場合も、契約件数を伏せる必要はありません。件数の少ない商材では市況と物件の供給量で結果が動くため、目標との差と、その年に何を変えたかを並べます。未達の年の書き方は目標未達・成績が悪いときの職務経歴書で扱っています。
入力フォームの5ブロックに、投資用不動産営業の何を入れるか
「業務内容と実績・成果」の欄は【所属】【営業対象】【商材】【営業手法】【実績・成果】の5ブロックを1つの欄に続けて書く形なので、投資用不動産に固有の情報をそれぞれに振り分けます。読み手が【実績・成果】の契約戸数を正しい分母で読めるかどうかは、手前の4ブロックで決まります。
- 【所属】部署名と役職、営業人数、チームリーダーの兼任。「営業一部(営業12名)主任、3名のチームリーダーを兼任」(記入例)のように1行で書きます。
- 【営業対象】買い手の属性を、年収帯・職業・年代・法人か個人かで書きます。「年収700万円以上の給与所得者(上場企業の会社員・公務員・医療従事者)を中心とした30〜50代の個人」(記入例)のように書くと、面談の分母の質が伝わります。
- 【商材】種別(投資用区分マンション/一棟収益物件)、新築か中古か、価格帯と平均販売価格、想定家賃。契約総額と利回りの根拠になる情報です。
- 【営業手法】3経路の内訳と、担当した工程の始点と終点。「アウトバウンド・反響・紹介の3経路。初回面談から事前審査、重要事項説明・契約、決済・引渡しまで一貫担当」(記入例)と書けば、どこまで自分の手を動かしたかが1行で伝わります。
- 【実績・成果】契約戸数→契約総額→初回面談数と経路別の契約率→融資の承認率→契約後の数字、の順に並べ、各行に分母と期間を添えます。行が多くなるときは、記入例のように入れ子の箇条書きにします。
「活かせる経験・知識・スキル」の欄には、収支シミュレーションの作成、事前審査の組み立て、重要事項説明と契約書の作成、賃貸管理会社との連携、顧客管理システムでの長期追客のように、応募先で翌日から再現できる項目を1行ずつ入れます。宅地建物取引士は、記入例のように資格の欄へ登録年月とともに置き、業務での使い方は「活かせる経験・知識・スキル」の欄に書くと重複しません。
職務要約から自己PRまでの全体の型は営業職の職務経歴書の書き方に沿って組みます。物件名・買主名・仲介手数料売上のように伏せた項目がある場合は、伏せた会社の【実績・成果】の末尾に、伏せた対象と理由と置き換え方を1行だけ添えます。
よくある質問
投資用不動産の営業経験は、実需の売買仲介や住宅販売の求人でも評価されますか?
評価されます。ただし前に出す数字を入れ替えます。実需の求人では、契約戸数と融資の事前審査承認率、重要事項説明と契約実務の経験を先に置き、利回りや収支シミュレーションは後ろに回します。買い手が住むための家を選ぶ場面では、投資判断の説明より、資金計画と契約実務の確実さが重く見られるためです。宅地建物取引士を持っていれば、資格の欄と職務要約の両方に置きます。
契約した物件の名称や所在地は、職務経歴書に書けますか?
書きません。物件名と所在地は登記情報から辿れるため、買主が特定される恐れがあります。「都心5区の投資用区分マンション(2,000万〜4,500万円帯)」(記入例)のように、エリアの粒度を区や沿線までにとどめ、価格は帯で書きます。買主も「上場企業に勤務する30代の会社員」(記入例)のように属性へ置き換えます。自社が販売事例として公開している物件だけは、公開されている範囲まで書けます。
宅地建物取引士を持っていない場合、どう書けばよいですか?
資格の欄には持っている資格だけを書き、無いことは書きません。そのうえで、重要事項説明そのものは有資格者が行うため、自分が担当した範囲を【営業手法】に明記します。「重要事項説明の書面作成と事前確認を担当(説明は取引士が実施)」(記入例)のように書けば、実務の範囲が正確に伝わります。受験予定がある場合は、資格の欄に「○○○○年○月 受験予定」と1行添えます。
一棟収益物件と投資用区分マンションの両方を扱っていた場合、分けて書くべきですか?
分けます。単価も買い手の属性も融資の付け方も違うため、混ぜると平均販売価格と契約率の意味が読めなくなります。同じ会社の中で両方を扱っていた場合も、【商材】の行で種別ごとに価格帯を分け、【実績・成果】でも「区分12戸・一棟3件」(記入例)のように件数を分けて書きます。応募先が扱う種別に近いほうを先に置くと、読み手が必要な数字にすぐ届きます。
歩合給の割合が高く、年収が年によって大きく違います。年収はどこに書きますか?
職務経歴書には年収を書かない形が基本で、応募先から指定があった場合だけ、直近の確定した年収を「基本給+歩合」の内訳とともに1行で書きます。年ごとの変動そのものは実績の説明で伝わるので、契約戸数と契約総額の推移を並べれば足ります。記録が手元にない期間がある場合の考え方は数字で示せる実績がない場合にまとめています。
参照した情報
- ハローワークインターネットサービス「履歴書・職務経歴書の書き方」 — 確認日 2026年9月6日
運営 オルグロー株式会社(運営会社)。この記事は、当社が運営する履歴書・職務経歴書作成ツール「営業の履歴書作成ツール」の編集部が制作し、当社が編集責任を負います。外部ライターへの委託や、他社記事の転載はしていません。
記事内の数値について 売上・件数・達成率・順位などの数値はすべて記入例です。当社サービスの実績や、特定の個人の経歴ではありません。
制作方法 構成と下書きに生成AIを使い、当社の担当者が数値の検算、入力フォームの欄名・並びとの整合、参照情報との照合を行っています。詳しくは編集方針に記載しています。
更新 公開 /最終更新 。記入例・表・結論を変えたときだけ最終更新日を上げています。募集要項に指定がある場合は、そちらが優先されます。