保険代理店営業の職務経歴書は挙績だけ?乗合社数と継続率・更改率で示す
この記事の結論
保険代理店営業の職務経歴書は、挙績(新契約の件数・保険料)だけでなく、取扱保険会社数と継続率・更改率を組にして書きます。乗合代理店の募集人、専属代理店、保険会社側の代理店営業(ホールセラー)では自分の数字の位置が変わるため、立場を先に1行で置きます。生保の新契約144件・年換算保険料2,160万円・13か月継続率96.5%(記入例)のように、件数と金額と残った率を並べて初めて、規模と質が同時に伝わります。
この記事は保険代理店営業の実績を、立場の明示・挙績・継続率/更改率・種目構成で書き切ることを決めきるためのものです。職務要約から自己PRまでの全体の型、実績指標の対応表、数字で示せる実績がない場合の書き方、社名や売上を書いてよいかの判断は、営業職の職務経歴書にまとめています。様式そのものを探している方は、そちらの入力フォームからそのまま作れます。
入力フォームへ保険代理店営業とは(職務経歴書での扱い)
保険代理店営業とは、保険会社と代理店委託契約を結んだ代理店の側で保険を募集する仕事と、保険会社の側で代理店を担当し販売を伸ばす仕事の総称です。同じ「代理店営業」という求人名でも、前者は自分で顧客に売る直販、後者は代理店に売ってもらう間接営業で、職務経歴書に置く数字がまったく違います。手が止まるのは、この立場の違いを書かないまま「挙績○件」だけを並べてしまい、読み手が誰の実績なのかを判断できなくなるところです。
本記事は3つの立場をまとめて扱います。複数の保険会社の商品を扱う乗合代理店(保険ショップを含む)に勤めて募集する立場、1社の商品だけを扱う専属代理店に勤めて募集する立場、そして生命保険会社・損害保険会社の社員として代理店を担当する代理店営業(ホールセラー・ソリシター)の立場です。損害保険会社の社員が代理店経由で増収をつくる仕事も、間接営業として同じ型で扱います。
保険会社の営業職員として自社の生命保険を個人に直販していた場合は生命保険営業の職務経歴書で扱います。ITやメーカーなど保険以外の商材で販売代理店・パートナーを開拓する仕事は代理店営業・パートナーセールスの職務経歴書、銀行・証券の窓口で保険を含む金融商品を販売していた場合は証券営業・リテール営業の職務経歴書で扱います。求人票で「保険ショップ」「ライフコンサルタント(代理店)」「ホールセラー」「ソリシター」「代理店支援」と書かれている仕事は、本記事の範囲です。
職務経歴書の完成記入例(乗合代理店の募集人)
先に完成形を示します。生命保険8社・損害保険5社を扱う乗合代理店で、来店型の保険ショップと法人渉外を兼務した6年間を、直近1年の数字を中心にまとめた例です。数値はすべて記入例で、件数と金額、率と分母が割り切れるようにそろえています。
記入例
職務要約
乗合保険代理店の募集人として6年間、生命保険8社・損害保険5社の商品を扱い、来店型ショップでの個人のご相談と、法人24社の企業保険を担当してきました。直近1年は生命保険の新契約144件・年換算保険料2,160万円(目標1,800万円に対し達成率120.0%)、損害保険の新規288件・元受保険料1,728万円で、年換算保険料は募集人7名中2位です(記入例)。獲得だけでなく残す側の数字を課題に置き、13か月継続率96.5%、損害保険の更改率95.0%を維持しています(記入例)。
職務経歴
株式会社〇〇〇〇(保険代理店・乗合/従業員約120名・店舗14) ○○○○年○月〜現在 〇〇店 主任(記入例)
- 【所属】〇〇店(募集人7名・店長1名) 主任(○○○○年○月〜)。個人の来店対応と法人渉外を兼務(記入例)
- 【営業対象】個人:20〜60代のご家族・単身の方(来店予約・紹介・既契約者の見直し)/法人:従業員10〜300名規模の建設業・運送業・小売業の経営者と総務担当(記入例)
- 【商材】生命保険8社(定期・終身・医療・就業不能・個人年金)、損害保険5社(自動車・火災・傷害・賠償責任・工事保険など)。取扱保険会社は計13社(記入例)
- 【営業手法】来店予約からの初回面談・意向確認・複数社比較提案・申込・アフターフォローまで一貫担当。法人は紹介と既契約先への定期訪問で開拓し、更改時期に合わせて見直しを提案
- 【実績・成果】(直近1年・すべて記入例)
- 生命保険 新契約144件、年換算保険料(ANP)2,160万円(1件平均15万円)。目標1,800万円に対し達成率120.0%、募集人7名中2位(記入例)
- 損害保険 新規288件、元受保険料1,728万円(1件平均6万円)。内訳は個人192件・864万円/法人96件・864万円(記入例)
- 担当分の代理店手数料収入 年間1,296万円(生命保険864万円+損害保険432万円。担当契約全体に対する社内の配賦基準による集計値で、新規分だけの金額ではありません)(記入例)
- 個人(来店):来店面談240世帯 → 成約156世帯(成約率65.0%)。うち生保のみ72世帯・損保のみ48世帯・生損保とも36世帯(記入例)
- 複数社を比較して提案した世帯 156世帯中132世帯(84.6%)、平均比較社数3社(記入例)
- 生命保険 13か月継続率96.5%(対象200件のうち193件)、25か月継続率92.0%(対象175件のうち161件)(記入例)
- 損害保険 更改率95.0%(更改対象720件のうち684件)、満期30日前までの手続き完了576件(80.0%)(記入例)
- 担当分の損害保険 元受保険料 年間5,400万円(前年5,000万円、増収率108.0%・増収額400万円)。種目別は自動車2,700万円(50.0%)・火災1,350万円(25.0%)・傷害・医療540万円(10.0%)・新種810万円(15.0%)(記入例)
- 法人 担当24社(うち新規開拓6社)。法人の損害保険96件・864万円(1社平均4件・36万円)(記入例)
- ※お客さま名・法人名・個別の保険料は、守秘義務と個人情報保護のため、業種・従業員規模・保険料帯で記載しています
活かせる経験・知識・スキル
- 複数保険会社の商品比較と意向確認の実務(年156世帯・平均比較社数3社)(記入例)
- 生命保険と損害保険を1つの家計・1社の事業でまとめて設計する提案(生損保とも成約36世帯)(記入例)
- 法人の企業保険(賠償責任・工事・自動車フリート)の設計と、更改時期に合わせた見直し提案
- 更改・継続の運用設計(満期3か月前の一覧抽出、30日前の手続き完了を基準にした進捗管理)(記入例)
- 募集記録・意向確認書面の整備と、新人募集人3名への同席指導(記入例)
資格
- 生命保険募集人(一般課程・専門課程 ○○○○年○月 合格)
- 損害保険募集人(損害保険一般試験 基礎単位・商品単位〔自動車・火災・傷害疾病〕 ○○○○年○月 合格)
- 2級ファイナンシャル・プランニング技能士(○○○○年○月 合格)
- 普通自動車第一種運転免許(○○○○年○月 取得)
記入例の数字は、件数×平均保険料が金額と一致し、内訳の合計が全体と一致するように置いています。生命保険は144件×15万円=2,160万円、損害保険は288件×6万円=1,728万円で、その内訳は個人192件・864万円と法人96件・864万円の合計です(いずれも記入例)。種目別も2,700万円+1,350万円+540万円+810万円=5,400万円、構成比は50.0%+25.0%+10.0%+15.0%=100%でそろえています。面接で最初に確かめられるのは率の高さではなく、件数・金額・期間・分母の整合です。
職務経歴書は、履歴書では書ききれない具体的な職務内容と実績を伝える書類だと、ハローワークインターネットサービスの「履歴書・職務経歴書の書き方」でも位置づけられています。保険代理店営業でいう「具体的」とは、どの立場で、何社の商品を、どの種目で扱ったかを書き、読み手が挙績を正しい分母で読めるようにすることです。入力フォームの「業務内容と実績・成果」は【所属】【営業対象】【商材】【営業手法】【実績・成果】の5ブロックを1つの欄に続けて書く形なので、保険代理店営業の情報は次のように振り分けます。
- 【所属】店舗名または担当エリア、募集人の人数、役職と就任時期。順位の分母になる人数まで書きます。あわせて代理店の形態(乗合・専属)と規模を会社行に添えます。
- 【営業対象】個人か法人か、年代・世帯構成、法人なら業種と従業員規模。獲得経路(来店予約・紹介・既契約者・職域)も置きます。
- 【商材】取扱保険会社数を生命保険と損害保険に分けて書き、扱った種目を並べます。乗合か専属かがここで確定します。
- 【営業手法】初回面談から意向確認・比較提案・申込・アフターフォローまでのどこを担当したか。更改・継続の運用に関与していたかも書きます。
- 【実績・成果】件数と保険料を組にした行から始め、獲得(新契約)→ 残す(継続率・更改率)→ 構成(種目別・法人別)の順に並べます。各行に分母と期間を添えます。
職務要約の組み立て方そのものは営業職の職務経歴書の書き方、数字にできる実績が手元にない期間の扱いは数字で示せる実績がない場合にまとめています。
乗合・専属・保険会社側の代理店営業は、どう書き分けるか
会社行と【所属】に立場を1行で書き、実績の主語を「自分が募集した契約」か「担当代理店が挙げた契約」かで固定します。保険業界では「代理店営業」という同じ言葉が、代理店に勤めて売る人と、保険会社に勤めて代理店を支援する人の両方を指します。応募先の採用担当が保険業界の出身とは限らないため、立場を書かないまま挙績を並べると、読み手は数字の重さを測れません。
| 立場 | 実績の主語 | 主指標 | 書き出しの1行(記入例) |
|---|---|---|---|
| 乗合代理店の募集人 | 自分が募集した契約 | 取扱保険会社数、新契約件数・年換算保険料、比較提案率、継続率・更改率 | 生命保険8社・損害保険5社を扱う乗合代理店で、来店と法人渉外を担当 |
| 専属代理店の募集人 | 自分が募集した契約 | 新契約件数・年換算保険料、既契約者からの追加・見直し件数、継続率 | 〇〇生命の専属代理店(募集人5名)で、既契約2,400件の保全と新規募集を担当 |
| 保険会社側の代理店営業 | 担当代理店が挙げた自社商品の契約 | 担当代理店数、担当代理店の新契約ANP・増収額、新規委託代理店数、稼働率 | 担当代理店32店(乗合18店・専属14店)を受け持ち、自社商品の増収を担当 |
| 損害保険会社の代理店営業 | 担当代理店の元受保険料 | 担当代理店の収入保険料・増収率、種目別構成比、代理店研修回数 | 担当代理店48店・元受保険料8億円の増収と、種目構成の改善を担当 |
| 保険ショップの店長・SV | 店舗の数字と自分の募集分 | 店舗の成約率・客数、自分の挙績、育成した募集人数 | 保険ショップ2店(募集人9名)を統括しつつ、自身も来店対応を継続 |
乗合と専属を書き分ける最大の材料は、取扱保険会社数です。乗合代理店の募集人は、同じ保障を複数社で見積もり、保険料と保障範囲を比べて提案します。「生命保険8社・損害保険5社(計13社)を扱い、1世帯あたり平均3社を比較して提案」(記入例)と書けば、商品知識の広さと、1社の商品だけを説明する仕事との違いが1行で伝わります。専属代理店の場合は社数を誇れないぶん、既契約者の保全件数、追加・見直しの件数、継続率を前に出します。
複数の保険会社の商品を扱う代理店には、顧客の意向を把握して提案し、商品を比較して推奨する場合はその理由を説明できる体制を整えることが、保険業法と関係する監督上の枠組みで求められています(2026年9月時点)。条文はe-Gov法令検索の保険業法で確認できます。制度側の要請は記入例の数字とは別のものとして扱いますが、意向確認書面の整備や比較推奨の運用設計に関わった経験は、募集品質を担保できる人として読まれるため、「活かせる経験・知識・スキル」に1行立てる価値があります。
保険代理店にて代理店営業として、年間挙績144件を達成しました。(記入例)
自分で売った144件なのか、担当代理店が挙げた144件なのかが読めません。乗合か専属かも書かれていないため、扱える商品の幅も判断できず、面接の冒頭を立場の確認に使うことになります(数値は記入例)。
生命保険8社・損害保険5社を扱う乗合代理店の募集人として、自身が募集した生命保険の新契約144件・年換算保険料2,160万円(1件平均15万円)。来店面談240世帯からの成約156世帯(成約率65.0%)で、うち132世帯(84.6%)は複数社を比較して提案(記入例)
立場・社数・自分の数字・分母が1か所にそろい、144件×15万円=2,160万円と行の中で検算できます。比較提案の割合があるため、乗合の強みを実務として使えていたことも読めます(いずれも記入例)。
挙績(件数・保険料)だけでは、なぜ規模が伝わらないのか
件数は1件の重さを表さないため、新契約件数・1件あたり平均保険料・年換算保険料(または元受保険料)の3つを同じ行に並べます。月払5,000円の医療保険を144件募集した人と、月払2万5,000円の終身保険を144件募集した人では、代理店にもたらした収入が5倍違います(いずれも記入例)。読み手が知りたいのは「どの保険料帯の契約を、どれだけの件数、いくらの保険料にしたか」であって、挙績の件数だけを見せられても比べようがありません。
| 指標 | 書き方(記入例) | 押さえどころ |
|---|---|---|
| 生保の新契約件数 | 年144件(月平均12件) | 単独では弱い。次の2行と必ず組にする |
| 年換算保険料(ANP) | 2,160万円(144件×平均15万円) | 初出で「年換算保険料(1年あたりに直した保険料)」と添える |
| 1件あたり平均保険料 | 15万円(月払1万2,500円相当) | 扱った保障の重さが伝わる。月払に直した額を括弧で添える |
| 損保の新規元受保険料 | 1,728万円(288件×平均6万円) | 保険料と手数料は別物。どちらの数字かを明記する |
| 代理店手数料収入 | 担当分 年間1,296万円(生保864万円+損保432万円) | 手数料率は会社・種目で異なる。率を書かず自社の集計値の金額だけを使う |
| 取扱保険会社数 | 生命保険8社・損害保険5社(計13社) | 乗合・専属の証明。商品知識の幅の分母になる |
| 目標達成率 | ANP目標1,800万円に対し2,160万円(120.0%) | 件数目標か保険料目標かを書く |
| 店内順位 | 募集人7名中2位(通年) | 分母(募集人の人数)と評価期間が必須 |
| 獲得経路 | 来店予約144世帯・紹介60世帯・既契約者36世帯 | 店舗集客に乗っただけかを分ける材料 |
| 保有契約 | 生保620件(ANP9,300万円)を担当 | 新規だけでなく、預かっている量を示す |
保険料と手数料の混同は、面接で必ず突かれます。元受保険料(お客さまが保険会社に払う保険料)と、代理店が保険会社から受け取る手数料は別の数字で、桁が1つ違います。「担当分1,728万円」とだけ書くと、どちらのことか読み手には判別できません。「損害保険 新規288件・元受保険料1,728万円(お客さまが払う保険料の合計)」と「担当分の代理店手数料収入 年間432万円(損害保険分・社内の配賦基準による集計値)」(いずれも記入例)のように行を分け、新規分の保険料と年間の手数料収入を同じ括弧に入れないことが要点です。手数料率そのものは保険会社との委託契約に関わるため、率を書かず金額だけを置くほうが安全です。
「挙績」「収保」「ANP」「増収」「稼働」「保全」といった語は、保険業界では日常語ですが、他業界の人事には通じません。初出で「挙績(自分が募集した新契約の件数と保険料)」「収保(元受保険料。お客さまが払う保険料の合計)」のように一般語を添えます(記入例)。社内KPIや業界語を一般語へ直す手順そのものは社内用語・社内KPIを翻訳する職務経歴書で扱っています。お客さま名・法人名・個別の保険料が伏せるべき情報にあたる場合の置き換えは守秘義務で社名・数値が書けないときの職務経歴書、分母と期間をそろえる一般的な考え方は営業実績を数字でどう書くかにまとめています。
保険代理店にて、年間144件の契約を獲得しました。(記入例)
保険料帯も金額も分からないため、代理店にいくら残した人なのかが読めません。件数だけの行は、単価の低い商品を数だけ積んだ結果とも受け取られます。
生命保険 新契約144件、年換算保険料(1年あたりに直した保険料)2,160万円、1件平均15万円(月払1万2,500円相当)。目標1,800万円に対し達成率120.0%、募集人7名中2位。損害保険は新規288件・元受保険料1,728万円(1件平均6万円)(記入例)
件数・単価・金額・目標・順位が1か所にそろい、144件×15万円=2,160万円、288件×6万円=1,728万円と検算できます。生保と損保が分かれているため、どちらの経験を求める会社でも読み替えられます(いずれも記入例)。
順位を書くときの分母と期間の付け方は表彰歴・社内順位の職務経歴書、目標に届かなかった年度の書き方は目標未達・成績が悪いときの職務経歴書で扱っています。
生保の継続率と損保の更改率は、どちらをどう書くか
生命保険は13か月・25か月の継続率、損害保険は満期時の更改率を、それぞれ分母の件数とセットで書きます。保険は売って終わる商材ではなく、契約が残って初めて代理店の収入になります。獲得の数字だけを並べると、強引に取って早期に解約された契約が混じっていないかを読み手が確かめられません。残す側の数字は、獲得の数字と同じ重さで見られます。
| 項目 | 生命保険 | 損害保険 |
|---|---|---|
| 呼び名 | 継続率(13か月・25か月) | 更改率・継続率(満期到来分) |
| 見る時点 | 契約から13か月後・25か月後に有効か | 保険期間の満期時に更改されたか(自動車・火災など) |
| 書き方(記入例) | 13か月継続率96.5%(対象200件のうち193件) | 更改率95.0%(更改対象720件のうち684件) |
| 分母の置き方 | 13か月前に募集した契約の件数 | その年に満期を迎えた契約の件数 |
| 添えると効く行 | 25か月継続率92.0%(対象175件のうち161件) | 満期30日前までの手続き完了576件(80.0%) |
| 率が動く理由 | 意向に合わない設計、保険料負担、担当者交代 | 満期案内の遅れ、他社見積り、車両の入替・売却 |
| 改善策の1行 | 申込前に月々の負担額と見直し時期を書面で確認 | 満期3か月前に一覧を抽出し、30日前完了を運用基準に |
継続率と更改率は、分母の作り方が違います。13か月継続率は「13か月前に自分が募集した契約」を分母に取るため、直近1年の新契約144件とは分母がずれます。記入例では、対象200件のうち193件が有効で96.5%としています(193÷200=0.965)。更改率は「その年に満期を迎えた契約」が分母で、記入例では720件のうち684件が更改され95.0%です(684÷720=0.95)。分母の作り方を1行添えないと、面接で「何を分母にした率か」を聞かれ、答えられないと数字全体の信用が落ちます。
損害保険で効くのは、更改率そのものより、更改を前倒しで終わらせている事実です。満期直前の手続きは、他社の見積りが入る余地を残し、事故対応の空白も生みます。「満期30日前までに手続きを完了した契約576件(更改対象720件の80.0%)。満期3か月前に一覧を抽出し、電話とメールで2回接触する運用に変えてから、前年の62.0%から改善」(記入例)と書けば、率の改善が運用の設計によるものだと伝わります。生命保険の継続率が高い場合も同じで、申込前に月々の負担額と見直し時期を確認する運用を1行添えると、たまたま良かった年ではないと読まれます。
生命保険だけを扱っていた場合の継続率の書き方(支社平均との並べ方、早期に消滅した契約の扱い、下がった年度の説明)は生命保険営業の職務経歴書で扱うため、本記事は損害保険の更改率と並べて分母を分ける書き分けに絞ります。
継続率と更改率を代理店単位でしか集計していない会社もあります。その場合は代理店の率を書いたうえで、自分の担当分の件数と構成比を添えます。店舗や代理店の数字しか手元になく、自分の分が切り出せない場合の分け方はチーム実績しかない営業の職務経歴書にまとめています。
継続率・更改率ともに高い水準を維持し、お客さまとの信頼関係を築きました。(記入例)
率も分母も期間もないため、何と比べて高いのかが分かりません。信頼関係という言葉は、同じ代理店の募集人なら全員が書けるため、差がつきません。
生命保険 13か月継続率96.5%(対象200件のうち193件)、25か月継続率92.0%(対象175件のうち161件)。損害保険 更改率95.0%(更改対象720件のうち684件)、うち満期30日前までの手続き完了576件(80.0%)。満期3か月前の一覧抽出と2回接触の運用で、前年の62.0%から改善(記入例)
生保と損保で分母が別であることが行の中で示され、193÷200=96.5%、684÷720=95.0%と検算できます。改善幅と、そのために変えた運用まで並んでいるため、再現できる人だと読まれます(いずれも記入例)。
損害保険の種目構成と法人契約は、どう実績に落とすか
種目別の元受保険料と構成比を並べ、法人契約は件数ではなく社数と1社あたりの保険料で書きます。損害保険は、自動車保険の比重が大きい代理店が多く、種目構成を書かないと「自動車保険の更改だけを回していた人」と読まれる可能性があります。火災・傷害・賠償責任・工事といった種目は、提案の難度も更改の手間も自動車とは違うため、構成比が分かれば扱えた範囲が伝わります。
| 種目 | 元受保険料 | 構成比 | 職務経歴書での意味 |
|---|---|---|---|
| 自動車 | 2,700万円 | 50.0% | 更改中心。件数が多く、運用の巧拙が更改率に出る |
| 火災 | 1,350万円 | 25.0% | 長期契約が多い。住宅ローンや事業用建物との接点が示せる |
| 傷害・医療 | 540万円 | 10.0% | 生命保険との組み合わせ提案の入口になる |
| 新種(賠償・工事など) | 810万円 | 15.0% | 法人開拓の証明。設計に業種知識が要る種目 |
| 合計 | 5,400万円 | 100% | 前年5,000万円に対し増収率108.0%・増収額400万円 |
構成比を書くと、同じ元受保険料5,400万円でも中身の違いが伝わります(記入例)。自動車が90%を占める担当と、新種が15%ある担当では、任せられる仕事が違います。新種の比率が低い場合は、無理に高く見せず、伸ばした年の実数を添えます。「新種は前年500万円から810万円へ(増加額310万円、構成比10.0%から15.0%へ)。建設業6社に工事保険と賠償責任保険を新規設計」(記入例)と書けば、伸ばした方向が読めます。前年は500万円÷5,000万円で10.0%、当年は810万円÷5,400万円で15.0%という関係です。
法人契約は、件数を積むより社数と関係の深さが評価されます。「法人24社を担当(うち新規開拓6社)、法人の損害保険96件・元受保険料864万円(1社平均4件・36万円)」(記入例)と書くと、1社から複数種目を預かれている状態が伝わります。96件÷24社=4件、864万円÷24社=36万円という関係です。経営者に会って設計している場合は、決裁の相手(代表・総務部長・工場長)を【営業対象】に1行書きます。従業員数と業種を添えれば、応募先の顧客層と近いかどうかも判断できます。
生命保険と損害保険の両方を扱っていた場合、数字を1つの合計にまとめないことが要点です。生保は年換算保険料、損保は元受保険料で、単位の意味が違います。記入例では生命保険の新契約144件・2,160万円と、損害保険の新規288件・1,728万円を別の行に置き、足し合わせていません。両方を扱えることを示したいときは、金額の合計ではなく「生損保とも成約した世帯36件(成約156世帯の23.1%)」(記入例)のように、まとめて設計できた件数で示します。36÷156=0.2307…で23.1%です。
損害保険の担当保険料は年間5,400万円です。(記入例)
種目も前年比も新規と継続の別も分からないため、既存契約の更改を回していただけの可能性を否定できません。法人を開拓したのか、個人の自動車保険が積み上がった結果なのかも読めません。
担当分の損害保険 元受保険料 年間5,400万円(前年5,000万円、増収率108.0%・増収額400万円)。種目別は自動車2,700万円(50.0%)・火災1,350万円(25.0%)・傷害・医療540万円(10.0%)・新種810万円(15.0%)。うち新規288件・1,728万円で、法人24社(新規6社)から96件・864万円(記入例)
全体・前年比・種目構成・新規分・法人分が段階的に並び、内訳の合計が5,400万円と1,728万円にそれぞれ一致します。既存の更改で維持した分と、新しく取った分が分かれて読めます(いずれも記入例)。
自分で売らない代理店営業(ホールセラー)の実績は、誰のものか
担当代理店の挙績は代理店の実績なので、自分の行には「増やした分」「稼働させた店数」「新しく委託した店数」を置きます。保険会社の代理店営業は、代理店を訪問して自社商品の特長を説明し、募集人へ研修や同行をして販売を支援する仕事です。契約を挙げたのは代理店なので、担当代理店の総挙績をそのまま自分の実績として書くと、面接で「あなたが何をした結果ですか」と聞かれて止まります。間接営業で自分の数字を切り出す考え方そのもの(代理店経由の売上をどこまで自分の実績にするか)は代理店営業・パートナーセールスの職務経歴書で扱っているため、本記事は保険固有の指標に絞ります。
| 指標 | 書き方(記入例) | 自分の実績にできるか |
|---|---|---|
| 担当代理店数 | 32店(乗合18店・専属14店) | 分母として書く。実績ではなく担当範囲 |
| 担当代理店の自社商品ANP | 年間1億4,400万円(前年1億2,000万円) | そのままは自分の実績にしない。次の行と組にする |
| 増収額・増収率 | 増収額2,400万円・増収率120.0% | できる。自分が受け持った期間の伸びが主指標 |
| 自社シェア | 担当代理店の生保新契約ANPに占める自社分 18.0%→22.5% | できる。乗合代理店を担当する仕事の核心 |
| 新規委託代理店数 | 6店(申請から委託開始まで平均3か月) | できる。純粋な開拓の数字 |
| 稼働代理店数・稼働率 | 32店中28店(稼働率87.5%)、前年24店(75.0%) | できる。眠っていた代理店を動かした証明 |
| 研修・勉強会 | 年48回(1店あたり平均1.5回)、参加募集人延べ216名 | できる。回数だけでなく参加人数と内容を添える |
| 同行訪問 | 年216件(月平均18件)、同行案件からの成約72件 | できる。同行の成果は件数で切り出せる |
| 代理店の総挙績 | (自分の行には書かない) | できない。書くなら「担当期間中の増加分」に限る |
保険固有の指標の核心は、乗合代理店における自社シェアです。乗合代理店の募集人は複数社の商品を比較して提案するので、自社商品が選ばれる割合は、代理店営業が働きかけた結果として動きます。「担当代理店32店の生命保険新契約ANPに占める自社商品の割合を18.0%から22.5%へ」(記入例)という行は、代理店の総挙績が伸びなくても自分の成果が示せる書き方です。
稼働率も、代理店営業に固有の数字です。委託契約はあるのに1件も自社商品を挙げていない代理店は珍しくありません。「担当32店のうち、年間1件以上の自社挙績があった代理店28店(稼働率87.5%、前年24店・75.0%)」(記入例)と書けば、眠っていた4店を動かしたことが数字で伝わります。28÷32=87.5%、24÷32=75.0%という関係です。動かすために何をしたか(新任募集人向けの勉強会を月1回開催、見積書の作成を代行して初回の提案までを一緒に作る)を1行添えると、再現性のある働きかけだと読まれます。
損害保険会社の代理店営業は、指標が元受保険料と種目構成に置き換わります。「担当代理店48店・元受保険料8億円を受け持ち、担当期間の2年で7億2,000万円から8億円へ(増収額8,000万円・増収率111.1%)。火災の構成比を18.0%から23.0%へ引き上げ」(記入例)のように、金額の増加と構成の変化を並べます。8億円÷7億2,000万円=1.111…で111.1%です。代理店の統廃合や合併で担当が入れ替わった年は、期首と期末の店数を両方書き、増収額が担当の入替によるものでないことを示します。
担当代理店の年間挙績は1億4,400万円で、目標を達成しました。(記入例)
1億4,400万円を挙げたのは代理店であり、自分が何をした結果かが書かれていません。担当を引き継いだ時点の水準も分からないため、伸ばしたのか維持したのかも判断できません(数値は記入例)。
担当代理店32店(乗合18店・専属14店)を受け持ち、自社商品の新契約ANPを前年1億2,000万円から1億4,400万円へ(増収額2,400万円・増収率120.0%)。乗合代理店における自社シェアは18.0%から22.5%へ。新規委託6店、稼働代理店28店(稼働率87.5%、前年75.0%)。募集人向け勉強会を年48回、同行訪問216件(同行案件からの成約72件)(記入例)
担当範囲・伸ばした額・シェア・開拓・稼働・行動量が段階で並び、代理店の数字と自分の働きかけが分かれています。1億2,000万円→1億4,400万円で増収額2,400万円と検算でき、行動量まであるため、伸びの理由が説明できます(いずれも記入例)。
よくある質問
退職すると募集人の登録が外れますが、資格欄にはどう書きますか?
募集人の登録は所属する代理店や保険会社を通じて行われるため、退職後は「保有」と書かず、合格した課程・単位の名称と時期で書きます。乗合代理店の募集人で固有なのは、生命保険と損害保険の両方を並べる点です。損害保険は基礎単位だけでなく、扱っていた種目に対応する商品単位(2026年9月時点では自動車・火災・傷害疾病の区分)まで書くと、【商材】に並べた種目と資格欄が食い違いません。試験の区分と名称は変わることがあるため、主催団体の案内で確認してから書きます。生命保険側の課程(一般・専門・応用・大学)の書き分けと、失効・再登録の扱いを含む資格欄の並べ方は営業職の履歴書 資格欄の書き方にまとめています。
保険ショップの来店は店舗の集客で決まります。自分の実績としてどう書けますか?
来店数は分母として書き、面談から成約までの率を自分の数字にします。「来店面談240世帯 → 成約156世帯(成約率65.0%/店舗平均58.0%)」(記入例)のように店舗平均と並べると、同じ集客を受けた同僚との差が読めます。加えて、店舗集客に依存しない経路を1行立てます。紹介からの面談60世帯、既契約者の見直しからの面談36世帯(いずれも記入例)のような行があると、集客が弱い会社でも数字をつくれる人として読まれます。
フルコミッションや委託契約で働いていました。雇用形態はどう書きますか?
会社行に雇用形態を括弧で添え、報酬形態は職務要約に1行置きます。「株式会社〇〇〇〇(保険代理店・乗合/業務委託契約)」(記入例)のように書き、収入額は職務経歴書の実績欄に書かず、挙績と保険料で示します。年収は歩合の増減で大きく振れるため、実績の代わりに年収を置くと、良かった年だけを見せていると受け取られます。委託契約の期間・更新の有無・専属義務の有無を1行添えると、勤務実態が正確に伝わります。
個人の挙績が集計されず、代理店全体の数字しか手元にありません。
代理店全体の数字を書いたうえで、自分の件数と構成比を添えます。「代理店の年間新契約ANP 8,640万円のうち、自身の募集分2,160万円(構成比25.0%)、募集人7名中2位」(記入例)と書くと、全体と自分の貢献が分かれます。2,160万円÷8,640万円=25.0%という関係です。件数すら残っていない場合は、月ごとの平均から年間を復元し「概算」と添える方法があります。数字が手元にないときの復元と行動量への置き換えは実績が数字にできない職務経歴書にまとめています。
保険代理店から異業種の法人営業へ応募するとき、何を前に出しますか?
比較提案と、残す側の数字を前に出します。複数社の商品を比べて根拠を示しながら1つに絞り込む仕事は、無形商材の提案営業とほぼ同じ動き方で、「1世帯あたり平均3社を比較し、156世帯中132世帯(84.6%)で複数社比較の提案書を作成」(記入例)という行は業界を越えて読まれます。残す側では、更改率95.0%や13か月継続率96.5%(記入例)が、既存顧客の維持を任せられる根拠になります。法人経験があれば、担当24社・新規開拓6社という社数の行を、件数より前に置きます。
事故対応(損害サービス)や保全業務との兼務は、どこに書きますか?
営業の実績とは分けて、担当範囲と件数で書きます。「事故受付から保険会社の損害サービス部門への取次ぎまでを担当(年間72件)。契約内容の確認と、お客さまへの進捗連絡を継続」(記入例)のように、自分がどこまでを担い、どこから保険会社の担当だったかを明記します。保全業務も同様に「住所・受取人変更、契約者貸付などの手続き 年間480件」(記入例)と件数で置きます。営業の数字に混ぜないことが要点で、分けて書けば、募集だけでなく契約を預かる実務も回せる人として読まれます。
参照した情報
- ハローワークインターネットサービス「履歴書・職務経歴書の書き方」 — 確認日 2026年9月6日
運営 オルグロー株式会社(運営会社)。この記事は、当社が運営する履歴書・職務経歴書作成ツール「営業の履歴書作成ツール」の編集部が制作し、当社が編集責任を負います。外部ライターへの委託や、他社記事の転載はしていません。
記事内の数値について 売上・件数・達成率・順位などの数値はすべて記入例です。当社サービスの実績や、特定の個人の経歴ではありません。
制作方法 構成と下書きに生成AIを使い、当社の担当者が数値の検算、入力フォームの欄名・並びとの整合、参照情報との照合を行っています。詳しくは編集方針に記載しています。
更新 公開 /最終更新 。記入例・表・結論を変えたときだけ最終更新日を上げています。募集要項に指定がある場合は、そちらが優先されます。