営業マネージャーの職務経歴書は個人成績だけ?部下数・予算・育成で分ける
この記事の結論
営業マネージャーの職務経歴書は、【個人実績】と【マネジメント実績】を別のブロックに分け、部下数・予算規模・担当領域の3つを先頭に置きます。部下8名・チーム予算2億4,000万円・達成率108%(記入例)のように規模と結果を組にすると、プレイヤー評価で止まらずに管理職候補として読まれます。育成と採用は人数の多さではなく、目標達成メンバー比率や新人の立ち上がり期間で書きます。
この記事は営業マネージャー・管理職の実績を、個人の数字とチームの数字に分けて書き切ることを決めきるためのものです。職務要約から自己PRまでの全体の型、実績指標の対応表、数字で示せる実績がない場合の書き方、社名や売上を書いてよいかの判断は、営業職の職務経歴書にまとめています。様式そのものを探している方は、そちらの入力フォームからそのまま作れます。
入力フォームへ営業マネージャー・管理職とは(職務経歴書での扱い)
営業マネージャー・管理職とは、営業チームの予算と人員を預かり、メンバーの活動を通じて数字をつくる役職です。課長・セールスマネージャー・グループ長・ユニット長といった呼び名のほか、正式な役職を持たない主任やチームリーダー、複数の課を束ねる部長・本部長、拠点の損益まで見る営業所長・支店長、店舗や加盟店を回るSV・エリアマネージャーも、同じ「他人が出した数字で評価される仕事」に含まれます。
職務経歴書で手が止まるのは、実績欄に自分の売上を並べた結果、プレイヤーとしての評価で読み止められてしまうところです。読み手は、何人・いくらの予算を、どう動かして結果を出したかを見ています。本記事では、部下0〜3名の主任・リーダーから、課長・営業マネージャー、部長・本部長、営業所長・支店長、SV・エリアマネージャー、そして営業とマネジメントを兼ねるプレイングマネージャーまでを、階層ごとの節で扱います。
担当アカウントの中で社内の技術・カスタマーサクセス・法務を動かす「間接マネジメント」は、人事権を伴わない役割のためアカウントマネージャー・エンタープライズ営業の職務経歴書で扱います。役職ではなくチームの数字しか手元になく、自分の貢献そのものが切り出せない状態はチーム実績しかない営業の職務経歴書にまとめています。予算や商談プロセスの仕組み側をつくる営業企画・営業推進は、人ではなく仕組みを動かす仕事なので本記事の対象外です。
職務経歴書の完成記入例(営業課長・プレイングマネージャー)
先に完成形を示します。法人営業の課長として8名のチームを持ちながら、自分でも顧客を担当しているプレイングマネージャーの例です。数値はすべて記入例で、チームと個人の数字が足し算・割り算で合うようにそろえています。
記入例
職務要約
法人営業として11年、うち直近4年は営業課長として8名のチームを預かっています(記入例)。製造業向けの業務システムを扱い、課の年間予算2億4,000万円に対し直近1年は実績2億5,920万円(達成率108%、前年比120%)、個人目標を達成した課員は期末在籍8名中6名です(記入例)。プレイングマネージャーとして自身も既存12社を担当し、個人実績3,888万円は課売上の15.0%にあたります(記入例)。前年に2名が退職した課で、同行と週次の商談レビューを立て直し、直近1年は退職0名としました(記入例)。
職務経歴
株式会社〇〇〇〇(ITサービス業・従業員約600名・東証プライム上場) ○○○○年○月〜現在 営業第一部 第2課 課長(記入例)
- 【所属】営業第一部 第2課 課長(○○○○年○月 昇進)。課員8名(正社員6名・契約社員2名)、部は4課・総員36名(記入例)
- 【営業対象】従業員300〜2,000名規模の製造業(自動車部品・食品・機械)の情報システム部長・工場長。担当エリアは首都圏および中部(記入例)
- 【商材】生産管理システムと保守サービス(無形・1件あたり500万〜3,000万円)(記入例)
- 【営業手法】展示会・Web反響の一次対応から提案・クロージングまでの直販。課の運営は週次の商談レビュー、四半期ごとの予実会議、同行商談、個別面談で行う
- 【実績・成果】(直近1年・すべて記入例)
- 【マネジメント実績】
- 課の予算2億4,000万円に対し実績2億5,920万円(達成率108%)。前年実績2億1,600万円に対し120%(記入例)
- 課の予算は部予算9億6,000万円の25%。予算の配分案を課長として策定し、部長の決裁を受けて確定(記入例)
- 課員8名(正社員6名・契約社員2名)。期首6名、期末8名。ほかに部横断の商談支援でインサイドセールス3名と連携(指揮命令権なし)(記入例)
- 個人目標を達成した課員 期末在籍8名中6名(75%)。前年は期首在籍8名中3名(37.5%)(記入例)
- 退職者 前年2名(期首在籍8名に対し25%)→ 直近1年0名(0%)(記入例)
- 中途採用 部の一次面接24名を担当、内定4名(一次面接からの内定率16.7%)、うち2名を自課に受け入れ(記入例)
- 新任者が初受注に至るまでの期間 平均5.0か月 → 3.0か月(40%短縮)。担当引き継ぎの手順書と、初回訪問の想定問答を整備(記入例)
- 同行商談 年96件(月平均8件)、週次の商談レビュー 年48回(記入例)
- 課員8名の売上合計 2億2,032万円(1名あたり平均2,754万円)(記入例)
- 【個人実績(プレイング分)】
- 個人目標3,600万円に対し実績3,888万円(達成率108%)。課売上2億5,920万円に占める比率15.0%(記入例)
- 担当顧客12社(うち年商1,000億円超2社)。新規受注3件、既存の追加受注4件(計7件・1件あたり平均約555万円)(記入例)
- 稼働時間の配分はマネジメント約7割・個人営業約3割(記入例)
- ※取引先名・課の予算額の内訳は守秘義務のため、業種・規模・比率で記載しています
- 【マネジメント実績】
株式会社〇〇〇〇 ○○○○年○月〜○○○○年○月 営業第一部 第2課 主任(記入例)
- 【所属】営業第一部 第2課 主任(課員7名・うち後輩2名の指導担当)(記入例)
- 【実績・成果】個人目標達成率 3年連続100%以上(104%・112%・109%)。後輩2名の指導担当として、初受注までの期間を平均6.0か月から4.0か月へ短縮(記入例)
活かせる経験・知識・スキル
- 8名規模の営業課の予実管理(週次の商談レビュー、四半期の予実会議、予算配分案の策定)(記入例)
- 中途採用の一次面接(年24名)と、入社後3か月の立ち上がり支援(記入例)
- 新任者向けの商談手順書・想定問答の整備と、同行による現場指導(年96件)(記入例)
- 製造業の生産管理・原価管理の業務知識(自動車部品・食品)
- SFAによる案件管理と、四半期ごとの受注予測の精度管理
資格
- 普通自動車第一種運転免許(○○○○年○月 取得)
記入例の数字は、割り算がその場で確かめられるように置いています。2億4,000万円×108%=2億5,920万円、2億5,920万円÷2億1,600万円=120%、3,888万円÷2億5,920万円=15.0%、2億5,920万円−3,888万円=2億2,032万円という関係です(いずれも記入例)。管理職の書類で最初に疑われるのは率の高さではなく、チームの数字と個人の数字が混ざっていないかどうかです。
職務経歴書は、履歴書では書ききれない具体的な職務内容と実績を伝える書類だと、ハローワークインターネットサービスの「履歴書・職務経歴書の書き方」でも位置づけられています。管理職でいう「具体的」とは、預かった人数と金額を先に書き、その規模で出した結果を並べることです。入力フォームの「業務内容と実績・成果」は【所属】【営業対象】【商材】【営業手法】【実績・成果】の5ブロックを1つの欄に続けて書く形なので、管理職の情報は次のように振り分けます。
- 【所属】部署名・役職名・就任時期に加えて、部下数と組織の大きさ(課員8名、部は4課・総員36名)まで書きます(記入例)。順位や比率の分母になる数です。
- 【営業対象】チームが担当する顧客層とエリア。自分1人の担当ではなく、課として持っている面を書きます。
- 【商材】単価帯まで書きます。予算額を単価で割ると必要な受注件数が見えるため、チーム運営の難度が伝わります。
- 【営業手法】売り方に加えて、チームの回し方(週次レビュー、同行、個別面談、予実会議)を1行で書きます。
- 【実績・成果】5ブロック目の中を【マネジメント実績】と【個人実績(プレイング分)】の2つに分けて入れ子にします。欄を増やさず、同じ欄の中で見出しを立てるだけで、混ざりを防げます。
職務要約そのものの組み立て方は営業職の職務経歴書の書き方、数字にできる実績が手元にない期間の扱いは数字で示せる実績がない場合にまとめています。
マネジメントの規模は、どの3つを先頭に書くか
部下数・予算規模・担当領域の3つを、実績欄の1行目に組にして置きます。読み手が最初に決めたいのは「この人にいくらの予算と何人を任せられるか」で、その判断は規模の3点がそろって初めてできます。部下8名という情報だけでは、単価100万円の商材を8名で回していたのか、単価3,000万円の案件を8名で追っていたのかが分かりません(いずれも記入例)。
| 項目 | 書き方(記入例) | 押さえどころ |
|---|---|---|
| 部下数 | 課員8名(正社員6名・契約社員2名) | 雇用形態の内訳まで。人数だけでは労務の重さが伝わらない |
| 予算規模 | 課の年間予算2億4,000万円(部予算9億6,000万円の25%) | 絶対額と組織内の構成比を組にする |
| 担当領域 | 製造業向け生産管理システム/首都圏・中部 | 商材・顧客・エリアの3つ。再現できる面かどうかの判断材料 |
| 組織の中の位置 | 営業第一部 第2課(部は4課・総員36名) | 課長が4名いる部の1人なのかが分かる |
| 結果 | 実績2億5,920万円(達成率108%・前年比120%) | 達成率と前年比を並べる。片方だけでは伸びか維持か読めない |
| 在任期間 | 課長として4年(○○○○年○月 昇進) | 1年目の数字か、4年続いた数字かで読まれ方が変わる |
| 単価帯 | 1件あたり500万〜3,000万円 | 予算額を単価で割ると必要受注件数が出る |
部下数は、数え方を先に決めます。曖昧なまま「マネジメント経験15名」(記入例)と書くと、面接で内訳を聞かれた時点で人数が縮み、書類の印象が下がります。直属の部下と、プロジェクト単位で動かした他部署のメンバーは分けて書き、後者には指揮命令権がない旨を添えます。
| 種類 | 数えてよいか | 書き方(記入例) |
|---|---|---|
| 直属の部下(評価権あり) | 数える。中心の数字 | 課員8名(正社員6名・契約社員2名) |
| 間接(他部署・兼務チーム) | 分けて数える | 部横断でインサイドセールス3名と連携(指揮命令権なし) |
| 派遣スタッフ・業務委託 | 数えるが区別する | ほかに派遣スタッフ2名の業務指示 |
| 後輩指導・OJT担当(役職なし) | 「部下」とは書かない | 新人2名の指導担当(正式な役職ではありません) |
| 期中に増減した場合 | 期首と期末の両方 | 期首6名・期末8名 |
| 育成した管理職 | 数える。強い1行になる | 課員2名が主任へ昇進 |
| 配下の課長・チーム長 | 部長以上は必ず書く | 課長4名・総員36名 |
予算額そのものが社外秘にあたる会社もあります。部門予算や拠点の損益は経営数値なので、就業規則や秘密保持誓約書に「予算」「売上」の文言があれば、絶対額を伏せて「部予算の25%を占める課」「全国22拠点中の上位4拠点に入る規模」のように比率と順位で書きます(記入例)。伏せ方と、伏せても特定されてしまう組み合わせは守秘義務で社名・数値が書けないときの職務経歴書にまとめています。分母と期間を添える一般的な考え方は営業実績を数字でどう書くかを参照してください。
個人実績とマネジメント実績は、どう分けて書くか
【個人実績】と【マネジメント実績】を別のブロックに立て、個人売上がチーム売上に占める比率を1行添えます。2つを混ぜた実績欄は、読み手にとって最も判断しづらい書類になります。3億円という数字が自分1人の売上なのか、8名のチームの合計なのかが分からないためです(いずれも記入例)。
分けたうえで、プレイングマネージャーであれば比率を書きます。個人売上が課売上の15.0%(記入例)なら、8名分の面倒を見ながら自分でも1人分弱を売っていたことが伝わります。逆に個人売上が課売上の5割を超えていると、「自分でやったほうが早いと考えて部下を育てないタイプ」と読まれることがあるため、比率が高い場合は、その配分を選んだ理由(欠員の補填、立ち上げ期の主要顧客の維持)を1行で添えます。
| 数字 | 入れるブロック | 書き方(記入例) |
|---|---|---|
| 自分が受注した売上 | 個人 | 個人目標3,600万円に対し実績3,888万円(達成率108%) |
| 課の売上・達成率 | マネジメント | 課予算2億4,000万円に対し実績2億5,920万円(108%) |
| 個人売上の構成比 | マネジメント(兼任度を示す行) | 個人実績は課売上の15.0% |
| 部下が受注した大型案件 | マネジメント | 課員の3,000万円案件を提案設計と役員同行で支援 |
| 同行して決めた案件 | マネジメント(個人には計上しない) | 同行商談 年96件、うち受注21件 |
| 稼働時間の配分 | マネジメント | マネジメント約7割・個人営業約3割 |
| 管理職になる前の個人実績 | 前の役職の期間として別に書く | 主任時代:個人達成率 3年連続100%以上 |
同行して決めた案件は、部下の受注として扱い、自分の個人売上には入れません。同行を自分の実績にしたい場合は、「同行商談 年96件、うち受注21件」(記入例)のように件数で書きます。金額として二重に数えると、課の売上と個人の売上の合計が課の実績を超え、面接で説明できなくなります。
営業課長として、年間3億円の売上を達成しました。マネジメント経験15名。(記入例)
3億円が課の合計なのか自分の売上なのかが分かりません。15名も、直属なのか他部署を含むのか、同時に見た人数なのか通算なのかが読めません。規模も帰属も判断できないため、読み手は確かめようがないまま次の行へ進みます(いずれも記入例)。
【マネジメント実績】課員8名(正社員6名・契約社員2名)、課予算2億4,000万円に対し実績2億5,920万円(達成率108%・前年比120%)。個人目標を達成した課員は期末8名中6名(75%)(記入例)
【個人実績(プレイング分)】担当12社、個人目標3,600万円に対し実績3,888万円(達成率108%)。課売上に占める比率15.0%、稼働配分はマネジメント約7割(記入例)
2つのブロックが分かれ、3,888万円÷2億5,920万円=15.0%と行の中で検算できます。8名を見ながら自分でも1人分弱を売っていたことと、その配分が意図的であることが同時に伝わります(いずれも記入例)。
チームの数字と自分の関与を切り分ける手順そのものはチーム実績しかない営業の職務経歴書で扱っています。管理職になる前の個人実績は、役職ごとに期間を区切って別のブロックに置くと、いつ何を任されていたかの推移が1枚で追えます。
育成・採用・離職は、何を数字にすればよいか
人数の多さではなく、目標達成メンバー比率・立ち上がり期間・離職率の3つを、就任前後の変化で書きます。「メンバーの育成に注力しました」という文は、成果が出たかどうかに関係なく誰でも書けるため、そこだけでは差がつきません。差がつくのは、育てた結果として何が動いたかの数字です。
| 指標 | 書き方(記入例) | 押さえどころ |
|---|---|---|
| 目標達成メンバー比率 | 期末在籍8名中6名(75%)/前年 期首8名中3名(37.5%) | 管理職固有の指標。分母は在籍者数で、期首か期末かを明記する |
| 新任者の立ち上がり期間 | 初受注まで平均5.0か月 → 3.0か月(40%短縮) | 育て方の再現性が出る行。短縮の手段を1行添える |
| 離職率・定着率 | 退職者 前年2名(期首8名に対し25%)→ 直近1年0名(0%) | 分母は在籍者数。改善の前後で書く |
| 部下の昇進・昇格 | 課員2名が主任へ昇進 | 売上より再現性が高いと読まれる行。自分の昇格とは別の話 |
| 採用 | 一次面接24名を担当、内定4名(内定率16.7%)、自課に2名受け入れ | 面接数・内定数・入社数の3段。どの段を担ったかを明記 |
| 同行・レビュー | 同行商談 年96件(月平均8件)、週次レビュー 年48回 | 育成の「量」。質の行と組にして初めて効く |
| 仕組みの整備 | 引き継ぎ手順書と初回訪問の想定問答を整備 | 属人的な指導ではないことの証拠 |
| 下位層の底上げ | 達成率70%未満の課員3名 → 1名(記入例) | 上位の突出より、底の引き上げが評価されやすい |
目標達成メンバー比率は、管理職の書類でしか書けない指標です。課の合計が予算を超えていても、1名の突出で支えられているチームと、8名中6名が自力で目標に届くチームでは、運営の質がまったく違います(いずれも記入例)。分母は在籍者数にそろえ、期首か期末かを添えます。期中に入退社があった課では、分母を書かないまま比率だけを出すと、面接で数え直しが起きます。順位や比率に分母と期間を付ける型は表彰歴・社内順位の職務経歴書で扱っています。
離職率は、扱いに注意が必要な数字です。前職の課で退職が続いた事実を隠すと、在籍期間と人数の推移から推測されることがあります。書くなら、就任時点の状態と自分が打った手をセットにします。「前年2名が退職した課を引き継ぎ、週次の商談レビューと月1回の個別面談を再開して、直近1年は退職0名」(記入例)と書けば、数字の悪い年が自分の着任前だったことと、改善の手が具体的であることが同時に伝わります。逆に、自分の在任中に離職が増えた場合は、離職率を書かずに、育成と定着以外の実績(予算達成、新規チャネルの立ち上げ)を前に出す選び方もあります。
メンバーの育成に注力し、チーム全体の底上げを図りました。多くのメンバーが目標を達成できるようになりました。(記入例)
何人が何人になったのかが無く、育成の手段も書かれていません。同じ文を、成果が出なかった管理職も書けてしまいます。
個人目標を達成した課員は、就任前の期首8名中3名(37.5%)から、期末8名中6名(75%)に増えました。手段は、週次の商談レビューでの案件の絞り込みと、新任者向けの引き継ぎ手順書・想定問答の整備で、新任者が初受注に至るまでの期間は平均5.0か月から3.0か月へ40%短縮しています(記入例)
分母のそろった比率が前後で並び、手段が2つ具体的に書かれています。(5.0−3.0)÷5.0=40%と、短縮率もその場で確かめられます(いずれも記入例)。
育成の欄には、社内の評価記号が紛れ込みやすいという注意点があります。「Aランク人材を3名輩出」「S評価2名」(いずれも記入例)と書いても、等級の刻み方が会社ごとに違うため、外からは何人がどこまで伸びたのかが読めません。人事評価の記号は、目標達成メンバー比率・昇進した人数・立ち上がり期間のように、分母のある数字へ置き換えます。「ヨミ会」「AB案件」といった会議名やKPIを一般語へ直す手順は社内用語・社内KPIを翻訳する職務経歴書にまとめています。
主任・課長・部長は、どこで書き分けるか
職責範囲を「予実の管理まで」「予算の策定まで」「戦略・制度の設計まで」の3段で線引きし、階層ごとに分母を変えます。役職名は会社ごとに幅があるため、名前だけを書いても重さは伝わりません。読み手が知りたいのは、与えられた目標を守った人か、目標そのものを作った人か、組織のかたちを変えた人かの区別です。
| 階層 | 職責範囲 | 分母と主指標 | 書き方(記入例) |
|---|---|---|---|
| 主任・リーダー(部下0〜3名) | 自分の数字+後輩の指導。予算の管理権はない | 個人達成率とチーム目標達成率の並記 | 後輩2名の指導担当。個人達成率112%、チーム目標達成率105% |
| 課長・営業マネージャー | 与えられた課予算の予実管理、要員配置、評価 | 課予算・課員数 | 課員8名、課予算2億4,000万円に対し達成率108% |
| 部長・本部長 | 部予算の策定、課長の育成、組織再編、制度設計 | 部予算・課数・課長数・総員 | 4課・課長4名・総員36名、部予算9億6,000万円に対し実績10億800万円(105%) |
| 拠点長(営業所長・支店長) | 拠点の損益、採用、労務、安全・コンプライアンス | 拠点売上・粗利・営業利益・拠点人員 | 所員14名、拠点売上3億6,000万円(達成率109%) |
| SV・エリアマネージャー | 担当店舗・加盟店の運営指導。人事権は店舗側 | 担当店舗数・店舗指標 | 担当18店、担当店売上 前年比106% |
主任・リーダーで詰まるのは、正式な役職ではない場合の書き方です。「新人指導担当」「プロジェクトリーダー」「サブリーダー」は、辞令が出ていなければ役職欄に役職名として書けませんが、担った役割としては書けます。書き方は「後輩2名の指導担当(正式な役職ではありません)」(記入例)のように、事実と肩書の有無を1行に収める形です。部下0名でも、個人達成率とチーム目標達成率を並べれば「プレイヤーとして強く、半歩マネジメントに踏み出している人」として読まれます。
部長・本部長で詰まるのは、実績が部門合算になり、自分が変えたことが見えなくなる点です。予算の達成率だけを並べると課長の書類と区別がつきません。書くべきは、予算策定額(翌期の部予算10億5,000万円を策定し役員会で承認、記入例)、課長の育成(配下の課長4名のうち2名は自部門のメンバーから課長へ昇進、記入例)、組織や制度に手を入れた実績(インサイドセールス専任チームの新設、評価指標への商談化数の追加)です。経歴が長くなる階層なので、直近10年を厚く書き、それ以前は1行にまとめます。
昇進は書く、昇格は書かない
役職が変わることを昇進、社内の等級や資格が上がることを昇格と呼び分けるのが一般的です。職歴欄に書くのは前者で、等級だけが上がった昇格は原則書きません。異動と同時に役職に就いた場合は、異動の事実を主にして役職の変更を括弧で添える形(〇〇支店営業部へ異動(課長昇進)、記入例)が読み違えられません。職務経歴書では、役職名と就任年月を所属の行に置き(営業第一部 第2課 課長 ○○○○年○月 昇進、記入例)、履歴書の職歴欄には会社ごとの入退社と役職の変更だけを残すと、2枚の書類が食い違いません。
降格や、役職を外れて再びプレイヤーに戻った期間がある場合も、事実として書きます。組織改編で課が統合された、拠点閉鎖で本社に戻った、といった理由は1行で足ります。理由を書かずに役職だけが消えていると、読み手は最も悪い可能性を想像します。役職が変わった年月と、その理由の1行を残しておけば、経歴に空白ができません。
拠点長・SVは、どの数字で規模を示すか
拠点長は売上ではなく拠点の損益と人員で、SVは担当店舗数と店舗側の指標で規模を示します。課長との違いは、責任範囲が売上の外側まで広がることです。拠点長は人件費と拠点経費を含む損益を持ち、採用・労務・安全・コンプライアンスまで見ます。SVは売上そのものが加盟店や取引店のものなので、自分の成果は店舗の数字の「変化」として書きます。
| 項目 | 拠点長(営業所長・支店長) | SV・エリアマネージャー |
|---|---|---|
| 規模の行 | 所員14名(営業9名・営業事務3名・配送2名) | 担当18店(直営12店・加盟6店) |
| 売上 | 拠点売上3億6,000万円(予算3億3,000万円・達成率109%) | 担当店舗の売上 前年比106% |
| 利益 | 拠点粗利8,640万円(粗利率24.0%)、拠点営業利益2,160万円(営業利益率6.0%) | 粗利率24.5%→26.0%(1.5ポイント改善) |
| 組織内の位置 | 全国22拠点中4位(売上・通年) | 担当エリア6名のSV中2位(担当店平均前年比) |
| 人の指標 | 拠点の採用4名、退職1名(在籍14名に対し7.1%) | 店舗スタッフの1年定着率 72%→84% |
| 固有の実績 | 赴任期間3年、拠点の移転と要員再配置を実施 | 新店の立ち上げ3店、巡回 1店あたり月2回(年間432回) |
| 責任の広さ | 労務管理、安全衛生、与信・債権管理 | オーナーとの契約更新、販促・棚割の提案 |
拠点の損益を書くときは、粗利と営業利益のどちらまで責任を持っていたかを明示します。売上だけを持つ拠点長と、人件費まで含めた営業利益を持つ拠点長では、任せられる範囲が違います。3億6,000万円×24.0%=8,640万円、3億6,000万円×6.0%=2,160万円という関係が行の中で確かめられるようにしておくと、面接で利益率を聞かれてもそのまま答えられます(いずれも記入例)。拠点の数字が本社の施策や地域の市場環境によるものではないかという疑いには、「全国22拠点中4位」(記入例)のように分母付きの順位で答えます。
SVで問題になるのは、店舗の売上が自分のものではないことです。前年比・粗利率・定着率のように「変化」で書き、変化を起こした手(棚割の変更提案、発注精度の改善、店長への面談の定例化)を1行添えます。担当18店の巡回を1店あたり月2回で回すと年間432回になり、18店×2回×12か月という計算が読み手にも追えます(記入例)。フランチャイズ本部の加盟店開発や、加盟店を代理店として扱う売り方の型は代理店営業・パートナーセールスの職務経歴書で扱っています。既存の取引先を維持しながら数字を伸ばす動き方そのものはルート営業・既存深耕の職務経歴書にまとめています。
営業所長として、営業所の売上を前年比110%に伸ばしました。所員は14名です。(記入例)
売上と人数しかなく、利益の責任を持っていたのか、採用や労務まで見ていたのかが分かりません。市場が伸びた年の110%なのかも判断できません(いずれも記入例)。
〇〇営業所 所長(所員14名:営業9名・営業事務3名・配送2名)。拠点売上3億6,000万円(予算3億3,000万円・達成率109%)、拠点粗利8,640万円(粗利率24.0%)、拠点営業利益2,160万円(営業利益率6.0%)。全国22拠点中4位。拠点採用4名、退職1名(在籍14名に対し7.1%)。赴任期間3年(記入例)
損益・人員・順位・採用・定着が1か所にそろい、責任範囲が営業利益までであることが読み取れます。9+3+2=14名、3億6,000万円×6.0%=2,160万円と、内訳と利益の計算が合っています(いずれも記入例)。
よくある質問
部下が1名しかいません。マネジメント経験として書いてよいですか?
書けます。人数の少なさは、預かった予算と担当領域、そして育成の中身で補います。「部下1名(中途入社・営業未経験)を受け入れ、初受注まで4か月、2年目に個人目標を達成」(記入例)のように、1名に何をしたかを工程で書けば、8名を見た人と同じ土俵で読まれます。人数が少ないほど、目標達成メンバー比率のような比率ではなく、その1名の立ち上がりの過程を具体的に書くほうが効きます。採用の一次面接や、新人向けの手順書の整備など、人数の外にあるマネジメント業務も同じ欄に並べます。
管理職からプレイヤーの求人に応募します。職務要約はどう変えますか?
職務要約の1行目を、管理職の規模ではなく「売れる人であること」から始めます。プレイングマネージャーとして自分でも数字を持っていた場合は、個人目標の達成率と担当顧客の規模を先に置き、マネジメント実績は3行目以降にまとめます。職務経歴欄の中身は変えず、順番と分量だけを入れ替えるのが安全です。実績を削ってしまうと、なぜ管理職を離れるのかという疑問に、書類の中で答えられなくなります。プレイヤーに戻る理由(現場の商談に戻りたい、専門領域を深めたい)は、志望動機ではなく職務要約の最後の1行に置くと、経歴の流れとして読まれます。
チーム予算を達成できなかった年があります。書かないほうがよいですか?
直近3年度の達成率を並べる形にすると、未達の年だけを隠すことはできません。未達の年は、数字と一緒に外部要因と打った手を1行で添えます。「主要顧客の設備投資凍結で課予算の12%を失い、既存顧客の保守契約の巻き取りで8%を回収、達成率96%」(記入例)のように書けば、原因の分析と対処ができる管理職として読まれます。未達年度の書き方は目標未達・成績が悪いときの職務経歴書で扱っています。
個人の売上目標がなく、チームの予算しか持っていませんでした。
個人ブロックは無理に作らず、【マネジメント実績】1つで構成します。純粋なマネージャーであることは弱みではありません。代わりに、自分が直接動いた場面(重要顧客への役員同行、条件交渉のクロージング、失注案件の巻き返し)を件数で書き、チームの数字とは別の行に置きます。「同行商談 年96件、うち受注21件」「価格交渉の最終決裁として年間34件に関与」(いずれも記入例)のような行が、個人実績の代わりになります。
プレイングマネージャーだったことを、どこまで前に出すべきですか?
応募先が管理職を探しているなら、マネジメント実績を先に置き、個人実績は比率を添えて後ろに回します。応募先が営業の即戦力を探しているなら順序を逆にします。どちらの場合も、稼働配分(マネジメント約7割・個人営業約3割、記入例)の1行は残します。兼任していた事実そのものより、どちらにどれだけ時間を割いていたかのほうが、入社後の働き方を想像する材料になります。
役職名が社内独自で、外から重さが分かりません。
役職名に相当職と人数を括弧で添えます。「ユニット長(課長相当・課員8名)」「GM(部長相当・4課36名)」(いずれも記入例)のように書けば、社内の呼び名をそのまま残しつつ、組織の中の位置が伝わります。等級名がそのまま呼称になっている会社では、同じ「マネージャー」でも会社によって主任相当から部長相当まで幅があるため、人数と予算を必ず並べます。社内語の言い換えは社内用語・社内KPIを翻訳する職務経歴書にまとめています。
参照した情報
- ハローワークインターネットサービス「履歴書・職務経歴書の書き方」 — 確認日 2026年9月6日
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記事内の数値について 売上・件数・達成率・順位などの数値はすべて記入例です。当社サービスの実績や、特定の個人の経歴ではありません。
制作方法 構成と下書きに生成AIを使い、当社の担当者が数値の検算、入力フォームの欄名・並びとの整合、参照情報との照合を行っています。詳しくは編集方針に記載しています。
更新 公開 /最終更新 。記入例・表・結論を変えたときだけ最終更新日を上げています。募集要項に指定がある場合は、そちらが優先されます。